表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/30

16. 第4戦 対WBA・ホーム

ブックマーク、評価、いいねありがとうございます。


試合描写は書くのが難しく、今後はハイライトのように試合の一部を切り取って描くようにしようかと思いますが、どうでしょうか…正解が分からず難しいですね。

@シティ・グラウンド (対ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンFC戦)

コール・ウェンディ 視点(LB:途中出場)


『ピューーーッ!!(笛の音)……11番!次同じようなプレイはカードとるからね』


『いやぁ勘弁してくださいよぉ。こっちはボール狙っただけですよぉ~…ほれほれ、若造もいつまでもゴロゴロしてないで早く立てって。ハハッ』


 ホームで迎えたWBA戦はお互い得点の取れないまま後半40分を過ぎたたところだ。


 今日はマッチアップしているWBAのベテランRWマッツ選手が起点となって攻めてくるため、前半にイエローカードを貰ったウィリアン・スミスさんに代わって後半途中出場の俺はついていくのがやっとの状態だ。


 何度かオーバーラップを試したりしているがマッツ選手に弾き飛ばされている。


『ハァッハァ……大丈夫です。自分で立てますから……』


 俺は審判にアピールしながら助け起こそうとしてくれるマッツ選手に、助けは不要と手で合図を出して立ち上がった。


『すまんな。お前さん、足が速いからつい引っ掛けちまうんだ。俺も速いほうだが、お前さんのは俺以上だな。受け身の練習だけはよくしておけよ…スピードスターにケガは付き物だ』


 そう言ってマッツ選手は自分の右ひざに大きく筋のついている手術婚をチラッと見せてきた。


『止められないとわかったらわざと倒してでも止めてくる奴もいる。リスク管理は自分でしっかりすることだ。まだ若いんだからな……』


 そう言うと、ボールを受け取りリスタートの準備をする俺からマッツ選手は離れていった。


『ケガのリスク管理、ディフェンス技術、ドリブル技術……俺には足りないことがたくさんだ……』


 コール・ウェンディは試合が終わったらRBコーリングさんやCBカンナバーロさんに個人的にトレーニングに付き合ってもらおうと決め、ちらりと二人を見てから、FK(フリーキック)でボールを前線に蹴り込んだのだった。


——————

マルケス・カンナバーロ 視点(右CB)


 LBウェンディが交代出場後、何度目かの攻撃参加をしようと、ボールを保持して走り出してすぐ倒されたのがポジションから見えた。


 フォレストで1番足の速いウェンディのオーバーラップは投入直後は有効だったが、足元の技術が弱いこととスピードの乗り切らない走り出しを相手RWマッツに狙われ始めてことごとく止められてしまっている。


『ウェンディには、もう少し攻め方の引き出しや守備時の我慢強さがあればな……』


 自分の長所のスピードを活かそうとするのはよいが、バリエーションの少ない攻撃は、かつてウェンディと同じような快足で活躍したベテランRWマッツに逆に反撃の起点とされてしまっているのは明らかだった。


 徹底的に対策をされて心が折れてしまう選手や自棄になって試合を壊してしまったり怪我をする選手もこの世界ではたまにいる。


『エドワーズ監督の若手の積極起用は試合でしか得られない経験があるとの考えからだ。ウェンディも素質はあるんだ。一皮むければ……』


 相手RWマッツがなにかウェンディに話しかけて離れていった後、ゆっくりとボールをセットするウェンディと一瞬目が合ったカンナバーロは、その瞳にしっかりと闘志が宿っているように感じた。


『まだウェンディの心は折れてないようだ』


 FKで蹴り込まれたボールは前線のシルバーノに向かって綺麗な放物線で飛んで行った。


——————

@シティ・グラウンド スタジアム取材ブース (試合終了後)

レオン・龍馬・エドワーズ 視点


『今日の試合、引き分けという結果で開幕からの連勝が途切れましたがチームの雰囲気はどうでしょうか? 』


『連勝が途切れたとはいえ、雰囲気はよいままですよ。勝ち点1を手にしたことをほめたいと思います。WBAはプレミアと2部を行き来するようなチームですから』


『今日の試合、相手RWのマッツ選手に攻撃の起点を作られた場面が目立ちました。LBウィリアン・スミスもイエローカードで途中交代となりましたが、ディフェンス陣の調子が良くなかったという認識ですか? 』


『交代で出場したLBコール・ウェンディも含めてフォレストFCは経験の浅いディフェンダーが多く所属しています。


 経験を積ませることと、実戦で結果を出すことの両方を完璧に追い求めることは難しいのではないでしょうか。少なくとも私はこの試合を0失点で抑えたことを評価したいと思っています』


『貴重なお時間いただきありがとうございました』


『いえいえ、良い記事期待していますよ』


 取材ブースを後にした俺は、そのままロッカールームの選手たちの元へ今日の戦術の反省と労いに向かうのだった。


——————


 試合結果:0-0 (引き分け)


(内容)

前半 16分 フォレスト:STグラムの強烈なミドルシュートは惜しくもバーの上へ

前半 36分 フォレスト:LBウィリアン・スミスのイエローカードでRWマッツ選手のチャンスを潰す

前半 43分 WBA:RWマッツの中央への切込みからシュートは守護神ロッジェがスーパーセーブ


後半 20分 フォレスト:STグラムに代わってSTシルバーノ投入、LBウィリアン・スミスに代わってLBウェンディ投入


MOM(マンオブザマッチ) WBA:アラン・マッツ




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ