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第91話 「グレーターギルス」魔人達の集い

―魔族領 アコン州 王都ブロスベルクー


ここ魔王城の3階にある円卓の間に、緊急召集で呼び出しのあった、「ヘキサリアム」の高位魔人達に集まるよう指示が出された。今そこに「ヘキサリアム」次席のアゴンがアヴィスランサーのクリスと共に入ってきた。


ギイイ、 コツコツコツ


「よお!アゴン早かったな!」 サッ


部屋に入ると、1人の若い魔人がアゴンに声をかけた。


「ム、貴様が一番とはなデルタ、久しいな。アイシャは元気か?」 サッ


「ああ、元気だぜ! お、クリスちゃんも久しぶり!」 フリフリ


「お久しぶりです、デルタ様」 ペコ


「ん〜、相変わらず礼儀正しいねえ」


「貴様のフォルトがじゃじゃ馬なのだ!」


「ちょ、ちょとおお!アゴン様!、それは言い過ぎいッ!」 プン


「まあまあ、フォルト、落ち着いて」


「ですがマスター、私そんなに..」


「ああ、わかってるよ、僕がそうしたんだから気にしない」


「もう…あ!クリスおひさあッ」 フリフリ ニコ


「うん、久しぶり。元気そうね」 ニコ


「まあねえ、後でたっぷりお話しましょ!」


「うん、わかった。後でね」


クリスとフォルトは軽いあいさつの後、自分たちの主人の後ろについた。


「まあなんだ、アゴン、お前も席につけよ」


「うむ」 コツコツ


デルタ、正式には「グレーターギルス、【ガイラス・フェル・デルタ】」「ヘキサリアム」第参席の実力者で魔侯爵、アゴンとは盟友の仲である。ベルターランド州を任されている州知事で、彼のアヴィスランサーは、名前はフォルト、魔界戦闘メイドの一人で、青いロングヘア―の美少女、年の頃は16歳くらいで片手に魔槍を持つ槍使いである。アイシャとはアゴンの妹であり、彼の妻でもある。「ヘキサリアム」唯一の妻帯者であった。


「で、ほかの連中はまだか?」


「みんな気まぐれだからねえ、でも、そろそろ来るんじゃないかな」


バアアンンッ その時勢いよく扉が開いた。


「いたあッ! アゴン様ああーッ!♡」ダダダッ ガバッ!


「あ、メルトだ!」


「むッ メルトか、相変わらずだな」 ギュウッ


「もう、アゴン様ったらあ! 私があれだけメールしても無視するんですからあ」 プン


「どれを見ても同じ内容のメールなど読む気にならん」フン


「アゴン様のいじわるう〜」 グス


「ええい!はなさんか!」 グイ


「やだやだやあだああッ!」 ギュウ


「まったくメルトは……おいアゴン」 ハア〜


「ん?なんだデルタ」 グイッグイッ


「もう貰っちゃいなよ!」ビシ


「なッ!」


「キャアー♡」ギュウッ


「貴様ッ!なにおッ..こ、こらッ!」グイ


「だってお互い両親公認の仲なんだろ? 美男美女、いいじゃないか」 


「そうですわ♡ さあアゴン様、一緒に..」 チュー


「やめんか!」 ゴン!


「ギャアア! いた〜い!」 


「人前でする事ではないぞ!」


「おお、流石はアゴン、見事な亭主関白だ!」 パチパチ


「え? え? 亭主それって旦那様⁉︎ キャアー♡」 フニフニ


「もう良い、早く席に着け。終わった後でゆっくり話す」 ふ〜


「はい♡ 終わったらですね!」 ルンルン♪


メルトは機嫌良く自分の席についた


「御愁傷様あ〜」 クク


「デルタ、後で話がある。 逃げるなよ!」 ギン


「お、おう!(ひえ〜)」 たら〜


メルト、正式には「グレーターギルス、【ジュリア・フェル・メルト】」「ヘキサリアム」第五席の実力者で魔侯爵の位、ローレライ州を任せられている女性州知事である。 アゴンとは家同士が決めた婚約者同士である。 幼少の頃よりの付き合いで、アゴンを溺愛している。彼女のアヴィスランサーは、名前はソープ、魔界戦闘メイドの1人で、水色にセミロングの美少女、歳の頃はフォルトと同じ16歳程の魔剣ダブルソードの使い手である。 同じメイド仲間の「クリス」「フォルト」「ミスト」とは仲がいい。


「マスタ〜 ハアハア」 タタタ


「遅いですわよ!ソープ。もっと早く来なさい」


「え〜、マスターが早すぎるんです!」


「そうかしら?」 う~ん?


「そうなんですッ! 城内をスキルを使って加速しないでください!」


「あん それはナイショッ!」 ウフ


「はあ〜、マスターはもうう..」 ヤレヤレ


疲れて自分のマスターに呆れていたソープに声がかかる。


「はあ〜い、ソープう!」フリフリ


「あ、フォルト! クリス! わあい 久しぶりーッ!」 タタタ バッ


「うん、久しぶり。相変わらずですね」


「イエイ!本当だよ、変わってない」


メイドたち3人は、再会を喜び合っていた。そこへまた別の魔人達が入ってきた。


バンッ! カツンカツン コツコツ


「皆、もういますね~」 キョロキョロ


「騒々しいなッ!」 ギロッ!


「「「も、申し訳ございませんッ!」」」 ババッ


その声に、クリス達3人はすぐに謝罪し、自分たちの主人の後ろについた。


「ん、グレタ、それにスカラか、遅かったな」


「ああ、遅れてすまんアゴン、少し野暮用があってな遅れた」


「アゴンさんすみません、僕の事でグレタさんに手伝ってもらっていましたので」


「野暮用? ブラックスパイダーの事か?」


「いいや、ノイエラントのほうだ!」


「ノイエラント、スカラの所だな」


「そうなんです、それでできれば皆さんにも相談できればと思いまして..」


グレタ、正式には「グレーターギルス、【ガリバス・フェル・グレタ】」「ヘキサリアム」主席の実力の持ち主、最強の魔人である。ここ王都、アコン州を任されている州知事で魔侯爵の位、魔王の腹心でもある。彼のアヴィスランサーは、名前はネビュラス、金髪ロングヘア―のグラマーな女性で、年の頃は20歳ほど、クリス達のメイド長をしている。使用武器は、巨大な魔神斧、自分の背丈よりも大きいその斧を自在に操る怪力戦闘メイドである。


スカラ、正式には「グレーターギルス、【ベラレス・フォル・スカラ】」「ヘキサリアム」第六席の実力の持ち主で魔侯爵の位、つい最近、「グレーターレイン」から昇格し、ノイエラント州を任せられている州知事である。第六席ではあるがそれでも最強の魔人の一人である。彼のアヴィスランサーは、名前はミスト、オレンジ色のショットヘアのボーイッシュな少女、彼女たち六人の中で唯一スカートではなくショートパンツスタイルの戦闘メイドで、使用武器は魔神剣ミドルダガー、高速戦闘を得意とする。クリス達とは仲がいい親友同士。


「まあ、その話は魔王様の話が済んでからだ、席に着くぞ!」 コツンコツン


「あ、はいでは..」 コツコツ


2人はそれぞれの席に着く。彼らのメイドたちも無言でついていった。ただミストだけは、クリス達に目配せをしていた。「(ヤッホー、クリス、フォルト、ソープ、また後でね)」 パチ


「「「(りょうーかーい)」」」 パチ


「あれえ、まだ一人来てないねえ アゴンどうする?」


「うむ、相変わらずマイペースなやつだ、何をしておるのかバカのすることは分からん」


「アハハ! それ言えてる。じゃあ僕が探してこようか?」


「よせ、デルタ、バカが移るぞ! アイシャが悲しむ」 バッ


「あ~、それはこまる..」


ギイイッ! タタタ


そして最後の魔人が入ってきた。


「ふぁ~、ねむい..」ふらふら


「マスター、しっかりしてください!皆さんの前ですよ」


「う~ん、皆さん?...」 ジ~


「「「「「「.........バルト!」」」」」


「(あ、やべ)..ああ、皆さんすまん、ちょっと暴れ竜を退治してまして、申し訳ない」


「マ、マスター!そんな言い訳して通るとお思いですかあ⁉」


「うん、たぶん通らない。君のせいにしよう、君が食べすぎ...」 ボカン!


「だまれエ!この嘘つきがああ!あたしを盾にすんじゃあねえッ!」フウフウ


「あ~、僕のかわいいデライア、その怒った顔も素敵だ!」 プルプル


「だまれ!このゴミめ!こんなのがマスターだなんて!」 グイ グ~ッ!


デライアはその足で彼の背中を踏みつけた。


「ぎゃああ!いたいいたい! いたいよデライア~」


「ふん!」


その様子を見てグレタのアヴィスランサー、メイド長のネヴュラスが口を開く。


「デライア、そこまでになさい!マスター達の前ですよ!」 キッ


「はいッ!申し訳ありません、つい、いつもの調子でやってしまいました」 ペコ


「では、バルト様を席へ」 サッ


「はい、 さあマスター、席につきましょ」 ニコ


「うう、デライアが変に優しい。なんか怖い」 ブル


「てめえ!早く席に着けえッ!」 ガン


「グワアアッ! やっぱりいつものデライアだ!」 ヨロ


バルト、 正式には「グレーターギルス、【ギルニス・フェル・バルト】「ヘキサリアム」第四席の実力の持ち主で魔侯爵の位、オークリー州を任せられている州知事である。彼のアヴィスランサーは、デライア、赤髪のセミロングヘアー、アスリート体型で、クリスよりも巨大な魔大剣の使い手、姉御気質でマスターには辛辣な行動をすることが目立つ(マスターがそう仕向ける様な行動が多い)、本質は優しい戦闘メイドである。


「早く席につかんか! 間も無く魔王様がお見えになるぞ!」 ギロ


「おっと、そりゃまずい。デライア、大人しくね」


「ククッ…言われなくてもそうします」 プン


こうして「ヘキサリアム」の6人が全員揃った。 それを見越してか、すぐに魔王は自分の席の近くに転移して現れた。


シュウウウンン…



そこには1人の格式高く強大な存在である魔族の王、魔王が立っていた。 魔王が現れたと同時に、ヘキサリアムの6人は席を立ち姿勢を正して頭を下げた。それと同時に、アヴィスランサーの各メイド達も主人に習い頭を下げた。


「ヘキサリアムの諸君、久しいな!」


「「「「「「 はッ!」」」」」」 ババッ


「まずは座って話をしよう、 席につきたまえ」サッ


そして一同は席につく。 それと同時に、各メイド達は動く。 部屋の隅に設置してある給仕室に入り、飲み物の準備をし始めた。


「さて諸君、まずは聞いてほしい」


全員が魔王を見て頷く。


「此度の隣国への進出計画は白紙に戻す!」


「な、魔王様それは本当ですか?」


「ウ〜ム、何かお考えがあるのですな」


その時、メイド達により各席にコーヒーが配られた。


カチャカチャ、 「「「どうぞ」」」


「魔王様、その方針撤回には私に関係があるのでは」 コク


「ふむ、さすがはアゴン、気がついておったか」 ゴクン


「うん?なあアゴン、なんか知ってるのか?」 ゴク カチャ


「ああ、デルタそれを後で話そうと思っていたのだが…」 コク カチャ


「(あ、そっちか良かったあ〜、メルトとの事かと思った)うん?」


「魔王様言っても?」


「うむ、アゴン、お前が体験したであろう事を皆に教えてやってくれ」


「は、では、 皆聞いてくれて」 バッ


アゴンは立ち上がり、全員がアゴンに注目した。


「俺は隣国、アトランティア法王国でとある男と対峙した。その者は絶大なる魔力を持ち、俺と戦った」


「で、負けて逃げてきたのか?」


「負けてなどおらん! 決着をつける前にこの緊急招集の命を受けたのだ」


「で、その男がどうしたの?」


「うむ、その男、もしかしたら魔王様よりも強い魔力を持っておるかもしれん」


「バッバカな!魔王様より強い魔力などあるはずが..」


主席のグレタがそう叫んだ時、魔王がそれを制した。


「グレタ」


「は、魔王様」


「アゴンの申したことは事実である」


「魔王様ッ!」


「私も感じたのだ。 あの魔力、あの感じ..」


「しかし、その魔力持ちの男と、此度に進軍中止、何か関係が?」


「それを伝えるために諸君達を集めたのだ。アゴン座ってくれ」


「は、魔王様」 サッ


「では、コレから話すことは魔族領全体に関わる極秘事項である。心せよ!」


「「「「「「はッ!」」」」」」


「まずはコレを見てほしい…」


魔王は円卓の上にホログラムの様に映像を出した。そして、魔王のみ知っているこの魔族領の現状と未来予想図などが次々と映し出し説明をした。


「魔王様、コレは事実なのですかッ!」


「残念ながら..事実だ」 コクン


「では、我々はこれから一体どうすれば…」


「今から私が説明する、良いか、うまく立ち回れば全てが元の様になる、民の為、この魔族領いや、この世界のために動いてくれ! 頼む!」 サッ!


魔王は、ここに集まった6人に頭を下げた。


「魔王様! 頭をおあげください。我ら『ヘキサリアム』が6人、魔王様に忠誠を誓っております。なんなりと御命令ください!」 ザッ!


ヘキサリアム主席のグレタがそういって頭を下げた。 と同時に、他の5人と各メイド達もそろって、同じ様に、魔王に頭を下げた。


「ウム、皆よろしく頼む」


「「「「「「ハッ! 仰せのままに!」」」」」」


「すまん」


「では、魔王様、我々の今後の行動の指示をお願いします!」


魔王は、アゴン達「ヘキサリアム」の6人に指示を出し始めた。



いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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