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魔族側に味方したっていいじゃない  作者: ベルベル
第1章 出会い編
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第11話 いざ街へ

今日の10時台にこの小説を閲覧してくれた方がすごい多かったようです。一体10時に何があったのでしょう?

「なあ、リリって冒険者に襲われてたよな?街に戻ったところで御用なんじゃねえの?」


ふと思った。実際に話をややこしくしたのは勇希であるが、あの場合は仕方ない。冒険者にリリが魔族であることは間違いなくバレている。さらに一時的であってもパーティを組んでたのだから、同じ街の冒険者だったろう。このまま戻って大丈夫なのか?


「大丈夫だよきっと。あの時ボクはフードを付けてたからね。他にも色々理由はあるけど街に着けば分かるよ。あ、な、た」


あなたというのをやめてほしい。先ほどそう願ってみたのだか笑顔で却下された。あんな顔をされると強く言えない。(可愛い子の(・・・・・))涙と笑顔はクリティカルで勇希にヒットするのだ。


腑に落ちないところもあったが、本人が大丈夫と言っているのだ。何かしらの作戦があるのだろう。


どうやら外壁のようなものが見えた。どうやら街に着いたようだ。ただ多くの人が外壁にそって並んでいる。これはいくらなんでも普通でないだろう。リリにはフードを付けてもらい、列の最後尾に並ぶ。そして前に並んでた農民風の服のジイさんに何事か聞いてみた。


「ワシもよくわかっとらんが、どうやら魔族がおったらしい。冒険者を撒いて逃走しているようじゃ。そんなこともあってか外門で守衛さんが検問をしとるようじゃな。」


…やべーじゃん、思いっきり問題になってんじゃんか。街にすら入れないどころかもう俺らの後ろにも馬車が列に並んできている。今この列から離れたら目を引くことこの上なしだ。


と、服を引っ張られた。リリが余裕でこっちを見ている。いや、まずいだろ!お前捕まるぞ⁉︎どうすればいい⁉︎


そんなこんなで良い案も浮かばないままジイさんの検問が終わり、列の最前列に来ちまった。終わった…俺も捕まっちまうなこりゃ。守衛が話しかけてきた。


「長らくお待たせしてしまって申し訳ありません。

なんでも近くの森で魔族が出たようでして、街に侵入されないようにこうやって検問をさせていただいております。ただ魔族が出ただけではここまで大掛かりなことはしないのですか…報告をしてきた商人の話では、護衛をしていた冒険者が全員魔族に殺害されたそうで。」


うぉーい、話が大きくなってるやんけ!殺してないし!逃げただけだし!誰だよそいつら変わりに殺したヤツ‼︎これは捕まるどころの話じゃない、処刑ものだな…


「そういうわけで、検問をさせてもらいます。お二人でよろしいですね、ん……失礼ですがお連れの方、フードを外してもらってもよろしいか?」


守衛の纏う空気が1段階重たくなった。手がいつでも剣に伸ばせるように構えを変えている。魔族の顔以外でも特徴くらい商人から聞き及んでいるはずだ。フードをしていたことなど知られているだろう。失敗だった。やはり街に戻らず別のところに行くべきだった。もう遅いか。後悔先に立たず、まさかこの身でそれを思い知るとは、諦めて黙っていたらリリがフードを外してしまった。しかも


「ごめんなさい守衛さん、主人が人にあまり顔を見せるな、というものですから。お手間をかけてしまいましたね。」


普通に話しかけたし!なんだなんだ?さっきまでと口調が違うじゃないか。しかも守衛もなんか顔が赤いし、ちょっとムカッとした。


「し、失礼しました。そういうことでしたか。では、いくつか質問を続けさせてもらいます。街の外に行かれていた理由と、この街の住人証はございますか?ない場合はお二人とも商人ではなさそうなので入街料がそれぞれ銅貨2枚必要となります。」


()はこの街の住人証を持っております。しかし主人は離れた村におりまして、今回やっと一緒に暮らせるようになったので、()が街道まで迎えに行っておりました。ですので主人の分の入街料を払わさせていただきます。」


「そうでしたか。それは喜ばしいことです。羨ましいですね。こんな美人さんが妻だなんて、ご主人は幸せ者ですね。それなのに疑ったりなど、誠に申し訳ありませんでした。入街を許可します。これからも幸せで暮らしてください。」


「いえいえそんな、主人よりも()の方がよっぽど幸せものですよ。疑ったなんてそれが守衛さんのお仕事なのですから気になさらないでください守衛さん。お仕事お疲れ様です。」


こうして、門は開かれた。なぜだ魔法か?魔法を使ったのか?納得がいかん⁉︎とりあえずは街に入ろう、ここに留まっていたら不審に思われる。


門をくぐったらとても大きな街だった。建物が綺麗に並んでいる。道の脇には花壇が並んでいる。とても美しい街並みだった。なんの香りだろうか?どこからか甘い香りが漂っている。


街並みに圧倒されている俺の前に出て、リリが手を広げた。


「ようこそ、ボク(・・)が活動拠点としている街、アリッサムへ‼︎」

これで作者的第1章出会い編が終わりました。第2章は、冒険者活動編と予定しております。お付き合いください。


なんでリリが魔族ってバレなかったの?と疑問に思われる方がおられると思います。もしかしたらもうわかっている方もいるかも知れませんね、トリックというには幼稚すぎますから。しかし、安心してください。2話後に解説が入りますよ。


誤字脱字ダメ出し報告大歓迎です。片っ端から直していきます!

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