No3 白の館
No3 白の館
「答えは15よ」
その瞬間、制限時間が止まり、石版が地面へと消えていった。そして新たに箱が現れた。
開けると、そこにはトランシーバーが入っていた。
「やったよ、葉摘さん」
「う、うん」
正解したのにも関わらず、何故か神奈は浮かない顔をしていた。
「は、葉摘さん?」
その時、スピーカーから声が聞こえてきた。
『まずは、第一ゲームクリアおめでとう。と言ってもこんな初歩的な問題、解けて当たり前だがね。それはそうとトランシーバーについて使い方を教えよう。まずは下に表示されている4桁の数字を見てくれ』
言われた通りにトランシーバーの下を見てみると、確かに4桁の数字、2936が表示されていた。
『同じ数字が表示されているトランシーバーなら、連絡を取る事が出来る。その数字は変更可能だ変更したければ、右下にあるボタンを押しながら4桁の数字を言ってくれればOKだ。説明は以上だ。あ、あとそろそろ館に入ってくれないと困るから、3分以内に中に入らないと、無条件で一人殺すから。じゃ、頑張ってー』
放送が終わると同時に金髪の男が入り口へと向かった。
「ど、どこ行くの、結くん」
「お前らと一緒にいると、ロクな事がないからな。特にそこの女。だから別行動だよ。・・・・・・あと、その呼び方やめろ」
そう言って、結斗はトランシーバーを持ち、館へと入っていった。
「ねぇ、彼とは仲が良いの?」
「はい、彼とは中学で知り合って、名前は八津神結斗って言います」
次の瞬間、何かを思い出したかの慌てだした。
「あ、僕は黒柳陽一って言います。名前も名乗らず、すいません」
「うんん、気にしないで」
「彼はああ言っていましたが、僕はそんな事思ってませんから」
「ありがとう、陽一君。でもね、彼の言う事は一理あると思うんだ」
「どうしてですか?」
「だって、私が石版に近づかなければゲームは始まらなかったし、もしかしたら、別の方法があったかも知れない」
すると、入り口から人影が見えた。
その正体は結斗だった。
「戻って来てくれたんだね。結君」
陽一は結斗の方へと走って行った。
「待って、陽一君。何か様子が変だよ」
だが、その声は陽一には届かなかった。
「ありがとう、結君!」
「・・・・・・」
次の瞬間、結斗はポケットからナイフを取り出した。
「陽一君、逃げて!」
しかし、その忠告は遅かった。既に陽一の左胸にナイフが刺さっていた。
「えっ?」