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魔族側に味方したっていいじゃない  作者: ベルベル
第1章 出会い編
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第10話 新婚さん⁉︎

記念すべき10話目です。1日1話+αと言っておきつつ、ほぼ毎日2話は投稿してますね。これからもがんばるぞー‼︎

いったい何がどうなったらそのような提案が出されるのか、勇希からすれば脈絡のない唐突もいいとこである。女の子と一緒に生活するって⁉︎日本だったら逮捕が必至であろう行為だ。いくらなんでも断るべきだろう。


だが、気づいてしまった。自分の現状に…


まず住むところがない。周りは森である。このままここに居続け夜になれば、猛獣なんかとエンカウントする可能性がある。俺の持ち物はサバイバルナイフのみ、ライターレベルの火も作れない。妖精ちゃんも不親切である。初期アイテムはもっと充実してないとムリだろう。


宿を借りるか、冒険者とかがいる世界だ、宿泊業は発展しているだろう。だが俺の持ち物はサバイバルナイフのみ!1円すらない。まったく妖精ちゃんも(以下略)。


ご飯はどうする、俺はつい最近までそこらの高校生だった。生肉を食べて無事な胃腸はしていない。というかもうすでに腹が背中とくっつきそうだよ。意識した途端にもうこれだから人の頭も本能に素直である。


……うーん、まいった。八方塞がりだ。これがこの世界の洗礼か?なかなかにハードだ。と、なれば、リリの提案に乗っかるべきか。

仕方ない。決して可愛い子と生活できることに鼻の下が伸びてるわけじゃないぞ?…多分。


「いくつか質問がある。答え次第で提案にのるかそるか決めるよ。嘘はなしで頼むよ、嘘ついてるかは判別できないけど信頼の問題だ。」


リリも覚悟を決めた顔をしている。きっと嘘はつかないだろう。よしでは質問も始めようか。


「住むところはあるか?

『町で宿をとってるよ。2人でもダイジョーブ。』

俺お金ないぞ?

『ボクも冒険者としてある程度は仕事してきたから少しなら蓄えもあるよ。』

ご飯は?

『正体がバレないように自炊してたから、家に食材もあるよ、2人分はないかもだけど…そんなことは買い出しすればいいから!』

独り暮らししてた女の子が男連れてきたら注目されるに決まってるだろうが、

『それは……ならボクがユウキの奥さんになるよ』

………設定か?

『あ、え、そう。設定だよ設定。』

………………………

『…………………ん?』

…いや、犯罪だろそれ、

『犯罪になんかならないさ、ボクは結婚できる歳だよ?いくつだと思ってたの?』

…18より?

『もちろん上、ちなみに16から男女とも結婚できるよ。』

……………………………」


うっそだ〜⁉︎ナイスバディな体型はともかく背と顔は歳とミスマッチだろ〜よ。高校生どころか中学生でも通用すんじゃね⁉︎


しかも質問してて分かっちまった。なんか今の俺って………


「なあ、ヒモって知ってるか?女に養われるクズな男のことだ。」


「ヒモって言葉は初耳だけど、別に気にしないよ。ボクが好きでユウキと一緒にいたいんだからね。誰が養うかなんて問題じゃないよ。」


完敗である。これが年上の器の広さか⁉︎これは、決まりだな。


「…分かった、一緒に生活しよう。ただし!このままヒモに成り下がるのは俺のプライドが許さん。今日はともかく今後は俺が稼ぐ。文句は言わせん!」


「(どうしよう、顔が赤いかなもう、かっこいい事言ってくれるや)別にそんなこといいのに、じゃあ今日だけはボクが姐さん女房だね!」


最高に嬉しそうな笑顔を浮かべるリリが目の前にいる。この笑顔が見れるなら同棲もいいや。俺的にはむしろウェルカムだったし。ただまだ1つ聞いてない事がある。


「最後に、俺には同棲する利点しかないが、リリには何の得があるんだ?」


…………笑顔が固まっていた。汗が額に浮かび始めている。


「嘘はなしな?」


リリは諦めたように、笑顔から一転悲しそうな顔をして俯いてしまった。


「…ボクは吸血鬼だ、吸血鬼であるからには血を吸わないといけない。だから夜にこっそり血を吸わせてもらおうと思ってたんだ。さすがにこれは許してくれないと分かってたから言わなかったんだ。これで同棲の話はなし、だね?」


「なんだそんな事か、そんなことでそんな顔するなよ。こっちはそんなこと折り込み済みだっつの。けど夜這いはなしな。こちとら思春期真っ只中だ、間違いが起きても知らんぞ。」


何をいまさら。てかそんなことだけで本当に男についてっていいのかよ。信頼されてるってことでいいのだろうか。


またリリが固まっていた。やっぱり病気なんじゃねーか?そろそろ心配になってきた。


自分が原因だとは思ってないあたりが勇希の業だろう。勇希の行動言動は、この世界でも非一般的なのだ。それがわからないから頭が良いとは言われないのだ。


「ほらさっさと再起動して、道案内してくれよ〜、腹が減って死にそうなんだよ俺。」


のんきなことである。そんな姿を見てリリの顔が笑顔に戻った。それもとびきりの。コロコロ表情が変わる表現豊かなことは良いことだ。


「待ってよ、ボクがいないとダメなんでしょ?一緒に行こ………あなた。」


そう言って走ってきたかと思いきや、そのまま先に行ってしまった。


…耳を疑った。あなたって言ったか?あなたって。確かに夫婦になることにしたけども、設定の中でしょうが!こんな人気のないとこでそれを発揮されても、反応に困る。それなのに、そのはずなのに、理性とは裏腹に喜びが全身を包んだかのようだ。


まったく、俺も大概簡単な男だったらしい。


「待て待て走ったりなんかしたら空腹でぶっ倒れちまうって、歩いてこーぜ」


こうして人族と魔族の歪な同棲生活の幕が開かれようとしていた。

ご都合主義が多分に含まれてあることは理解しております。が、そこは異世界マジックということでお願いします。


誤字脱字ダメ出し報告大歓迎です。片っ端から直していきます!

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