表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第四章『ボタン』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/147

一歩ずつ進んでいく

前回のあらすじ

・ミシェルが第三層に到達

・シロがキャラバン入りできるかはセツナ次第

「【薙刀術】『紅葉突(くれはづき)』!」


 舞う葉を貫くが如く、鋭く突き出された薙刀が、相対する巨大な狼の体に連続で突き刺さる。

 王様蛙よりも防御は柔らかいのか、薄い灰色の巨大な狼……もとい第一層の南部、アルテラ平原のボス『グレートウルフ』のHPは、目に見えて削れていた。

 まあ、狼の特徴は素早さ特化だからねー。

 私相手に訓練して、目を慣らしてきたわけだし……この狼程度の速度なら、今のシロには遅いくらいでしょ。


「ガァ!」


「遅いですの。――ハッ!」


「ギャンッ」


 滑らせるように爪を逸らし、それすらも威力に変えるように薙ぎ払う。

 シロの戦い方は相変わらず風のようだ。


 弾いて斬り抜ける私とは違い、シロは逸らして打ち込む。

 相手の攻撃を火種にして燃え上がる私と、相手の攻撃も利用して回るシロ。

 私が爆弾なら、シロは風車みたいな戦い方だ。


「アオーン!」


 呑気に見ていれば、シロは順調にHPを削っていたらしく、狼との戦いが次のステップに進んでいた。

 狼は薄灰色の毛を逆立て、まるで怒っているかのように牙を剥き出しに……。

 グレンに聞いた話だと、第二形態の狼は攻撃力が増大して、さらに素早くなるとか。


「まあ、本番はここからってことだねー」


 私はボスエリアの外で、焼いた兎肉をのんびり食べつつ、シロの動きに目を向ける。

 うんうん、戦意は損なわれてないみたいだね。

 ま、大丈夫でしょ。


「ガァ!」


 さっきまでとはまるで違う速度で飛び込んできた狼に、シロは軽く薙刀を合わせ……そっと軌道を逸らす。

 シロは技術力も戦闘に対するカンのようなものも……そのどれもこれも、あまり良くはない。

 それでも、たったひとつだけ、私よりも優れているものがあった。


「……相変わらず、退()かない子だなー」


 戦いは強いものが勝つ。

 圧倒的なまでの力の差か、類いまれなほどの技術の差か……折れることのない心の強さか。


「まるで、あの時のケートみたい」


 どんなに劣勢になろうとも、勝つことを諦めなかった、あの時みたいな。

 きっと、シロは……ナインになにかを伝えたいんだろう。

 強くなること、いや、隣に立つことで。


「……ナインに固執する理由はまったく分からないけど」


 はぁ……と呆れ混じりに大きく溜め息を吐いて、未だ戦い続けているシロへと意識を戻す。

 それから十数分ほどして、シロは無事、グレートウルフ討伐を成功させたのだった。



 side.ケート


「それで、ナイン君はどうするつもりなのかにゃー?」


 ガンコンガンコンと音を立てながら、私は隣で作業をするナインにそう訊ねる。

 ナインはそんな私に「何がっスか?」と首を傾げつつも、またひとつ丸太を真っ二つにした。

 そう今は、三層で買える『シーウッド丸太』を、斧で真っ二つにしているのだ。


 なんでも、リンが要るとかなんとか……。

 でも、船作るなら丸太のまま加工すればいいと思うんだけど?


 ちなみに、ナインはすでに試練を突破してたりする。

 早いもんだにゃー。


「シロちゃんのことにゃー。どうせ、セツナに先生を頼んだのも、ナイン君に対して思うところがあるからだと思うぜー?」


「そうなんスかね?」


「たぶんそうだぜー?」


「んー、だとすれば……どうすればいいんスかねぇ……。正直、シロに対して、どう接してあげればいいのか分からないんスよ」


 言いながら割った木が、困惑を表すみたいに、違う方向に飛んでいく。

 それを慌てて取りに行くナインを見て、私は「ま、それなら焦らなくていいと思うにゃー」と笑みを作った。


「たぶん、シロちゃんに対しての想いが、ナイン君の中でまだハッキリしてないんだと思うぜー。好きなのか嫌いなのか。好きなら好きで、どういった意味の好きなのか。そういったことがナイン君の中でハッキリしてないから、悩んじゃうんだと思うにゃー」


「そういう、ものなんスかねぇ……」


「そういうものなんすよー。友愛と恋愛ってのは、近いようで遠くて……それでいて近いものなのじゃよ」


「……結局どっちなんスか、それ」


 ツッコミつつも笑顔を見せるナインに、私は「にゃはー」と誤魔化しつつ笑い返す。

 友愛と恋愛は近い、にゃー。

 自分で言ってて……私もよく分からないぜー。


「とりあえず、これで終わり……っスよぉー!」


「ういー、おつかれにゃー!」


「お疲れさまっスー!」


 パッカーンと綺麗に真っ二つになった薪をまとめて、全部をアイテムボックスに放り投げる。

 そして、ナインと二人ハイタッチをしてから、リンへと連絡を入れた。

 すると……。


『次、整形』


 と、今作った薪を削るための設計図と期日が送られてきた。

 ……マジで?

 期日明後日とか、ほんとに……?


「ケートさん……これってもしかして」


「たぶん、そのもしかして、にゃ……」


 恐る恐る設計図を開いて、二人で覗き込めば……四角錐のような絵と数字が見えた。

 ……ま、マジかにゃー……。


「これ、全部杭にするのかにゃー!?」


「めちゃくちゃ数あるっスよぉー!?」


-----


 名前:セツナ

 所持金:105,040リブラ


 武器:居合刀『紫煙』

 防具:戦装束『無鎧』改


 所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】

評価とブックマークをいただければ、モチベーションアップに繋がります!

ぜひぜひ、お気軽にお願いしまーす!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ