うちの子はとても優秀なんで
前回のあらすじ
・ナインとシロのスキル構成のお話
・セツナの必殺技が見つかる……?
「キュル」
「ん?」
私の肩の上で良い子にしていたハクヤが、小さく鳴いて片手を挙げる。
なんだろ、挙手してるのかな?
尻尾が左右に揺れてて、まるで犬みたいだ。
「キュル、キュルル」
「んー?」
「何か言いたそうだにゃー」
「……もしかすると、ハクヤ様もスキル構成のお話に混ざりたいのではないでしょうか?」
「キュル!」
シロの言葉に、ハクヤが強く鳴いて両手を挙げる。
つまり、正解ってことかな?
よく分かったねー。
「いえ、リアルでは犬を飼っておりまして……。混ぜて欲しそうにしている時のポーズに似ていたもので」
「なるほどにゃー。てか、ハクヤもスキルを持ってるのかー」
「え、そうなの?」
「なんで飼い主が知らないのかにゃ……」
ケートの言葉に私が驚いていると、ハクヤはスルスルッと私の肩から降りて、テーブルの真ん中へと移動した。
そして、「キュル」と小さく鳴いて、両手を挙げた。
「えーっと、どうやって調べれば良いんだろう……」
「ハクヤのステータスとか開けないのかにゃ?」
「ステータス……? あ、これかな」
――――――――
名前:ハクヤ
主人:セツナ
所持スキル:【切断Lv.3】【刺突Lv.3】【神速Lv.1】【蠍蟲拳Lv.2】
――――――――
「……確かにセツナのペットって感じにゃ」
「見事にセツナさんみたいなスキルっすね」
「キュル!」
詳細を調べてみると、【切断】や【刺突】は、テイムしたモンスターの攻撃方法によって習得する基礎スキルらしい。
まあ、ハサミで斬るし、尻尾で刺すから間違いじゃないよね。
「で、【神速】は……高速移動スキル? レベルで速度が上がるらしいよー」
「スピード特化なサソリって感じだにゃー」
「セツナ様の戦い方が、そのまま生かされているみたいですの」
「じゃあ、レベルが上がったら、高速移動して真っ二つにしてくるサソリになるんスか……」
やだ怖い。
でも、背中を任せられるようになったら嬉しいし、ハクヤも育てないとね。
「【蠍蟲拳】はなんなのかにゃ?」
「えーっと、“種族特性を生かした格闘術”らしいよ?」
「……つまり、ハクヤは超戦闘型ってことだにゃ。ますますサソリ版セツナだぜ」
【神速】より、【蠍蟲拳】のレベルが高いのは、この間の訓練が原因かな。
動かずに的を射貫く訓練だったし。
「ハクヤは強い子だったんだねー。良い子良い子」
「キュルルル」
「あと、いろいろ調べてみたら、どうもスキルレベル合計が15になったら、少し大きくなるみたい」
「なるほどにゃー。今が9だから、あと少しで大きくなるってことだにゃ」
あの訓練でもレベルが上がるみたいだし、今度はハクヤと一緒に外でも走ろうかな。
速さはイコール重さになるから、遅く強い攻撃よりも、速く強い攻撃の方が強いし。
「おや、セツナさん。そちらの白いサソリさんは、あなたの従魔ですか?」
「あ、マスターさん。そうですそうです。ハクヤって名前の子です」
「ハクヤさんですね。初めまして、私はこの喫茶店のマスターです。お近づきの印に、こちらをどうぞ」
「キュル?」
席の近くに来たマスターが、テーブルの真ん中にいるハクヤへ、小さなカップを渡す。
ミニチュアサイズだけど、ハクヤにはちょうど良いのか、ハサミで器用に持ち上げて飲んでいた。
おー、良い飲みっぷり。
「キュルッ!」
「ハクヤ様、嬉しそうですの」
「気に入ったみたいだねー。マスターさん、ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそよく来て頂いてありがたい限りですので。これはいつでもサービスできますので、セツナさんがご来店の際は、お申し付けいただければ」
「はい。ありがとうございます」
「キュル」
私が頭を下げたのを見て、ハクヤも手を挙げて感謝を示す。
そんなハクヤに微笑んでから、マスターは「では、ごゆっくり」と、私達に背を向けた。
相変わらず渋オジだ……。
「そういえばセツナ、シロちゃんの特訓は上手くいってるのかにゃ?」
「ん? あー、どうだろ……」
「何かあったんスか?」
言葉に詰まった私に、ナインが不思議そうな顔でそう聞いてくる。
そんなナインに苦笑しつつ、「さっきも言ったんだけどね」と私は口を開いた。
「第三層に行くのに、天空王の試練を超えないといけないのはわかりきってると思うけど、その試練がちょっと面倒でねー。持続ダメージのある薄霧の中で、ハヤブサに一撃入れるってだけなんだけど、シロに対してはハヤブサが速くて」
「あー、なるほどにゃー。視界を奪われてる中ってことかー」
「いや、視界は全然問題ないんだけどね。ただ単にハヤブサの速度に、シロが追いついてない」
「そういうことっスかー」
そう、速さが足りない。
すごく単純な原因……だけど、それゆえに、対応が難しい。
どうすればいいかなー。
「一応、私もお願いして同じ試練を受けさせて貰ったんだけどねー」
「えっ!? そうだったのですか?」
「うん、あの後にねー。ただ、私は普通に斬れたから……」
「……セツナを基準にするのはちょっとダメだと思うにゃ」
……ひどい言われようだ。
まあ、なんにしても速度が足りないんだよ。
でも、私と模擬戦してても、練習にはならないしなー。
なんて悩んでいれば、「ま、そういうことなら……この天才ケートちゃんに任せるにゃ」と、隣に座るケートが笑顔で言い切るのだった。
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名前:セツナ
所持金:105,040リブラ
武器:居合刀『紫煙』
防具:戦装束『無鎧』改
テイム:ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』
所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】
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