2話確率
「・・・はっ!!」
「はっ!っじゃねぇよ。本当にお前はねてばかりだな。」
凛太郎はあのあと結局放課後になるまで寝ていた。
いつもならこのあと部活があるのにもうほとんどの部活の三年生は引退していて、帰るしかなかった。
「凛太郎。俺ん家来る?」
「行く行く〜。修平の家か〜結構久しぶりだな〜。」
修平と舞子は幼稚園から一緒の俗にいう幼馴染というやつで、昔は三人でよくあそんだ。今は誰かの家に集まることはない。
「そういや、舞子は?」
「たぶん、舞子は千鶴ちゃんたちとかえったんじゃね?」
千鶴ちゃんとは小学校の4年生のときに引っ越してきた子で、舞子とは性格はま逆でおしとやかだ。それでも二人はものすごく仲がいい。
そして、おれは千鶴ちゃんが引っ越してきたその日から好きなのだった。
「ヘ〜・・・。じゃぁ行くかぁ・」
「ああ。」
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修平の家はおれの家になかなか近い。
それに、一軒家なのでマンションとかの階段を昇る面倒臭さがない。
「あら、凛太郎クンいらっしゃい。」
「あ、お邪魔します。」
修平の部屋は二階にある。
「いつきても、きれいな部屋だなぁ・・。」
「普通だって。」
謙遜して笑う修平は缶ジュースを二つ持ってきた。
「ブドウとオレンジ、どっちがいい?」
「オレンジ。」
オレンジのジュースをうけとり、一気に飲み干した。
「こんなふうに遊ぶことももう無くなっていくのかな・・。」
ゲームをしていて修平はつぶやいた。
「そんなことないって。」
否定はしたがおれもそのことについては考えたことがある。
「これからは受験勉強もしなきゃいけないし、高校も違うところになるかもしれないし・・・。」
たしかにそうだ。修平ははっきりいって頭がいい。学校の中でもトップクラスのほうだ。
舞子もおれよりは頭がいい。
三人が一緒の高校に行く確率は5パーセントにも満たない。
そのあとおれは修平の家をあとにして、家に帰った。
お読みいただきありがとうございます。
あと2.3話ぐらいでそれっぽくなる予定です。
これからもよんでいただけたらなと思います。