No2 黒の館
No2 黒の館
放送の声が終わると同時に館の扉が開いた。
しかし、誰も入ろうとはしない。
当然と言えば、当然だ。なんせ、俺たちはパーティーではなく、デスゲームをするためにここに連れて来られたのだから。
入るとするならよっぽどの馬鹿だ。
そんな事を思っていると、入り口に石版が現れた。
「何だ、あれ?」
俺は入り口へと走った。
そして、石版を見てみると、そこには文字が書かれていた。
『ファーストゲーム』と
そして、新たに文字が浮き上がった。
内容はこうだった。
3匹の狼から逃げるため、6人の人間を全て向こう岸に渡せ。ただし、以下の条件を満せ。
いかだに乗れるのは2匹まで。
ただし、人間は一人まで。
例 人間×1 狼×1
一人又は1匹も乗っていないと動かない。
どちらの岸でも狼が人間の数より多くなると、人間が襲われ失敗する。
回答条件:最低何回で行けるか
回答者:草薙刀夜
成功報酬:トランシーバー×3
注意:これに失敗すると回答者が死に、次の回答者へと移動する。万が一、謎を解かなかった場合、全員死亡。
そして、他の人からはヒントを貰う事は出来ない。ただし、この問題に限る。
あくまで、中に入れさすのが目的か。
俺はこれを無視して、中に入ろうとはしたが、バリアのようなもので阻まれていた。
仕方なく、石版の所へ戻ると制限時間らしきものが浮かび上がっていた。
そこには1:00と。
「あのー、さっきから何してるんですか?」
後ろから清楚系女子が話しかけてきた。
「どうやら、中に入るための最初のゲームらしい」
「最悪ね」
気づくと地味な女が隣にいた。
「どういう事だ」
「だって、私達の命を貴方が預かっていると思うと、不安で仕方ないわ」
いちいち、イラっとする言葉を。
「解けるんですか? この問題」
「ああ、もう答えは分かってる」
残り0:12秒。