第2話 続 転生前の手続き
まさかのブクマがつきましたありがとうございます。今のところは、不定期投稿ですので皆さんそこはどうかご容赦ください。
「で、妖精さんよ。」
「妖ちゃんです。または精ちゃんです!」
「どっちでもいいわ!じゃあ妖精ちゃん、俺は死んだんだな?そんでこの謎空間に飛ばされました、と?」
とりあえずいわゆるテンプレの流れに乗るのであれば、そんなとこのはずだ。そしてこの先の流れも大体わかる。つまり、
1.まだ若いのに死んじゃったなんてかわいそ
うに。
2.人生やり直してみない?
3.別の世界に転生してあげるよ。
4.転生先の世界は今ちょこっとキケンなんだ
。
5.だから生きていくためのハンデをつけよう
。
6.何か能力をプラスしてあげるよ
7.向こうの世界でやることはあなた次第だか
ら好き放題しちゃって
と、いったところだろう。
俺としては大して生きていた世界に未練はないのだ。家族は健在でも仲が良いわけでもなく、彼女もおらず、親友と呼べるものすらいない。(まあその原因は中学時代の勇希の考えの押し売りにあったりするのだが…)
であるならばファンタジーワールドには憧れがあるのだ。行けるのならば行くしかないっしょ!という心持ちだ。
「まあ、そうですね〜。あなたが言うこの謎空間とはあの世とこの世の狭間的なところです。なぜがあなたはそこらの話に通じてそうなので妖精ちゃんとしては楽チンできて嬉しいです!少しばかりズレはあるので説明は必要みたいですけどね」
妖精ちゃんでいいのかよ、とか思いつつ質問が浮かんだのでぶつけてみることにした。
「質問がある。まず1つ、人の考えてることが読めるのか?2つ、ズレって何が違うんだ?」
別にこちらから聞かなくても答えてくれるような内容ではあるが、知りたくなったのだから仕方ない。知識欲は人並み以上にあるのだ。
「はい、お答えしましょう。1つ目ですが読めます。なんていったって私、妖精ですから。ただし、読めるのは純粋な思考だけ、つまりは『今何考えてるかわかる?』的な不純な思考は読めません。なんでかは私もわかりません。2つ目はこちらに座ってもらって文字通り腰を下ろして聞いてもらいたいと思います。」
そう言って、妖精ちゃんが手をひょいっと上から下に振ったら、高級そうな椅子2脚と机がセットで出てきた。
今思ったが、勇希が普通思い浮かべる妖精と言ったらピーター○ンとかに出てくるような手のひらサイズの蝶々みたいなやつである。しかし今目の前にいるのは、羽もなければ手のひらサイズでもない、可愛い服を着た小学生くらいの女の子、である。(ロリは趣味じゃないからな?ほんとだぞ?)
椅子に座ることにはなんの抵抗も文句もないので素直に座る。座ったタイミングでこれまた高級そうな紅茶とお菓子が 出てきた。遠慮なくいただいたが、特に気にした様子もなく妖精は話し始めた。
「さて、それでは2つ目の質問に対する回答です。きっと勇希さんは転生先の世界はこの科学が進んだ世界とは違い剣と魔法の世界だと思っておられると思います。これは間違っておりません。実際この世界より科学的な世界は以外と少ないです、この世界って実はレアなんですよ?」
そんなことを言われてもこの世界しか知らない俺から言わせてもらうならば、知らんこっちゃ。である。話は続く。
「しかし、問題がありまして…転生先に選ぶことができる世界は、必ず問題を抱えています。そして転生される方、今回は勇希さんですね、はこの問題を解決するように行動しなければなりません。とは言っても解決しなければならないわけではありません。問題を大きくする方向に行動してはいけないだけですので、何もしないでスローライフを決め込むのは問題ありません。こんな条件があるので転生も行わず、天国へレッツゴーでも構いません。」
なるほど、確かにそれは勇希が思っていた異世界転生とはちょっと違う。だが勇希的には些細なことだ。
「それならとりあえず転生はしてほしいな、このまま天国いったところでどーしよーもないからさ。で、転生先の世界が抱える問題ってどんなん?」
と聞いたら妖精ちゃんは10枚程度の紙を渡してきた?各世界の問題などが簡単にまとめてあるようだ。
「えーなになに…
魔族の存在
魔王城の存在
魔界の入り口の出現etc…
人間視点での問題ばかりである。………はあやっぱりどこもこんな感じか〜」
予想通りといえば予想通りであるが、分かっていてもどうにもいかんしがたく感じてしまう。少なくとも俺はこの問題の解決は俺の望まぬ方向に話が進みそうだからこんな世界には行きたくない。
諦めて天国へ行くか〜…とか思いつつとりあえず最後まで見ようとペラペラ紙を流し見する中にそれはあった。
【魔王及び魔族の権利】
椅子から転げ落ちた、あげく紅茶もブチまけた。
「だ、だいじょーぶですか⁉︎どうしたんですか紅茶が喉にでも詰まりましたか⁉︎」
液体が喉に詰まるとか意味わからん、だがそんなことは今はどーでもいい。
「これ!この世界に行く!妖精ちゃん今すぐ連れてって‼︎」
妖精ちゃんが紙束を受け取って読む、
「珍しいですね〜、魔王側の問題じゃないですか〜初めて見ました、しかもその世界に行こうとする人がいることにビックリです。まぁでも、勇希さんですもんね〜、勇希さんにはこの異世界はぴったしですね〜。」
そんなことはどーでもいいからと言わんばかりに勇希さんの目が輝いている。ならばこの世界転生ということでいいだろう。
「では、そういうことでこの世界に転生してもらいましょう。私のようなものがこのようにサポートすることは今後一切ありません。また転生後の能力云々はこちらで決めさせてもらいます。安心してください。まあ元々のスペックがなかなか高いのでひどい能力にはならないでしょう。楽しみにしていてください。……聞いてますか?」
ワクワクワクワク…
だめだこりゃ、もう送っちゃおう。話を聞いてなかったとか言われても知らんぷりだ。
「えーそれでは、第2の人生!悔いのないようにいってらっしゃい」
妖精ちゃんがそう言って腕を振ると勇希の視界が白く染まった。
誤字脱字ダメだし大歓迎です、片っ端から直していきます。また矛盾等多々できると予想されます。アホ作者ーと思いつつもどうかご指摘をお願いします
なお分の長さはバラバラです。ご容赦ください