ロイ・マクエル受難の日々⑤
今回のお話は最初からアクセル全開です!違うお話ではありません。念の為。
第27話
「ハウンズ家の試練 バーバリー」
「はあ、はあ、はぁ、はあっ、あうっ・・・」
「はっ、はっ、はっ、はぁっ、はぁう・・・」
狭い室内に男女の吐息とも喘ぎともつかない息遣いが、規則正しく続いている。
スタンピ・バーバリーの美しく引き締まった肉体が上下に揺れ、その度に珠のような汗が空中に美しく舞う。
一方のロイ・マクエルはだらしなく口を半開きに開きながら、恍惚とした表情を浮かべている。激しく身体を上下させバーバリーの捩れる腰付き、乱れる美しい髪を眺めていた。少し嗜虐的な気持ちになり、まだまだ終われない。と、さらに腰の上下運動を加速させる。
「ま、まだ、続ける、、のか?も、もう限界だが?無理をするとこ、壊れちゃうっ、はぁ、はぁ、はぁ、あっ」
バーバリーの泣き言めいた言葉を聞いたロイは半開きの口を醜悪に歪め、悩ましげな腰使いを舐め回す様に見つめながら言い放つ。
「あ、あなたが、限界ならじ、じっとしてるとい、いい。す、好きにヤラせても、貰う」
ロイは潤んだ瞳で中断を懇願するバーバリーを冷たく突き放すと、更に激しく腰と身体を上下させた。
「はうっ、あっ、あっ、ああっ、ああっっ〜」
バーバリーは上半身を大きく捩らせると甲高く喘いだ声を上げ、倒れ込んだ。身体がビクっ、ビクっと痙攣している。淫靡に歪んだ口からはトロリと艶めかしい涎がたれる。
「も、もうお終いかい?やはりお、お嬢様だけあってく、口ほどにもない。こ、この程度ではイキり立つ僕を大人しくはさ、させられない」
ロイ・マクエルはギンギンにイキり立ちながら美しい伯爵令嬢、スタンピ・バーバリーを見下ろしていた。
フゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーー。
終わった。熱すぎる対決が、ようやくここに決着をみた。僕、ハウンズ家末弟ロイ・マクエルの完全勝利だ!ダー!無意識に僕は両腕を挙げていた。燃える闘魂!
・・・・・・・それなのになんだろう、みんなの視線がやけに痛い。勝利者に向けるソレじゃない。なんだか汚物でも見るかの様な感じだ。確かに互いにヒートアップして揃っておかしな事を口走った様な気もするが、そんな無機質な目で見なくてもよくなくない?僕はこの勝負でハウンズ家の秘密を守ったんだよ?世紀末じゃないけど救世主伝説だよ。扱いハート様より悪くない?ひでえよ〜。誰だよハート様って。
ハウンズ家の鍛錬室に於いて2時間半にも及んだ、名付けて【スクワット限界耐久レース】は僕の勝利で幕を下ろした。レースを終えた僕が鍛錬室から出て来ると、白い目を向けていた女性陣が僕からサッと距離を取る。5メートルは離れたな。これじゃまるで危険人物扱いだ、私の顔色が悪く見えるか?止めて!鬼にしないで!助けて炭○郎!
次いでじいちゃんを見ると荒い息で窓からバーバリーさんをガン見している。・・・何やってんの、じいちゃん。喘いでいる16歳の女の子をガン見とかパーペキ変質者ですよ?憲兵隊の皆さんコッチです。
ガン見を僕に見られているのが判ったのか軽く咳払いするとコッチを向いてグッとサムズアップする。意味わからん?仲魔扱いは止めてね?コンゴトモヨロシク。
大体そもそもがこの勝負、僕がバーバリーさんから挑まれた形で応じただけなのだ。そして男前に勝利を掴んだ筈なのに、何故か僕の理想とする勝利者の姿とは正反対になっている気がする。なにこのみんなの軽蔑の眼差し・・・。
何故こんなおかしな勝負をする事になってしまったのか?それは3時間余り前のハウンズ家の会議に遡らなければならない・・・・・・・・・。
ええはいそうです。僕の名誉のために遡ぼります。ドク、君の命が危ないんだ!違った、僕の名誉が危ないんだ!バック・トゥ・ザ、、、早く話すか。
───────3時間前、ハウンズ家会議室。
「・・・ではあの森林虎は本当にロイの飼い虎と云う事なんですね?人に危害を加えることはないんですね?」
「か、飼い虎じゃなくて、あの2頭は餌を上げてるので懐いているだけ。あと、僕以外の人間を本気で襲ったりし、しない。戯れるくらいしかしない」
僕はレイ兄とマーガレット姉、二人の兄姉に引き摺られる形で迷いの森からハウンズ本邸に帰って来ていた。勿論、じいちゃんも一緒だ。なんてこった!アッサリ家出終了。居心地悪いであります。
森林虎に関してはホントにたまたま居合わせただけだろう。この2頭は1年前に僕が命を奪った母虎の子供たちで、もう独り立ちしてるのに時々僕の手作り肉饅頭を貰いにやって来る。
僕のよく居たネグラを探している時に大勢の人間の気配を感じて遊ぼうと(コイツ等にとっては人間は僕のような遊び相手だと思っている)ハウンズ本邸前の集団に絡んで行ったんだろう。食い殺すつもりなんてなかったと思う。多分。
ハウンズ本邸の中庭に森林虎を待機させた後、僕たち4人は会議室に行くことになった。ハウンズ家で良く使う大広間の会議室には、ハウンズ家の長女、3女、3男、4男のロイ・マクエル。客人のスタンピ・バーバリー、そのお供の3人。執事が5名。使用人が10人で会議中となっている。
最初に危険な森林虎について議題にあがり、ハウンズ家長女ルイ・マリアンヌの質問に4男ロイ・マクエルが答えていた。
「ロイがそう言うなら大丈夫かしらね。と、ところであの〜〜〜、森林虎の動きがピタリと止まったじゃない?あの言葉、なんなの?静止の掛け声にしてはお下劣過ぎるのではないかしら。お姉ちゃんはそう思うんだけど?」
「ああ。う○このこと?2ヶ月前にトイレ中の僕をガチで襲って来たんで返り討ちにして、お仕置きでうんこを掴んで顔と鼻に擦り付けた事があったんだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ロイ以外の大広間にいる全員が、その説明に付いて行けず思考停止状態に陥っている。あの猛獣をトイレで返り討ち?お仕置きでう○こ?どこからツッコミを入れたらいいのか判らない。・・・いや、1人だけ含み笑いの人間がいて話は続いた。
「ほっほっほっ。それであの言葉を言うとあの2頭が大人しくなる理由か。非道いトラウマを植え付けて躾けたもんじゃの〜。動物虐待で憲兵に連れて行かれるぞ?ロイ。」
半笑いのじいちゃんがツッコミをくれる。良かった。ハウンズ家に恥をかかせたとかで、う○この糾弾がはじまるかと思った。う○こで怒られるとか冗談じゃない。僕はウンッと、いやホッと胸を撫で下ろす。ウンウン。良かった。
すると僕の対面に座っていた初めて見るお姉さん(かなりの美少女)が立ち上がり、口を開いた。
「じ、事情はどうあれ助けて貰ったのは事実。感謝します、ロイ・マクエル君。私はスタンピ・バーバリーと申します。初めまして」
「あ、あひ、は、初めまして。ロイ・マクエルです。じゅ、11歳。ど、童貞でし。です」
ああ〜。真っ直ぐにお礼を言って貰った。何年ぶりだろう。とても心地よい。顔だけでなく心まで純粋なお姉さんだ。だからこそ緊張して可笑しな自己紹介をしてしまった。痛恨の一撃!
ん?今スタンピ・バーバリーって言った?ここの人が?スタンピ・バーバリー伯爵令嬢?僕のお見合いの相手?めちゃくちゃ綺麗じゃないかぁ!!そそれにこの人、女武人だ。リリアーヌ先生思い出しちゃう。
儚く消えた僕の初恋。もし結婚していれば今頃ハウンズ家の資金を大投入して新婚旅行で世界を回っていたかもしれない。
・・・・・・・・・・・・・・はい。妄想乙。
「あの、ロイ君。その腰に佩いている剣、もしかして『無鳴剣』ではないかしら?リリアーヌ師、いやリリアーヌさんの持っていた」
「あ、は、はい!リリアーヌ先生を知ってるんですか!?今はリリアーヌ先生の形見の剣になりました・・・。えっと、見ますか?」
「え、見ていいがか!?是非見せて欲しい。いいかな。ロイ君」
凄い喰い付きに僕は腰の剣を外すと対面に座っていたバーバリーさんに慎重に手渡した。バーバリーさんは震える両手で其れを受け取る。
バーバリーさんはハウンズ家の皆に視線を送る。最後にルイ姉を見ているとコクリと頷かれたのでペコリと頭を下げた。
剣を持ってテーブルから2、3歩下がると剣を鞘からゆっくりと引き抜いた。そして自分の周囲を確認して剣を美しく廻す。さながら演舞のような美しさだ。流石に女武人さん。我流で人殺しの技を磨いていた僕とは全然違った。剣筋が完成されている。
見惚れていると頭の後ろを叩かれた。なんだ??僕の後ろにいる女執事の仕業か?初めて見る・・・あれ?若いな。何処かで見たような、見てないような・・・。わからん。
「有難う、ロイ君。黙って使わせてくれて」
「い、いえ。リリアーヌ先生もバーバリーさんに使ってもらえたなら喜んでると思います」
演舞を終えたバーバリーさんは剣を鞘に戻して丁寧に僕に返してくれた。・・・心なしか目が潤んでいる。気丈に笑う切なげな笑顔、なぜか胸を射たれた。女神降臨かよ。もう結婚したい。
イッデッ!!お尻に小剣の刃先が刺さってる!?後ろからツンツン刺されてる?何やってくれてるの、この女執事!?暗殺者なの?それとも心病んでるの?
堪らずルイ姉に視線を飛ばす。『コイツキケンスグオイダセ』と瞬きモールス信号を送る。するとルイ姉は『デレデレスンナコロスヨ』と返してきた。四面楚歌!!
「ロイ君。あとひとつお願いがある。一年前の襲撃事件、リリアーヌさんの最後の闘いの事を詳しく教えて欲しい。あの人は私の武芸の師匠で、あ、姉のような人だったんだ!頼む!この通りだ」
バーバリーさんは直立不動の姿勢から頭を下げる。声は真剣そのものだ。この話をすることは僕にとっても痛みを伴う、きっと家族もそうだ。僕の一存では決められない。
少し困って周りを見回すと3男のレイ兄が口を開いた
「ロイが決めたらいいと思う。あの事件で一番リリアーヌ先生に近かったのはオマエだし、一番ショックを受けたのもお前のはずだ。・・・だからお前が決めるべきだ」
「そうね、その通りよ。私達よりあなたの方がずっと先生について知ってるはずだから・・・あなたから話すべきね」
レイ兄の意見の後を継いだ、3女のマーガレッタ姉がその意見に同意する。
「二人の意見はわかりました、ロイ。あなたが良いならば、最後の先生の姿を。真実を。バーバリーさんに教えてあげなさい。リンネもそれでいいかしら?」
「マリアンヌ様とロイ様がそれでよろしいのならば私に異存はありません。私は直接関わってはいないので何も伝えることができませんが、秘密は厳守します」
マリアンヌ姉とリンネ?少しよく分からないが僕の後ろにいる女執事まで同意しちゃった。それなら仕方ないな。でも・・・・・。
「バ、バーバリーさん。みんなの了解もで出たことですから僕がお話しします。ただ・・・この問題は非常に繊細です。場合によっては聞いた人間の命が危険に晒されるかもしれません。なので」
『パチン』
マリアンヌ姉が指をパチンと鳴らしたら大広間からぞろぞろと使用人と執事たち、それと空気を読んだのかバーバリーさんのお供3人も部屋を出て行った。
この件で命を掛けても良い、と思える関係者のみがここに残るということなのだろう。だが1人微妙な人が残っている。ルイ姉の後ろにいる男執事だ。
「・・・私は確かに直接関係はない。だが、リリアーヌと私はギルドの養成所時代の同期だった。私も話を聞かせてほしい。ずっと胸につかえているんだ。頼む。いや、お願いする」
若いイケメン男の執事が残って深々と頭を下げる。雰囲気からわかるがこの人はかなり武芸に長けているようだ。イケメンで強い。僕の敵だな。教えたくない。勿論完全に私怨です。
「儂からひとつ意見いいかの?マリアンヌ。」
「はい。お祖父様の意見ならばどのようなことでもなんなりと。反論も異論もどうぞおっしゃってください」
マリアンヌ姉の『お祖父様』という言葉を聞いて二人の執事とバーバリーさんも少し驚いた顔をしている。そうだろうな。僕はガックリだ。あのじいちゃんやっぱりハウンズ家の人間だったのか。マリアンヌ姉が言うなら間違いない。でも間違いであって欲しかった。ボケ老人の痴呆症であって欲しかった。いつの間にか他人だと自己暗示を掛けていたようだ、やたらとショックが大きい。この悪夢は現実だった・・・。
「この事はハウンズ家にとっても秘中の秘じゃ。一家の安全にも関わる大事。部外者には簡単には教えられん。まあ、ただ、今回は全員の身元もわれておるし、一族の許可もある。儂の提案する勝負に勝てたらのなら、そこのお嬢さんとサラくん。だったかな?簡単に情報を漏らさない人物だとみて儂も許可しよう。どうじゃ、良いかの?マリアンヌ」
「承知しましたお祖父様。ふたりは如何ですか?」
「分かりました。挑戦いたしますわ」
「こちらも承知した。その勝負、やりましょう」
僕は嘆息する。二人の熱意は良く分かる。だがリリアーヌ先生の死に様は話すのが辛い。僕も完全に切り替えられた訳じゃない、知らなくていい真実もあると思うのだ。きっとこの真実は2人の心を酷く傷つけるだろう。
いっそのことじいちゃんに無理難題の勝負を振られて諦める方がいいのかもしれない。この人の強さはもう『チート』だ。『SSS クラス』だ。一人だけ『生まれ変わったら〜』の転生キャラだ。この人と競うとかなら常人では達成不可能な領域になるだろう。其れがいいのかもしれない。余計な哀しみを抱えなくて済む。
なんだかバーバリーさんがかわいそうになってきたな。僕が慰めてるうちに恋が芽生えるとかになったりして。もういっそ僕と駆け落ちしませんか?駄目だ。ストーカーの思考になってきてる。
「うむ良い覚悟じゃ。ところでそこのお嬢さんお主の最も自信のあるものは何かな」
いきなりじじいがバーバリーさんに話を振った。おい。未来の妻に無理は言うな。・・・待て待て、なんだか考えが支離滅裂になってきてるぞ。大事なのは辛い真実は知らない方がいいと云う事なんだ。じいちゃんに負かされて知らないままの方がいい。イケメン執事は知らん。
「あ、私は槍を。いえ、体力です。体力だけは昔から誰にも遅れをとったことがありません」
「ふむふむ体力か。良いぞ良いぞ。そこの若い執事君。君はどうじゃ?」
「私は、棒をいささか使います」
「成程なるほど、棒術か。その手、腕、なかなか確かな腕前ようじゃな。良いぞ良いぞ」
体力と棒術か。どっちも身体を使うな、それで良い。どっちもとてもじゃないがこの化け物じいちゃんの相手になるとは思えない。それぐらいにこのジジイはおかしいのだ。1ヶ月一緒に暮らした僕には分かる。もはや人ではない。早く拳を天につきだして昇天してほしい。その年だからもう我が生涯に一片の悔いもないだろう、早く逝け。天に帰れ。
「さてさてではロイ。何をぼーっとしておるのじゃサッサと立たんか。」
「?。なんだよじいちゃん。なにか用?やり合うんだろ。見学しとくよ」
「お前は阿保か?儂がやる訳無かろう。二人の勝負の相手はお前がするんじゃ。」
「キ、キ、キ、キターーーーーーーーー!!!いやぁ薄々ね。感じてました。そうゆうフリ。丸投げ。見事だね。こうゆう大人になりたい。楽でいいやホント!」
『シュガガガガガ!キ、キ、キ、キン、キン!』
5本ばかりの手投げ剣がじいちゃんから飛んでくる。超至近距離!僕は腰に佩いている無鳴剣を瞬時に抜き放つとすべて床に叩き落とした。と思ったが、1本が捉え切れず腹に突き立つ。死んだ。・・・・・・・いやこれ刃がない。刃が潰された剣だ。ふーっと息を吐く。
じいちゃん指導の呼吸法で剣が突き刺さらないようにしたけれどまだ未熟なので不安があった。ナマクラ刃で助かった。
「バッカモン!!ロイ!貴様は心の声が丸聞こえじゃ!まずはお嬢ちゃんの体力勝負からだ。更衣室で薄着になって鍛錬室に皆で集合じゃ。よいの?」
え?それじゃみんな下がらせた意味ねえじゃん。マリアンヌ姉、無駄パチンだったな。と、一人で空気にツッコミを入れた。現実逃避中。
・・・・・・・・・そうして冒頭の鍛錬室でのスクワット耐久レースに繋がっていきました。結局はバーバリーさんは2時間半で立てなくなりダウン。ふー、疲れた。あと、人には言い難いのだがなぜかちょっとその、ギンギンになっている。何処がって。男子の前屈みでわかるっしょ?なんでだ?ヘトヘトなのにギンギンとか。僕やばくない?
僕の前屈みに気が付いたマリアンヌ姉が僕への白い目を止めてじいちゃんに声を掛ける。雪女もかくやと云わんばかりの氷の様に冷たい声色になっている。
「お祖父様。体力勝負の前に二人に飲ませた丸薬は、なんですの?確か筋肉増強と疲労回復効果があると。・・・・・・それだけですか?」
「・・・・・・・・・ほっほっ、媚薬的なのも入っとったかの。頭と身体をアッチの方向に傾ける効果大でな。それはそれで面白い事になるかと思うての。どうせ婚約するんじゃし良いじゃろ?ほっほっほっ!おおっと!」
至近距離から繰り出された女3人組 (ルイ・リリ・リンネ)のビンタをなんなく躱したじいちゃんはニカリと笑う。
「さてさて次の勝負と行こうかの。いつまで屈んどるんじゃ。サッサと立たんか!」
そう言ってじいちゃんは僕の片手を強引に引っ張り上げる!!え?嘘!すぐやるの?マジで?
「ま!待って、待って!じいちゃん!ホントやばいから18禁になっちゃうから!駄目だってホントにぃぃぃぃぃ!!」
僕の静止の声は届く事はなく、背筋が伸ばされる。熱く剥き出しになる僕自身。
wow!!hello!bigboy!
同時に何故か顔を手で隠しつつも、指を大きく開けている女性陣の悲鳴とも嬌声ともつかない声がハウンズ本邸にひびいた。その手って、隠してる意味なくね?
このとんでもなくハレンチな出来事は『ハウンズ家ビッグボーイ事件』と暫く語り継がれる事になった。
・・・僕完全に被害者じゃん。もう死にたい。
最後までお読み頂きお疲れ様でした。
今回はとうとう7000字。長くてすいません。




