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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第四章『ボタン』

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最速に最速を

前回のあらすじ

・第二層ボスを殴りに行こう

・考える人と考えない人

「よく来たな、風に挑みし者達よ」


「しゃ、喋った!?」


 神殿の内部に入ると、厳かな声が響き渡った。

 ケートが驚いてないのは、一人で来たときにも同じことが起きたからかも?


「我が名は天空王『フィラノス』、汝らの道行きを裁定する者。次なる界は、大海によって支配されし世界。よって、力なき者は底へと沈む無情の界」


 つまり、第三層は一面海の世界だよってことかな?

 海かー……船とかないとダメっぽい感じかなー。


「ゆえに、我は裁定す。汝らが、大海に挑むに足る者か否かを」


「セツナ、来るよー!」


「了解!」


「見せてみるが良い、我が眷属『ライジファルコル』に!」


 私が刀に手を添えた瞬間、一筋の影が頬を掠めていった。

 ……え?


「セツナ!」


 ケートの声に、呆けていた頭が思考を取り戻す。

 瞬間、突っ込んできた影へと、私は刀を抜いた。


「鳥!?」


「だぜー! 超連射『プチフレイム』!」


 突っ込んできたクチバシを弾けば、合わせたように連射された火の球が鳥を襲う。

 しかし、鳥は超高速でそれを躱し、舞い降りるかのように、私達の前へとその姿を見せた。


 『ライジファルコル』……つまり、早くて大きいファルコンってことなんだろう。

 鋭いクチバシに、力強い体躯、そして鋭利な足の爪。

 確かハヤブサって、最も速く移動できる生物って言われてたような……。


「いや、それでも速すぎるよね!?」


「だにゃー!」


 一瞬目を離せば、次の瞬間には攻撃を受けているような、そんな速度。

 まさに私は、気の抜けない戦いを強いられていた。


 突っ込んできたクチバシを、刀を抜いて弾くものの、攻撃に移ろうとしたときには、すでにその姿は遠く。

 ならばと攻めれば、刃は残像を切り裂くのみ。


「手数が、足り、ない!」


「なら、一気に行くにゃー! 【魔法連結】『クリエイトゴーレム』、からのモードチェンジ【魔法連結】『サウザンドニードル』!」


 ケートが逃げ場ひとつないほどの針をばらまく。

 しかし、ハヤブサはその針の隙間を抜けるように回避してみせ、ケートへとまっすぐ抜けるように突っ込んでいった。


「にゅわ!?」


「『水泡』!」


 呪符で発動させた水の球のおかげで、ハヤブサは軌道を逸らしたものの……避けようと仰け反ったケートは、頭から地面に落ちていた。

 結構痛そう。


「ぐぬぬ……」


「ケート、先に一度戦ったんじゃなかったっけ? なんで、そんなあしらわれてるの?」


「なんでってそりゃ……速すぎて攻撃するまえに殺されたからじゃん」


「……そう」


 なんか、思った以上に残念な答えだった。

 というか、神殿に向かってる最中に話してたことって、“情報がほとんど無いから話せない!”ってことだったりしない?

 まあ、ちょっと楽しくなってきたけど。


「やはり、使わないとダメかにゃ……」


「ん? なにか手があるの?」


「あるにはあるんだけど、デメリットも結構あるんだよにゃー」


「そうなの? まあ、ケートに任せるよー」


 私の方も、突っ込んできたところに刃をぶつけるくらいしかやれそうにないしねー。

 あ、いや……ひとつ試してみるかな?


「むむむ……」


「ねえ、ケート。ちょっと試したいことがあるんだけど」


「ん? なに?」


「ケートはとりあえず、防御しといてもらえる?」


「んん? まあ、良いけど」


 言うが早いか、困惑した表情を見せつつも、ケートは『アースウォール』で箱を作って完全防備状態に移行した。

 まあ、貫かれるかもしれないけど……なにもしないよりはマシなのかな?


「じゃ、やってみるかなー」


 言って、私は腰を落とし、刀の柄に手を添え……目を閉じた。


 しん、と静まった世界の中で、ケートの息使いと、ハヤブサの羽ばたきの音がかすかに聞こえる。

 そして、【見切り】が発動するよりも早く、私は刀を抜き払った!


「そこっ!」


 キィンと音がして、クチバシの少し横……その羽を斬り裂く。

 しかし、手応えとしては浅い!


「ッぐぅ……!」


「セツナ!?」


「大丈夫、かすっただけ!」


 心配そうな声をあげるケートに応えつつ、急旋回する気配を感じ、私はすぐさま目を閉じ構える。

 抜くのはさらに遅く、そして斬るのはさらに早く!

 『ライジファルコル』の名が、朝日の光を指すのなら、私の刀でその光をも斬ってみせる!


「――ッ!」


 【抜刀術】が速さを追求した戦闘術であるのなら、光ごときの速さに負けてなんていられない。


 体内に流れる自らの力を研ぎ澄ませ。

 破壊力だけを見れば、【八極拳】は剛の技……けれど、昨日使っていた間に分かったことがある。

 あれは剛の技ではなく、限りなく柔の技。

 強く踏み込んだ衝撃を体内に巡らせ、相手へと放出することで、爆発的な威力を出している。


 ケートの横に立つのなら、ケートと同等以上のことが出来なければ、立つことは出来ない。

 ゆえに今、自らの限界を超える時。

 ケートが複数の魔法を同時に放てるのならば、私もまた複数の技を同時に放てなければならない!


 『剛脚』による踏み込みを、【八極拳】で制御し、ただ一振りに全てを込める。

 なればこそ、私の一閃は……その時間さえも、斬り裂く!


「――――『水月』」


 刀を鞘へと仕舞う音と共に、ピィンという甲高い音が耳に届く。

 手応えは全く感じられなかった。


 しかし、目の前に見えたハヤブサは……片方の羽を失っていた。 


「良かった、届い……ッ」


 安堵した瞬間、体中に痛みがはしり、その場に膝をついてしまう。

 やばい、足にまったく力が入らない。

 あ、これ、反ど……う……。


-----


 名前:セツナ

 所持金:105,040リブラ


 武器:居合刀『紫煙』

 防具:戦装束『無鎧』改


 所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】

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