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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第四章『ボタン』

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引きずる悪臭

前回のあらすじ

・フンコロガシを倒した

・称号が増えてきたねー

 ケートの魔法を使って門を飛び越え、私達は夜の街へと戻ってきた。

 というか、ホントに魔法って自由なんだね……まさか『アースウォール』で即席の階段を作るとか。


「こういうのはイメージの勝負だからにゃー。壁に石壁を生やして階段にするのもそうだけど、私みたいに、細かくイメージできるなら、さっきみたいに完全に階段を伸ばしちゃえるし」


「イメージかー。呪符もイメージで使い方考えられるのかな?」


「できると思うぜー。魔法と違って、()()()()()()()ってのも、本来の魔法とは違う点だしにゃー」


「発動媒体……そっか、呪符って魔法陣を持ち歩いてるような感覚になるんだっけ」


 つまり、電気と電池のような関係性って感じなんだろう。

 本来の魔法陣は、電気のように触れず、それ自体をどうにかするってことが難しい。

 けれど電池は、起こす事象は電気と同じだけど、触ることができて、知識がなくても使うことができる。


 まあ、実際の電気とか電池とかのことは詳しくないけど、私のイメージ的にはそんな感じ。

 だから、呪符を電池みたいなものとして考えると……乾電池の中に、火とか水とかの力が入ってて……。


「カートリッジ? いや、でも発動には宣言が必要だから……」


「にひひ。なんか思い付いたみたいだにゃー。ま、ある程度のイメージができたら、リン辺りに相談してみるといいぜー。たぶん、嬉々として乗ってくるだろうしにゃー」


「うん、そうしてみる。ありがとね」


「にっひっひ、セツナが強くなれば、私も楽できるからにゃー」


 そんな話をしつつ、私達は共有作業場の前まで戻ってきた。

 ちなみに、ナインは「なるほど、イメージっスか。勉強になるっス」と、私達の会話に感心するように頷いていたり。

 ……なにげに勉強熱心なんだよねー。

 まあ、暑苦しい人って、自己鍛練が好きな感じだし、イメージ通りって言えばイメージ通りなんだけど。


「てなわけで、帰ったぜー!」


 と、ケートが扉を開けた瞬間、私は思い出した。

 そういえば、ケートって……。



「たっだい」


「出ていけ」


「まーぁ? え、リン?」


「出ていけ」


 ケートが扉を開けて、中に入った瞬間、カリンさんの辛辣な声が響く。

 その声に申し訳なさを感じつつ……私はとりあえずケートを外へと引きずり出した。


「え、なに? なんで?」


「ケート。慣れてすっかり忘れてたけど……」


「そういえば自分達、たぶん今めちゃくちゃ臭いっスよ!」


「……あ」


 マジで忘れてたと言わんばかりの間抜け顔に苦笑しつつ、私はアイテムボックスから消臭剤を取りだし、ケートの顔に吹き付けた。

 その行為に驚いて「ぬお!?」と、変な声をあげたケートに笑ってから、私達はお互いに消臭剤を吹き付けまくる。

 けど、これたぶん洗わないと臭いとれない気がするなー。


「よし、全員集まるにゃ」


「ん?」


「なんっスか?」


「もっと(ちこ)う寄れ。……よしよし、『ウォーターフォール』」


 顔が触れあいそうなほどに近づいた私達の上から、ジャバーと水が降りかかってくる。

 威力自体は抑え目なのか、痛みは全然感じないけど、私達三人はスコールでも浴びたかのように、ずぶ濡れになった。

 うぇ……結構リアルに服が肌に張り付いてる感じがする。


「ずぶ濡れなんだけど、この後は?」


「特になし! 一応、濡れても五分くらいで乾くって話だから、放置してれば大丈夫だぜー」


「まあ、それなら良いんだけど」


「ゲーム内で濡れるのは、初めてっス! ちょっと新鮮な感じっスね!」


「だにゃー」


 楽しそうに笑うナインに苦笑しつつ、ちょっと離れてボーッとしてると、次第に服が乾いていく。

 汚れっぽいのもちゃんと落ちてるみたいだし、たぶん大丈夫?

 臭いは……慣れちゃったから、誰かに確認してもらう必要があるけど。


「とりあえず、リンを呼んでみるにゃ。外ならたぶん大丈夫だろうし」


「そうね。カリンさんなら作業してない限りは出てきてくれそうだしねー」


 とかとか、そんなことを話し……結局私達が共有作業場に入れたのは、それから一時間が経過してからだった。

 フンコロガシめ。



「カリンさん! これが、レシピ代の代わりの素材っス!」


「ん。臭い」


「す、すみませんっス!」


「問題ない。これ」


 カリンの差し出してきた布袋に素材をいれて、ナインはあらためて素材を引き渡す。

 ついでだからということで、私達もフンコロガシの素材を入れさせてもらい、とりあえず布袋ごと、ミトの消臭剤がたっぷり入ったタルに漬け込むことになった。

 臭いとれれば良いんだけどねー。


「ナイン、装備」


「え? なんっスか?」


「あ、えっと……ナインさんに渡した装備の使い心地はどうだったか聞いてるみたいです」


「翻訳ありがとうございますっス! 使い心地はめちゃくちゃ良かったっスよ! 夜闇に紛れやすくなりましたし、弓も扱いやすくて、さらに狙いやすく……技もしっかり使えたっス!」


「だにゃー。歩いてるときの音もほとんど聞こえなかったし、かなり暗殺者スタイルだったぜー」


 ナインの感想に、ケートが補足をいれつつ返せば、カリンは満足そうに頷く。

 そして、「セツナ」と、今度は私へと声をかけてきた。


「ん?」


「脱いで」


「んん!?」


「だ、ダメにゃ! セツナの裸は、私もまだ見てないにゃ!」


「……そもそも、見せる気ないんだけど?」


 突然の要求に慌てた私よりも、さらに慌てたケートがバァンと机を叩いてよくわからないことを言い出す。

 いや、ホントに何言ってるの?


「あ、あはは……あの、セツナさんの装備に少し手を加えるらしいので、その間だけ脱いでほしいってことだと思います」


「え、そうなの?」


「ん。代わり」


「……了解」


 カリンから代わりの服を受け取って、ささっと着替えてしまう。

 いちいち脱ぎ着しなくても、装備変更すれば変わるのは楽だよねー。

 まあ、最初に着るときは、極力自分で脱ぎ着した方が良いらしいけど。

 なんでも、どういった構造なのかとかをしっかり理解した方がいいとかなんとか。


「はい、お願いします」


「ん」


 脱いだ装備を手渡すと、カリンは素早い動きで作業台へと向かい、作業を開始した。

 なんていうか……口や表情にはでないけど、楽しそうに作業してるなーって感じがする。

 本当に、好きなんだろう。

 そういうものがあるのって、ちょっとだけ羨ましい気がする。


-----


 名前:セツナ

 所持金:105,040リブラ


 武器:居合刀『紫煙』

 防具:布の服


 所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.9】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】

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