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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

『【リレー企画】俺の○○○が、異世界の勇者だった件について』外伝――さて……どうなるやら――

作者: 神井千曲

『なろうチャット会』のリレー企画に書いたものの外伝です。

お気に入りの方から行くことが出来ます。

そちらの方も、よろしく。m(_ _)m

――ノルドグレン家別邸 応接間

「エミーネよ。お前の縁談がまとまった」


 久方ぶりにこの屋敷にやってきた父が、おもむろに口を開いた。

 仕切りに汗を拭っているのは、少々見苦しいところだが……。


「ふむ……」


 その姿を眺めつつ、私はメイドのラウラが淹れてくれたカップの紅茶を口に含む。


「その方は、いかなる猛者かな? 父上が連れてくる方となれば、もちろん単騎で(ドラゴン)の首ぐらい挙げてこられる事など朝飯前であろう? それとも、魔王配下の将ぐらい討ち取って来られたか?」

「うっ……」


 私の言葉に、父は一瞬言葉に詰まった。

 まぁ、そうなるわな。


「う……む。相手は、猛者なのは確かだが……」

「ふむ。では、いかなる技で?」

「ん? ……技とは?」

「父上。いつぞや『お前は私より強い男にしか嫁には出さん』などと(のたも)うてたではないか。ならばその方が王国屈指の勇士たる父上を打ち負かしたからこそ、私の婿として迎える事にしたのであろう? 嫁となる私には、それを知る権利があるはずだ」


 父がそれを口にしたのは、私が十にもならぬ頃の話してはあるが。


「う……うむ」


 と、父は私から目をそらした。

 ああ……


「相手は、ヴォルダネス候のご子息、デレク殿だ。その……私との勝負はしていないが、勇士であることには違いがない」


 やはりそんな事であろうと思ったよ。


「ふむ……」


 私は大げさにため息をついて見せた。

 それにしても、あの方とはね。

 父はああ言ってはいるが……

 ヴォルダネス候は、宮廷を二分する勢力の領袖。その子息となれば、ひとかどの人物であってほしい所ではあるが……

 見てくれこそそれなりには良いが、剣や槍の腕は三流。指揮官としては並かやや落ちるくらいか。まぁ、人脈を築く能力はそれなりにあるようだが。

 そして一番の問題は、女癖。

 どこぞの貴族の夫人に手を出して、いろいろ問題になったとも聞いた。

 そんな方との縁談か。悪夢だと思いたいがな……。


「ふむ。まさかとは思ったが、よりによってあの方とはな。……父上、どうされた? その眼はもう老い、曇ってしまわれたか? もはや駿馬も年には勝てぬか」

「な……何を言うか! あの方は……あの方はな!」

「ふむ。父上がそう言われるのならば、あの方が飛竜(ワイヴァーン)不死の王(ヴァンパイアロード)辺りなどを討ち取るなど朝飯前であろう? そうだからこそ、縁談をまとめられたのではないのかな? まさか父上とあろう者が、柔弱な輩を婿に迎えたいなどと宣う事もあるまい?」

「グ……グム……」


 赤くなったり、青くなったり。

 側で見ているぶんには面白いのであろうがな。


「わ……我がノルドグレン辺境伯家は、確かに武勲によって名を挙げた。だが……それだけだ」

「それだけでも良いではないか。先代もそう……」

「いや、それでは駄目なのだ!」


 父は私の言葉を遮り、声を荒げた。


「もはや武勲のみで出世できる時代は終わった。政略にも長けていなければ、生き残ることなど出来ぬ」

「そうか……。それならば、ノルドグレン家も終わりだな」

「なっ……」


 絶句する父。


「先代は仰られた。『我がノルドグレン家は、あくまで武門の家である、と。武勲を挙げることこそ本分である。ゆえに、権謀術数に頼ってはならない』と」

「そっ、それは……時代に乗り遅れた老人の言葉だ」

「ふむ。その“時代遅れの老人”に選ばれてしまった父上ではあるが……」

「なっ……何が言いたい!?」


 父は気色ばんだ。

 父ラグナーは、先代ヴィリオの子ではなく、その末弟マティアスの子――つまり甥――である。先代嫡子エイナルが邪法に手を染めたが故に廃嫡、追放され、代わりに次代当主として選ばれたのがこの父なのだ。

 父とエイナルの間には、多数の候補者がいた。にもかかわらず、父が選ばれたのは、ひとえに抜きん出た武勇が故であった。

 そして父は先代の娘リディア――私の母だ――の婿として、ノルドグレン家を継ぐ事になった訳だ。


「先代は、父上の武勇に多大な期待を寄せておられた。ついでにいえば……政略面などは、全く期待しておられなかった」


 あえて“全く”を強調する。

 祖父から聞いた事だ。


 父の器量では政治に色気など出しても、結局利用され、使い捨てられるだけだ、と。

 そもそも父は、嫡子やその候補ではないため、若い頃には当主としての教育は受けてはいなかったそうだからな。

 政治面での教育は、後継者に指名されてから受けてはいるが、所詮付け焼き刃にすぎぬ。

 その事は、父も何度も釘を刺されていたはずだが……


「私を愚弄する気か!?」

「事実を言ったまでだ。父上はヴォルダネス侯に取り入り、恩恵を受けているつもりであろうが……実際は下っ端としてこき使われてるだけではないか? 現に……」

「ぬぅ……言わせておけば!」


 図星、か。

 父は立ち上がると私の方へとつかつかと歩み寄り、襟首に手をかけ……

 私はすかさず手中に用意してあった針を取り出し、父の身体に突き立ててやる。


「……!? 何をした!」


 動きを止め……いや、身体が硬直してしまった父は、戸惑い、怒声をあげる。

 これは、鍼灸の技術の応用。

 肉体に流れる“龍脈”に針を突き立て、御する術方だ。

 通常は肉体を活性化させ、あるいは病や怪我を治癒するために使われるが、それを逆手に取れば、被術者の肉体に真逆の効果を与えることも出来る。


「……油断大敵だな、父上。ノルドグレン家の当主とならば、この程度の一撃は避けれて当然の事であろう?」

「うっ……ぐぅ……。エミーネ、貴様は! 誰ぞ、此奴を……むうっ!?」


 声を上げた父の喉元に針を突きつけ、黙らせる。


「ふむ。恥の上塗りをしたいと申されるか、父上は。驍勇の誉れ高きノルドグレン家の当主ともあろう方が、たかが小娘の手で前後不覚になるなど万死に値する事態だ。万一誰かに見られてしまえば、我が家の家名は……ああ、そうか。介錯を頼まれるのか。それならば、私がこの手で……。では」


 チラとラウラを見やる。

 と、彼女は一つうなずくと短剣を取り出し、私に差し出した。


「い……いや、それは」


 青ざめた顔で滝のように汗を流す父。

 何というか……もう少し毅然としていて欲しかったのだが。

 強く凛々しかった若き日の父はどこへ行ってしまったのか。


「無論、これは冗談。とりあえず、今日はお引き取り願えまいか?」

「む……う……。そういう訳には。ラウラよ。お前からも何か言ってやってくれ」


 父はラウラを藁にもすがるような目で見やる。


「私はお嬢様の下僕ですので、お嬢様の意向に従います」

「わ、私は当主だぞ! その命に従えぬのか! どいつもこいつも……」


 蒼い顔が、今度は真っ赤になる。

 最近、自分の求心力が低下しているのは自覚しているようだ。

 もとより入り婿ということもあって“繋ぎ”という認識をされていた上、なまじ嫡子のエルンスト――弟だ――の出来が良かったが故に。

 ヴォルダネス候に媚びへつらっているのは、それを感じ取ったためか。

 逆効果ではあったが。

 まぁ、それはいい。

 とりあえず、一つ投げ込んでみるか。


「父上。そこは“父の命”と言うべきであろう? ……なあ、“姉上”?」

「そ、それは……」

「! な……何故それを!?」


 二人とも驚愕し、私を見る。

 ラウラの母カティは、父の愛人。正確に言えば、かつての部下であり、恋人か。父としては、いずれ彼女を娶るつもりであったが、妊娠が発覚したのと前後して、婿入りが決まってしまったという訳だ。

 そして父は、ラウラ出生後に関係を隠してカティをメイドとして雇用したのだ。戦で夫を失った寡婦と偽って。


「そっ、その事は……その事は、リディアには!」

「ふむ。考えておこう」


 ……とは言ったものの、無論その辺りの事情は母も承知だ。そもそもカティと父との関係は、母から聞いたものであるし。母としても、カティから父を奪う形となってしまったため、この件は黙認しているのだがな。

 まぁ、この事は父に知らせる義理はないか。


「では、ラウラ。アウリスをここへ」

「はい」


 うなずくとラウラは部屋を出る。

 残された父は、不安げに私を見た。


「わ、私をどうするつもりだ?」

「ふむ。父上はどうされたい?」


 わざと意味ありげに笑ってみせる。


「それは勿論、身体を元に戻してだな……」

「そうか……」


 と、そこでラウラが戻ってきた。

 後ろには、大柄なたくましい体格の男。


「お呼びですか、お嬢様」

「うむ。ご苦労」


 この男はアウリス。父の部下で、私の護衛として付けられた者だ。与えられた任務に忠実で、真面目な男だ。しかし少々性的指向に問題があるという話だが……。


「アウリスよ! 私を解放しろ」


 父の必死の訴え。


「ふむ。ではアウリスよ。父上のことは任せた。どうやら父上は全身が凝ってしまっている様なのだ。丁寧に全身を揉みほぐしてやってくれたまえ」

「はっ! 喜んで!」

「えっ……」


 顔面蒼白になる父。

 アウリスを自分の直下から外し、私の護衛につけた理由を思い出したのか。


「では、私達はこれで。アウリス。父上をよろしく頼むぞ」

「お任せください!」

「エミーネ! ラウラ! 悪かった! 私が悪かった! だから……」

「では、ご機嫌よう」


 私はラウラとともに、応接間を出た。

 ……まぁ、大事には至るまい。



――数刻後 浴室

「ン……うっ……ああっ」


 痺れるような快感に、私は思わず吐息を漏らした。


「ここはいかがです?」


 ラウラの細い指が、私の身体の狭隘(きょうあい)な谷間に滑り込む。


「ああ……そこだ。気持ちいぞ」

「では……」

「……ッ!」


 指先がその場所を刺激する。

 彼女は優しく、時に力強く私の身体を解きほぐしていった。


「まだ少し、この辺りが硬いですね」


 肩甲骨の下側を押しつつ、気遣わしげにラウラが言葉をかけてくる。

 しばしの武術の鍛錬を終えた私は、湯船で汗を流し、身体を温めた。そして施術台の上でラウラによるマッサージを受けているのだ。

 彼女には、肩周りを中心とした施術を頼んでいる。


「ふむ……最近は今ひとつ調子が良くないからな」


 調子がいい時は肩周りの筋肉が柔らかく、肩甲骨の下に指が軽く潜り込む。だが、現状は少々その辺りが硬くなっている様だ。

 無論、それだけではない。身体のあちこちが変調をきたしているのを感じる。


「ふふ……父上も何を考えているのか。一年先、生きているかも分からぬ娘を他家に嫁がせるなど……」

「お嬢様……」


 ラウラの気遣わしげな声。


「私の身体の事だ。私が一番分かっているさ」


 身を起こし、彼女に笑ってみせる。

 人の運命を決めるのは、その奥底に潜む“龍”。私の龍は……他の人々に比べ、極めて小さい。

 幼い頃に患った大病のせいかもしれない。

 病こそ癒えたものの、私の中の“龍”は、あたかも燃え尽きる寸前の炎の様な有様だ。

 殊に最近は息が上がるのが早くなっている。

 私の肉体はまるで木が朽ちていくかのように次第に衰え、やがて枯れていくのだろう。

 私はその運命を受け入れた……つもりだ。

 とはいえ未練がない、訳ではない。

 このまま何も残せず消えてしまうのも悲しいものだ。


「ラウラ……いや姉上。私は何のために生まれてきたのであろうな。もし私に何かあれば、後は……」


 思わず弱音が口を突いて出る。


「お嬢様……」


 戸惑った様な彼女。


「ふふ……冗談だ。ノルグドレン家の子女とあろうものが、弱音を吐くことなど……」


 と、ラウラが私を抱きしめた。


「私がおりますから。下僕として……そして、姉として。ですから……」

「……そうだな」


 少し涙腺が緩んだ。


「……そうだ、姉上。今度は姉上の番だ。さあ、台に寝るがいい」

「えっ!? そんな……」


 気づかれぬ様に涙を拭うと、彼女が身体に巻いたタオルを強引に奪った。

 露わになるその裸身。

 均整のとれたその白い肢体に、少々嫉妬する。


「そっ、その……私なんて」

「何を遠慮することがある? 姉上よ、少しばかり私に妹としての務めを果たさせてはくれまいか?」

「は……はい」


 彼女はおずおずと台の上に横になる。

 では……かかろうか。



――しばし後

 再び湯船に浸かり、一息つく。

 湯に垂らした香油の香りが鼻をくすぐる。

 肩周りの血行が良くなったせいか、芯から身体が温まった。

 そして私の中の龍も目を覚まし、身体中に“力”が満ちてくる。

 少々心もとないとはいえな……。


「お嬢様」


 隣に座る、ラウラの声。


「ふむ?」

「少し……外の空気を吸ってみませんか?」

「ふむ……ラウラが言うのなら、そうしよう」



――街中

 私とラウラは目立たぬ服を着、屋敷を出た。

 街の目抜き通りはずいぶんと賑わっている。

 物売りの声。行き交う人々の会話。

 仲良く歩いていく姉妹の姿もあった。

 王都にいた頃は、ああしてラウラとよく街に出て遊んだものだ。


「ふむ……ラウラよ。どこへ向かうつもりだ?」

「あそこです」


 彼女の指差す先。

 それは、一軒の宿であった。



――宿

 時間が時間だけに、食堂にはほとんど誰もいなかった。

 ラウラは私をテーブルに座らせると、奥で主人と何やら話していた。


「何を話していたのだ?」


 ややあって紅茶の載った盆を持って戻って来たラウラに問う。

 おそらく話の長さからすると、ただ注文しただけでななさそうだ。


「その前に、これを」


 彼女は持ってきた紅茶と茶菓子を私の前に置いた。

 ……急ぐこともないか。


「ふむ。……これはなかなか」


 茶を飲み、一つ息を吐く。

 ラウラも茶を一口飲むとそれをテーブルに置き、私に向き直った。


「先刻の話は……王都で噂になっている、“種勇者”の事です」

「……ほう」


 聞いたことがある。なんでも王都では、魔王を倒すためにある人物を異世界から召喚したという。

 それも“勇者の父”を、だ。

 何とも回りくどい話だ。

 勇者が生まれ、成長するまで魔王が待ってくれるというのか?

 それに……情けない。

 異世界のものの力を借りねば魔王を駆逐出来ぬとは、な。

 かつての魔王との戦いの馳せ参じ、功名を挙げた武門の家のものとしては、忸怩(じくじ)たる思いだ。

 とはいえ……先刻の父の有様を見ると、それも致し方ない事なのであろうか?

 心中で肩を落とす。


「その“種勇者”が、この宿に泊まっているそうなのです」

「ふむ……」


 そう言えば聞いたことがあるな。

 王都で女をあてがわれ、“勇者”を“仕込む”事に精を出すのかと思えば、ある日突然王都から旅立ってしまったとか。

 何一つ不自由しない生活であるにも関わらず、だ。

 何があったか分からぬが……余程の事があったのだろうか?

 王都は権謀術数渦巻く伏魔殿。

 彼を政治利用しようとする者がいたのだろうか?

 それとも、魔王軍に与する者により命を狙われたか……。


「その“種勇者”を我が家に取り込め、というのか?」

「ええ。悪い話ではないのでは? 何やら魔王軍も動いでいるようですし」

「ふむ。魔王軍も、か」


 やはり動いていたか。

 脅威となる勇者の排除は、連中としては当然のことだ。

 それに……行方をくらました“奴”の事もある。もしまだ奴がこの辺りにとどまっているのであれば、“種勇者”の命を狙う可能性もある。


「ええ。それに、もしノルドグレン家に勇者が生まれる事があれば……」

「!」


 そう来るか。姉上よ。


「私に勇者を産め、と?」

「ええ。それならば、御父上も何も言いますまい?」

「ふむ……」


 そうだな。それも一つの手か。


 と、店の入り口の扉が開き、一人の男が入ってくる。

 顔立ちこそはそれなりに整っているが、何とも覇気がない表情だ。長身痩躯……と言えば聞こえはいいが、細すぎて貧相に見える。

 風体といい仕草といいあまりぱっとしない……いや違うな。

 あれは……何だ!?

 あの身体に秘められし“龍”。とてつもなく巨大なそれは、未だかつて感じたことがない程のものだ。

 太陽のごとき眩く暖かな“力”が溢れている。

 その“力”の大きさは、おそらく上位の魔族をも軽くしのぐであろう。まさにそれは、英雄の相。

 あぁ……あれ程の“龍”の恩寵を得れば、あるいは私の“龍”も……

 いや、そんな事はどうでもいい。

 心惹かれる“何か”。

 彼と共に生きてみたい。

 私の中に浮かび上がる感情。

 それは、何とも言い表せぬ……いや、何となく分かるのだが、な。

 とはいえ言葉に出すには少々気恥ずかしいものがある。


「どうです? 彼を婿に迎えるというのは?」

「なるほどな……それも、ありか」


 たとえ恩寵を得たとしても、私の寿命が延びると決まった訳ではない。それでも子種を得ることが出来れば、ノルドグレン家の子女の務めを果たすことが出来る。たとえその結果、命を失っても……。

 いや、それよりもラウラだ。

 王都の屋敷にいるものから知らされた話だが、おそらく父は手続き上ラウラを己の養女とし、どこぞの貴族に嫁がせるつもりらしい。

 それも、あの悪評高き豚公爵の縁者などに。

 己の地位の安泰のため、敵対勢力である公爵派にも繋がりを作るつもりなのだ。それも、いつでも切り捨てる出来る彼女を娶らせて。

 ヴォルダネス候派は現在劣勢。故に乗り換えることも考えているのだろう。

 そうなるくらいならば、私とともに“種勇者”の妾となり、その子を生む方が幸せかもしれぬ。

 ともあれ……やる事は決まった。


「では……ラウラよ。あの方を、我が屋敷に」


 私は彼女に命じた。

 さて……どうなるやら。

 私は久々に、心が弾むのを感じた。

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