プロローグ
俺は今城壁の工事をしている。金払いはいい。大きな岩を一人で持ち上げるそして積み上げていく。現場監督の指示のもと進める。工事は着々と進んでいた今日もノルマを終えて、次の仕事へと赴く、昼前には終わったので、あと一仕事できるな。いや、掃除依頼ならあと何件か受けられるな。良しギルドに行こう!
「掃除依頼を受けたい」グラン
「グランさんそろそろ討伐依頼を受けてみませんか?」アリア
「アリアちゃん雑用依頼も大切にしないと駄目だよ?」グラン
「そうですけど!!もったいなさすぎですよ!!?グランさんは高ランク冒険者になれるお素質があるのに!!!」アリア
「ははは、ないない、夢見ちゃぁいかんよアリアちゃん、世の中そんな甘くはないよ」グラン
「ふざけないでください!!!これはギルドの損失です!!?ギルマスに報告しますからね!!?」アリア
「ちょちょちょっと!!?それは良くない、おじさんをいじめないでくれないか!?アリアちゃん、そういう夢はガリウス君に任せとけばいいんだって?ね?そう思うでしょ?」グラン
「思いません!!これからはビシバシ討伐依頼を受けて、頑張ってもらわないと!!」アリア
「あ!」グラン
「なんですか?」アリア
「そう言う事を黙っててくれる優秀な受付嬢さんにプレゼントがあったんだけどなぁ~?チラチラ」グラン
「な、何ですか!?そのプレゼントとやらは・・・・」アリア
「それは言えないけど、アリアちゃんは喜んでくれる気がするんだよなぁ~?」グラン
「わ、分りました。このことは私の胸に留めときましょう」アリア
「よかったぁ~、ここにあのお菓子屋さんメイプルのクッキーの詰め合わせがあったんだ~、よかったよかった」グラン
「なんで雑用依頼しか受けないグランさんがメイプルの高級クッキーを持ってるんです!!!!?」アリア
「ふふふ、それは秘密の伝手があるのです」グラン
「ぐっ!なぜそんな伝手を!!?いいでしょう私は秘密は守る女です!!」アリア
「お受け取り下さい」グラン
「こ、これが・・・・・クッキー!!ゴクリ・・・・」アリア
「では、掃除依頼受理お願いしますね?」グラン
「はい・・・・・」アリア
ふぅ何とか乗り切った。俺は面倒ごとはごめんだ、っとと、行かなきゃ!おばあちゃんちのお掃除依頼とその他2件だな。どこも安いがそんな広くない、まあここは王都だしな、そんな広い家の人は元から使用人なんかがいるので大丈夫だろう。俺には魔法がある、ぱっぱと終わらせて、美味しいご飯でも食べよう。
「ふぅ終わったぁ!!」
俺の宿は宿り木亭という宿だ、まあ、でも、普通の部屋じゃなく、馬小屋を借りている。どうせ商人なんかはもっといい宿に泊まるからだ。たまに行商のあんちゃんたちが泊まることはあるがな。それでも冒険者のほうが圧倒的に多い。俺は帰って風呂に入る、と言っても魔法で作った水球のお風呂だ、巨大にして入っている。
「グランさん!!!きゃ!!!なんで裸なんですか!!!?」アリス
「あ~悪い悪いお風呂に入ってたんだぁ、ふぅ~」グラン
「か、かくしてください!!?」アリス
「いや、だって恥ずかしがるのもなんか違うし・・・・それにめっちゃガン見してない?」グラン
「してないです!!」アリス
「いや、手の隙間からめっちゃ見えてるよ?それで何の用?」グラン
「は、はい、今日は終わるのが速かったみたいなんでお父さんが手伝ってほしいって、言ってました・・・・・・・・」アリス
「わかったよ、上がったら行くから!!」グラン
「・・・・・・・・」アリス
「なんでいかないの?」グラン
「ハッ!!私もお風呂入りたいです!!あとで入らせて下さい!!!」アリス
「いいよ~・・・・ほらいかないと、お父さん待ってるよ?」グラン
「は、はい!!」アリス
「いつまで見てるのさ?そんなに珍しい?」グラン
「うひゃい!!じゃあ!!」アリス
そしてグランは厨房へと向かった。
「おう、来たか」ガープ
「はい、なにつくるんですか?」グラン
「ああ、今日はスープとパンにしようと思ってる」ガープ
「へぇ~、トマトスープですか?」グラン
「トマトスープ?トマトなんかスープに合うのか?」ガープ
「たぶん合うと思いますけど・・・・」グラン
「やって見てくれ、俺も手伝う」ガープ
「逆じゃないですか?いいですけど・・・・」グラン
「お前さんはこういうのが上手いからな、任せる」ガープ
「了解です、じゃあ普通のスープ作ってもらえますか?」グラン
「おう、旨くなかったら・・・・わかってるな?」ガープ
「脅しですか!!?」グラン
「お前さんアリスになんかしたか?」ガープ
「いえ、何にも、あ・・・・」グラン
「なんだ?それは?何か思い当たるのか?なんか今日はやけに顔が赤くてぼーっとしてたみたいだからよ」ガープ
「裸を見られました・・・・」グラン
「なんだそんな事か・・・・あいつも初心だな、はっはっはっは!」ガープ
「笑う所ですか?」グラン
「なぁに、大きくなったって証拠よ!気にすんじゃねぇ!!!がっはっはっは!お前さんが貰ってくれりゃあこの宿も安泰なんだがな!!」ガープ
「年が離れすぎでしょう?」グラン
「そんなこたぁねぇさ!!もっと年の差のある夫婦だっているさ!!」ガープ
「それはそうですけど・・・・・アリスちゃんの気持ちもありますし、親父さんが決めることじゃあないでしょう?」グラン
「まあな!!いいと思うんだがなぁ!!」ガープ
「できましたね」グラン
「ああ、こりゃあ旨いな!!トマトがこんなに旨かったなんてな!!知らなかったぜ!!」ガープ
「あまりもの貰っていいですか?イモと油、貰います。」グラン
「おう!旨いもんなら俺らにも分けてくれ!!」ガープ
「はい、多分好きになると思います」グラン
「おお!じゃあ沢山作ってくれ!!」ガープ
「はい、あるだけ作りますよ」グラン
「ほう?簡単そうだな?スープといい俺でも作れそうだ」ガープ
「まあ、温度さえ気をつければ簡単ですよ」グラン
「どれ一つ、旨い!!こりゃあエールに合うな!!」ガープ
「お父さん何騒いでるの?」アリス
「おお、アリスか、このイモが旨いから食ってみろ」ガープ
「ほんとだ美味しい!グランさんが作ったの!!?」アリス
「ああ、そうだよ。気に入った?」グラン
「気に入った!!お母さん呼んでくる!!」アリス
「あらあら私がどうかした?」アリシア
「あ!お母さん!!これ美味しいんだよ!!」アリス
「そうなの?あら、ほんと!美味しいわ!!グランさんね?」アリシア
「はい、まあ、そうです」グラン
「ありがとうございます、うちの宿に貢献していただいて、どうかアリスをよろしくお願いしますね?」アリシア
「お母さん!!!?」アリス
「ほらほら、アリスちゃんがやがってますよ?」グラン
「これは嫌がってるんじゃなくて―――――」アリシア
「お母さん!!!!!怒るよ!!!」アリス
「あらあら、恥ずかしがっちゃって」アリシア
「お母さんの分残してあげないんだから!!!」アリス
「ご、ごめんなさいアリスそれは許して?」アリシア
「ふふん!わかればいいのよ!」アリス
そのあと冒険者や客が来て混み始めた、俺は、馬小屋に戻ってご飯を食べる、フライドポテトとエールだ。エールはキンキンに冷やしゴクゴクと飲み干す。馬小屋は広いので歌を歌いながら楽しく、ご飯を食べる。パンは固いがトマトスープに浸すと食べれる柔さになった、旨い、染みこんで、ぱさぱさだったパンが食べやすい。婆さんに貰ったカキを食べよう、皮をむく、俺はナイフも携帯している。まあ、全部アイテムボックスに入ってるんだが・・・・。旨いな・・・・・ちょっと渋柿っぽいが甘さもある。干し柿にしても美味いだろう、分らんが・・・・・・。確か渋い柿がいいらしかったけど・・・・まあやって見ればわかることだ。
俺は食器を返して、ふっかふかの藁の山にダイブした。いい匂い、寝るかぁ。
「グランさん!!グランさん!!お風呂!お風呂!!」アリス
「ああ、アリスちゃんか・・・悪い寝かせてくれ」グラン
「ちょっと話が違いますよ!!?グランさん!!!?起きて!!!」アリス
「はいはい、わかったわかった」グラン
「いやいや!!寝てるじゃないですか!!!?ふざけないでください!!」アリス
「ふぁ~あ、わかったよ、どこに出せばいいんだ?」グラン
「グランさんから見えないところ!!」アリス
「おいおい頓智か?土壁でいいか・・・」グラン
「のぞかないでくださいね!!?絶対のぞかないでくださいよ!!?」アリス
「なんだ、覗いて欲しいのか?」グラン
「な、な、なんでそうなるんですか!!!?」アリス
「いや、わざと言ってるのかと思って、覗かないよ、子供の身体なんて」グラン
「子供!!!!?覗いて下さい!!!女をわからせてあげます!!!」アリス
「他の冒険者が寄ってくるぞ?」グラン
「そ、それは、グランさんのバカ~!!!」アリス
「入った入った」グラン
「ちょっとくらい覗いてもいいんですからね?」アリス
「はいはいのぞくのぞく」グラン
「ちょっとなんでテキトーになるんですか?」アリス
「あ、俺、娼館行くの忘れてた」グラン
「ちょっと!!?どういう事ですか!!?お気に入りの子がいるんですか!?」アリス
「そうそう、また行くって約束しちゃったしな・・・いかないと、アリスちゃん終わったらそのまま帰って良いから!!」グラン
「ちょっと、私が襲われたらどうするんですか!!!?私冒険者に人気なんですけど!!!?」アリス
「大丈夫大丈夫」グラン
「いや~!!だめぇ~!!行かないで~!!私を捨てる気ですか!!!」アリス
「人聞き悪いな!わかったから、裸のままこっちに来ないの!わかったから!」グラン
「ふふふ、私の裸に興奮しちゃったんですね?娼館に行かなくても私が相手してあげます!」アリス
「そういうのはまだ早いって!」グラン
「へぇ~目のやり場に困ってるんですかぁ~子供だっていったのにぃ~」アリス
「わかったから!!ごめんてば!俺が悪かったよ!」グラン
「ふふん、これでグランさんも私の女の魅力がわかったってことね?」アリス
「わかったわかったから、もうそう言う事はやめようね?娼館ってのは嘘だから」グラン
「なんで嘘なんかつくんですか!?」アリス
「何となく見栄を張って見たくなって・・・・」グラン
「わかりました、今回は許してあげます」アリス
「なんでぇ?俺悪い事してなくない?」グラン
「しました、女心を弄びました、これは重罪です」アリス
「す、すみませんでした・・・俺用事があるんで、早めに入ってもらっていいですか?」グラン
「いいでしょう。用事ですか?はいわかりました」アリス
「ちゃっちゃと洗っちゃいましょう!それ!」グラン
「きゃあ!!勝手にお湯が!!?」アリス
「はい終わり、お湯につかってね暖まったら終わりだからね?」グラン
「気持ちいい~こんないい物グランさんは独り占めしてた何て~ずるいですぅ~」アリス
「人に知られると面倒だからね」グラン
「私の事面倒だって思ってたんですか!?」アリス
「ふふふ、秘密」グラン
「思ってたってことですか!!?ひどい!!」アリス
「ごめんごめん、見張ってないといけないのが面倒だった」グラン
「それは紳士の勤めです!!」アリス
「俺は紳士じゃないから、もう行くね!」グラン
「ちょっと本気じゃないですか!!?私が悪かったです!!いてください!!お願いします!」アリス
「はいはい、もう上がって?かわかすよ?」グラン
「ええ~、もうですか?もっと入りたいです!」アリス
「俺は用事があるのになぁ~」グラン
「わ、分りました、上がります!」アリス
「ありがとう、物分かりがいい子は大好きだよ?」グラン
「ふふふ、好きですかぁそんなに好きなら今夜どうです?」アリス
「何をおっしゃっているんだかワカリマセン」グラン
「なんでわからないんですかぁ~!?」アリス
「世の中そう言うものです・・・・」グラン
「都合がいい!!?」アリス
「ははは、乾かしますよ、温風」グラン
「あ、気持ちいい、一瞬で乾いて来た!!すごい!!」アリス
「それじゃあ着替えて戻ってね?」グラン
「用事って何ですか?」アリス
「そ、そ、そ、そりゃあ大人の用事ってやつでさぁ!!子供は寝る時間だぁ~、さあ帰った帰った!!」グラン
「グランさん?さっきは嘘だって言ってたじゃないですか?もしかして本当だったんですか?答えによっては承知しませんが?」アリス
「い、い、いやだな~お嬢!あっしは酒飲みに行くだけでさぁ~」グラン
「へぇ~じゃあ、うちで飲むのね?」アリス
「い、いや~他の店で飲みたいなぁ~、あ、あそこがいい!!決めた!」グラン
「うちで飲むのよね?」アリス
「あ!あそこがあった!!」グラン
「うちで飲むのよね?」アリス
「じ、実はですね、今日は大事な―――」グラン
「うちで飲むのよね?」アリス
「はい、飲ませていただきます!」グラン
「サービスしてあげる!」アリス
「はい・・・・・」グラン
グランの悶々とした夜はふけていった。