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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第四章『ボタン』

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大灰刀『回天』

前回のあらすじ

・シロvsグレートウルフ

・カリンの指示が鬼畜の所業

「それじゃ、シロ。頑張って」


「はい!」


 アルテラ平原のボス、『グレートウルフ』を倒したことで手に入れた『灰狼の爪』を使って、カリンに作ってもらった新武器、大灰刀『回天(かいてん)』を構えたシロが、怯えることもなくゆっくりと進んでいく。

 武器以外の装備は、ゲーム開始時のままの初期装備。

 まあ、狼を倒してから、リアル一日しか経ってないことを考えれば……武器ができてるだけでもすごいこと、らしい。


「ま、シロだったら、武器を新調するだけで勝てるでしょ」


 私なんて、素手で倒しちゃったくらいだしねー。

 狙いさえしっかりつけられるなら、あとはのんびり回避してればいいだけだし。


「グラァァァ!」


 そんなことを考えていたら、部屋の中央に大きなモンスターが姿を表した。

 今日の予定は、シロを第二層に連れていくこと。


 つまり、そう、黒サソリだ。



「グラァァァァ! ……グラァァァ……」


「なんか今日のサソリ、元気ないね」


「グラ、グラァァ……」


 両手のハサミを持ち上げて、威嚇のポーズをするも、なんか視線のような気配が私の方をチクッチクッと……まるでチラ見してるみたいな感じに突き刺さる。

 ……なにか用?

 シロも、相手の様子がおかしいのが気になるのか、手を出すのを悩んでる感じだねー。


「まあでも、今日は観戦だし……」


 よっこいせっと、部屋の壁際に座り込んで、ボーッとしてみれば、黒サソリからの視線がまたしても突き刺さる。

 その視線をしばらく無視していると、黒サソリは「グラ……?」と小さく鳴いて、気を取り直すように「グラァァァ!」と大きく鳴いた。

 なんなんだお前は。


「そろそろよろしいでしょうか?」


「グラァ!」


「では、よろしくお願い致します」


「……グラァ」


 威嚇をものともせず、優雅に頭を下げるシロに、黒サソリもなぜか頭を下げたように一瞬身を低くする。

 ……そんなモンスターだったっけ……?


「参ります! ――ハッ!」


「グラァァァ!」


 右上から斬り落とすように動いた刃を、黒サソリはハサミで防いで、返すようにもう片方のハサミを繰り出す。

 それをスルリと回るようにして避けたシロは、流れるようにハサミの根本を斬り裂いた。

 やっぱり楽勝っぽいねー。


「……でも、サソリってあんな動きしてたっけ? この間よりも強くなってるような?」


 いや、もしかするとしてたのかもしれない。

 ただ、私が全部潰しちゃったから……。

 なんかごめんねー。


「今です、【薙刀術】『紅葉突(くれはづき)』」


「グラッ!」


 ハサミを引いた一瞬の隙を突くように、シロが鋭い連続突きを繰り出す。

 しかし、黒サソリはそれをハサミで防ぎ、頭上から尾を突き入れた。


「くっ」


「グラッ、グラァ!」


 死角からの攻撃をギリギリのところで避けたシロは、尾の付け根を狙い、薙刀を振るう。

 その攻撃はHPゲージをしっかりと削り、このままならシロの勝利は確実……と、そう思った時だった。


「グラァァァァァ!」


 地面に突き立てた尾を軸に、黒サソリが回転しはじめた。

 ……ええ?

 困惑する私をよそに、黒サソリは次第に回転速度を増し、なんとか避けていたシロを体当たりで吹っ飛ばした。

 ……えーっと?


「と、とりあえずシロは……大丈夫そう?」


 ただ、ドガーンって感じに叩きつけられたのを見るに、たぶん気絶状態になってる可能性はありそう。

 黒サソリの方も、速度を緩めていってるし、黒サソリが追撃するよりも先に動き出せるかがキモかなー。


「グラッ!」


 止まって、尾を地面から抜いた黒サソリが、私の方に視線らしき気配を投げて小さく鳴く。

 その後すぐにシロの方へと突撃していった。

 ……いったいなんなんだ。


「グラァァァァ!」


「……【薙刀術】『柳雅旋(りゅうがせん)』!」


「グラッ!?」


 突きだしたハサミを、そっと撫でるように刃が躍り……まるでカマイタチが過ぎていったかのように斬り落とす。

 『柳雅旋(りゅうがせん)』は薙刀の本領発揮とも言える。

 長柄の先端についた刃で薙ぐことに特化した武器ならではの、広範囲に作用する薙ぎ技。


「本来は薙ぐだけの技なのが、シロが使うことで、まるで踊るようにその刃を滑らせる技になる。アレは最初見たときびっくりしたんだよねー。カウンターしようにも、衝撃が奪えないから跳ね返すこともできないっていう」


 まさに、柳に風……私の力も、ナインの勢いも、さらりと受け流して対応してしまう。

 そんなシロ向きの技だ。


「てか、さっきのダメージも思ったより受けてないみたいだし、これはガードしたか、受け流したかって感じかな?」


 そもそも、さっきの衝撃音なら、初期装備のシロは即死しててもおかしくなかったしねー。

 ノーダメージとはいってないみたいだし、完全には受け流せなかったんだろうけど。


「ま、でもこれなら……とりあえず金までは楽にいけるかな?」


 とか、完全に他人事みたいに観戦しつつ、私はアイテムボックスから飲み物を取り出す。

 んー、やっぱりミトのジュースは美味しいなぁ。


-----


 名前:セツナ

 所持金:105,040リブラ


 武器:居合刀『紫煙』

 防具:戦装束『無鎧』改


 所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】

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― 新着の感想 ―
[一言] 倒された時の記憶あるのか...可哀想に... それとも記憶は無いけど本能的には覚えてる的な...? 周回してたらその内全力で恐怖で逃げ出し始めそう
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