土下座が似合う
前回のあらすじ
・ホームのサイズでキャラバン登録可能人数が変わる
・第三層に来てなくてもキャラバンに参加できるらしい
「それで、件のシロさんは第三層に来られそうですか?」
「今挑戦してるとこだにゃー。たぶん大丈夫だと思うぜー」
「うん、大丈夫でしょ。あの試練ってそんなに難しくないし」
「「それはセツナ(さん)だから(ですから)」」
「そんなこと無いと思うけど……」
実際、ケートもミシェルも、一度やってみればクリア出来ると思う。
アレってそんなに難しくないし。
「ちなみに、ミシェルさんの試練ってなんだったの?」
「私ですか? 私は、気配を絶たれた状態でのランダム軌道による接近戦でしたね。弓はまるで効果を得ない距離を設定されていましたので、なかなか刺激的でした」
「なんだかセツナやシロちゃんと似た試練だにゃー。まあ、セツナのは飛行速度が光速だったし、シロちゃんは気配ありで、攻撃はしてこないハヤブサに当てるって試練だけど」
「接近して戦うプレイヤーは、大体同じなのかもしれませんね。ハヤブサのステータスが異なっているような形かと」
ミシェルが言うには、キャラバンメンバーの中でも、接近戦を主体とするスキルをメインで使っているプレイヤーは、ハヤブサとのガチ対決が多かったらしい。
あと、ミシェルがガチ対決になったのは、弓スキルを持っていなかったことが原因じゃないかって。
そういうものなのかな?
「リアリティがありありのゲームだけど、NPCの判断は結局のところプログラムなのにゃ。だから、システムとして設定されているものを判断材料として、行動が変化するんじゃないかにゃー」
「そうですね。持たれている称号なども判断材料にされているようですし、その点を含めれば全プレイヤー中で最も難しい試練を受けたのは、ケートさんになるかと思います」
「なるほどー? ケートの試練ってそんなに難しかったの? そういえば確か……」
「その辺は秘密だぜ」
えー、なんでよ。
「いえ確かに、すでに過ぎてしまった試練のことを考えていても意味がありませんから。それにケートさんのことですから、魔法関係の試練だったのでしょう」
「そういうことだにゃー」
「でしたら余計に、私やセツナさんとはまるで違う試練だったということでしょうし、その辺りを知ったとしてもあまり意味がありませんね」
「さ、サッパリしてるなー……」
「にゃはは……」
その辺ってもう少し気になったりしないかなー?
まあミシェルだし、サッパリしてるのもかなりミシェルっぽいから良いんだけど。
そんなことを思いながらホームの玄関へと向かっていれば、「そういえば」と、ミシェルが唐突に話を切り替えた。
「ん?」
「いえ、ケートさん達がホームに来てからすでに二時間ほど経っていますし、シロさんの試練もさすがに終わっているのではないかと」
「……あ」
「そう言われればそうだにゃ」
一瞬時が止まった……ような気がする。
って、止まってる場合じゃないよね?
「そもそも、なぜそんな日にホームの見学に」
「いやー、元々そんなに時間かかる予定じゃなかったんだよにゃー。それが、いきなり決闘とか始めちゃったしー?」
「なにシレっと人のせいにしてるの!?」
「にゃはは。良いもん見させて頂きやしたぜー」
「いえ、まだまだ精進せねばと」
ケートの軽口に対して真面目に返すミシェル。
「未熟者ですが、またいずれお相手を」とか言ってるけど、十分強かったからね!?
というか、そういうこと言ってる場合じゃないよねー?
「まあまあ慌てなさんな、大丈夫だって。シロちゃん来たらナイン君が連絡してくれるはずだから」
「なるほど、そうでしたか」
「そうだったっけ?」
「だぜー? ナイン君が"シロが来たら連絡する"ってにゃー」
そういえばそんなこと言ってた気がする。
だったら大丈夫かなー?
「おー、ほらそんなこと言ってたらナイン君から連絡きたぜー。やはりよく出来た子だにゃー」
「それは絶対違うと思うけど、まあ言ったことを守るのは大事」
「耳が痛いぜ」
「耳だけじゃ無くて、きっちり能まで届いて欲しいところだなー」
いや、ゲームとかに関してはしっかりやるんだけどねー?
勉強だとか、興味の無いことには全く当てにならないからなー。
まあ、お互い様だからあんまり言わないようにしたいけど。
「というわけで、えーっと……あー"連絡忘れてたっス! 一時間くらい前にシロが到着してますっス!"らしいぜー……」
「ダメじゃん」
「駄目ですね」
「お、おう……ダメな子だにゃ……」
□□□
「大っ変申し訳ないっス!」
「あ、あの、ナイン様は悪くないのです。私がはしゃいでしまって」
「うんうん、シロちゃんは可愛いにゃー」
「シロ、おめでとう。よく頑張ったねー」
ウルティアの広場の真ん中で土下座するナインを無視しながら、私達はシロをねぎらう。
言ったことを守れない人は、そのまま土下座しておけば良いと思う。
「……視線が痛いっスけど、お二人の対応がもっと痛いっス」
「ナイン様……大丈夫です、私はナイン様のことをお慕いしておりますので」
「シロ……。そんなことを言ってくれるのはシロだけっスよ……」
熱っぽい目でナインを見るシロと、嬉しそうにすがるナイン。
あーはいはい、ごちそうさまでーす。
ほら、ケートも露骨に面倒くさそうな顔しない。
「セツナ、私は少女漫画の世界じゃ生きていけないにゃ」
「それは激しく同意するー」
「砂糖吐きそうだにゃー」
「袋に詰めて売れば良いんじゃない? 砂糖」
「名案だぜー」
訳の分からない現実逃避が捗る私達。
そんな私の肩で、ハクヤが「キュル……?」とよく分からなそうに鳴いていた。
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名前:セツナ
所持金:100,920リブラ
武器:居合刀『紫煙』
防具:戦装束『無鎧』改
テイム:ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』(所持スキル:【切断Lv.3】【刺突Lv.3】【神速Lv.2】【蠍蟲拳Lv.3】)
所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】
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