大方の予想通り
前回のあらすじ
・生産イベントの結果発表中
・ミトが飲料部門で優勝した
『楽器部門、優勝者はー……ニシキさん!』
「えっ!?」
続いて行われた楽器部門の優勝はカリンではなく……そのことに、ミトがとても驚いていた。
あれ?
でも、ミトなら、カリンの作ってた楽器なら知ってるはずだよね?
「いえ、実は……カリンさんが完成させた楽器は、見ていないんです。秘密にされてしまって」
「そうなの?」
「ん」
「なので、結果発表で驚かせようとしてるのかな、と思ってたんですが……」
「リンならやりそうだにゃー」
ミトやケートの反応に頷きつつ、カリンの方を見ても……うーん、やっぱり無表情でなにも分からない。
ポーカーフェイスとかのスキル持ってたりしないよねー?
「カリンさんの楽器、気になります……」
「ミトさんと同じくー」
「気になるにゃー? リーンー?」
三人でじーっとカリンを見つめる。
がしかし、カリンは全く反応を見せず、口を開いたらと思ったら「……次、始まる」と、壇上を指差した。
むう。
□
『さてはて、お集まりの皆様お待ちかね……装備品カテゴリーの発表です!』
瞬間、「ウォォォ!」と、野太い声で空気が震えた。
ひゃー、みんな目当てがこれだったのかー。
『装備品カテゴリーは、ご存じの通り、頭・胴・腰・手・足の5つに分かれています。今回の評価上、総合順位としては、全身フルコーデで提出された方が高くなってしまいますが、ご安心ください! 各部位ごとの上位ランキングも、イベントページ内で発表となりますので、是非そちらも見てくださいね!』
アフターケアもバッチリ!
ただ、ケートは知っていたようで、大多数の観客と違って、特に反応はしてなかった。
「ねえ、ケート。各部位でのランキングって、そんなに必要なの?」
「ん? んー、まああったら目安にはなるって感じかなー。リアル都合で、どうしても全身作れなかった人とか、素材が足りない人とかさー、そういった人も含まれる可能性があるってことじゃん? 依頼側としても、依頼先の選択肢は増えるし、ないよりはあった方が良いって感じだと思うにゃー」
「ふーん?」
「ま、うちにはリンがいるから、まーったく関係ないんだけどにゃー」
そう言ってケートはにししと笑う。
まあ、それはそうなんだけどさー。
『参加作品数、総計5,829作品! その中から選ばれた、栄えある一位はー……! 『旅装ノ調』に決まりましたー!』
発表と共にスクリーンへ大きく表示される衣服は、まさに『吟遊詩人』の服。
濃い緑色のジャケット、そして白いシルクで出来たシャツは首元が広がり、ふわりとした膨らみの袖がついている。
焦げ茶色のパンツが全体に落ち着いた雰囲気を与えていて、不思議と話を聞いてしまいそうな感じだ。
もちろん、先折れとんがり帽子には羽が刺さっているところが、とてもわかりやすい!
なんかすごい、吟遊詩人って感じ。
『こちらの装備は、見た目が完全にテーマに沿っているという点も高く評価はされていますが……それ以上に、全体の完成度が群を抜いて高かったため、今回の結果となりました! 着心地や、汚れに対しての扱いやすさ、なによりも喉を絞めないことによる唄いやすさや、腕を動かしやすいよう工夫された可動部などなど……まさに着る人のことを一番に考えた作品となっています』
装備説明を行っていくごとに、周囲のざわめきが強くなっていく。
そして、さすがの私でも分かった……この制作者って……。
『というわけで、装備部門の優勝者は……あ、先ほど一瞬登壇されましたね。 カリンさん、もう一度こちらにどうぞー!』
「リン、いってらっしゃーい!」
「ん」
答えるのが先か、ヒュンッとカリンは光に包まれ、次の瞬間には壇上へと姿を移していた。
その瞬間、周囲の屋台から「カリンさん、おめでとうございます!」と、大勢の声が響き渡った。
……たぶん、さっきカリンに捧げ物してた人達だ。
『カリンさん、おめでとうございます。すごい人気ですね』
「ん」
『え、えっと……では、今のお気持ちを一言いただけますか?』
「感謝」
……な、なんだろう。
私達は慣れてるから気にならないけど……司会の女の子が可愛そうで仕方ない……!
ミトといい、カリンといい、ほんとにすみません。
『え、えっと……それだけ、ですか?』
「ケート、セツナも、呼んで」
『え? あ、はい』
カリンの言葉に呆気に取られつつも、要件を理解したらしい司会の女の子は、壇上へと私達をワープさせる。
あれ?
まって、なんで私達が壇上に?
「どもどもー、私の名前はケートちゃんです! 知ってる人も多いかにゃー? で、こっちの和服美女がセツナね!」
「あ、はい。セツナです」
「ケート、説明」
「あいよ、心得たぜい! あー、リン……カリンは口下手だから私が説明するよー。私とかセツナみたいな装備も作れるから、依頼はじゃんじゃん受けるぜ! ただし、金額なんかの対価はしっかり頂くので、ご用のある方は私か、飲料部門で優勝したミトちゃんに連絡してね! あ、セツナにはダメだぞっ」
私はダメらしい。
なんで?
「セツナはほら、リンと二人でまだ話せないじゃん? あと、依頼受けても対応の仕方分かんないでしょ?」
「あー、うん。そうかも」
「だから、セツナは受付禁止。むしろ用心棒かな? セツナの姉御、頼んます! みたいな」
用心棒っていうか、ヤクザじゃん。
まあ、刀は持ってるけど……。
「てなわけで、はい、司会のおねーさんにもどしまーす!」
『あ、ありがとうございます? え、えーっと……ということで、装備品部門の優勝はカリンさんでしたー!』
司会の女の子の宣言に、会場がわああああと盛り上がる。
うーん、すごい力技を見たぞー。
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名前:セツナ
所持金:11,590リブラ
武器:居合刀『紫煙』
防具:戦装束『無鎧』
所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.14】【幻燈蝶Lv.4】【蹴撃Lv.6】【カウンターLv.9】【蝶舞一刀Lv.8】【秘刃Lv.2】
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