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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第四章『ボタン』

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もうなんていうか臭い

前回のあらすじ

・フンコロガシを倒しにいこう

・臭いで鼻が曲がる

 side.ケート


 フンコロガシの大きさは、約3メートルくらい。

 臭いとか大きさとかで見つけられそうな気がするけど、フンも大きいからか、暗くて遠目だと岩にしか見えない。

 まあ、だから見つかってなかったんだろうけどにゃ。

 フンを転がしてるからか、体勢は逆立ちのような状態で、これが戦闘になった際はどうなるのか……。


「お待たせしましたっス。そろそろ大丈夫そうっス」


「の割には、呼吸が浅い気がするけどにゃー」


「それは仕方ないっスよぉ……! 大きい声出したら、臭いが……うぇ……」


 大丈夫とか言いながら、また嘔吐(えづ)くナインに、セツナも私もなんとも言えず苦笑する。

 まあ、実際気にするとキツい臭いだし、仕方ないけどねー。


「それで、仕掛けるの?」


「ナイン君が動けるようになったなら、そろそろ仕掛けるタイミングかにゃー」


「分かった。それじゃ接近するね」


「うぃうぃ! 頼りにしてるぜ、相棒!」


 「まったく、調子良いんだから……」とかぼやきながらも、セツナはフンコロガシ……もとい、『グランデスカラベ』へと近づいていく。

 それを見ながら、私も気合いを入れ直し、すぐそばのナインへと手を伸ばした。


「ナイン君はここにいてにゃ」


「え、ここっスか? でも、中長距離(ここから)じゃ上手く狙えないっスよ?」


「まあまあ、そこはどうにかするからさー。それに、暗殺者が姿を見せるのは違う気がするぜ?」


「た、確かにっス」


 納得したみたいに頷いたナインに笑いつつ、私も戦いの準備を進めていく。

 まずはいつもの『クリエイトゴーレム』からだ。


「【蝶舞一刀】……水の型」


「お、始まるっぽいにゃー。んじゃ、こっちもモードチェンジ【魔法連結】」


「『水月』!」


「『ギガントハンマー』!」


 スパンッドゴンという音を合図に、ボスとの戦いが始まる。

 スカラベはノンアクティブ(非能動)のモンスターだったこともあって、しっかりと近づいて攻撃をできた分、最初の一撃でHPを一割近く削ることができた。

 なかなか幸先の良いスタートな気がするぜ。


「そんじゃまずは……セツナー!」


「ん? あー、りょうかーい」


「にひひ、さすがは相棒。そんじゃ行くぜー! 『ウォーターフォール』! ナイン君は、今のうちに近づいて、死角からよろしくー」


「了解っス!」


 ローブを纏ったまま夜闇に紛れていくナインを見送って、私は『ウィンドブロー』を連発していく。

 しかし、やはり相手はボスなのだ。

 その装甲は厚く、なかなか効果的なダメージを与えられない。

 最初の一発で一割削ったのは、やはり不意打ちだったからなのだろう。


「GYURAAAAAA!」


「あ、すごいボスっぽい声」


「そうだにゃー」


 軽い感想を口にしつつも、セツナは『旋花』を使ったり、私も『スパイラルランス』を突っ込ませたりと、ダメージを重ねていく。

 もちろん、合間に手足をバタつかせたりなどはするものの、フンがあるからか全く驚異でもなく、お互い大したダメージも与えられずただ時間だけが過ぎていた。

 しかし、次の瞬間……「『パワーショット』っス!」という声と共に、HPゲージがゴリッと減った。


「お、ナイン君、ナイス」


「こいつ、腹側が弱点っスよ!」


「にゃるほどにゃー。んじゃ、セツナ。一瞬離れてねー」


 呼び掛けに応じ、少し離れたセツナを確認してから、私は槍状のゴーレムをスカラベへと発射する。

 そして、その矛先がスカラベに当たる直前でモードチェンジを発動させた。


「【魔法連結】『ギガントナックル』……アッパー!」


「GYURAARARAA!?」


「ナイスっス! 『瞬影』、『パワーショット』!」


「【蝶舞一刀】風の型『旋花』!」


 顔を叩き上げられたことで、丸見えになった腹を、ここぞとばかりに二人が技でダメージを与えていく。

 まあ、腹の下の影から出てきたナインを、セツナが斬りそうだったのには笑ったけど。

 セツナのことだから、わざとやったわけじゃないんだろうけど……わざとやったって言いそうな気はするにゃー。


「GYURAAA!」


「お、ようやく本番かにゃ」


 HPゲージは六割といったところ。

 ほぼなにもさせない状態で、これだけのダメージを与えられたのなら、十分過ぎるくらいだねー。

 でも、何してくるかわかんないし、一度二人は近くに戻ってもらおうかな。


「てなわけで、二人とも戻っておいでーにゃ」


「りょーかいっス!」


「分かった」


 そう言って、二人がテトテトと戻ってくる。

 その後ろで……スカラベが動きだし、その体をフンの向こうへと隠した。


「およ?」


 嫌な予感がする……というか、嫌な予感しかしない。

 ゆえに、二人に散開を伝えようとした、その瞬間!


「フンが飛んできたにゃー!?」


「うぇ!?」


「ま、マジっスかぁ!?」


 蹴り飛ばしたのか、なんなのか、猛スピードで突っ込んでくるフン。

 避けようにも、3メートルはあるスカラベよりも大きなフンで、今からじゃ避けられない!


「【幻燈蝶】!」


「【影走術】『瞬影』!」


「ちょ、ズルい! 『アースウォール』!」


 セツナは蝶になり、ナインは影に潜み、私は慌てて壁を作るものの……3メートル以上ある玉の全部を止められるわけもなく。

 壁に弾かれ、宙へ浮き、フンはたくさんの破片を周囲へ撒き散しながら、頭上を越えていった。

 そう、つまり……ダメージはなかったものの、私の心には大きなダメージを与えて。


「……めちゃくちゃ臭い」

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― 新着の感想 ―
[一言] アースウォールをジャンプ台のように斜めに出せば良かったのに ところで四章への変更はいつするんです?
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