No4 黒の館
No4 黒の館
美九はその場に倒れ、ピクリとも動かなかった。
そして、要は手に持っていたナイフをしまった。
「ふっふふ、あはははぁぁぁぁ。あ〜何て無様な姿なのかしら」
要の笑いが止まると、聖夜の方へと歩きだした。
「これで分かったでしょ。私が貴方をいつでも殺せるって事を」
言葉が出なかった。そして、それは恐怖だと気づき、今にも逃げ出したくなるような感じだった。
でも、ここで取り乱してはあいつの思う壺だ。ここは冷静に。
「なぁ、少し聞きたい事がある。何故あの女を殺した。俺に見せしめる為か? それとも・・・」
「答えは簡単よ。彼女が仲間だの戯言を言うからよ」
「それの何が悪い」
「貴方には分からないわ。仲間に道具同然のように扱われる気持ちが」
その言葉に不思議な違和感を感じた。
まるで、それをやっていたかのように。
「話は終わりよ」
そう言って、要は館の方へと向かった。
「俺を殺さないのか?」
だが、返事は返ってこなかった。
俺も館へ向かおうとしたが、足を止めた。
美九の遺体の所へ行き、手を合わせ、トランシーバーを取り、要の後を追った。
館の中に入るとエントランスがあり、そこに4つの扉があり、二階には3つの扉があった。
しかし、扉は全て南京錠が掛けられていた。
『まずは、ファーストゲームクリアおめでとう』
スピーカーから男の声が聞こえてきた。
『だが、ゲームはまだ始まったばかりだ。それにこんなのはまだ序の口だ。そうだろ焔君』
「ええ、そうね」
『この調子でセカンドゲームに行きたいんだが、一つやる事がある。外を見てくれ』
外を見ると、美九の遺体が少し消えかかっていた。
「何をしてる」
『そう怒らないでくれ。彼女は死んだのだから、当然の事だろ。それにまだあっちでは死んでいない』
「あっち?」
『おっと、お喋りが過ぎたね。それじゃあ、健闘を祈るよ』
放送が終わると同時に石版が現れた。
そして、俺たちは石版へと向かった。
『セカンドゲーム』
この文字はある法則に従って並んでいる。空欄に入る文字を答えろ。
A,S,C,Q,F,N,( ),J
回答者:焔要
成功報酬:部屋の鍵 1つ
注意:これに失敗すると、草薙聖夜が死亡となる。
そして、他の人からヒントを貰う事は出来ない。
「何で、俺が」
「ふふっ、なんて最高の条件なのかしら」
「何だと!」
「まぁ、精々残りの時間を楽しむ事ね」
残り3:00
トランシーバーの説明はあえて抜いています。ご了承ください