妖精の自称888の秘密
アンに魔石をアイテムポケットに片付けてもらって一安心。ついでに財布もあげたいけど余計な事言っちゃたからあげれないしなー。まぁ良いか。
「いよいよ僕の秘密が明らかになる時・・・君は驚く事になるだろう。さぁ!刮目せよ!」
「うん!」
凄く期待して両手を合わせ握りながら、光線が出てくるんじゃ無いかと言うぐらい瞳を輝かせて僕に注目している。僕まで凄くテンション上がってくるんだけど!
「行くよー。えい!」
身体を丸めてから掛け声と共に、身体を広げ手足も広げる。それから身体を覆う様に光が集まって大きくなって行く。最後に光が弾けて僕が現れた訳だけど・・・
「凄く綺麗・・・」
「それだけかい?せっかく秘密見せたのにもっと驚いてくれなきゃ!それと僕は男だからカッコイイでしょ」
頬を赤く染め、僕に見惚れてるのかな?妖精は人から見たら凄く整っているらしいけど、僕からすれば妖精は皆んな同じ様な顔で面白く無い。それに僕を除け者にするしね。
取り敢えず、羽根を広げながら地面に降りてアンを見下ろす。
「これは人化って能力だよー。妖精も神様は人の範疇だって言ってたらしいのに、どういうことだよ!巨大化で良いじゃ無いか!って僕は思うんだよね」
「・・・そうだね。でも凄くカッコイイよ。後はその姿でその喋り方はないかな・・・せっかく神々しいのに勿体無いよ」
否定されちゃったよ。
姿って言っても、身長は多分155㎝位あるだけで他は何も変わらないよ?羽根は翼って言った方がしっくりくる感じに大きくなってるけど。後、神々しいって何さ。アンは120㎝位しか無いのでアンの方から見たら僕の後ろに太陽があるから、そう見えるだけでしょ。僕は余り神様好きじゃ無いんだよね。
「勿体無いなら辞めるよーだ。べー」
「待って!ごめんね。スラちゃんが頼もしいの分かってるけど、やっぱりまだ怖いからそのままでいれるならもう少しだけお願い!それにとってもカッコイイよ」
「そうかな?えへへー。それじゃもう少しだけだよー!大きくなったら飛ぶのしんどいんだから」
「うん!それでも良いよ。ありがとうスラちゃん」
「でも大きくなったら何でか髪が邪魔なんだよね。切ろうかな?」
「ダメ!絶対ダメ!!邪魔なら縛って上げるよ。ちょっと屈んで」
「う、うん」
ビックリしたー。何でそんなに大声出すのさ。でも縛ってくれるなら問題ないか!
有無を言わせないって今のアンみたいな事を言うんだろうね。さっき魔石拾ってきた時もそうだし、アンってあまり逆らっちゃいけいない様な雰囲気になる時あるよね。おー怖い怖い。
「出来たよ。これなら大丈夫でしょ?」
首の後ろで縛ってくれたので余り前まで来ないから凄くいい!前髪の方は少し残っていて、耳は見えるようになったけど聞こえやすくなったかもね。これなら元に戻っても縛ったままにした方が楽だ。
「ありがとう!これならじゃんじゃん飛んでも問題ないね。おおきい時は飛ばないけどね!」
「ふふ、それなら一緒に歩いて行こう。余り慣れてないんでしょ?こけないように手を繋いでおこうね」
はっはっはと笑う僕にアンも笑って返してくれる。よしよし、そろそろ町に行かなくちゃね。でも慣れて無いからって転けたりしないよ。どちらかと言うとアンしか転けそうだから繋いどいてあげようか。
それに僕の絆大陸への旅は、まだまだ到着すら遠いんだから早くザックさん締め上げないとね。
「それじゃアンの町へ行こうか。あれ名前なんだっけ?」
「バードハートだよ。さっきも言ったよね?それとスラちゃんがいるからわたし大丈夫だよ」