仮面は大切に
鬼をモチーフにした私の仮面。
あれがないと私は・・・・・・。
「仮面?これのことかな?」
そう言って彼女は机に置いてあった私の仮面を持ち上げました。
「返してください!」
思わず声を荒げ仮面を奪い取ってしまいます。
「あ・・・すみません・・・つい」
はっとして謝る私を、いーよいーよと笑って許しました。
「大丈夫だよ。大切なものなんでしょ?そもそもナナちゃんのものだし。大事にしてあげてね」
「・・・・・・ありがとうございます。あ、ええと、あなたは・・・」
「私はヘスチャ。姓はないよ」
ようやく名前を知れた薄黄色の髪の彼女———ヘスチャは私に笑いかけた。
「おなかはすいてない?シチュー作ったから一緒に食べよ?今日、妹がいないんだけどいつもみたいに二人分作っちゃったんだ」
私は仮面をつけて、驚いた顔をしたヘスチャにうなずきました。
「・・・はい」
「・・・・・・おいしそう」
数分後、食卓に並んだのは高級料理店に出されるようなビーフシチューとめったに食べれないだろう、白パンが並べられました。
「シチューは初めて作るものだから、失敗しているかも。一応、味見の時は大丈夫だったけど・・・」
こんなきれいなのに初めて作るだなんて、おかしいです。
私はヘスチャが食べ始めるのを見るとスプーンを手に取りました
薄黄色・・・クリーム色?