3話燃焼系
舞子視点です。
「舞ちゃん。一緒に帰ろう。」
千鶴がこちらを見ている。
「いいよ。」
あたしはかばんに筆箱を突っ込んで、かばんのふたを閉めてたちあがった。
下駄箱のところで千鶴の靴置場から紙のようなものがひらひらと落ちた。
その紙は千鶴の足もとにパサリと落ちた。
「何それ?」
「んー・・・。手紙みたい。」
「見せて見せて〜。」
差出人は山下正則。・・・だれだっけ?
「中身はなんて書いてあるの?」
『好きです。付き合ってください。』
「・・・・。」
「・・ス、ストレートだねぇ。」
「ぅ、うん。」
千鶴はとてもモテる。告白してくる奴はざらにいる。
現場を見たことは何度もある。
「どう断ろう・・。」
「そんなの『私は凛太郎がすきだから無理!』っていえばいいの!」
おどおどしている千鶴にあたしはどーんと言ってみた。
千鶴は赤面してしまった。
・・・そういえば凛太郎も千鶴がすきなんだっけ・・。
まったく、ちゃっちゃとコクっちゃえばいいのに・・・。
「舞ちゃん。凛太郎クンには言わないでね。」
「わかってるって。」
「ありがとう。舞ちゃん。」
「じゃ、帰ろうか。」
靴を履いてつま先でトントンと地面をたたく。
千鶴の家はあたしと同じマンションの3階。
ちなみにあたしは2階。つまりご近所さんってこと。
マンションの手前で誰か立っている。学生服を着ているから同級生かな、と思いながら近づいていくと
「田中さんっ!!」
と呼びとめられた。
正確には千鶴が呼び止められて、あたしもついでに止まっただけ。
「な、なんですか?」
千鶴はおびえている。
・・・つーか。こいつ誰?
「田中さん。手紙の返事を聞きに来ました。」
あぁ、こいつが山下か・・ってクラスメイトだし。
「あ、あの・・・すいません。」
言い終えた千鶴は走ってマンションに駆け込んだ。
「ご愁傷様。」
と、真っ白に燃え尽きた山下に捨て台詞を吐いて、マンションに入った。
女の子視点で小説をかくのってむずかしいです。
千鶴ちゃん・・うらやましいです(笑)