ツーマンセル?
前回のあらすじ
・喫茶エルマンにナインを呼び出したケート
・ナインはシロという女の子に対して、思うことがあるようで?
ナインとケートがエルマンで話をしていたであろう時、私はとある女の子に絡まれていた。
絡まれていたというのは語弊があるかもしれない。
詳しくいうところの……そう、壁ドンされていた。
壁ドン相手は女の子で、薄いピンク色のウェーブした柔らかい感じのボブカット。
目もぱっちりしてて、とても女の子らしく可愛らしい感じ!
身長はカリン達と同じ感じかな?
「貴女、セツナ様で合っていますかしら?」
「うん。セツナさんであっています」
「そうですか。でしたらお願いがありますの。私の特訓に付き合って頂きたいのです」
「……なんで?」
ぶっちゃけ、いきなりすぎて色々と頭が追い付いてない。
だって、見た目はすごい可愛らしい女の子なのに、いきなりの壁ドンだよ!?
まあ……いざとなれば斬れば抜けれるけど。
「何故かと言われますと……ある人に認められたいからですの。その方は、トッププレイヤーの一人に名を連ねておりますので、生半可な特訓では意味がないのです」
「なるほど、それで私に。でも、私は教えるの下手だよ?」
「構いませんわ。トッププレイヤーの中でも、一二を争う実力者の普通を感じさせていただければ、メニューやレベルはこちらで設定させていただきますので」
「んー? つまり、私が戦ってるところを見れれば、それだけで特訓になるってこと?」
「ええ、その通りですの」
なるほどなるほど。
それなら全然問題ないかなー。
私と一緒に狩りに行って、戦ってるところを見せればいいだけだし。
「りょーかい。それならいいよー」
「ありがとうございます。でしたら早速、」
「の前に、自己紹介しよっか。さっきも名乗ったけど、一応ね。私はセツナ、刀使いだよー」
「申し遅れました。私、シロと申します。メイン武器は薙刀ですの」
スッとアイテムボックスから取り出した武器に、思わず口を開いて驚いてしまう。
シロの背を越えて、私の背も越えて……シロの身長1.5倍くらいの長さの薙刀だったからだ。
これ、扱うの大変そうだ。
「んじゃ、とりあえずシロさんがどれくらい戦えるか見せてくれる?」
「分かりました。どちらへ向かいましょうか?」
「あーいやいや、ここでいいよ。決闘システムで」
「……要は、セツナ様と戦って見せろ、ということでしょうか?」
「大正解。その方が、お互い分かりやすいでしょ?」
不安そうな顔を見せつつも頷いたシロに、私は決闘の申請を出す。
……んじゃ、見せてもらいますかねー。
瞳の奥にある隠しきれてない闘志が楽しみだ。
□
side.ケート
「同性に恋愛感情を抱くなんておかしい、なんて思いは私もあったにゃー。憧れの感情を履き違えてるだけとか、恋に恋したいだけだ、とか……色々思ったことがあるにゃ」
「……」
「でも、想っちゃって募っちゃった以上は、仕方ないんだよにゃー。恋愛は男女でするものとか、そんなのはクソ食らえ! って、最後はぶちギレ気味に笑ったりしたんだぜー」
「その、相手はやっぱりっスか?」
「ん? そりゃ、セツナ以外いないでしょ」
ま、セツナはまだまだお子ちゃまだけどにゃー。
急がなくても良いし、セツナが自覚するまでは、言うつもりもないけどね。
「恋愛感情って、言ってしまえばさ。なにがあっても一緒にいたい、この先を共に生きていきたいみたいな感情だと思うんだよにゃ。恋愛なんて言ってるから色恋沙汰みたいな扱いだけど、この先の人生で、お互いがお互いの一番でいたい、いて欲しいって気持ちは、同性とか年齢とか関係ないと思うんだよにゃ」
「それは、そうっスね」
「そう気づいた時、ケートちゃんは気づいちゃったのです。そう、私は、セツナに恋してるんだってにゃ」
言いながら頬が少し緩んでしまう。
ほ、本人に言ってるわけじゃないんだけど、恥ずかしいものだにゃー!
うひぃー!
「なんていうか、カッコいいっスね。好きな人を、好きって正直に言えるのは」
「なーんにも難しいことじゃないぜー。ただちょっと恥ずかしい気がするけど、この恥ずかしさってのは嫌な恥ずかしさじゃないしにゃ!」
「難しいことじゃない、んスけど、やっぱり難しいっス。だから、そう言って笑えるケートさんも、断られるかもしれないと思いながらも伝えてきたシロも、みんなスゴいっスよ。カッコいいっスよ」
「にひひ、照れるぜ」
笑いつつ、熱くなった頬を、飲み物含んで少し冷ます。
けど、ナイン君はそのシロって子をどう思ってるんだろうかにゃー?
なんとなく、好きになんじゃないかにゃーって思うんだけど……伝えるのは難しいかもにゃー。
告白を断った相手に、こっちから告白するとか、なんなんだお前って感じだし。
「ま、なんにしても、セツナに聞いてみないとキャラバン入りは判断できないにゃー」
「自分も、シロに聞いてみないとわからないっス」
「てなわけで連絡……って、今決闘中? なんで?」
「セツナさんに決闘を挑む人なんてそうそういないっスよね……って、シロも決闘中っスね……?」
お互いの連絡相手が決闘中……。
まさかそんな馬鹿なことがあるはずがないよねー?
「ぐ、偶然っスよね?」
「そりゃ、偶然……だと思うんだけどにゃー」
言いながら、二人して顔を見合わせ、なんとも言えない表情を晒す。
なんか、セツナならやらかしてそうな気がするんだよにゃー……。
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