表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

発明品1 令嬢着装

いやー奇跡的なバッドタイミングで連載が始まりましたなぁw

まさか、あんな発表があるなんて

(後書きに続く)

「さあ!ロールアウトよ!」


 王城地下の姫の工房から、なにやら荷馬車に乗せられた鉄くずの山が騎士団の訓練場まで運びこまれた。

騎士団と国王以下VIPは興味津々で鉄くずの山を取り囲む。


「マーガレット。お茶の用意を。みなさま、どうぞこちらに。騎士殿の用意が整うまでこちらでお待ちください」


 急遽設えられたVIP席にディアーヌ姫が招く。自分もさっさと折り畳み椅子に座ると侍女から紅茶のカップを受け取る。相変わらずの眼帯姿だ。


「何をしているんだ?」


 代表して父親たる国王が聞く。この少女が何をしたいのかは、本人以外には誰も分からない。


「ですから、向こうの用意が整うまでお待ちください。全てはそれからです」


 騎士が板金(プレート)(アーマー)を装着するのに、従者二人がかりで10分程度かかるとか。それよりも少し遅く、馬に乗り馬上槍(ランス)を構えた騎士が入場してきた。「またか」とやる気が無さそうだ。


 「来ましたわね。では行きますわよ」


 そう言うとカップを置き、荷馬車の脇に置いた脚立に上り、そこから鉄くずの山に飛び込む。


「令嬢着装、略して『嬢着』!」


ガチャガチャガチャガチャガチャ


 ディアーヌ・ルナスティグマイヤー・ギーマ=アーケイディア王女は戦闘の際、令嬢着装装甲を嬢着するタイムは僅か0.05分にすぎない。では、嬢着プロセスをもう一度見てみよう!


 荷台に置かれた鉄くずの山に飛び込み、触れた部分からガチャガチャとドミノ倒しのように動き出し、王女の体を包んでいく。まるで鎧を着たオーガーのような、人の背丈の二倍以上もある物が荷馬車から起き上がった。


「行きますよ!」


「えっえ?」


 あまりにも喧しい鉄くずの山のドミノ倒しの音と、その後に姿を現したあまりにも予想外の姿と大きさに騎士は一瞬固まってしまった。


ガキン!!


 それでも、なんとか木剣の先制攻撃を防御する。

 一つ一つの攻撃が重く、早い。

 令嬢着装装甲は大きい。馬上の自分より、徒歩の厨二王女の方が目線が上だ。梃子の原理で「棒が長い方が力が強くなる」のと同じだ。


 令嬢着装装甲の内部は、普通の鎧のように全ての部分に体が入っているわけではない。滑車と輪軸と梃子をギアとワイヤーで動かしている。兜の部分には魔法の水晶をつけて、眼帯に姿が映るように仕掛けていた。


「あ!でも強度も調べたいわね」


 令嬢着装装甲は一旦攻撃をやめ、後ろにジャンプして距離をとる。


「さあ。その自慢の馬上槍(ランス)で来てみなさい」


 挑発に乗せられた騎士は、勢いをつけて突っ込んでくる。


カン!


 木剣で軽くはじき馬上槍(ランス)の切っ先を逸らすと、そのまんま装甲馬とぶつかる。


「さすがに馬上槍(ランス)は怖いわね。思わずはじいちゃったわ」


 地面に二本の後をつけながら馬を止める。


「でも、装甲馬くらいじゃ凹みもしないわ。どころかパワーでも負けてない。さすが私の発明品。

 にしても、ちょっと余裕をぶっこき過ぎたかしら。早くおとなしくなりなさい」


 馬と取っ組み合いを繰り広げ、暫くして馬が疲れ切ったところで片手で馬を押さえつけ、もう片方の手で鎧の騎士を持ち上げる。

 ケガをしないように気を使って静かに騎士を下す。その分、騎士のプライドはズタボロなのだが、そちらは全然気を使えてない。


 「そこまで!!」


 王の命により試合(デモンストレーション)は終わりを告げた。


「これなら従者もいらず一瞬で鎧を着る事ができます。人件費と兵站を節約でき、どのような奇襲攻撃にも対応できます」


 外に向けては威勢のよい利点だけを提示(プレゼン)しながら、装甲の中では色々な反省点を考えていた。


(意外と暑いわね。早く出たいわ。あぁ、出るには特殊な工具がいるんだった。…持って来てたかしら?…工房に忘れてきたような…着るのが早い分脱ぐには普通の10倍くらいかかるんですけど。つまりこのまま一時間くらい。あ!やばいお手洗いに行きたくなってきたわ。余裕ぶっこいて紅茶を飲み過ぎたかしら。

 考えてみたら、奇襲攻撃なんて、政治家か斥候がしっかりしてたら、そうそう出来ないわよね。少数で大軍を撃退なんて、めったにないからこそ物語が多くなるんだわ。戦わずに勝つが最上、次善は勝つべくして且つ。戦争は外交の一形態って誰が言ったのだったかしら。そうよね、早く着るより、早く脱ぐ方が心理的にも医学的にも良いに決まってたわ、あぁお手洗いに…)


「没!」


 国王陛下の無情な声が響き渡る。

 王女の考える欠点なぞ、瞬時に見抜いていたのだ。


 今回の発明品は悲惨な結果となったが、どこがどう悲惨なのかは王女の名誉のために秘中の秘であった






 

まさか

① 奇人変人・マッドサイエンティストな王女さまが

② 変な発明をしたり

③ 空飛ぶ機械(魔法道具)を作ったり

④ ドラゴンを退治したり(こちらは予定)


したりするコメディー作品。


…ってあらすじだけ抜き出したら丸パクリみたいじゃねーか(泣く)


 いやね。実際読んで頂ければ全然違うのはすぐ解るんですがね

こっちには百合だの婚約破棄だの、流行りの要素全くないし、向こうほど上品じゃないし、こっちは騒がしくドタバタしてるだけだし。


 どうしたもんでしょーね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ