表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
眠ったセカイと眠り姫  作者: 杠 音韻
16/17

十六話 吐いてはいけない嘘

「お~い、着いたぞ…………って、二人とも眠ってるじゃないか……おい美香、起きろ」

「むぅ……せんぱぁい? あれ、もう付きましたか………ほら先輩志熊ちゃんおんぶして」

「な、なんで俺が………分かったよ、よっこいしょ」

まだ眠気の残る眼を限界まで開き、背伸びをする。

然程遠くには言ってないと思ったのに、案外着くのが遅かったな。

既にビルの合間から太陽が顔を出している。

「美香~、荷物持ってきてくれ~」

「は、は~い!! 人使いが荒い先輩だなぁ」

私は開きっぱなしのドアから食糧を取り出し、乱暴にドアを閉める。

今日も頑張りますかぁ………



食糧を置き、先輩の様子を見る。

「先輩、志熊ちゃんは寝かせました?」

「ん? ああ、自分の部屋で眠ってるよ」

「…………何もしてませんか?」

私がそう聞くと呆れた顔でこちらを見る。

やめて下さい気持ち悪い。

「あのなぁ…………俺はロリコンでも無いし、する気もさらさら無い。分かったか?」

「ふぅん………じゃぁこれは何ですかぁ!!!」

私は後ろ手に隠し持っていた先輩のカバンの中身を開く。

中には女子のパンツが入っている。

「な…………!?」

「フフフ、図星の様ですねぇ滑稽ですよ先輩のその顔………!! あぁ弁解出来る物ならしてみなさい!!」


「バカらしい、自分のパンツを俺のカバンに入れて何が楽しいんだよ」


分かってらっしゃったんですか?

「なな、なんでこれが私のパンツだと………!? 変態!! ロリコン!! ムッチリスケベ!!」

「それを言うならムッツリスケベだろ………って、俺は変態でもロリコンでもムッツリスケベじゃない」

「くぅ………先輩がそんなに性欲にまみれているとは思いませんでした、一生の不覚………!!」

もうここまでになるとグダグダの素人茶番劇みたいになってきた…………まぁ先輩の言う事は全部正しいし、私がバカみたい。

「そうだお前はバカだ」

「それはキッパリと言うことじゃないっす!! てか心読まないで下さいよ~!!」

「いや、お前は全て顔で考えてる事は分かるんだ。お前、ババ抜きで一度も勝ったこと無いだろ?」

な、なんでそれを………!!

中学校の修学旅行での第一回ババ抜き全国選手権大会(クラス内対抗戦)で惨敗の28連敗を喫した事………

それは中学校からの友達しか知らないハズ………!?

「はぁ………まぁいい。お前、何が目的だ?」

「は、はい? その質問の意味が分かりませんが…………」

「だから、俺に何か用があるのかと聞いているんだ」

先輩はキツイ目線でこちらを見つめて来る。

な、なんか最近先輩はおかしいんだ、変な所で突っ掛かったり、柄でも無い事をし始めたり………

私の知ってる先輩じゃないみたいで。

「なんか先輩、変わりましたよね」

「俺がか? 自覚は無いんだけどなぁ」

ホンット、ウザったい。



「先輩は、本当に嘘がお好きな様で……………そう言う所、私は嫌いっすよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ