百人入っても大丈夫!
前回のあらすじ
・グレン達のキャラバンホームを探検中
・ミシェルと決闘してた
「まだまだ遠いですね」
「そうでもないと思うけど」
「だにゃー。セツナも何度か危ないタイミングがあった気がするぜー」
二戦連続で勝利したことで決闘を終えた私に、ケートが歩き寄ってきた。
そしてケートの肩にいたハクヤが素早い動きで私の肩へと移動し、「キュルキュル」と身体を揺らす。
あー、喜んでるって感じだねー。
「技と技の間に細かく攻撃を挟んだり、刃を使って光を反射させたり、わざと半拍ズラしたりしてタイミングを変えたり……あげてもキリが無いくらいに、いろいろ仕込んでたよねー」
「だにゃー。セツナも対応は出来てたけど、途中からは反射で動いてる部分もあったみたいだし、あのまま押し切ってたら先に削られてたのはセツナだったかもしれないにゃー」
「押し切れていたら、ですが。その数秒を稼ぐことが非常に難しいですね。一瞬も隙を見せないようにしなければ、その瞬間に斬られますから」
よく言うよねー。
ミシェルだって、一瞬の隙を上手く使ってこっちの動きを制限してきてたくせにー。
防戦一方にさせられて、すっごく大変だったんだから。
「なんにせよ、同盟を組む上では非常に心強いですね。私達は防衛戦が得意なパーティでしたから」
「そうなの? 今戦って、全然そんな感じしなかったけど」
「ええ。それに本来の私の仕事は弓による狙撃ですから。【双剣術】は接近された時の保険のようなものですよ」
ミシェルが言うには、前衛にグレンとゴンザブロー、中衛にトーマス、後衛にイチカとミシェルらしい。
グレンが受け止めて、ゴンザブローがメインで接近。
トーマスは状況を見て動く遊撃のようなタイプらしく、いざというときにミシェルと一緒にイチカを守る立ち位置らしい。
なんていうか、よく考えられてるなー。
「うちの戦い方とはまるで違うにゃー」
「だねー。私達はみんな接近しちゃうし、ナインさんは影に潜っちゃうし。というか、変なのはケートだけでしょ?」
「にゃにをー!? この天才魔法使いに対して、変だとー!?」
ムキーと騒ぐケートに「あーはいはい」と軽く流していれば、すぐ横から「ケートさんは確かにおかしいですね」と冷静な声が突き刺さった。
よもやここで火に油を注ぐとは。
「ですが、それこそがあなた達の特異性なのでしょう。常に常識を壊し進むことは、一握りの人間に与えられた才能のようなものですから」
「お、おう? 照れるぜ?」
「存分にどうぞ。私には出来ないことであり、そういった面は非常に刺激を頂いておりますので」
……堅い!
もうめちゃくちゃ堅い!
グレンの防御力並みに態度と言動が堅くて、なんだかむず痒くなる!
「話を戻しますが、ホームの機能は大体は説明出来たかと思いますが、どうでしょうか?」
「りょーかいにゃ。ちなみにこれでどれくらいいけるのかにゃ?」
「そうですね……たしか百人だったかと」
「この規模で百かー。結構いけるんだにゃー」
えっと、何の話?
許容人数とか?
「違うぜー、キャラバンの登録可能人数のことだぜー」
「キャラバンの登録可能人数?」
「はい。ホームなしの場合は最大十五人ですが、ホームを登録すると、ホームの規模によって最大人数が加算されます。よって、うちのホームサイズだと、最大百人まで登録が可能になっています」
「はぇー……多いねー」
そんなに人数いる?
絶対人の顔覚えられないから、私には無理かなー。
「ちなみに現時点は?」
「そうですね。非戦闘員を含めて四十といったところでしょうか」
「……多いねー」
「だにゃー。私らとは文字通り桁が違うぜー」
まあ、だからって"負けるかー!"って気にはならないんだけど。
そういうのは数じゃ無くて質だと思うし。
質なら私達は負けてないと思うしね。
「それで、ケートさん達はホームの目星は付けていますか?」
「まーったく、これっぽっち探してすらないにゃ。うちは人数を増やす予定も特にないからにゃー。面白いところがあったら候補にするって程度だぜ」
「なるほど。でしたら一つ面白い情報を。第三層の海には島が多数存在していまして、大半が船舶ギルドや原住民や海賊の住処となっているようですが、中には誰も手を付けていない無人島も存在しているそうです」
「ほほう。それは面白い情報だにゃー。お礼は何がいいかにゃ?」
「いえいえ、先ほどセツナさんに模擬戦をして頂きましたし、これはそのお礼ということで」
「りょーかいにゃ。おぬしもなかなか悪よのう」
なんで悪代官よ。
というか、私を勝手に駆け引き材料にしないでほしい。
「でも、もう第三層まで来てる人、そんなにいるんだねー」
「ん? まだ全然だぜー? 試練が個人個人で違うからか、なかなか通過者が増えない感じだしにゃー」
「え、そうなの? でもミシェルさんのキャラバンには四十人も参加してるんでしょ?」
「ええ、そうですが……?」
「ああ、なるほどにゃー。セツナ、勘違いしてるぜー。キャラバンへ参加するのに、第三層到達は必要ないんだぜ!」
そうなの?
でも、シロが参加するのに三層来るの待つって。
「急いで作る必要も無かったからにゃー。ナイン君の知り合いだとしても、いきなり猛獣の群れに叩き込むのは趣味じゃないんだぜー」
「だれが猛獣よ」
「猛獣じゃないにせよ、良く知らない珍獣の群れに入れられるシロちゃんって、めちゃくちゃ可哀想じゃん? だから、慣らす時間を取ることにしたってことにゃー。あと、できれば設立も立ち会えた方が嬉しいもんじゃん?」
「まあ、それはまあ」
言われてみればそうかも?
あくまで想像でしかないけど、やっぱり最初からいるほうが気持ち的にも楽だしねー。
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名前:セツナ
所持金:100,920リブラ
武器:居合刀『紫煙』
防具:戦装束『無鎧』改
テイム:ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』(所持スキル:【切断Lv.3】【刺突Lv.3】【神速Lv.2】【蠍蟲拳Lv.3】)
所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】
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