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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第四章『ボタン』

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百になる

前回のあらすじ

・ケート達はグレン達と船を見に行く

・ナインはシロと決着を付けに

 side.ナイン


「でも、ゲームにも追いかけてきたのは驚いたっスよ。どうやって知ったんスか?」


 ゲームを始めたことは、学園の誰にも伝えてはいなかった。

 それなのに、シロは自分のあとを追いかけるようにこのゲームを始めたのだ。


「ナイン様のお父様が話していたと、(わたくし)の父が教えて下さいました。ナイン様もご存知の通り、私の父と、ナイン様のお父様は、旧友の間柄ですから」


「あー、父さん経由っスかー。そうっスね、確かに安全上の関係で、父さんには伝えてるっスから」


「はい。ですので、父からその話を聞き『見聞を広めるのに役立つだろう』と、父がシンギュリア(VR機器)ごと、私にプレゼントしてくれました」


 あのお父さんならやりかねないっスね。

 シロの家と自分の家は、両親同士が友達って関係だったりするっスから、シロは覚えてないっみたいっスけど、小さい頃から何度か会ってたりするんスよね。

 ただ、小学校に上がってからは、学年の違いに、習い事なんかもあって、会う頻度が極端に減ったっス。

 それこそ、今の学園にシロが入ってきて……その成長ぶりに驚いたくらいっスから。


「実は(わたくし)、ナイン様……いえ、(はじめ)様のことは、ずっとお慕いしておりましたの。それこそ、学園に来るよりももっと以前から」


「そうなんスか!? いや、でも、学園で初めて会ったときには、『どなたでしょうか?』みたいな……完全に見知らぬ他人みたいな反応してたじゃないっスか!」


「あの時はお友達もおりましたので……。学園で有名な(はじめ)様のことを知っているとなると、私の学園生活が大変なことになってしまいますから」


「そ、それはそうだったかも知れないっスけど……」


 そんな反応だったからこそ、自分はシロはもう自分のことを覚えていないんだろうな、と思ってたんスよ!?

 そう思って生活してたのに、いきなり告白されて……あんな反応になるのは、まあ仕方ない部分もあると思うんスよ。


「それは……」


「まあ、いいんスよ。要は忘れてなかったってことなんスね?」


「ええ、その通りですの。それに父が何度も、一様のお父様から聞いたことを話してくれましたから」


「父さんには娘のプライバシーを守るって気は無いんスかね……」


 今日のプレイが終わったら、父さんをしっかり叱っとこうっス。

 まあ、とりあえずその話は置いといて……。


「自分、(もも)に伝えたいことがあったんスよ」


「はい? なんでしょうか?」


「その……ごめんなさいっス! あのとき、白の勇気を踏みにじるようなことを言ってしまって、本当にごめんなさいっス!」


 ビシッと腰から曲げて、謝罪と共に頭を下げる。

 そう、自分がシロと仲間としてやっていくのならば、キチンとケジメをつける必要があるから。

 だからこそ、このタイミング。

 ケートがわざわざメッセージで呼んでくれた、このタイミングを逃すわけにはいかない。


『ナイン君へ。シロちゃん、たぶん次試練を受けにいけば、三層にくるんじゃないかなーって思うんだよにゃー。んで、シロちゃんが三層に来たら、晴れてキャラバン設立ってわけだ。ナイン君とシロちゃんも、ようやく仲間って感じになれるにゃー。……ただ、ナイン君は、今のままで仲間になれるかい? もしもなれないって感じるなら、今すぐイーリアスにおいでよ』


「自分は馬鹿っス。告白をすれば、“そう思われるかもしれない”なんてこと、想像だって出来てたはずなんスよ。それでも、それすらも飲み込んで……白は自分に告白してきたんスよね。そんなことも考えられなくて、酷いことを口にしてしまった。本当にごめんなさいっス」


「一様……」


「自分はまだ同性の恋愛的な話は全然わからないっス。でも、ケートさんやセツナさん、カリンさんとミトさんを見てて……良いなあと思ってしまったのも事実っス。そして、それは白が望む関係とは違うかもしれないっスけど……白と、そんな皆さんの関係みたいになれれば、嬉しいって思ってるんスよ」


 友達とは少し違う。

 仲間、とも少し違う。

 大事にしたいと思う相手。

 それが、恋という感情なのかどうかは分からないっスけども。


「だから白。白がこのゲームに来てくれて、自分をまだ慕っていてくれて、これから仲間になろうとしてくれていること。自分はすごい嬉しいって思ってるっスよ」


「……やっぱり一様は卑怯ですの」


「えっ!? だ、ダメだったっスか!?」


「いえ、そうではないのです。でも、そんなことを……好きだと思っている相手に言われて、嬉しいと思わない人はいないと思いますの。そういうことを無意識にやってしまうところは、やっぱり卑怯だと思いますの」


「そ、それは……自分が悪いんスかね……?」


 あまりにもあまりな言葉に、つい肩を落とし、溜め息を吐いてしまう。

 しかし、そんな自分を見て、シロはくすりと笑い……「いえ、私は好きですよ。一様のそういうところ」と、手を取ったのだった。

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