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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第二章『名前をつけるなら』

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肉の神が降臨した

前回までのあらすじ

・生産イベント用作品がほぼ完成したよ

・セツナが新スキルを取得したよ

 あれから数日、私とケートはパーティーを組むことなく毎日を送り、気づけば週末の土曜日。

 そう、生産プレイヤー向けイベントの当日がやってきていた!


 と、言っても……。


「参加者が当日にする事ないんだけどにゃー」


「ん、表彰」


「うむ。各部門の優勝者が登壇して、表彰されるくらいだねぇ」


 という状況なため、私達は久々に四人で共有作業場に集まっていた。

 ホントに久しぶりな感じがするー。


「でも、どうしよっかにゃー? このままボーッとしてるのも暇だしー」


「かといって、街の外に出てて結果発表のタイミングにいなかったりしたら困るしね」


「ん、作業」


「リンは相変わらずぶれないにゃー」


 机を挟んで座っているのにも関わらず、カリンは何かをカチャカチャと組み立てる。

 ……何を作ってるんだろう?


「あ、あの!」


「わひゃっ!?」


「び、びっくりしたにゃー……。どうしたのかね、ミトちゃん?」


「す、すみません……。えっと、もしみんなお暇なら……お祭りに行きませんか?」


「お祭り? ミトさん、今日お祭りあるんですか?」


 ミトの提案に、私もケートも首を傾げ、カリンは我関せずを貫いてみせる。

 いや、少しは驚こうよ?


「お祭りというか、今日のイベント表彰がアルテラの噴水広場奥で行われるのを受けて、【調理】スキルメインでプレイしてる料理人プレイヤーさん達が、たくさん屋台を開いてるみたいなんです」


「なるほどね。言われてみれば、今日みたいな日にお店開かないのは勿体ないかな?」


「うむうむ! ここにいても暇だし、食べ歩きに行くのもありだぜ!」


「そうしよっか。……えっと、カリンさんはどうします?」


「作業」


 私の問いかけに、カリンは少しだけ顔を上げて、そう短く答える。

 見えない心の壁がある感じがする……うう。


「あっれー、いいのかなー? リンはお留守番でいいのかなー?」


「……?」


「きーっと美味しいお肉とか、売ってるんじゃないかなー? 調理専門プレイヤーなら、スパイスで味付けした串焼き肉とか、あったりするんじゃないかなー?」


「ん、行く」


 瞬く間に作業を中断して立ち上がったカリンに、私だけでなく、ミトも「えぇ……」って思わず声に出してしまう。

 いやいや、あまりにチョロい……チョロ過ぎるよ。


 そんなこんなで、私達四人はアルテラの街へと向かうことにしたのだった。

 ……なお、一番最初に部屋を出たのはカリンだったのは言うまでも無く。



「わ、美味しい!」


「だにゃー。ゲーム内なら、いくら食べても太らないから、じゃんじゃかお肉が食べれて最高だぜ!」


「だからって、両手で六本も焼き串を持つのはどうかと思う」


「えー六刀……違う、六串(ろっくし)流!」


 なんか決めポーズとりながら馬鹿なこと言ってるし、食べようとして鼻にでも刺されば良いと思う。

 そんな風に「うましうまし」とはしゃぐケートから目を逸らし……た先で、超笑顔のカリンが見えた。

 うわぁ、すごい笑顔……。


「この塩串肉は素晴らしい。使っている肉は、前回私も食べた兎肉でありながら、しっかり下処理や味付けが行われており、肉本来のポテンシャルを十全に発揮している。また、こちらのタレ串肉は焼いてから時間が経つことで、硬くなり易い料理でありながら、全体に満遍なく切れ込みを入れて、柔らかさを失わないようにしている点や、その溝を利用し漬けタレを深く馴染ませている点も評価できるポイントだ」


「か、カリンさぁん……」


「しかしだ、この肉に合わせるタレとしては、多少味が濃いように感じる。リアルで言うところの、醤油ベースに近い味ではあるものの、やはりまだ細かい味付けまでは至っていないようだ。あえて言うならば、辛みが強く出ているため、そこの調整をもう少し行うことが出来れば、この串はアルテラが誇る名物料理となっても遜色ない味だろう。頑張ってほしい」


 ……なに目線よ、それ。

 でも、なんか屋台の店主が深々と頭下げてて、もうよくわかんない……何この状況。

 あ、今度は別の屋台からお肉渡されてる……。


「まるで捧げ物みたいだにゃー」


「いつの間にカリンさんは神になったのよ……」


「まあ、リンだしねぇ……」


 そんな風に私達が傍観している間に、一本二本……一皿二皿……。

 ちょっと待って、ほとんどの屋台料理が提供されてる!?


「すごい異様な光景……」


「だ、だにゃー……」


「でもケート。あのね、私少し気がかりなことがあるんだけど」


「はっはっは、奇遇だねハニー。僕もさ!」


 僕ってなによ僕って。

 あと、ハニーじゃないし。


「あの状況で、ミトちゃん生きてるかねぇ?」


「埋もれて見えなくなっちゃってるしね」


「助けに行くー?」


「あの中に突貫するのはちょっとムリかな。斬って良いなら楽なんだけど」


「こわっ。セツナこわっ」


 そう言って、ケートが私から距離を取る。

 大丈夫だよー、こわくないよー。


「あ、そんなこと言ってたら出てきたみたい」


「良かったにゃ……もう少しで人斬りが生まれるところだったにゃ……」


「斬らない斬らない」


「ええー、ホントでござるかぁ?」


 にやにやとからかってくるケートの頭をぺちんと叩く。

 「あいてっ」というケートの声と共に、今日もいい音がした。


「まあ、ふざけてるケートは置いといて……ミトさん、大丈夫だった?」


「な、なんとか……すごかったです」


「それで、リンは満足したかね?」


「ん。満腹」


 さっきまで、あんなに笑顔でお肉を食べてた人と同一人物とは思えないほどに、表情なくカリンが頷く。

 ……うん、そのうち慣れる、はず。


「にしし、それなら良かった。もうすぐ発表時間だから、広場から少し離れて見てよー」


「はいはい」


 ぴょんぴょん跳ねるように人混みから抜けていくケートに苦笑しつつ、私達はその後を追った。

 さてはて、どうなることやら。


-----


 名前:セツナ

 所持金:11,590リブラ


 武器:居合刀『紫煙』

 防具:戦装束『無鎧』


 所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.14】【幻燈蝶Lv.4】【蹴撃Lv.6】【カウンターLv.9】【蝶舞一刀Lv.8】【秘刃Lv.2】

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