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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第三章『君には届かない』

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弓使いは影と踊る

前回のあらすじ

・セツナvs赤髪の女の子の決闘はセツナの勝ち

・カリンが女の子の依頼を受ける気になった


「改めまして、ナインっス! よろしくお願いしますっス! あと、先ほどは失礼しましたっス! チャンスを逃したくなくて、周りが見えてなかったっス」


 共有作業場に移動した私達は、まず話をと、部屋の真ん中に置かれていた机をかこむ椅子に腰かける。

 すると、赤髪ショートカットの女の子……もといナインが、ビシッと直角に頭を下げた。

 ナインの身長は、私やケートより低く、カリン達よりも少し高いくらい。

 赤髪にちょっとつり目っぽい赤目で、快活さが全身から滲み出ていた。


「だ、大丈夫です。えっと、それでどうしてカリンさんに?」


「ありがとうございますっス! 第一回イベント装備品部門の優勝作品を見て、依頼するならこの人しかいないって思ったっス!」


「ん。感謝」


「あ、ありがとうっていってます」


「なるほどっス! さすがお仲間っスね! 自分じゃ全く分からなかったっス!」


 ペカーと後光が差しているほどに眩しい笑顔で言い切るナインに、ミトが「ふえ!?」と照れたように顔を真っ赤にして驚く。

 うんうん、さすがミト。

 私はいまだにカリンがなに言ってるのか分からないしねー。


「依頼」


「依頼の内容を教えてほしいそうです。たぶん、戦い方は先程の決闘を見てるので、大丈夫……ですよね?」


「ん。弓と軽装」


「すごいっス! さすがっスね! そうっス、弓メインの高速戦闘タイプっス!」


 スムーズに進んでいく話し合いを、いちいち感動して大きな動作で驚いたり喜んだり。

 あ、たぶん私……ナインみたいなタイプ苦手かも。


「にゃはは、セツナはグイグイ押してくる、押し(つよ)熱血ハイテンション系が苦手だったっけにゃー」


「うん。ケートがギリギリイラッとするくらい」


「な、なぬ!?」


「嘘よ。ケートなら大丈夫」


 マジで悲しいって感じの顔をしたケートに、私が少し笑いながら訂正すれば、ケートは「よ、よかったにゃぁ……」と机に突っ伏す。

 そんな私達を見て、ミトがいつも通りクスクス笑っていた。


「お二人、仲良いんっスね! さっきも相棒って感じに信頼しあってる感じがしてて、カッコいいって思ってたっス!」


「そ、そう?」


「照れるにゃー」


「アレなんスか? お二人って、お付き合いとかされてるんスか?」


「ぶっ!?」


 突然すぎる爆弾に、私とケートは固まり、カリンは我関せずを貫き……ミトは飲もうとしていたジュースを吹き出した。

 ちょっとミト……汚い。


「私とケートが? ないない、同性だしね。親友みたいなものよ。ねえ、ケート」


「私はセツナなら良いぜ? 愛してるよ、セツナ」


「……どうやって死にたい?」


「嘘ですすいません。大好きなのは大好きですけど、お付き合いとかはまだそんな考えたこともないですすみません」


 私がケートに笑顔で訊いてあげると、ケートは頭を机に叩きつける勢いで下げる、

 だから私は、そんな頭に軽く手刀を落とし、「ぷぎゃ」という、ケートの鳴き声を聞いて許すことにした。

 いや……だって、そういうこと言うならもっとムードを。

 って、そうじゃない。


「あれ、違うんスかー!? そっスかー……お似合いだと思ったんスけど」


「お、お似合いとか、別にそんな」


「おっと、セツナが照れてるにゃー。にひひ、可愛いところもあるのう、うひひ、ひぃっ!?」


 カラカラ笑うケートの目の前で拳が止まる。

 間にある机のおかげで……そこで止まっただけだが。


「チッ、外したか」


「せ、セツナ。その、落ち着いて?」


「うっさい!」


「ひぎゃー!?」


 椅子を蹴り飛ばしケートへと手刀を落とす。

 しかしそれはギリギリで回避され……私は刀へと手を伸ばした。


「【蝶舞一刀】水の型」


「ひぃ!?」


「『水げ」


「うるさい」


 刀を抜こうとした瞬間、私の頭にペスッと手刀が落ちてくる。

 その手と声に後ろを振り向くと、そこには……相も変わらず無表情のカリンがいた。

 あ、いや、無表情だけど……ちょっと怖い、気がします?


「あ、えと、カリンさん。その」


「うるさい」


「リン、そのごめんなさ」


「うるさい」


 有無を言わせぬ迫力に、私もケートも「……はい」と、その場で正座してしまう。

 しかしカリンはなにも言わず背を向け、ナインの前へ座り「依頼」と話を進めた。

 こ、こわ、こわい!


「あ、えと、その……依頼は、武器と装備一式っス!」


「素材。効果」


「素材はどの素材で、また、武器や防具でこういった方向性が……とかあれば言ってほしいみたいです」


「はいっス! 素材はコイツを……東アルテラ森林のボスモンスター『ナイトメアバット』の素材を使ってくださいっス!」


 そう言って取り出した素材に、私達全員が驚きつつ顔を近づける。

 うっわ、ホントにナイトメアの素材だ……。

 ってことは、やっぱりこの子が。


「ナイトメアをソロで討伐したっていうプレイヤーは、やっぱり君だったんだにゃー」


「はいっス! 10回くらい挑みましたっスけど、最後は気合いで押しきったっス!」


「よく倒せたね。ナイトメアって暗闇の中、急に襲ってくるって聞いてたけど」


「そうっス! でも、最初は絶対に松明(たいまつ)を狙ってくるっスよ!」


 ニカッと笑いながら話をしてくれるナイン。

 いや、最初に狙ってくる場所が分かってても、タイミングとかわからないんじゃ……。


「タイミングはこっちで調整したっス! ある程度戦えそうな場所を探して、日が落ちる前に松明だけを地面に立ててセットしておいたっス」


「そっか、それなら相手が襲ってくるのを別の場所から確認できるね」


「そうっス。あとは最初に、臭いの強い果物を矢につけてぶつけたっス」


「なるほどにゃー。見えなくても臭いで分かるようにしたのかにゃー」


 どれもこれも、何回も死んで考えた案らしい。

 タイミングがわからないから、タイミングがわかるようにしたり。

 見えないから、見えなくても感知できるようにしたり。

 結構考えてる子かもしれない……。

 

「まあ、最後は攻撃を受けたところを掴んで、無理矢理動きを止めたあと、矢で突き刺しまくったんスけどねー」


「あ、ただのバーサーカーだったわ」


「だにゃ」


「ん」


 見た目に反して、知性的な戦い方だったから驚いてたのに、最後の最後である意味見た目通りの行動してた。

 きっとケートもカリンも同じ気持ちだったんだろう。

 ミトはー……乾いた笑い声が聞こえるし、同じ気持ちっぽいね。


「それで、どうっスか!? この素材で装備って、作れそうっスか!?」


「ほぼ可能」


「えっと、大体は作れるけど、少しだけ足りないから、取りに行ってきてほしいってことだと思います」


 カリンの言葉を代弁したミト。

 その言葉を聞いて、ナインはすごく嬉しそうに笑顔をみせた。


「分かったっス! 任せてくださいっス!」


 そして、またビシッと直角に頭を下げたのだった。  

 暑苦しい……やっぱり苦手かも。


-----


 名前:セツナ

 所持金:211,590リブラ


 武器:居合刀『紫煙』

 防具:戦装束『無鎧』


 所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.14】【幻燈蝶Lv.4】【蹴撃Lv.6】【カウンターLv.9】【蝶舞一刀Lv.8】【秘刃Lv.2】

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