謎の張り合い
前回のあらすじ
・銃のアイデア募集
・焼き肉の香りのお茶(忍者作)
「釣れないにゃー」
「そうねー」
「この海には魚がいないのかにゃー?」
「食い尽くしたかもねー」
「街の胃袋は海だ……!」
宇宙的な意味なんだろうけど、海産物で成り立ってるだけに、間違いでもないのがアレ。
というか、ほんとに釣れないなー。
ハクヤも小枝で作った小型釣り竿を垂らしてるけど、もし食いついたら逆にハクヤが釣られそう。
「かれこれ一時間だぜ、嬢ちゃん」
「そうねー」
「ぐわー、このままではシロちゃんに腹一杯魚を喰わせる計画がー」
「初耳なんだけど、それ」
「言ってないからにゃー」とケラケラ笑うケートに、私はこれ見よがしに大きなため息を吐く。
まぁでも、歓迎会的な理由なんだろうし……仕方ないなーもう。
「それでどうするの? 言っちゃ悪いけど、このまま粘ってても釣れそうな気配が」
「だにゃー。やはり餌が豚足なのはダメだったかー」
「……やる前から分かってたことじゃん?」
「えー、ならそう言ってくれよー。後出しじゃんけんは卑怯なんだぜ!」
そう言うなら、普段から後出しはしないでほしい。
……まぁ、後出しされても勝てるから気づいてるってことは言わないけど。
「しゃーない、魚は店で買うかにゃー」
「雑じゃん」
「豚足はリンにでもあげようかにゃ。塩漬けみたいになってるだろうし」
「それは最低」
「ば、バレなきゃセーフだぜ!」
もし本当に渡したら、カリンさんに密告しよう。
「そんじゃまー、やることなくなっちゃったし、仕方ないけど行くかにゃー」
「行くってどこに?」
「にっひっひ、秘密だぜー。セツナもついてくればいいにゃ」
「あー、はいはい」
そんなこと言いながら、元々連れて行く気満々なくせに。
ま、別に良いけどねー、やることもないし。
でも、手を繋ぐ必要は無いと思うんだけどなー?
「セツナはすぐ迷子になるからにゃー」
「なったこと無いけど?」
「えー……」
「えー?」
ないよね?
ハクヤも首を傾げないでね?
□□
「……本当に来たんですね」
「来ても良いって言ったのミシェルさんだぜー。私はお誘いに応じただけにゃ」
「……そうでしたね。まあ、ここでは何ですので、どうぞ中へ」
「おっじゃましまーす、にゃ」
先導するミシェルに、ケートはいつもの三割増しくらいのテンションでついて行く。
そんな二人を視界に捉えつつも、私は「でっか……」と呆けていた。
というのも、ウルティアの中心から少し外れたところに経つ、どかーんと大きな建物。
それが、グレンのキャラバン"赫灼たる明光"のホームらしい。
いや、大きすぎるでしょ。
カリンが借りてる倉庫が三つくらい入りそう。
「セツナー? アホ面になってないで入るにゃー」
「……アホ面じゃないし」
「ソレはソレとして、さっさと来るにゃ」
それをソレしないで欲しい。
なんてことを想いつつもミシェルの後について行けば、私達は何やら広い部屋に通された。
机を挟んでソファーがドドンとある部屋で、いわゆる応接室って感じ?
こういう部屋って妙に緊張するよねー。
対面にミシェルが座ってるからか、余計にねー。
「それで、今日はどんなご用件ですか? ケートさんのことですから、何か用があるんですよね?」
「んにゃー? 暇だったから見に来ただけだぜー。ホームってのも見ておきたかったしにゃー」
「……そ、そうなんですか?」
「そう言ってるしそうなんじゃない? ケートのことだから行き当たりばったりだろうし」
「良くお分かりで照れちゃうぜ」
やだ怖い。
というか、私とミシェルさんでケートの人物像が真逆なの、ちょっと変な感じ。
ケートをそんなに買いかぶってたら、足下救われちゃうよ?
そんなくだらない話をする私達を見て、ミシェルは眉間の皺を揉みながら、大きく溜息を吐く。
やっぱりこの人、真面目さんだなー。
委員長とかめがねとか似合いそうだよね。
「まあ、冗談は置いといて……ホームの機能だとか、そういったことを教えて貰えないかにゃーと」
「無駄な話してないで最初からそう聞いてください」
「にゃはは、円滑なコミュニケーションってやつだぜ」
「余計な回り道してますよね?」
「急がば回れにゃ! ぐるぐるバターだぜ!」
バターってケートの頭の中じゃん。
「そんなわけでミシェル先生、お願いしますだー。……ほら、セツナも」
「え? お願いします?」
「頭を下げるなら、もう少し入念に打ち合わせをしてから来て貰えますか? 今日は特に予定もありませんし、別に構いませんが……」
「感謝感謝だぜー。ちゃーんとそのうち埋め合わせはするぜい」
「ええ、期待せずに待っておきます。では……」
苦笑しつつも席を立ったミシェルが「行きましょうか」と、扉を開いて先導する。
跳ねるように追いかけるケートに呆れつつ、私も席を立った。
というか、ミシェルってなにげに流されやすいよねー?
「まず玄関口ですが、こちらでは侵入可不可の設定が行えます。メンバーのみ可、メンバーのフレンドまで可、フレンドのフレンドまで可、全員可の四種類です。私達はメンバーのフレンドまで可にしています。変更は即時行われますので、必要に応じて変化させれば大丈夫かと想います」
「ふむふむー。フレンドのフレンドを入れようと思ったら、そのタイミングで変更するってことかー」
「ええ、その方が防犯等を考えた際、都合が良いかと思います」
「防犯って考えないといけないの?」
アイテム類って許可がないと持って行けないよね?
開いてても問題ないんじゃ?
「持ち出しは出来ないですが、情報を持って帰ることは可能になりますから」
「情報?」
「例えばボスの場所とかをホーム内で話してるときに、知らない人が入ってきてたらバレちゃうじゃん? そういった情報って、タイミングによってはアイテムとかよりも価値があるからにゃー」
「へー」
よく分からないけど、秘密の話が聞かれちゃうってことかー。
「よく分からん! って顔してるにゃー」
「ええと……一応ホーム内の音は外に漏れないようになっていますが、ホーム内にいれば聞こえてしまう場合はありますから。用心に越したことはない、ということです」
「はーい。なんとなくは分かったけど、その辺はケートに任せることにするー」
「……ああ、うん。そうだにゃ……」
なんでそんな残念な子を見るような目で見られないといけないの!?
心外だわー。
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名前:セツナ
所持金:100,920リブラ
武器:居合刀『紫煙』
防具:戦装束『無鎧』改
テイム:ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』(所持スキル:【切断Lv.3】【刺突Lv.3】【神速Lv.2】【蠍蟲拳Lv.3】)
所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】
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