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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第五章『サヨウナラが言えない』

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技の仕事人

前回のあらすじ

・豚足で魚は釣れない

・グレンのキャラバンホーム探検開始

 広い家の中を、まるでお上りさんのように首を振って歩く。

 左を向くと、時々ハクヤと目が合うのがちょっと面白いかなー。

 ハクヤが毎回違うポーズしてくれるし。


「ハクヤさん、でしたか。始めてお会いした時もそうでしたが、まるで人間のような反応をするんですね」

「んー? だねー。でも、ボスのサソリも結構表情豊かだった気がするよー」

「そ、そうなのですか?」

「うん。一人で殴りにいった時とか、逃げるみたいに後ずさってたりしたし」


 あのときのサソリはなんだか元気が無かったよねー。

 何をそんなに怖がってたのか分かんないけど。


「それはなんと言いますか……」

「言葉を選ばなくてもだいじょーぶにゃ。セツナは脳筋っていうか、アマゾネスだから」

「誰がアマゾネスか」

「ひぃっ、そういうところがアマゾネスにゃー! 振り上げた拳をお収めください、力の一号様!」


 力の一号て。


「一人で殴りに、ですか。それは少し興味が湧きますね」

「ん? ミシェルさんなら全然一人で行けるでしょ?」

「ええ、遅れは取らないと思いますが……興味が湧いたのはそちらではなく、セツナさんに対してです」

「私?」


 "なんで?"と聞き返すよりも先に、ミシェルはピタりと歩みを止めて、とある扉を開く。

 すると私達の間にぶわっと風が吹き抜け……私は思わず目を瞑った。


「ここが訓練所です。……言いたいことが分かりますよね? セツナさん」

「あー、うん。なんて言いたいかは分からないけど、感じることが間違いじゃないなら」

「ええ、今は敢えて抑えてませんから」

「なるほどー。良いよ、やろう」

「感謝します。では、どうぞ中へ」


 導かれて扉を抜ければ、広く開かれた空き地のようなエリアが広がっていた。

 テニスコート二つ分くらいあるんじゃないだろうか、これ。

 なんにしても広いなー。


「では、三本勝負といきましょうか。お互い準備体操が必要でしょうし」

「ん? 別に必要無いけど……」

「聞きしに勝る異常性ですね。……でしたらHP80%奪取の二本先取でお願いできますか?」

「いいよー」


 言いながらハクヤをケートに任せ、解すように手をにぎにぎ。

 地面の状態を確認して……うん、良いね。


「では、参ります」

「うん。よろしくー」


 飛んできた決闘申請を受け入れて、飛んできた矢を切り払う。

 ……ナインもそうだったけど、弓を使う人ってみんなこんな感じなの?


「当てられないとは思っていましたが、驚きすらしないのは想定外ですね」

「あー、同じような攻撃を受けたことがあるからねー」

「なるほど、でしたら仕方ないですね」


 「では」と短く発して、即座に矢を放ってくる。

 連射速度も正確さもナインとじゃ雲泥の差だなー。

 あ、もちろんミシェルの方が雲ね。


「ほい、ほい」

「まだ増えますよ」

「はーい、よっと」

「……なんと言いますか、反応速度が異常ですね」

「ありがとうございます?」


 まだまだ余裕だけど、ぼやきながら速度を上げていくミシェルも大概だと思うけどねー。

 今、秒間三発くらい飛んできてる気がするし。

 それ、どうやって撃ってるの?


「やはりスキル無しでは、この辺りが限界のようですね」

「普通なら限界はとっくに過ぎてると思うけど」

「ええ。ですが、その程度では足りないのです。……ですから、ここからは本気で行かせて頂きます。モードチェンジ、双刃剣『建速(タケハヤ)』」


 カシャッと弓が変形し、ちょうど半分ほどのサイズの双剣に変わる。

 その変化を見て、私は細く息を吐き、精神を集中させた。

 獲るべきはあの剣の奥、そこにある細い首のみ。

 故に刃は光よりも速く、朧のように霞みに溶ける刃でなくてはならない。


「――――ッ!」

「……あれ?」


 音も無く振り抜いた刃が捉えたのは、首ではなく二つの刃。

 それはギィンと鈍い音を響かせながら刃を弾き、まるで独楽(こま)のように回りながら、私へと突っ込んできた。

 だからこそ――――つい、顔は笑みを象ってしまう。


「【双剣術】『斬り独楽裂き』!」

「『剛脚』震……『双撞掌(そうとうしょう)』!」


 ドゴンッと音が響き、地面に余波が走る。

 殺しきれなかった衝撃が地面を裂き、砂礫が舞い上がった。

 いや、アレを受けきるの凄くない……?


「予想よりも数段上の威力ですね」

「いや、普通に受けられてビックリしてるんだけど」

「さすがに受け止めてはいませんよ。衝撃は左右に受け流させていただきました」


 さも当然みたいに言い切るミシェル。

 ……どことなくカリンみたいな感じ。

 "出来て当然"みたいな雰囲気があるし。


「ですが、やはり斬撃や刺突は効果が無いみたいですね」

「え?」

「三種ほど仕込ませて頂きましたが、内二種は蝶が舞うのを確認させて頂きました。……もっとも、残る一種はダメージ判定が行われなかった可能性もありますが」


 言われてMPを確認すれば、ほんの少しだけ減っていた。

 技の消費を合わせても、7くらい減ってるみたい。

 え、私の攻撃を受け流しながら、多段攻撃してたの?


「こわっ」

「……何がですか?」

「何を食べたらそんなこと出来るようになるの?」

「母の料理ですが……」


 そういうことじゃない。

 まあでも、いくら技術的に凄くても、反応できない速度なら斬れるだろうし。

 やってみますかー。


「……ようやく本気ですか」

「今までも十分本気だったんだけど」

「あの程度で本気というのは、自らに対して失礼というものです」

「あ、はい。ごめんなさい」


 なんていうか、今まであった人のなかでも、一番の真面目さんかもしれない。

 デキる女感がすごい。

 やっぱり委員長とかしてそうだなー。


「では参ります」

「仕切り直しって感じだねー。でも、それじゃ遅いかも」


 チッと音がして、刀を鞘へと納まる。

 その瞬間、私の勝利が確定した。


-----


 名前:セツナ

 所持金:100,920リブラ


 武器:居合刀『紫煙』

 防具:戦装束『無鎧』改


 テイム:ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』(所持スキル:【切断Lv.3】【刺突Lv.3】【神速Lv.2】【蠍蟲拳(かっちゅうけん)Lv.3】)


 所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】

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