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妖精はやり過ぎた

 魔物退治終了後



 あれからも結構魔物が寄って来て案外時間がかかちゃったね!反省反省。

 アンには此処で座って休憩してもらって、僕は魔石拾いに行こう。


「アンはここで休憩しといてね。魔石拾って来るよーー!!」

「はぁーい・・・」


 よっぽど疲れたのかな?魔力は僕のを使ってたからそんなに疲れないと思うんだけど。まー精神的ってなら疲れるよね!初めだし仕方ない仕方ない。

 取り敢えず今は魔石回収だね。アンは持たしといてあげたら、僕と別れてからも少し安心だ。弱い魔物ばかりだけど気持ち程度にはなるだろうし、ポイントも少し位溜まってるはずだからね。


「う〜ん、あまり良いのは少ないな〜。他の場所に期待しよう!」


 1人でモチベーションを上げながら半分位回った時に、まだ生きてる魔物をみつけた。ビックリだよ。威力が弱くても中級位あったはずのアンの魔法で、外の魔物は弱いのに生きてるとか凄いね。

 初級位の魔法しか出ないと思ってたのに、アンは中級魔法って言われるのを使えたからね。さすが僕の教えだね!やっぱりスパルタが良いんだよ。それか妖精式っていうか僕の魔法の使い方のがアンに合ったのかな?人にあれで教えたら皆んなあんなになっちゃうなら、これから教えない方が良いのかな?うーん、悩むの面倒だし僕に被害が無いならその時の気分でいいか!

 それよりこの魔物にとどめを刺して上げよう。


「くっくっく、観念するでゴザル!今宵の妖精は血に飢えてるのでゴザル!!とりゃ〜でゴザル」


 前に立ち寄ったちょっと大きな街で流行ってたんだよ。でも僕は遠くから見てただけだから聞こえたのはこの辺だけなんだけど、喋り方面白くて好きなんだ。もうちょっと知ってるけど、レパートリーを是非増やしたい。噂の日本人とは何処に居るのだろうか?

 というか、この魔物ゴブリンにしては大きいね!立派な武器も持ってるし。鉄系は持って帰らないとダメだよね。自然破壊?は神様が怒るらしいよ?ダンジョンのゴミ捨て場まで持って行こう。アンが欲しいなら大きいけど上げるかな。

 次のところでも生きてるのがちらほら出て来たので、これはアンが疲れたから生きてるのだな。うん、きっとそうだ。

 もちろんサクサク倒して回って、最後ら辺に僕達が歩いて来た方向でもっと驚くなんて思わなかったよ。目が飛び出すかと思った!!


「くっそぉーー、なんだってんだ!ガキに逃げられるし、魔物はクソ居るしよぉ!・・・おいっ!誰か生きて無いのか?」


 これはダメな奴だな。うんうん、アンには秘密でお掃除しとこうかな。でも一応勘違いかも知れないから声だけかけとこうか。ブツブツなんか文句言ってるけど雷とか知らないや。


「大丈夫ー?何かあったの?」

「うおっ!なんだお前?てか天使の羽根じゃねーか!」

「天使じゃ無いよ!!僕は妖精さ」

「妖精でも珍しいのに変異種か!?これならガキより高く行くんじゃねーか!」


 失礼な上に凄い自信だな。そんな事言って逃げないとか思わないのかな?そう思ってる間に嫌らしい笑みを浮かべながら武器に手を掛け、そっと近づいて来る。


「仲間も死んじまったけど、俺だけならかなりの金持ちになれるじゃねーか。痛い目にあいたくないなら大人しくしてろよ」

「ヤダよ。僕は自由が好きなんだから」

「お前は珍しいからな。大事にしてくれるから良いもん食わせて貰えるぞ?なに悪い話じゃねーって。俺もお前も幸せさ」

「そんなのより外を飛んでるしか良いさ。僕はお友達も欲しいからね。先を急いでるからもう良い(・・・・)よね?」


 段々と近づいて来るから僕もちょっとづつ下がって行く。距離はとって置かないと世界一の大!魔法使いでも遅れを取るかもしれないから、絶対慢心ダメ!さっきもアンに当たって落ちたばかりだし。


「良くねーよ。先に言っとくが俺はそこらで死んでる奴らより断然強いぞ。お前なら死体でも売れるだろうから別に殺しても良いんだからな」


 強いのか!!それは困るよ。いくら僕が熟練ハンターでも、今までは弱い人か魔物くらいしか相手にした事無いのに!!

 僕の腰が若干引けてる気がするけど気丈にも立ち向かう。


「ち、ちなみにどのくらい強いのかな?どうしてもってならお互いに見なかった事にしようよ」


 せっかく僕が見逃して上げるって言ってるのに、武器を抜いてニヤニヤと嫌な顔をしてたのを残忍な顔にし、声を強めて言って来た。


「それじゃー殺し合うしかねーな。それと強さだったか?50は軽く超えてるぜ?ホントに殺しても良いんだな?俺は構わないがな。それにさっきのどうせお前の攻撃だろ?ちょっとしかダメージ受けなかったぜ。それに他に人なんて居ないし、逃げたガキもステータスは見たから違うだろうしな」


 ヤバいよ。今度は違う意味で大変だよ。優位に立ってると思ってるのかニヤニヤしっぱなしだけど、言ってる事大半間違えてる。僕もアンの為にも殺しちゃうつもりだから殺し合いには賛成だけどね。なんか面白くなって来たけど、そろそろ戻らないとアンに怒られちゃうから早くしよ。本当に50あっても50とかなら余裕だから。


「仕方ないね!僕も捕まるの嫌だし戦うしか無いね」

「バカだな、精々羽根に傷つく前に諦めな!」


 そう言いながら手に持つ武器で切り掛かってくる。が、勿論当たったら痛いかも知れないので受ける積もりも無ければ慈悲もない。ぷっ


「ぉおー・・・」

「さよならでゴザル。はい、ドーン!ふぅー、また来世で会おうぜ」


 さっきと同じ自称サンダーレインで仕留めちゃいました。上手に焼けすぎて見た目が・・・怖いな!!これなら火で燃やしたしか良かったよ。

 兎に角、鉄系の部分とアイテムポケットから出てきたのを回収して他のは魔物も含めて燃やせば良いね。楽チン楽チン。死んだら知り合いの所にアイテムポケットの中身行く様にして無かったんだなー。僕は上げたい人居ないからしてないけど、この人は友達居なかったんだろうね。

 残りも回って戻らないと。さーレッツゴー!

 てな感じで回って戻って来たのだけど、アンはご立腹のご様子。ちょっと時間かかり過ぎたかな?


「色々言いたい事あるんだけど、取り敢えずこれ見てくれる!?」

「はい!」


 今は逆らっちゃダメな気がする。

 凄く、凄〜くご立腹なアンに見つめられながら出してくれたステータスを見る。


「凄いじゃないか!これなら直ぐに冒険者にだってなれるさ!やったね!」

「何でこんなに上がってるの?わたし他の人より成長しなかったのに!」


 そんな事言われても魔物とアンは知らないけど自称50に怪我させてたからね。強い魔物も居たみたいだし、自称50のお仲間さんの悪者も5、6人くらい居たからレベルも上がるさ。でも魔物も見た事無かったアンに人を殺したのまで教えるのは可哀想だし・・・どうしようかな。

 よし!勢いで誤魔化すしか無い!間違いない!


「それはきっと成長期もあったんだよ。元々魔物を狩るのがレベルを上げるには早道だし、今回はいっぱい狩ったからね。熟練ハンターの僕と一緒だったから効率が良かったのも大きいね。後はちょっと強そうなゴブリンとかも居たんだよ!それを狩っちゃうアンは立派な魔法少女さ!!さぁーこれを見るんだ!!」


 勢いで押し切り拾って来たのをゴロゴロと落として行く。ちょっとした小山になってるのを見てアンも驚いてる。なんか気分が良いね!


「凄い・・・こんなに沢山あったら2月は食べて行けるね! あれ?この剣とか何個かある財布はどうしたの?」

「あ・・・」


 勢い良くし過ぎたせいで悪者の武器と財布まで落としちゃった。なんかジト目で見てくるのが耐えれないんだけど・・・


「ねぇーこの武器とかはどうしたの?」

「も、元々僕が持ってたんだ!武器は要るよね。後財布も無くしたら大変だから分けてるんだよ」

「スラちゃんの大きさならこんなに大きいのは要らないでしょ?アイテムポケットあるのにそんなに分ける必要も無いよ」


 食い下がってくる。どうしよかな。絶対に人殺しは言えないし・・・アンは良い子だけど僕の自称888の秘密を教えるはちょっと怖い、他の人にバレたらまた狙われそうだし。まーアンなら大丈夫だよね!うん。僕の人を見る目は確かさ。


「これから言う事は誰にも喋っちゃいけないよ?もし、喋れば・・・」

「喋れば・・・?」

「僕が嫌がらせで毎日、アンの頭の上を魔法でキラキラさせるよ!!勿論出掛ける時も寝る時もずっーーーーとだよ!恥ずかしいし寝れなくて疲れちゃうよ」


 ふっふっふ。これだけ言えば友達にも喋れないだろう。僕なら鬱陶しくて嫌だしね。


「え?それだけなの?」


 何!もっと欲しいのか!アンは欲しがりさんだな!それにこのまま行けば話は有耶無耶になる。でもちょっと教えといてあげないと、いきなりレベル上がったから困るはずだしそこだけ説明出来れば良いんだけど。


「じゃー後は、将来全身の毛が抜ける魔法をかけてあげる。これなら嫌でしょ?」

「うーそれはやだなぁー」

「でしょ!!って言うか、別に聞かなくても良いんだけどね」

「スラちゃんの事知りたいから聞く!!人に言わなければ良いんでしょ?」


 勝った!これで話は完璧に武器とかから離れた。


「よしよし。アンには特別だからね。でもその前にアンには言って置かないとダメな事があるんだよ」

「特別・・・言って置かないとダメな事ってなに?」


 何で頬を染めるの?何か恥ずかしい事あったかな?あまり言いふらしたら僕が危ないからだし。言って置かないと何て意味ありげに言ったから緊張してるのか!スラシュ隊長、作戦は成功してるであります!!


「まず総合力っての伸びてるけど、数字出てるのは最大値で出てるだけだから修行とかサボったら数字よりも弱いままなのと、さっきは魔法いっぱい使ってたけどあれは僕の魔力から使ってただけだから、アンが1人で使う時はきちんと自分の身体と相談しながら使ってね。後、能力と加護の所はちゃんと隠してて偉いね」

「うーん、分かったような分からないような・・・」

「総合力は頑張らないと意味が無い。頑張ったら数値が増える。レベルが上がっても数値は増える。サボったら数値はそのままだけど弱くなってる。弱くなっても次に強くなるのはレベルに応じて早くなる。魔法は身体の中にある魔力を使うから、疲れてきたりしんどくなってきたら出来るだけ使わないようにする。だよ!!これ以上は説明難しいから、自分で体験して行ってね。以上です!!」

「何となく分かったかな?」

「それで大丈夫さ!それにしてもレベル上がったねー」


 本当に上がったよ。多分上位種のゴブリンとか居たんだろう、後は自称さん達もきっと大きい。50じゃ無くても40とかあれば5だったアンにはかなりだよ。普通は絶対倒せないけど、魔力使い放題みたいな感じだったし数打ちゃ倒せるよね。後は秘密をババン!と言えば武器の事は完全に消えちゃうだろう。さすが僕だね。


「アンさんアンさん、無くしてしまう前に魔石片付けなよ。残りは(・・・)僕がポケットに入れとくよ。それが終わったら僕のひ・み・つ教えてあ・げ・る!」


 決まった・・・!!僕は乗り切ったよ。



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