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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

調停者と忘却者のパラドクス・トランクス ー断片たちの追憶ー

短編小説「遠い過去の物語~白狼の聖騎士 ??? 編~ 誰かの語り話」

作者: 桜兎の梅花


・・・これは、とある騎士団のとあるおっさんが部下に自慢話をしている最中に新人A君はこんな質問を投げかけた。「隊長、鬼畜聖騎士長とモフモフ狂いの王女様の出会いが聞きたいです。あと、隊長の話つまんないので、すぐ話してください。5秒後に。」

部下はそう言いながら、私の首元にナイフを当ててきた。・・・うん。どうして、こうなった??!( ゜[]゜)

昔々、まだ人と異種族が戦争を行っていたころ、とある人間の王国の片隅で大きな大きな森がありました。その大きな森の中には珍しい素材や古の神が当時の勇者に与えたとされる神剣や竜の秘宝がある伝説や美しい湖、幻獣たちが集い、宴を開く“幻獣の聖域”の伝説、すべてを見通し、勇敢な戦士に恩恵を与えるといわれる“世界樹の試練”の伝説などがありましたが、そこには、その一帯を守るように、危険な魔獣や異種族がその森を取り囲み、人々はみな怖がってその森には近づきませんでした。

また、その森の噂を聞きつけた勇敢な村の若者や、魔法使い、腕利きの冒険者などがこの森に挑みましたが、大きな悲鳴が村中に響き渡ることがあったり、ほとんど全身大けがで帰って来たり、また、魔物になるか、森の一部となるかでいつしか、村人からは“深き悲鳴の森”として畏れられるようになりました。

そんなある日のこと、一人の幼い少女がその森のなかに入っていきました。

その少女はボロボロの布を体に巻き付け、腕と足に土で少し汚れてしまった包帯を、服はボロボロで胸に綺麗なバラのような花が描かれている薄汚れた簡素な白いワンピースのようなものを着ていて、左頬はぶたれたのか赤く腫れあがり、右目だけ怪我をしているのか包帯を巻き、全身痩せこけたような容姿をしていました。

最初、少女はその村に入ろうとしたのか、門番のところに向かったのですが、お金を持っていなかった少女はそのまま、野良猫を捨てるように首筋をつかまれて、ポイっと村の外に放り出されました。

お腹が空いていた少女は何か食べ物がないか、そこら中を探しました。しかし、周辺に食べ物はなく、やむなく森の中に入っていきました。

村の人々はその森が危険なことは知っていたのですが、その少女はその森が危険だということを知っていながらも、躊躇せずに“深き悲鳴の森”に入っていきました。

少女は数か月前まではこの国のお姫様という立場にありました。しかし、とあるほかの貴族の罠にはまり、免罪を押し付けられ、しまいに王国から追放されました。

少女は困り果てました。無理もありません。普通ならば王国で父である国の王様と母である王女様に愛情を注がれて、使用人やメイドに世話をしてもらいながら一緒に幸せに暮らしていたはずなのに、それが、とある貴族の嘘によって国から追放されることになるなんて、誰もその貴族やその仲間を除いては予測できない事態でした。

少女は泣きながら途方にくれました。何も悪いことはしなかったのに、いきなり、牢にぶち込まれ、親と引き離された挙句の果てに、牢を見張る看守の暴行やどれだけ悲鳴を上げても、助けを乞うても誰も助けに来ず、その声は牢に反射し、看守には罵詈雑言を言われ、また暴力を振るわれる始末、いきなり牢を出されたと思えば、国の国王である父親から国外追放させられて、母親には自分の子ではないと言われ、足蹴りを腹に何度も喰らう始末となりました。もう、その少女には絶望しかありませんでした。

いままで世話をしてくれた使用人達にも冷めた目で見捨てられました。

気づけば少女の周りには誰一人として友人も家族も親しくしていた人もいなくなり、いままで身に着けていた服もただのぼろ布に変わり、最終的には体中から血や泥、汗がしみついた衣服からでる腐敗臭が家の部屋全体まで蔓延するからという理由で馬車で使用人たちの手によって辺境の村の近くに放り出されました。当たり前に親がいて使用人がお世話をしてくれた裕福な暮らしを送っていて、このままその暮らしが続くかと思いきや、その暮らしが自分の知らないところで起きた理不尽な事態によって、住む場所、友人、家族を同時に失ったからです。でも、今の少女にとってはもうどうでもいいことでした。親にも、友人にも自身のみの潔白を訴えたら、親からは聞くには堪えない罵詈雑言の数々や数多の暴力、友人からは目の前で散々、自分の身に起きた不幸を笑った挙句の果てに自分の親の暴行を受けた傷をみて大声で満円の笑みで笑う人を馬鹿にしたかのような笑い越えを聞いてからの縁切りの連続宣言、かなり聞いているだけでも、自分自身がやられたら頭の痛くなり、自殺をかんがえてもおかしくない最悪な状況ですが、少女は不思議と絶望的な状況なのに涙流さず、馬車を追うこともせず、ただ単に少女は冷めた目で自分の元から走り去り、元居た屋敷のほうに戻っていく馬車の様子をただただ眺めていました。このとき、少女は自分が住む家を失ったことや友人や親かった人間を失ったことに関しては理解できました。ただ、理解した分、自分自身の親がろくでもない人物であることを認識できた。今の状況を正しく認識できた。そして

“あ~あ、私こんなところで死んじゃうんだ.....”少女は思った。このまま、いけば食べ物がなく餓死するか、それとも飢えた獣に食われるか、どちらかだ。彼女は乾いた笑みを浮かべながら、その場にとどまり、自分の命が完全の事切れるまで待った。


その時、目の前を横切る蝶々と会った。ただし、これは普通の蝶々ではない。全体的に鮮やかな青の羽をもつ蝶なのだが、問題は胴体のほうにあった。胴体全体的に青く怪しい光を帯び、羽からはなぜかキラキラした粉末のようなものが出てきている....。少女は思った、“あっ、これ魔物だ....。”と、実際に見るのは初めてなのだが、まさか図鑑で見たような魔物が存在するとは...と、少女は驚愕していた。

この世界の人間ならばその蝶々を魔物と呼び、その蝶々の名前は幻視月光蝶・白椿型と呼ばれている。名前に関してはネーミングセンスのかけらもないが。ただ、この蝶々が危険なのはわかっている。でも、むやみに襲わなければ、こちらが攻撃を加えなければ、あちらから攻撃することはまずないというのが、少女は知っていた、そして、同時にその生物の生息場所も彼女は知っていた。


突然な話になるが、少女は絵本が好きでした。王宮の中に併設されてある図書館に一日中入りびたるくらい、絵本が好きでした。特に綺麗な色彩で描かれた森や幻獣、勇者の冒険談などが好きでした。

一生に一度、こんな綺麗で美しい場所を見て、美しくも強く、お話の中にしかいない幻獣を見たいと思っていました。

もし、仮にこの後飢えて死ぬとしても、この光景を見ずに死ぬことはしたくない、せめて、“深き悲鳴の森”と呼ばれる森の中に入って、美しくも幻想的な幻獣やその森の中でしか見れない綺麗な光景を見て死にたい、と少女は決意しました。

そして、少女は迷うことなく、その魔物の生息場所である“深き悲鳴の森”の奥に入っていきました。そのあとの運命を誰も知る由もない...。

そのあとに待ち受ける永遠に忠誠を誓う騎士に出会うことすら知ることなく、少女は森の中にずんずんと奥に、奥に入っていきました。



続く....?


どうも、桜兎の梅花です。初投稿でまだ、文章に拙い部分があるかもしれませんが、読んでいただけたら幸いです。これからもよろしくお願いします。絵文字難しいです...。(´;ω;`)

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