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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第四章『ボタン』

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イイ女の秘訣

前回のあらすじ

・ケートが試練に挑戦

・不完全燃焼ォ!

「……ナ、セ……、セツナ!」


 必死そうに名前を連呼する声が届き、私はゆっくりと目を開いた。

 目の前に広がるのは、石造りの天井。

 そして、覗き込むケートの顔だった。


「セツナ! やっと起きた……まったく、お寝坊さんだにゃ~」


 やれやれと、呆れるような言葉を吐きながらも、ケートの声は少しだけ震えていて。

 私はそんなケートの目尻にそっと指を沿わせ、「おはよ」と涙を拭った。


「はいはい、おはよーさんだぜ。で、気分はどうかにゃ、眠り姫」


「うむ、苦しゅうない」


「姫じゃなくて殿だったぜー」


 にゃははと笑うケートが、私をそっと立ち上がらせてくれる。

 ふむ、どうやら第二層のボス戦は終わったみたいだ。


「ケート。その、」


「その答えは称号を見れば分かるぜー」


「称号? ああ、なるほど」


 言われるがままに称号一覧を見れば、そこにはしっかりと“第三層到達者”の称号が追加されていた。

 つまり、ボス戦はちゃんと突破できたということだろう。

 でも、ケートがどうやってあのハヤブサを倒したんだろう……?


「にひひ。ケートちゃんの戦いぶりを見られなかったのは残念かにゃー?」


「ちょっとだけね。私でも、捉えるだけで精一杯だったのに、どうやってケートが倒したのかなって言うのは気になるし」


「そこはまあ、秘密だにゃー。ほら、イイ女には秘密があるものだぜ」


「はいはい」


 自らの頬に手を当てて、影を背負っているみたいな……ちょっとよくわからないけど、なんかそんな感じの顔をしたケートに、私は全く興味がないと言わんばかりの声で、軽く受け流す。

 そんな私の反応に「むう」と膨れ面を見せたケートを笑い、私は「ありがと」と小さく呟いた。


「さーてと、セツナも復活したし、行きますかにゃー?」


「うん、行ってみよっか。……たしか、一面海の世界だっけ?」


「そう言ってたにゃー。ま、行ってみれば分かるぜい」


 それもそっか。

 二層は荒野ばっかりだったし、海、楽しみだなー。



 side.カリン


 今のゲーム内状況的に、やばいものが出来てしまった気がする。

 いや、まだ試作であり、さらに単発式のライフル形状。

 今の完成状況であれば……バランスは崩れない……?


「えっと、カリンさん。これ、どうしましょう?」


「一旦封印」


「え、封印ですか?」


「ん」


 それでも、今は外に出せない。

 決闘システムでの試し撃ちでよかった……外で、試し撃ちなんかしてたら、大事(おおごと)になっていたかもしれないから。


 なぜなら、この呪符銃。

 たった一枚の『鬼火』呪符消費で、十枚束ねた鉄板、それを支えるトレントウッド丸太を貫き、さらにその後ろで射線を見ていたミトのHPを、八割ほど吹き飛ばしたのだから。

 防具をつけてなかったら、ミトのHPは全損してたかもしれない。


「説明、難しい」


「あー……ですね。セツナさんに、どう説明しましょうか……」


 エルダーウッド丸太を使って作った銃には、トリガーを引けば呪符が発動する仕組みに加え、使用者のMPを銃内部に溜めて放つ仕組みも組み込んである。

 この溜め込んだMPを使って、呪符の威力を向上させているのだ。

 その辺りの考え方は、魔法をメインで使っているケートに教えてもらい、銃に溝という形で彫ってある。

 ……むしろ、それをやらなければ、ここまで威力はでなかったのかもしれない。


「ひとまず、一度見てもらったら良いかもしれません。決闘システムでなら、外に漏れる心配もありませんし」


「ん」


「ケートさんなら……異常性も理解してくれると思います。たぶん」


「たぶん」


 そもそも、ケートの脳内自体が異常性の塊な気もするのだけれども。

 それでも、私達は職人だ。

 商人(あきんど)の嘘は神もお許しとは言うけれど、職人の腕は嘘をつけない。

 なればこそ、結果がどうなったのかということに関しては、正直に伝える他なく。


「面倒」


「あ、あはは……また余裕ができたら、改良してみましょう。ほら、セツナさんの意見も知りたいですから」


「ん」


 ひとまずこの話題は置いておこう、と銃をアイテムボックスへと仕舞った直後、脳内にアナウンスが響く。

 どうやら、二人は無事、第二層のボスを突破したらしい。

 しかし、第二層のボスはどうやら……前回のボスとは違うみたいだ。


「試練?」


「試練の通過って言ってましたよね?」


「ん、不思議」


「ですね」


 ミトと二人、首を傾げつつも、ケート達にメッセージを飛ばしておく。

 今回も同じ、祝の一文字だけだけど。


「そういえばセツナさん達、第二層のボス称号を全部手にいれちゃいましたね」


「ん」


「東のボスだけは、ナインさんと一緒にですけど、東西にゲートキーパーと、全部セツナさん達です。すごいですね!」


「ん」


「でも、もっとすごいのはカリンさんです! ナインさんも含めて、三人共の装備を、全部カリンさんが作ってますから」


 満面の笑みでそう言ってのけるミトに、私はなんとも言えず、まばたきを繰り返す。

 たしかに、そう言われるとそうなんだけども。


「道具は、所詮、道具。使い手、次第」


「それはそうですけど……」


「驕らない。今より、先、のため」


「えっと、今よりももっと良いものを作るために、驕らないで、精進しようってことですか?」


「ん」


 自分に出来ることにはしっかりと自信を持ち、その上で、さらに上を目指す。

 卑屈は足元をふらつかせ、驕りは目の前を眩ませる。

 だからこそ、自信を忘れず、謙虚に、貪欲に手を伸ばし続けるのだ。


 今までも、これからも。


「難しいですね……」


「ミト」


「……はい?」


「私は、先に行く。いつか、追い付いて」


 あの二人のように、隣り合わせに切磋琢磨する関係も羨ましいけれど。

 私は、私達は……追うものと追いかけるものの関係でいたい。

 時に手を差しのべ、時に背を押される関係で。


-----


 名前:セツナ

 所持金:105,040リブラ


 武器:居合刀『紫煙』

 防具:戦装束『無鎧』改


 所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】

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