6話魔法とドラゴン
「あれ・・・。」
空を舞うあの姿は夢に出てきた竜そのものだった。
「ちょっとちょっと!こっちきてるよ!」
舞子のいうとおり竜はこちらへ飛んできた。
「まじかよ・・・。」
修平が苦笑いをうかべて呟いた。
「どーするのー!」
三人とも凛太郎を盾にする形でしがみついた。
そうこうしているうちに竜は地上に降り立った。
「とりあえず・・・。逃げろ!」
凛太郎の声を合図に四人は走り出した。
竜は逃げる標的に火の塊を吐いた。
火は凛太郎へ向かって飛んでいった。
「凛太郎クン!!」
凛太郎の立っていたところで爆発が起こった。
煙がもくもくとふくらむ。
「凛太郎!」
修平は凛太郎の元へかけていった。
煙がはれあたりが見渡せる程度になった。
「凛太郎!生きてるか!」
凛太郎は球体のバリアーのようなものの中にいた。
「い、生きてる・・・。」
そのとき二人の前に見知らぬ男が現れた。
何が起きているか理解出来ないという顔をしている二人の前に男がさけんだ。
「ボヤボヤするな!さっさとにげるぞ!」
男は二人をひょいと抱えて走り出した。
「あっ、あの。他に二人いるんですけど。」
男は鼻を鳴らした。
「抜かりはない。あの二人は相棒がどうにかしてる。」
竜は男を追いかけて来た。
「来るか・・。」
竜は意外と速かった。
男は立ち止まり、俺達を乱暴におろして、何やらぶつぶつ呟きだした。
「全知全能の神オーディーンよ彼奴へその力をふるえ!」
「詠唱だ・・。」
ゲームが好きな修平はこれが何かを知っているらしい。
「さっき凛太郎についていたバリアもそうだ。きっと魔法が使えるんだ。」
男の詠唱が終ったらしく男はカッと目を見開いた。
「出でよ!グングニル!」
そういったかとおもえば、空から巨大な棒・・いや、槍が現れ、竜を地面に張り付ける格好で貫いた。
竜の悲鳴が響き渡った。
「すっげぇ・・。」
「急ぐぞ、長くは持たない。」
関心している俺らにおとこは言った。
「とりあえず俺の村に行く。異論はないな?」
「あ・・はい。」
男は二十代後半ぐらいでマントを着て、腰に刀の様なものをさしている。
しかも、足が速い。学校のサッカー部のエースよりはやいだろう。
しばらく走っていると門のようなものが見えた。
「あそこがコイラだ。」
「コイラ?」
「なんだ知らないのか?・・まぁ田舎だからな・・。」
男はがっかりしたように言った。
門の前に到着すると門番が男に話しかけた。
「なんだラヴェル、そいつらは?」
「森でドラゴンに襲われてたのを助けた。」
「そうか・・災難だったな・・。」
「とりあえず旅人らしいし村長のところへ通そう。」
門番のひとに連れられて村の中でも一回り大きな家に通された。
「凛太郎!修平!」
そこには舞子と千鶴ちゃんがいた。
「無事でよかった・・。」
千鶴ちゃんが胸をなでおろした。
「旅人など何日ぶりかのう・・。何もないところじゃがゆっくりして行ってくれ。」
「あ・・。はい・・。」
「よく見ると変わった格好だな。どこから来た?」
男・・いやラヴェルが聞いてきた。
修平はこれまでのいきさつをあらいざらい話した。
「・・にわかに信じがたいが、ようするに君らは違う世界からこっちの世界に来たと・・。」
門番の男が言った。
「まぁ、そういうことです。」
「まぁ、とりあえず今日はもう遅い。泊まって行きなさい。」
村長の好意で泊めてもらうことにした。
急にファンタシーになってきました。
まァ一応ファンタシー部類にはいってますので・・。
さて今回でてきたラヴェルさん。
呪文を唱えるときを書くのはすごくはずいです。
感想など頂けたらなと思います。