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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第二章『名前をつけるなら』

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秘そめし

前回までのあらすじ

・イベントがあるよ。

・ケートがなにか悩んでる?

「そういえば、カリンさん達のイベント用作品ってどんな感じなんですか?」


「装備以外」


「あ、えっと、カリンさんの装備部門以外は完成しました」


「つまり、カリンさんが出す楽器と、ミトさんの飲料は完成ってこと? 早いなー」


 イベントまでリアル一週間を切ったとはいえ、自信を持って完成と言えるものを作ってるのはすごいかも。

 どんな感じなのかなー?


「えへへ。セツナさん、良かったら飲んでみますか?」


「え、いいの? 飲んでみたい!」


「では、ちょっと準備しますね」


 そう言ってミトは台所の方へと歩いていく。

 アイテムボックスから出てくるものとばかり思ってたんだけど……違うのかな?


「提出は期限最終日にする予定です。カリンさんの装備品完成が、その辺りになりそうなので」


「え!? あ、じゃあもしかして邪魔しちゃった?」


「問題ない」


「カリンさんもこう言ってますし、気分転換も大事ですから」


 そう言って微笑むミトにホッと胸を撫で下ろし、薄紫色のジュースを受けとる。

 色的にはブドウ、かな?

 中に少し泡が見えるから、もしかすると炭酸が入ってるのかも?


「あ、美味しい」


「良かったです。結構試行錯誤して、その味に辿り着いたのは一昨日なんですよ」


「そうなんだー。シュワッとして爽やかだけど、ちょっと深みのあるマイルドなところもあって……濃すぎないブドウの味が感じられるよー。すごいね!」


「えへへ。ありがとうございます」


 嬉しそうに笑うミトにほっこりしつつ、作業を続けるカリンの傍らにあるカップに目を向ける。

 ……あれ、ただの水じゃない?

 美味しいのに、飲まないのかな?


「カリンさんの飲み物が気になります?」


「え? あ、うん。これ、すごい美味しいから、飲まないのかなって」


「あはは……。カリンさん、試飲だけでかなりの数を飲んでるので、暫く飲みたくないみたいです……」


「あ、そう……」


 なんとも言えない気持ちになりながら、私はカップの中のジュースを飲み干す。

 ……新しいなにかを生み出すのって、大変なんだなー。



 そんなこんなミトと話をしていた私だけれども、ミトが「そろそろカリンさんのお手伝いに戻りますね」と、作業に参加し始めたのもあって、私は作業場から外へと出ていた。

 二人とも、イベントに向けて頑張ってるんだなー。


「さて、それじゃ私はどうしようかな……」


 ゲートのあるイーリアス中心広場で、少しだけ考えて……「よし」とゲートをくぐる。

 みんながイベントに向けて頑張ってるし、私も頑張ろうかな!


 ……というわけで、私は今、二足歩行の蛙と戦っていた。

 戦う、というよりも、訓練してる感じだけど。


「むっ、右!」


「ゲコッ!?」


「次は左! それから、正面!」


「ゲココッ!?」


 振り下ろされる剣を避け、突き出される槍を逸らし、飛んできた矢を切り落とす。

 避けて斬ってはいつも通り……ただ、私は今、()()()()()それを行っていた。


「今! 風の型、『旋花』(ひるがお)!」


「ゲコ!? ゲコォォォ……」


「ふへー。【見切り】の訓練は大変だなー」


 そう、今は【見切り】のスキルレベル上げを頑張っているのだ。

 私には【幻燈蝶】もあるし、カリンの装備もあるしで、二足歩行蛙程度ならダメージを受けても死ぬことはない……はず。

 一応MPにだけは気を付けとこ……。


「でも、訓練を始めて一時間くらいで、スキルレベルは3まで上がったし、何度か攻撃を受けてるから【幻燈蝶】も発動できてるし、いい感じかなー」


 湿原だから、足も取られて、足捌きの練習にもなるし。

 うんうん、我ながらいい案!


「そういえば、なにか取れるスキル増えてたりするのかな? えーっと……スキル欄の習得可能リストはーっと」


 いつもスキルレベルしか確認してないスキルの項目を、習得可能リストのところまで動かす。

 するとそこには、前回見たときよりもすごくたくさんのスキルが表示されていた!

 いつのまに!


「使えそうなスキルはあるかなー? ん? 変なのがある」


 スキル名を流し見していると、その中のひとつに目が止まる。

 そのスキル名は……【秘刃】(ひそめしやいば)

 スキル説明には、『数秒、斬撃を置く』しか書いてない。

 斬撃を置くって何。


「……まあ、使ってみたら分かるかな? とってみよーっと」


 軽い気持ちでスキルを取得。

 すると、ちょうどいいタイミングで、二足歩行蛙が視界に現れた。


「とりあえず、残り1体だけにしようかな」


「ゲコ?」


「【蝶舞一刀】風の型、『旋花』!」


「ゲコォ!?」


 戦闘開始直後に、技を叩き込まれた蛙達が、光に飲まれて消えていく。

 『旋花』は下から上に斬り上げる技だから、弱点の顔が綺麗に真っ二つになるんだよねー。


「ゲ、ゲコ……」


「よしよし、それじゃーやってみよー。【秘刃】」


 スキル名を呟いた瞬間、目の前に透明な壁が出来たような、不思議な感覚が生まれた。

 ……たぶん、これを斬ればいいんだろうなー。


「じゃあ、蛙さんの正面にスパッと」


「ゲコ?」


 届かない位置で刀を振った私に、たった1体残された二足歩行蛙は、呆気にとられたみたいに固まる。

 そして、「ゲコココ!」と、まるで笑うみたいに鳴いて、まっすぐ突っ込んできた。

 

「お、よしよし。どうなるかなーっと」


「ゲコー!」


 勢いよく突っ込んできた二足歩行蛙が、あの壁があったところに入った瞬間……スパンッと体に刀傷を生む。


「ゲ、ゲコ……?」


「あー、なるほどー。そういった感じなんだー」


 突然生まれた刀傷に、理解できないような動きで後ずさる二足歩行蛙。

 そんな姿を見て、私はにっこりと微笑み「ありがとうございました」と、頭を下げて刀を振るった。


 これなら、居合いのデメリットが消せそうだー。


-----


 名前:セツナ

 所持金:11,590リブラ


 武器:居合刀『紫煙』

 防具:戦装束『無鎧』


 所持スキル:【見切りLv.3】【抜刀術Lv.14】【幻燈蝶Lv.4】【蹴撃Lv.6】【カウンターLv.9】【蝶舞一刀Lv.8】【秘刃Lv.1】

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