2:冒険者の街
10メートルはありそうな頑丈な城壁に囲まれている【ロッゾタウン】
その門の前には思ったより人の列は無かった。
長かった髪をショートにして、ピンクブロンドの髪と、白い肌の顔は泥で汚しておいた。
言っては何だが・・・私は可愛いのだ・・・変に目をつけられないように汚しておくことにした。
声も可愛いので声を変える魔道具のチョーカーを皮と小さな魔石で作り、声を低めにした。
短い人の列に並ぶと直ぐに順番が回った来た。
「身分証明書はあるか」
「ありません」
「この水晶に手をかざせ、犯罪歴が無いか調べる」
「はい」
青く光る水晶、犯罪歴を調べる魔法具のようだ。
「大丈夫だな。これは仮の入門証だ、銅貨20枚だ」
「はい」
私は銅貨を渡して薄い木の板の入門証を受け取った。
「何処かのギルドで身分証明証を作ってくればお金は半分返却されるぞ、この入門証では滞在は1週間、滞在を伸ばす時はさらに20銅貨必要になる、身分証明書を提示するとギルドにより滞在期間が延びる、ギルドに登録することを進める」
「分かったわ」
「治安は悪くは無いが、若い娘は気をつけな」
「ありがとう、気をつけるわ」
親切な門番にお礼を言って町に入った
冒険者の街中は賑わってはいた、でも何処か違和感がある
よく見るとすれ違う冒険者らしき人達は、怪我をしている人が多い、頭や腕に包帯を巻いた者、松葉杖の人もいる
「治癒師は居ないのかしら」
この世界は魔法で治癒ができる、私も3回目の死の時にその魔法を貰っている
辺境の小さな村でない限り、治癒師が居るのは当たり前のはずだ
とりあえず冒険者ギルドに向かうことにした
門から回り込むように道を行くと、少し開けたところに出る、
その広場の向こうに冒険者ギルドの剣と盾の模様の看板が見えた
「冒険者ギルドか、冒険者になる気はなんだけど、ほかに身分証明書は・・・あっ」
広場を見渡すと冒険者ギルドの向かいに商業者ギルドが目に入った
「こっちの方が私向きかも、移動中に作った治癒ポーションもあるし、行ってみるかな」
踵を返して商業者ギルドに向かった
商業者ギルドは本と羽ペンの看板が大きく飾られていた
入り口の扉は大きく開け放たれており、ウエルカムな感じがした
受付の表示を見つけ其処に向かった、受付は幾つもあり、その中であいている所があった
空いている理由は、いかにも怖そうで偏屈そうなおばあさんが座っていた、他は若いお姉さんばかりなので、違和感半端ない、でも私的には他が空いていてもここに行った気がする
「よろしいですか」
「・・・何か用かい、見ない顔だね」
「今日この町に着いたので、ここで身分証明書の発行をおねがいしたい」
「他のギルドでの登録はあるかい?」
「ありません」
「・・・・この紙に必要事項を書きな、字が書けないってことはないだろね」
「大丈夫です」
にらみつけるように言うおばあさん、商売人が字が書けない、計算が出来ないのは致命的だ、この国の識字率は庶民は40パーセント、18世紀(江戸時代)のロンドンの識字率は20パーセントなのでそれよりも高いがそれでも読めない人の方が多い
おばあさんは(書けないってことはないよね)と言っているが、字が書けなくても見習い制度があり自分で商売は出来ないが、正規ギルド会員の下で働くことが出来る仕組みになっている、見習い期間に字や計算を覚え正規会員試験を受ける者も多いのだった
たまに、死ぬまで見習いだった人間もいる、計算がいつまでも出来なかったらしい
「これでいいですか」
書類を出すと、まじまじと見ているおばあさん
「・・・ポーション・・・・」
販売するものの欄に
ポーション類とアクセサリー、小物、洋服と書いていた
前世の私は藍染職人で、藍染のアクセサリーや小物、洋服等を作っていた、そして趣味で薬草茶を飲んでいた、それをしたいと思っている、まあ今生では染は藍染にこだわらすいろいろやってみたいとも思う
「今出せるポーションはあるかい」
「容器があまり作れなかったので、ランクC治癒ポーション50cc20本あります」
「容器も自作かい・・・見せてくれないか」
「はい」
私はポーションをとりあえず3本だした
「ガ・・ガラスの容器・・・ふむ・・・上質だねC+か・・・」
私のラノベの知識でポーションの容器はガラスだったが、ガラスで成形された容器は貴重で普通は焼き物の容器らしかった、後でおばあさんが言っていた
「いいだろう、試験はすぐ受けるかい、問題集を貸しだしているから、それで勉強してからでも構わないが」
「問題集見せてもらいますか」
「・・・・ほい」
すっと、ぶ厚い本を渡してくるおばあさん
「・・・ぶ厚・・・」
本を受け取ると、私は本をさらさらっと1分ほど見た
「今から受けれますか?」
「ああ、大丈夫だよ、あっちのボックス席で待ってな」
みると壁に囲まれた所に小さい机と2脚の椅子があるのが見えたのでそこに向かった
「あんなに簡単でいいのだろうか・・・掛け算割り算無いし・・・そういえば習わなかったな」
一応貴族になってから勉強はしていた、学園でも、掛け算割り算は習わなかった
「え、無いのかな・・・計算大変じゃない?」
何のことはない、商売人は掛け算使ってました、でも一般的な教養じゃないらしい
目の前にどっかと座ったおなあさん、試験中もずっと見られたいた、監視されていた、かなり前だがカンニングしてた者がいたらしい、それ以来受付した人間か職員が目の前で監視することになったらしい
、緊張したわ、試験は・・・満点でした、いや単純な3桁の掛け算引き算だもの
私はCランクのギルドカードを眺めていた
最高ランクはSS
次はS→A→B→C→D→E→F
見習いはG
Cはちょうど真ん中くらでCから店舗を持つことが許される、それ以下は行商か露店での販売となる、
普通ならCになるのに10年はかかると言われている、例外は自分で再作、販売出来る者、そういう人間は最高でCランクから始めれるという、さっきまで不愛想だったおばあさん・・いやギルド長がにこにこと私に説明してくれている
試験の後、ギルド長の部屋に迎えられた私、ポーション20本の横に金貨60枚が積みあがって居る
「確かに1本金貨3枚(約30万円相当)で60枚いただきます」
普通Cランクのポーションなら金貨1枚なのだが、需要が多いため現在高騰しているという、3倍で売れた店頭価格はもっと高くなる
「工房を借りたい?」
「畑も出来て水を大量に確保できる場所ありませんかね」
「・・・・街の中には無いね・・ちょっと待っておくれ」
ギルド長、メディア・ブラ-ムスこと(メディばあ)は職員を呼んで何か指示を出していた
「お待たせ、町の外の林の中に昔薬師の魔女が住んでいた小屋があってね、少し痛んではいるが住めないことももないし、近くに川も流れている、町とは逆の方に流れている川なので、染め物をしても大丈夫だと思うよ、作業部屋も広いから工房には良いんだが、何分町の壁の外だ、魔獣の出る森の中だからね危険は伴う」
「うーん、一度見せてください」
「ギルド所有になっているので、ポーションを定期的に収めてくれるのなら、家賃はいらないよ改装も自由にしてもらって構わないし、周りの土地も自由につかっくれて構わない」
次の日、その小屋を見に行った私は大いに気に入った、小屋と言ったが平屋の結構大きい家だった、魔法の痕跡が残っていて程よく保存されており、少し直せば十分快適に住めそうだった、結界を張る魔道具を作れば魔獣の心配もないし、即、契約をした、ポーションは月に50本値段は時価になるが高めで購入してもらえるので収入は十分、後は趣味程度で小物なんかを月に数日間露店で売ろうと思っている
スローラウフが出来そうだと、うきうきしていた・・・・あまかった・・・・
嘘つき女神めー