現実からの逃避行の旅 T
短編3作目です。
三部作のうちの1作品目です。
場所が分からない際は地図アプリなどといったものを使いながら読むことをオススメします。
終わったと思った。僕、八代が学校に着くやいなや知らされた就職試験不採用の通知。八代は、なぜ就職試験不採用なのかを進路課の教師に聞いた。理由は、面接だった。筆記試験の方は問題なかったのだが面接で言いたいことが面接官に伝わらなかったのが理由だった。すぐに、他の企業を探してこいと言われた八代は、進路室の扉の前に立ち尽くした。泣きたかった。辛かった。しかし、そんな感情を無視して授業へと向かった。授業の内容が右耳から左耳へと左耳から右耳へと通り抜けていった。休み時間などには、就職試験に受かったかどうか確認する同学年の就職希望者を見るのが辛かった。八代もいつ受かったかどうか聞かれるかと思うと気が気で無かった。
誰にも、話しかけられないうちに学校を終える。そういえば、僕はこういう人だったなと思う。友達がこの学校では1人もおらず何をするにもいつも1人だった。弁当は誰も来ない空き教室で食べ、授業は終始黙って受けて1人で帰る。なんて、寂しい生活なのだろう。将来の希望さえ見失い。途方にくれる。世の中の荒波に呑み込まれやがて、消えてしまう。そのようになるのだけは嫌だと思っていた。
八代は、通り慣れた駅までの道を1人でゆっくりと歩いた。前をしっかりと見ると、まだ沈まない太陽がビルとビルのあいだを縫うように伸びる道の先に見えた。なぜ、生まれたのか。なぜ、生きるのか。そんな難しいことなど分かるわけがない。ただ、ひたすら生きる。理由もわからずに。生きていく。きっと、今あるこの感情を失ったときが人としての終わりのときなのだろう。駅に着き人でごった返す駅構内を人を避けて改札に向かう。交通系ICカードを財布から取り出し改札のにタッチする。ピッという音と共に改札が開く。改札を通って上り方面のホームへと向かう。上り方面のホームはどちらかと電光表示を見ようと思ったが、どうせいつも通りだろうと思って2番線のあるホームの階段へと上る。上ると同時に電車の出発を知らせるアナウンスが入った。
「まもなく、2番線より各駅停車豊橋行きの列車が発車いたします。」
しかし、八代の耳にはそんな放送など入らなかった。急いでいたからだ。電車の発車ベルが鳴りドアが閉まり始める。これを逃せば次の電車は20分後に発車する。閉まりかけていたドアがピンポンという音と共に再び開き、そのタイミングで電車のなかに飛び込んだ。直後ドアが閉まった。駆け込み乗車はお止めくださいと車掌さんが言っていたが無視してしまった。八代の胸には罪悪感が残った。
向かい合わせのロングシートはすべて人で埋まっていたので、あまり開くことの無い乗ってきたドアとは反対側のドアの前に立つ。電車が動き出すときに何か違和感を感じた。しかし、それが何かは分からなかった。その違和感は窓の外をよく見ると解決した。車窓の外には見慣れない景色が広がっていたのだ。次の駅で降りて静岡方面の電車に乗ろうかと思ったがやめた。こういうのも悪くないと思ったからだ。そもそも、次の駅が何駅かさえ分からない。もういいやと思った。下り方面の普段降りる駅から先は行ったことがないからだ。こんな報われない日常から逃げてやろうと思った。八代は独り言を周りに聞こえないほど静かな声で呟く。
「そうだな、最悪……」
八代は、スマホを鞄から取り出した。スマホは、最近買い換えたばかりの最新機種だ。地図のアプリを開き現在地を調べようとしてやめた。なぜ、僕はここまでスマホに頼るのだろうと疑問に思ったからだ。そもそも、高い金を出して最新機種を買う意味がどこにあるのか。自慢するためなのか? スマホを共通の話題にしたかったのか? 分からない。すべてを疑えば何もかもが分からなくなってくる。だから、いつからか八代は疑問を持つことをやめていた。疑問を持てば持つほど分からなくなる。しかし、今の八代は疑問を持つという行為を思いだし様々なことに疑問を持っていた。他人や物に頼らなければ生きていけない世界。そんなもの本当に幸せといえるのだろうか。しかし、頼らなければ生きていけない。それが世界というものの根本的な成り立ちなのだから。
電車はやがて、豊橋駅に着いた。スマホで音楽を聞きながら長時間乗っていたせいだろう。スマホのバッテリーの残量は残り20%を切っていた。八代はスマホの電源を切り鞄のなかに放り込んだ。便利な物なんかに頼らなくても生きていける。そう信じたかった。時間を知る手段は無くなった。そういえば、腕時計を昔貰ったなと思い鞄の中を探すも見つからなかった。きっと、家に置いてきたのだ。そう思うことにした。あの腕時計をくれたのは誰だっただろう。
行くあてのない八代は駅におかれたベンチに座りながら今後のことを考えようとするもやめた。なぜ、自分は考えようとしているのだろう。困ったから? いや、困ってはいない。思考を手放した。現実から逃げているのだから今は行けるところまでとことん逃げればいい。そう思った。
ベンチで待っていると電車が来た。行き先は米原となっている。米原とはどこだろう。そんなことを思いながら電車に乗り込んだ。電車の内部はボックスシートだったので、反対側の扉の前に立つ。誰かと一緒に座る可能性があるのにボックスシートなんかに座れるかと思ったからだ。向かい側のホームの線路を窓から眺めていると電車が動き始めた。普段乗っている電車よりスピードが早いように感じた。タイミング良く車内アナウンスが入った。
「この電車は、大垣行き。快速列車です。停車駅は、三河三谷、蒲郡、岡崎と言った順に幾つかの駅を通過して終点である大垣へと向かいます」
スピードが早いように感じたのは快速列車だったからだった。快速列車に乗るのは初めてだった。気づけば胸が踊り始めているのを八代は感じた。その感情を八代は無視した。別にいいじゃないか。現実から逃げている最中にこのような感情を抱いたとしても。僅かに人間味が戻ってきているような気がしたのだ。少し、嬉しかった。しかし、そんな胸にわいた感情とは対照的に心のなかは冷えていた。
音楽を聴いていないためだろう。普段は、耳元で流れる音楽で音を遮断をしていたため、車内の音を知る機会は無かった。車内はとても静かだということを知ることができた。人はたくさんいるはずなのにまるで誰もいないみたいな。そんな風に思ってしまう。車内には、電車が風を切る音とときどき聞こえるガタンゴトンという2つの電車が奏でる不思議で日常的な音が響いていた。窓の外を眺めていると、電車が進むにつれて田畑が広がる田園風景からだんだんと夕暮れに染まりゆく街の景色へと変わっていった。刈谷駅に着く頃には日もくれて辺りは暗闇に包まれていた。季節が冬に向かっているためだろう。日が暮れはじめるのが早くなってきた。日が暮れてしまうと1人だと実感して八代は少し、寂しさを感じてしまうのだ。寂しさを打ち消そうと無駄な努力をしたが無理だった。寂しさは八代の心から消えることは無かった。むしろ、寂しさを明確に意識してどんどん大きくなっていった。刈谷駅のホームには人がたくさんいた。中でも反対側のホームに入線してきた豊橋方面の電車から降りる人が多かった。なぜ、あそこまで降りる人が多いのだろうと思い考える。そして、1つの結論に行き着いた。きっと、名古屋での仕事や学校を終え、帰宅中の人達なのだ。特に意識していなかったが、名古屋駅に近づくにつれて豊橋方面の電車から降りる人は多くなっていっていたのだ。刈谷駅に停車した、たった1分間が長く感じた瞬間だった。
豊橋方面の電車を見送ること無く、刈谷駅を出発した八代が乗っている米原行きの電車はスピードをあげ夕方から夜へと移りゆく街を駆け抜けた。刈谷駅から次の停車駅までの間は短いらしく、次の駅は大府という車内アナウンスの数分後に車内アナウンスが流れた。
「間もなく大府に到着いたします。右側のドアが開きますご注意ください」
八代が立っている扉とは反対側のドアだ。そのまま八代は立って乗り続けた。大府駅から次の停車駅までは刈谷大府駅間より短いらしく出発直後に次の駅の案内をする車内アナウンスが流れた。
「次の駅は、共和。共和です。降り口は右側です。間もなく共和に到着いたします。右側のドアが開きますご注意ください」
右側のドアが開き、人が降りてまた乗る。もう、夜になるというのに今、電車に乗る人は何を目的に乗るのだろう。帰宅? 遊び? きっと、八代自身は夜遊びなどすることは無いだろうと思った。昔からそういう所が苦手で避けていた。パーティーなどに招待されたときも参加することは無かった。孤独というものを意識してしまうのだ。
これまでは外を見ると、田畑が時々見えることがあったのだが今は建物がどこまでも並んでいる。圧巻されると共に自然のものが見れなくなると寂しいのだなと思った。八代が通っている高校は、ある程度の都会のなかにある。県で一番の人口を誇っている都市の高校だからだ。しかし、そんな高校でも20分ほど歩けばもうそこには山があり緑が広がっていた。だから、八代は高校が好きだった。転校すれば現状から逃げることもできたかもしれないが、そんなこと考えなかった。考えても転校はしなかっただろう。どこまでも建物が広がっている光景に違和感を感じたのだ。
「次は、名古屋。名古屋です。東海道新幹線。名鉄。地下鉄にお乗り換えの方は名古屋駅でお降りください」
気づけば、名古屋駅の一駅手前まで来ていた。金山駅だ。駅の周りにはビルが建ち並んでおり、いよいよ名古屋市内に入ってきたのだなと実感を持つことができた。何度か名古屋駅を訪れたことがある。名古屋が、父の実家だからだ。名古屋に来たときに何度か名古屋駅へ遊びに来たことがあったからだ。一度名古屋の街を自分の足で歩いてみたいと思っていた。そうだ、名古屋駅で降りて名古屋を自分の足で歩いてみよう。そう思った八代は豊橋駅から立ち続けたドアの前を離れて反対側のドアへと人を掻き分けがら歩いた。反対側の窓の外には別の鉄道会社の電車が走っていた。なんだか、不思議だと感じた。普段乗る区間ではまず見ることの無い光景だ。そのうえ、同じ高架上を走っているのだ。まるで、すぐ隣をスレスレに走っているように感じた。
そして、名古屋駅へ着きドアが開いた。
「名古屋。名古屋です。東海道新幹線へのお乗り換えは……」
アナウンスは人の声に紛れ、途中から聞こえなくなった。人の流れに乗って、ドアから出る。長い間乗ってきた電車ともおさらばだ。電車の方を振り返るとすでに電車のドアは閉まり、出発準備に入っていた。そして、その電車の中の開いたドアとは反対側のドアに八代が立っていた。その八代はこちらを振り返ると後悔しているかのような表情から驚いたかのような表情に変わった。幻覚かと思い目をこするとそれは消えていた。あのまま乗り続けていたらどうなっていたのだろうか。
八代は、幻覚を頭から捨て去り駅の改札へと歩いた。駅のホームの時点で、住んでいる街とは大違いだった。すべてが違って見えた。美しかった。この美しさのなかに紛れれば、八代自身の心も美しくなれるのだろうかと思った。しかし、それは無理だろうなと考え直した。
駅の改札を出るとき、交通系ICカードをタッチした。きっと、恐ろしい金額がそこには表示されていただろうがそんなこと無視して歩いた。そんな事を気にしていたらこの先逃げることはできない。どうせ、今月分の小遣いから引き落とされるだけだ。少し小遣いが減るぐらい何てこと無い。そう、言い聞かせた。名古屋駅の東海道本線の改札を出ると、そこは別世界だった。忙しなく行き交う人。すべてが住み慣れた街と違った。誰も、八代のことを知らない世界がここにはある。
名古屋駅をふらふらと歩いていると金時計と言われる、よく待ち合わせの目印として使われているらしい場所にたどりついた。文字通り金色の時計が置いてあり、その後ろにはエスカレーターが幾つも2階へと伸びている。面白い光景だと思った。ここにあるものすべてが人間が作り上げたものだ。もとからあったものは数少ないだろう。
金時計を素通りしてエスカレーターで2階へと上る。すぐ右側に別の上り専用エスカレーターが左側には下り専用のエスカレーターがある。左では上り、右では下る。自分が上っているのか下っているのか分からなくなりそうな。そんな、感慨にとらわれながら2階へ着いた。通路は2つに別れており右側がJRセントラルタワーズ。左側がJRゲートタワーへと続いているらしい。かといっても、行く場所がない八代はふらふらと歩いているだけだ。そんなの関係あるか。と思いながらJRセントラルタワーズの方へと向かった。昔、来たことがあるような気がするからだ。それにしても、JRゲートタワーとは何なのだろう。最近できた建物だろうか。
JRセントラルタワーズへ向かい歩くと、左右にエレベーターがずらっと並んでいる場所に出た。そのエレベーターに乗り、15階まで行くと開けた場所に出た。そこには、二方向に窓が設置されており名古屋の夜景を見ることができた。きれいだった。しかし、物足りなかった。もっと高いところから夜景を見てみたいと思った。
八代は、JRセントラルタワーズから出て、名古屋駅へと戻ってきた。構造は単純だが迷路のような構内を歩き、地下道へと潜る。これまた、出入口が何ヵ所もあり構造を把握していなければ迷ってしまいそうな地下道を歩き、ある一ヶ所の出入口から地上へと出る。ミッドランドスクエア。名古屋で一番高いビルであり、屋上には展望台が設置されている場所だ。その屋上は半屋外であり、屋根もあるにはあるのだがそれは、あくまでも歩ける範囲の上だけでありそれ以外の場所に屋根はない。
展望台の1つ下の階にある受付までの直通エレベーターに乗り込む。エレベーターには、誰も乗っておらず1人きりだった。ぐんぐんと加速してエレベーターは上がっていく。エレベーターの内部の正面はガラス張りになっており名古屋駅前のオブジェがどんどん遠ざかっていくのを見ることができた。下に注目していたからだろう。夜景はしっかりと見ていなかった。
ピンポーンという音とともに展望台スカイプロムナードの受付がある階に到着した。展望台への入場には、チケットが必要ということなので券売機でチケットを購入する。
少し長めの廊下を歩くと、そこには展望台への入り口であるエスカレーターがあった。エスカレーターに乗る前にチケットをスタッフに手渡してエスカレーターに乗る。エスカレーターはまるで、宇宙に上っていくかのようなそんなエスカレーターだった。八代は、昔ここに来たことがあると思った。たしか、初めて来たときは何か物凄く怖かった。そんな気がした。
エレベーターを上りきり自動ドアが開くと、外からは少し冷たさを帯びている風が吹き込んできた。自動ドアから外に踏み出すと、月明かりと人工的な光が展望台を照らしていた。展望台スカイプロムナードは、上から下までガラス張りの壁にそって少しずつ下がっていく通路が続いており、そこから夜景を見ることができるようになっているのだ。綺麗な夜景を、名古屋で一番高いビルから眺める。
「綺麗だな……」
通路を歩いていくうちにほぼ四方向の景色を眺めることができる。名古屋駅を行き交う電車や新幹線。光に照らされる名古屋城。遠くに小さく見えるナゴヤドーム。そして、何といっても光煌めく街が一つ一つが光を反射している宝石を散りばめたかのように綺麗だった。黄色、青、オレンジ。光だけでも様々な色があるのだと知った。この景色を見れただけで名古屋に来た価値があるような気がした。設置されていた双眼鏡に100円だまを入れて、遠くの景色を見る。肉眼だけではみれない遠くまで見えた。もう、いいやと思った。満足だ。
「後は……、いや、もういいか」
そして、通路を最後まで歩き切り景色を全て見た頃。ミストが吹き出した。どこからか吹き出してくるミストは、青、緑、黄色、赤等といった具合に色を変えて幻想的な雰囲気を醸し出している。ミストで周囲があまり見えないなか背後から少し幼さが残る少女の声がした。
「お兄さん、死ぬの? ねぇ、死のうとしてるの?」
「いったいなに? どこから声がしてるの?」
「ねぇ、八代真也君。知ってるんだよ、全て」
「なんで、僕の名前知ってるの?」
「ねぇ、答えてよ」
この、声にはどんな誤魔化しも効かなそうだ。仕方ない。考えていたことを打ち明けるしかないだろう。
「そうだ、僕は死のうとしている。あわよくばここで死ねればと思っていたんだ。でも、ここでは死ねなかった。壁が高すぎたんだ。僕は……今の現状から逃げようとしていたんだ」
「死んだらダメだよ。死んだら、もうその瞬間から存在は無くなっちゃうんだよ。だから、死んだらダメだよ」
「だって、僕は……ひとりなんだ。孤独なんだ。しかも、就職試験落ちちゃったし……。もう、生きている価値なんて無いよ……」
「生きている価値なんて自分で決めればいいじゃない。しかも、君は本当に1人なの? 一生ずっと孤独なんてあると思う?」
「そんなの、分からない。一生を終えてみないと分からないよ」
「たしかに、そうかも知れないね。けど、今生きているのは、長い人生のたった一部なんだよ。ダメだよ、そんな暗い考えじゃ。今を生きなきゃダメだよ。今を生きるから人は生きれるんだよ」
「そう……なのかな」
「そうだよ。どう? 死ぬのやめる?」
「でも、今さら引き返すなんてできないよ」
「できるよ、君は1人でここまで逃げてきたんだよ。それだけの勇気があれば引き返せるよ。死ぬ必要は無いんだよ。いくらでもやり直しは効くさ」
「勇気? だって、逃げてきたのだって電車乗り間違えただけだし」
「言い訳をするのが好きなんだね」
言い訳をするのが好きか……。たしかに、そうかもしれない。これまでも何かと言い訳をつけてきた。
「ねえ、それで結局死ぬのをやめて引き返すことにした?」
もう、言い訳はしたくない。逃げたくない。
「決めたよ。僕は、死なないしもう逃げない」
その瞬間、声が笑ったようなそんな感じがした。
「それなら、いいね。でも、逃げるのが悪いわけじゃないんだよ。逃げてはいけないのは人生だよ」
八代は、その言葉をしっかりと理解することはできなかった。人生から逃げてはいけないのに、それ以外のことから逃げていいなら何から逃げればいいのだろうと思った。
「最後に1つ、また逃げたくなったらここにおいで……」
声が最後まで言葉を言うと同時にミストは消え去った。そして、八代の心に残った唯一の心残りは声にありがとうと言えなかったことだった。声はなぜしたのか、そもそもなぜ下の名前を知っていたのかは分からないが救われたのは確かだ。感謝を胸に、新たな希望を抱いて八代は歩きだした。名古屋の夜景は来たときよりも輝いて見えた。
読んでくださりありがとうございます。
Tは、TRUEのTです。
前書きでも書いた通りこの短編は三部作になります。
そして最後に、誰かこの小説のジャンルを教えて下さい……。