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また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記  作者: 一色 遥
第四章『ボタン』

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高速移動するサソリ

前回のあらすじ

・ケートがシロの試練を再現してくれることに

・使えないデコイ……

「セツナー。暇ならハクヤの訓練でもしてたらいいと思うぜー」


 シロの特訓を眺めていると、隣で魔法を行使するケートが、そんなことを口にした。


「それでもいいんだけど、決闘システムだとスキルの経験値って入らないからさー。あんまり意味がないかなーって」


「なら、今回が終わったらシロちゃんとのパーティーを切ればいいにゃ。設定すればセツナが決闘中の状況をみれるようにもできるしにゃ」


「そうなの? じゃあそうしようかな……」


 初耳な情報に驚きつつ、ケートの提案に乗ろうと思っていると、「くっ……」と呻くような声を上げて、シロが倒れた。

 どうやら今回もHP全損する方が早かったらしい。


「ケート様、もう一度やらせてください」


「大丈夫にゃー。……の前に、セツナ」


「あ、うん。ちょっと一度パーティーを解散するねー。今回はケートに任せておいたら良さそうだし、私もハクヤの訓練したいから」


「はい。構いません」


 シロが頷くのを確認してから、私は二人だけのパーティーを解散させる。

 そして、ケートが次の試合の準備をしている間に……そっとシロへと近づいて口を開いた。


「シロ」


「はい?」


「シロは綺麗に薙刀を振るうし、力も十分にある。けど、少しだけ速さが足りない。……だからといって、力づくで振れば良いってものでもないよね?」


「はい。その通りですの」


「刃の速度を上げることは難しい。じゃあ、どうやって速さを上げればいいのかな?」


 私の問いに、シロは「えっと……」と考え始める。

 それから数秒ほど悩んでから、「踏み込みの速度、等でしょうか?」と自信なさげに口にした。



「確かにそれもあるねー。でも、それらも含めて……相手に悟られないようにする、が一番かな?」


「悟られないように、ですか?」


「そそ。別にナインみたいな背後を狙う! とかじゃなくて、フェイントを使って相手の思考を逸らすとか、振るう時の初動をもっと見えづらくするとかね?」


 モンスターも人間も、行動する前には、何かしらの予想をつけて行動するものだ。

 だからこそ、予想外のタイミングで攻撃が来れば……対応は一瞬遅れてしまう。

 あのハヤブサにも通用するのかは、ちょっと分かんないけど。


「モンスターと戦うときはどうか分からないけど、人と戦うときは目線だって武器になる。戦い慣れてない人は、狙おうとする場所を、つい無意識的に見てしまうから。……でも、だからこそ、それすらもフェイントに使えたりするんだよ」


「な、なるほど……。勉強になりますの」


「まあ、ちょっとズレたけど、速さってのはそういう考え方もあるから。まずは自分の動きをしっかり確認すること。そのうえで、直せそうなところはしっかり直す。おーけー?」


「はい!」


 元気よく頷いたシロに微笑みつつ、「そんじゃ頑張ってー」と手を振って離れる。

 それから数秒ほどで、またシロは薄霧に包まれていた。


 さて、それじゃあ……こっちもやりますかー。


「ハクヤ、特訓するよー」


「キュル!」


「まずはもっと素早く動けるように……短距離ダッシュと、横移動の訓練かな!」


 言いながらハクヤを地面に下ろし、顔の前に線を引く。

 そして、私の間合いよりも少し遠いくらいのところにまた線を引いて……その線の向こうで鞘を手に持った。


「ハクヤはその線から、私の前に引いた線まで走ってくること。ただし、ハクヤが私の間合いに入ったら……私が軽く妨害するから、それをしっかり避けること」


「キュル」


「何度もやって、かかった時間をどんどん短くできるよう頑張ってみよー。じゃ、始めー」


「キュル!」


 開始宣言と共に、ハクヤが一気に突っ込んでくる。

 この時点で、すでに蛙の舌攻撃よりも速い。

 なかなかのスピードだねー。


「でも、ほいっ」


「キュルッ!?」


「ほいほい、ほいほいほいほい」


「キュ、キュルル……ッ!」


 連続で繰り出される鞘の妨害に、ハクヤは前に進むことを止め、左右……そして少し後ろへと退がる。

 ふっふっふ、そう簡単には行かせないぞー。


「キュル……」


「さて、どうしたのかなハクヤ君。君の実力はそんなものかね?」


「キュルルル……!」


「む、まだ来るか! ていっ」


 反論するように突っ込んできたハクヤに、上から鞘を下ろせば、スライドするようにその身をズラす。

 それを妨害するように横から薙いでみれば、今度は一瞬後ろに退がり……直後、前へと、吹っ飛ぶみたいに高速で飛んだ。

 どうやら、後ろに下がりつつ尻尾を利用して跳んだみたいだ。


「曲芸を教えたつもりはないんだけどなー……」


「キュル!」


「ほいほいっ」


「キュルルッ」


 突いてみればハサミを利用してクルッと側転し、すぐさま突っ込んでくる。

 薙いでみれば尻尾を使って避け、さらに前に突っ込んでくる。

 素の速度もスゴいけど、その反応速度は、すでにシロを越えているような気がした。


「キュルー!」


「ありゃ、ゴールされちゃったかー。大体30秒ってところかな」


「キュル」


「まさかすぐに対応されるとは思ってなかったし、次やったらもっと時間短くなりそうかな?」


「キュルッ」


 やる気満々でスタート地点に戻るハクヤに笑いつつ、また訓練を開始する。

 結局、たった数回程度やっただけで、ハクヤは5秒を切るほどのタイムを叩き出すのだった。

 やっぱりこの子ちょっとおかしい。


-----


 名前:セツナ

 所持金:102,040リブラ(-3,000リブラ)


 武器:居合刀『紫煙』

 防具:戦装束『無鎧』改


 テイム:ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』


 所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】

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