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第83話 ジオス、異世界召喚

―ラグナレク神の時間内ー


王都「アダム」、人口約500万人をジオスは一瞬で生き返させた。神以上の力を垣間見て、ソフィアはジオスの偉大さを今、改めて知ったのである。


「Lst. ジオス様」


「ん、なんだ?」


「Lst. 改めてお詫びいたします」 ペコ


「え、なんの事だ?」


「Rog. 実はジオス様の実力の程を見誤っていました」


「俺の実力?」


「Rog. はい、お姉さまの状態の時、私は本来の実力の数万分の1と推測していましたが、それが誤りだと気が付きました」


「あ〜、そうだね。 で、今はどう?」


「Lst. 先程のような身技を見た限り、数千万分の1くらいでしょうか?」


「ん〜、ハズレ」 ニッ


「Rej. は、ハズレですか?」


「ん、ハズレ」


「Lst. では如何程の力があるのでしょうか?」


「僕がアニスの状態の時は、本来の数千京分の1以下だよ!」


「Rej. は?…す、数千京…そ、そんな単位が存在するのですか⁉︎」


「僕も知らない、ただ、感覚でそんなもんかなあと..」


「Rog. 改めて、ジオス様の実力に敬服いたします」


「まあ、気にするな! それよりソフィア」


「Rog. はい」


「お前の全てが今、変わっていくのがわかるか?」


「Lst. え⁉︎」


「ん〜、実はな、こうして俺に抱きついた時点で、俺の力がお前に流れ、お前の能力が全て上書きされ、上昇していくんだ、つまり、俺からお前に『女神に加護やスキルを与える』と言う状態なんだ」


「Lst. では、今私は…」


「ああ、おめでとう! ソフィアはこの世界での最大最強女神の1人になったんだ!(なんか神界6大女神の誕生を思い出すなあ)」


「Rog. ジオス様!」


「さッ 戻ろうか」


「Rog. はい♡」


ジオスとソフィアは3人の女神達の近くに降りて来た。


「おう!もう話し合いは終わったか?」 シュンッ スタタッ!


「ジオス様!、ずるいです!ソフィア様と一緒に空中デートなんて!(告白したのは私なのに)」


「にゃあ! ミウもお空に行きたかったにゃ」


「ジ、ジオス様、よろしければ今度私と一緒にいたしませんか?」


「あーッ! 姉様ずるいッ! ジオス様、私、私を先にお願いします!」


「うッ ちょ、ちょっと、え⁉︎ え〜〜…どうしよう?」


「Rej. みなさん落ち着きなさい!」


「なによ! ジオス様と先にデートしてたくせに〜」


「Lst. だからデートではないです!」


「にゃ! ソフィア、アレはデートにゃ、羨ましいにゃ!」


「「やっぱりいいッ‼︎」」 ギロッ‼︎


「Lst. ミウーッ! 余計な事は言わないのーッ!」


「まあまあ、みんな聞いてくれ」 


「「「「(Rog)ジオス様…」」」」


「ソフィアの言ってる事は本当だ」


「ではアレはデートではないと?」


「ああ、そうだミリア!」


「ッ!」 カアア〜


「ん、どうしたミリア?」 グイ


「わ、私のことを【ミリア】って言ってくださいました(キャ〜 愛称呼びよーッ!)」


「そんなに嬉しいのか?」


「私を【ミリア】って呼ぶのは親しい人だけです♡」


「ん、まあ知らない仲じゃないしなあ」


「ジオス様〜♡(きゃー、知らない仲じゃない、知らない仲じゃないい!)」


「ではジオス様、一体上で何をなさっていたのですか?」


「ん、エクセリオン、それはな王都を見ればわかるさ!」


「王都、ですか?……ッ‼︎」


「どうだエクセリオン、わかったか?」


「…あ、ありがとうございますッ!」 バッ!


エクセリオンは王都の状況を見て、ジオスに深々と頭を下げた。


「姉様? どうしたんですか?」


「ミリアちゃん!王都に、王都に人々が戻って来てるの!」


「うそッ!……ほ、本当だ!み、みんないるよ!」


「ん、ラグナレクが解除されると彼らはなにも知らず、今まで通りの生活が始まる。その後を全て、再び同じことが起こらないように頼む」


「…! 、わかりました。 あの者達の処理は私が責任を持って果たします」


「にゃあ! それ、ミウにやらして…」


「え、ミウちゃん?」


「にゃッ エクセリオン」


「なんですか?」


「アイツらはミウのお姉ちゃんの仇にゃ!」


「仇…」


「ああ、そうなんだエクセリオン、ミウの姉はな、ソイツらに、いいように使われて死んでいったんだ」


「インビンシブルナイン ね…」


「だから、ミウに任せてもいいか?」


「他ならぬジオス様の頼みです。ミウちゃん、お願いしますね!」


「にゃッ! ジオス様、アレ使ってもいいかにゃ?」


「ミウ、お前の力だ、存分にな!」


「はいにゃあッ‼︎」 ガバッ‼︎ ギュウーッ!


「「「あーッ‼︎」」」


小さなミウがジオスに感謝の抱擁をした。ジオスの首に両手を回しそに胸板に顔を埋めて体全体でしがみついていた。


「ミウちゃんずるいーッ!」 ガバッ!


「え、じゃあ私も! えいッ!」 ギュウ!


ミウ、ミリアネス、エクセリオンの3人お女神がジオスの体に一斉に抱きついた。


「ああ〜、しあわせ〜!」 ギュ!


「ええ、これが殿方なんですねえ」 ギュ!


「にゃ…にゃん! なんか…体の中が…」 パアアッ!


ジオスに抱きついていた3人は、ジオスから離れ、自分たちの体の変化を確認していた。


「ああ〜、3人とも俺の力が伝わって、新たなる女神になったな」 


「Lst. ではミウ達女神もまた進化を?」


「ああ、ソフィア程ではないが、それに近いくらい変化してるよ」


「Rog. では、私、ソフィアが彼女達を統率します」


「ん、よろしく頼むよ」


「Rog. お任せください!」


ビリビリッ パリッ!


空間内に以上な音が鳴り始めた。ジオスが先の魔法で、空間内の魔力や元素をほとんど使ってしまい、その維持が難しくなってきたのである。


「Lst. ジオス様ッ!」


「ああ、もうラグナレクが終わる… 」


ジオスは空を見上げ、 細かいヒビのようなものを確認した。


「みんな聞いてくれ」


ジオスが言うと皆、ジオスに向き直った。


「もうすぐラグナレクが終わる。それと同時に現世は時を刻み始め俺達もその中で同じ時を過ごす。その時だが、多分、俺は元のアニスになってしまうと思う」


「もうジオス様になれないのですか?」


「いや、たまには戻れるぞ!アニスの方は元々仮の姿だ。だが現世の者達はそれを知らない。だからその時は俺をアニスと呼んでくれ。後、何もなかったように振る舞ってくれ」


「「「「(Rog)はい!」」」」


ビキキキッ!


「Lst. ジオス様、そろそろかと」


「よし! ラグナレク! 解除ッ!」 パリイイイインンッ!


激しい、ガラスが割れるような音がして、神域魔法ラグナレクは解除された。 そして時が動き出す。マシュー達現世の時間が…そう自負していた。


シュアアアンッ


眩い光が収まった後、ジオスは硬い床の上に立っていた。


「え⁉︎」


「勇者さまッ! お助けください!」 ギュっ!


そこはアトランティア法王国王城、謁見の間ではあったが、その場には、見知らぬこの国の王と、重鎮の貴族達、それに武装した近衛兵に高位神官、そして目の前には歳の頃は14歳位の気品を帯びた少女がいて、自分の服を掴んでいた。


「(あれ? ソフィア達がいない。それに自分はジオスの姿のままだ!)」キョロキョロ


「勇者さま?」


「は? 俺のことか?」


「はい、貴方は私たちの呼びかけに応じて現れた、この国の勇者さまです!」


「なんの事だかさっぱりだが、ここはアトランティアでいいんだよなあ!」


「はい、ここはアトランティア法王国王城の謁見の間です!」


「そうか(では、ソフィア達はどこに行ったんだ?)」


そんな時、壇上より声がかかった。


「勇者よ、我はアトランティア法王国の第13代法皇、【アトレス】である!此度の召喚ご苦労であった!」


「(召喚? 俺はコイツらに呼び出されたのか) あんたが法皇か、俺に何か用なのか?」


「貴様あッ! 法皇の前である 勇者とは言え、口の聞き方に気をつけろ!」チャキッ!


横に控えていたフルプレート鎧の騎士が、ジオスに向けて槍を突きつけて来た。


「よい、控えろ【ダイム】よ!」


「はッ わかりました」 ザッ


「なあ、聞いてもいいか?」


「わしでわかる事ならば答えよう」


「おう、じゃあ俺の知っているアトランティア法王国法皇は【アトラス】だった筈だが何か知らないか?」


ざわざわッ!


謁見の間がジオスの言葉にざわつき始めた。


「ん、俺はなんか変なこと言ったか?」


「勇者さま」


「ん、え〜っと…」


「セレスティーナ、 セレスとお呼びください」


「おう、でセレス、何だ?」


「はい勇者さま、その【アトラス】様ですが、」


「お、知ってるのか?」


「はい、その【アトラス】様ですが、その方は私の曾祖父にあたるお方です」


「は? 曾祖父?」


「はい、曾祖父です」


「ではここは【アトラス】がいた時代から何年後だ?」


「はい、曾祖父が亡くなられて108年になります」


「そうか、(あの時は、アトラスはまだ生きていた。つまりここは約120年くらい後の世界か、なぜ時間軸がズレた?…ん?…アレかあ!」


ジオスは自分を召喚した魔法陣を見た。


「(うわあ、魔法陣のスペル間違いだらけじゃねえか。それに何だあの赤いの、まさか血か? 今時そんなことしなくてもいい筈だろうに、演出か? うん演出だな)ハア〜」


「で俺を呼び出したには訳があるんだろ」


「うむ、さすが勇者、よく理解しておる!」


「で、なにをさせる気だ?」


「勇者さま、この王国に危機が迫ってます」


「危機?」


「はい、魔王を名乗る者が強力な魔法を使い攻め込んできているのです」


「魔王ねえ」


「すまぬがソレをお主の力で撃退してはくれまいか?」


「俺が? 魔王を?」


「無理は承知でお願いします! この国を、この世界をお救いください!」


「なあ、ソレをしたら俺はどうなる?」


「もちろん、優遇するぞ! なんなら娘のセレスを嫁にやろう!」


「お、お父様! なんて事を!」


「すまん、だがこれも国のため、許してくれ」


「い、いえ、別に怒ってなどはいません。(勇者さま、素敵ですもの)」


「まあ、困ってそうだから助けるが、あまり期待しないでくれ」


「おお! やってくれるか‼︎ 期待しておるぞ勇者殿」


「ああ、じゃあ俺は行く、魔王の情報だけよこしてくれ、あとは自分でやるから」


「うむ、では勇者に情報を!」


「ハッ、では勇者様こちらへ…」 ギイイッ


ジオスは扉をくぐり案内役の騎士についていった。


「なあ騎士さんよう」 カツカツ


「はい、なんでしょう勇者様」 カツカツ


「この世界の神様って誰なんだ?」 カツカツ


「神ですか?」 カツカツ


「ああ、」 カツカツ


「神は1人だけ、【エレンディア】様だけです」 カツカツ


「(エレンディアだけ?)他の神、女神などはいないか?」 カツカツ


「ん〜、聞きませんねえ、 勇者様の世界にいるのですか?」 カツカツ


「あ、ああ、いるな!」 ザッ


「ソレは賑やかい、神が沢山いれば、沢山願い事が叶いますね」ザッ


「(間違いない、ここは元の世界とは全く違う別次元の『アーク』だな!)」


「こちらに詳細な資料があります。どうぞ」 ギイイ


ジオスは勧められるがままにその部屋に入っていった。


「よう! 新人かい? よろしくな!」 ニカッ!


そこにはよく見知った顔の男が座っていた。 その姿を見て、ジオスは叫んだ!


「な、マ、マシューッ!」 


そう、そこにはジオスのよく知っていたマシューが座っていた。



いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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