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1:ループ9回目

修道院に送られる馬車を盗賊が襲って来た、今正に、脇腹を刺され絶対絶命の危機に居た

(あついあつい、傷口が熱い・・しぬの・・私、また(・・)死ぬの・・・・また?)


「けっ・・・ろくなもの積んでねえな」

「この女殺しちまうのか?」

「貴族なんて足ついたらやばいだろうが、殺しちまえ」

「おう」

男は剣を振りかざした


ぼそっ

「ファイヤーウォール」

アリアが小さい声で詠唱した


目の前の盗賊がゴーと火柱を上げて燃えていた


「なっなにが・・うあぁ」


先に犠牲になった御者と護衛も、倒れて動けなくなった馬と馬車も、そこに居た盗賊含め全て炎に包まれていった

炎が治まると真っ黒な灰の塊の物たち、男か女かも分からない黒い死体が転がっていた


「ハイヒール」

脇の傷が綺麗に治って行った


「荷物も燃やしちゃった・・・やっとやっと開放されたのね・・生きてる・・・・記憶があるのに生きてるわ」

土のついた手をにぎにぎして、自分を抱きしめて涙を流していた


「人を・・人を殺しちゃった・・・」

体を震わせてひたすら泣いた、しばらくすると遠くから馬の蹄の音が聞こえてきた

結構大きな炎だったから、きっと調査に来たのだろう


泣きながら街道を離れて森の方に向かって歩き出した

違う方向に魔獣の気配がした


「炎系の魔獣ね・・・偶然?とにかく離れないと」














私は12歳まで、庶民として王都からかなり離れた町で母と暮らしていた


メイドだった母に手を付けた男爵、母は妾としてしばらく屋敷にいたが、不貞にうるさい高位貴族の正妻を貰うことになり追いだされた、その時私がお腹に居たことを母も追い出されてから気が付いた、誘惑してやっと手に入れた妾の座、失ったきらびやかな世界、恨み言を言い続ける母。

私には母に愛された記憶はない、そして貧しい生活だった


12歳の時、私の本当の父の代理だと言う人が私を迎えに来た、母は男爵に散々私のことを責任取れと手紙を出していたらしい、無視されていたが男爵家の長女と婦人が馬車の事故で亡くなり、政略結婚の駒として母と私は男爵家に引き取られることになった

政略結婚の駒として引き取られたと知ったのは学園を卒業間直の時期だった、貴族になって有頂天な私は、学園では高位貴族の令息に言い寄っていた

意図せず男爵の思う通りに動いていたようだった

男性は私の胸を寄せて腕に抱きつけば優しくしてくれた

スタイルと顔だけは自慢だった私


でも


王太子とその側近候補達、彼らには婚約者が居た


教科書などが入ったかばんを丸ごと噴水になげいれられた

乗馬服をずたずたに切り刻まれた

二階の窓から泥水が降ってきた

面と向かって頬をぶたれたこともある

相手は一人では無かったと思う、たぶん何人もの令嬢にやられた


それがなぜか全て王太子の婚約者の仕業になっていた

私はやられたことを王太子や令息達に報告はしたが、誰がやったかまでは言ってない

頬をぶった相手は言ったがほかの事は実際、誰にやられたか分からなかったからだ

頬をぶって来たのも、かの令嬢ではない、側近候補の侯爵令息の婚約者だった


私は王太子に仲良くしてもらってるのを自慢はしていた

でも婚約者に取って代わろうとは私は思っていなかった・・・

だが、父は違った・・・

決まっても居ないのに婚約者に取って代わったように言いふらしていた


庶民から貴族になって不安で、令嬢たちには遠巻きにされて、令息達は優しくしてくれたから

庶民の時はそれで貧乏ながらアクセサリーもつけることが出来ていたから

それが悪いことなんて教えては貰っていなかった


王太子と婚約者は仲むつまじいとは傍から見えなかったが実際は溺愛していたらしい


そこから私の不幸が始まったそして8回殺された


1:勘違いした周りが王太子の婚約者を処刑したことにより、私の虚言のせいと思った王太子に殺された(私は一切嘘は言っていない)

2:他の令嬢が王太子の婚約者を私を利用して嵌め、王太子に断罪されそのドサクサに娼館に売り渡し娼館で死亡、冤罪が発覚して私のせいにされ王太子に殺された

3:令嬢が獄中で死亡、冤罪が発覚して私のせいにされ大太子に殺された

・・・・・・・・・・


私は転生者だ・・・でもどの時も記憶は戻ってない

戻るのは死の直前・・・そして死・・・痛いし苦しいのは辛くて辛くて魂が疲弊していった

3回目の死の時声にならない悲鳴を上げた、もういやだと叫んだ、そして気がつくと白い空間に居た


『アリア・・・転生を拒否せず再度生まれ変わってはもらえませんか』

現れたのは綺麗な女性、女神のように美しい女性だった


「だれ・・・」

『この世界の女神です、正規の物語になるまで回帰して欲しいのです』

「なぜ私なの・・・いや・・もう死にたくない」

『前の魂は擦り切れて消えてしまいました、さまよっていた異界の魂の貴方はとても丈夫な魂で繰り返しても擦り切れることが無いのです』

「擦り切れ・・・消えた?・・・なにそれ・・・神だったら何でもしていいの、私たちの気持ちなんてどうでもいいの・・・いやよ消えたいもういや」


『チート能力を死に戻るたびに幾つか付与します、正規の物語に戻ればそれは全て貴方のものです』

「チート・・・」

『RPGゲーム好きでしたよね』

「記憶も残してよ」

『それは申し訳ありませんできません』

「なんでよ」

『彼ら自身が正規のルートを見つけなければなりません』

「・・・・私は当て馬ってこと・・・・」

『あなたが手助けしてはいけないのです』

「後何回死ねばいいの」

『分かりませんそれは彼ら自身によるので』

「一体主人公は誰なの」

『大太子です、誰も死ぬことなく令嬢と結婚しなければいけません』

「・・・・・却下で・・・消えさせてください」

『えー・・・そこを何とか・・・達成後は穏やかな人生を約束しますので」


『・・・・・・絶対無理だと思う・・・・、王太子の取り巻きの人たち王太子の婚約者を最初から蔑ろにしてるよね、調べもせず断罪って将来の為政者として駄目駄目じゃない」

『えっと』

「それに溺愛してるそぶりは見せた方がいいと思うよ馬鹿じゃないの王太子ってさ、本当に見つめていればいいと思ってるのかな、婚約者という肩書きに甘えてさ、言葉で言わないと伝わらないよ、ただでさえあの婚約者令嬢、虚勢を張っていないと王大子妃として見捨てられると思い込んでピリピリしてるんだしさ、それで他の令嬢たちに煙たがわれて、地位に寄って来る令嬢しか居ないじゃない周り、だから嵌められるのよ」

『えっとアリアさん』

「3回ともよ同じよ皆・・・何時まで経っても変わらないよ、変わる要素入れないとループは永遠に続くわ、そんなの無理、消えさせて」

『・・・・・』

じっと女神と見つめあう


『分かりました、干渉はしてはいけないのですが神託や、夢見の形でなにか入れて見ます』

「トータル10回後7回、それ以上は消える、それと痛いのや苦しいの嫌だわどうにかして」

『死に際は無痛無感覚になるようにします』

「ふぅ・・・今回のチートは治癒系が欲しい」

『・・・・分かりました、では宜しくお願いします』







その後も結局、死に続けた

死ぬたびに、干渉する内容を女神に依頼・・・本当にささやかな干渉しかしてこない女神

さすがに、私以外の魂の補充は見込めないので私がごり押しでお願いした、

6回以降は記憶を婚約者令嬢に残した、今回は王太子にも回帰の記憶が戻るようにしてやっと私は殺されなかった、本当に大ばか者たちだった・・・私が冤罪なのは変わらないのよね、修道院送りになったし

あの連中が国をしょって立つと思うとこの国の将来は不安しかないわ

しかし私の記憶は駄目で主人公達はいいのかって突っ込みは入れといた、やはりざまぁヒロインは駄目って・・・・なんなのよもう・・・


無痛無感覚って言ってたのに今回は痛かったし、あぁそうか死なないから痛かったのか

終わったんだ、当て馬人生・・・・




女神から貰ったチートは

3回目で治癒系の上位光魔法と豊穣の緑魔法

4回目で火あぶりにされたので攻撃系の上位炎魔法と水魔法

5回目で着けている宝石を取られ、谷底に突き落とされたので、空が飛べる上位風魔法と収納などの魔法が使える無属性魔法

6回目でめった刺しにされたので、上位剣術スキルと弓術と丈夫な体

7回目は、生きたまま土に埋められ殺されたので、土魔法と闇魔法

8回目は、法律を知らないことをいいことに他の令嬢たちの悪事も擦り付けられて絞首刑になったので、叡智のスキルとそれを活用できる知能

9回目は死なずに森の中を歩いている


「思い返すととんでもない殺され方ばかり、痛くも苦しくも無く死ねたけど、恐怖はあったなぁ

どの時だっけ、精神耐性を付与してもらったの・・・あっ・・・死体だね・・・」

あわてることも無く死体を見た、木にもたれかかるように冒険者らしき人間の白骨死体があった


「女性みたいね・・・なむなむ・・・衣服とか拝借させていただきます」

手を合わせて祈ると死体の衣服とマントを拾い、魔法できれいにして破れた所も修復して身にまとった、そしてさびた剣を磨いて腰に収めた、(刃こぼれは酷いが無いよりはましだろう、落ち着いたら自作しよう)

貴族令嬢の旅装束の衣服は魔法収納に納め、

骨は土魔法を使いその場に埋めて石を重ねて置いた


空が茜色に染まる頃、手ごろな洞窟を見つけた、魔獣などの巣では無いことを確認して中に入った

道中採取した、きのこと木の実を軽く魔法であぶり食べた

「お腹はそんなに満たされないけどしょうがないか」

夜も更けると狼の声などがするが、怖くはなかった

洞窟の入り口に座り、満天の星空を眺めているとすーと、爽快感が押し寄せてきた、


「綺麗~」


これからの生活に希望を持って、マントに包まり結界を張って寝た、夢で冒険者らしき女性が笑顔で手を振って天に昇る夢を見た











叡智のスキルと丈夫な体は、この一週間森を歩くのに貰うことにして良かったとつくづく思った

関所を通らずに隣国へ行くルートは魔獣の出る深い森を抜けるしかない

魔獣も歩きにくい森も、上位スキルばかり貰った私にはハイキング気分だった



ズバッスパパパパッ


大型の魔獣の解体を1分ですまし魔法収納に入れる

素材や肉も図分と増えた、自作した解体用ナイフの切れ味は抜群だ


飛行の魔法は使えなかった、上空にいる魔獣は地上の魔獣より縄張り意識が強く、直ぐに襲われるのだ

討伐しながら飛ぶと地上を歩くより遅かった

一週間かけて歩いて森を抜けた、街道に出るとほっとする

問題ないとはいえ、人の手で創られた石畳の道は安心する


3時間程街道を歩いていると隣国の冒険者の町【ロッゾタウン】が見えてきた

犯罪者で無い限り、誰でも受け入れてくれる町だ、魔獣の恐怖が身近な町なので多くの冒険者を受け入れているのだった








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