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第81話 アニス(ジオス)VS アクシオン2

ーラグナレク神々の時間内ー


神級魔法、それは神、もしくは神から許しを得た者のみ使用可能な魔法である。その魔法にも階位が存在し、同じ魔法でもその階位によって能力、効力、攻撃力が違ってくる。 アクシオンの使った神級殲滅魔法、《ソルドベルク.テラ.カノーネ》は、魔法階位、序列3位の『テラ』の魔法で、この世界アークに存在する神の使用可能な最強魔法の一つである。


「…{我が漆黒の炎の盟友よ、暗黒の地より出でてその力を我に与えよ、共に眼前のすべてを討ち滅ぼせ!}神級殲滅魔法!《ソルドベルク.テラ.カノーネッ!》」キュルルルッ! バアアンンーッ!


それはあまりにも巨大な魔法陣が現れ、絶大な威力の光の塊が放たれた。それはすべてを飲み込み、すべてを無に帰す最強の魔法であった。その光はアニス(ジオス)達だけでなく、この王都すべてを破壊し無に帰そうとしていた。そんな状況の中、アニス(ジオス)は、冷静にアクシオンを見つめ彼女に言った。


「アクシオン、【ミリアネス】を返してもらうぞ…」 ザッ!


アニス(ジオス)はそう言うと、迫り来る絶大な光に対し、神剣ミドルダガーの「アヴァロン」のヒエログリフをなぞって覚醒した後、『左手』に逆手で持ち変え構えを変えた。 その間も殲滅の光は急激に迫ってきた。


ギュアアアアアーッ!


「ハアッハッハッハーッ! これだ終わりだあ!何もかも消えてしまえーーッ!」


「ん、……!」




「Reg. まずいですね、アレはこの一帯全てが消え去る程の威力を持つ『神級殲滅魔法』です。障壁展開ッ!」 ヴァンッ!


「にゃッ ジオス様は大丈夫かにゃ⁉︎」


「Lst. アレは先程の魔法より数十倍の威力ですが、お姉さまなら……ん⁉︎」


「にゃ⁉︎ ソフィアお姉ちゃん..あれって..」


「L.Lst. お、お姉さまが…お姉さまが構えを変えた⁉︎ 神剣「アヴァロン」を左手に?…ま、まさか左手をお使いになるのですかッ‼︎」 バッ!


「にゃあッ! やばいにゃッ!ここにいてはダメにゃッ‼︎」バタバタバタ


「ええッ⁉︎ なになになにッ!何なのッ⁉︎」 オロオロ


「Lst. 説明は後です! 今はこの場より離れますッ! 巻き添えを貰いますよッ! さッ一緒にッ!《刹那ッ!》」シュンッ バババッ!


「きゃっ!」 シュン!


「にゃッ! 《刹那ッ!》」 シュンッ!


3人の女神達はその場から高速移動で離れて行った。


「(Lst. お姉さま、くれぐれも無茶をなさりませんように)…」 シュンッ



アニス(ジオス)の立っていたあたりは光の勢いで真っ白な世界になり始めていた。眩しすぎて視力で周りが認識できないほどの中、アニス(ジオス)はしっかりと目を見開き、その先が見えている様であった。


「『アヴァロン』無茶するけどごめんね」 グッ!


アニス(ジオス)は、左手に持った神剣ミドルダガーの「アヴァロン」にそう言うと全身に力を込め、アクシオンに向かって迎撃を開始した!


「行くぞ、アクシオン!《刹那ッ!》《ベルザー.ベルトッ!》」シュギュイイイイイン!


アニス(ジオス)は高速で目の前にまで来ていた殲滅の光に向かって飛んでいった! そして、その光に当たる瞬間、アニス(ジオス)は、神級魔法を使った。


「神級魔法剣技!《デプレーション!》《ガルガ.グラン.レーヴェッ!》」キュインッ‼


それは、光の世界であった。アニス(ジオス)が《デプレーション》を唱えたと同時に、アニス(ジオス)の左腕上腕から手にしている神器神剣のミドルダガー「アヴァロン」まで、白金色に光り輝き、アニス(ジオス)の身体全体から金色の光の粒が散り始めた。


 続いて《ガルガ.グラン.レーヴェ》の発動と同時に殲滅の光と接触、その瞬間、絶大な光が光り輝きラグナレク空間内を照らした。超巨大な破壊と浄化の力の渦が絶大な勢いで起こり、その場で莫大な力を維持していたが、次の瞬間、その渦はソフィア達の居たあたりまで膨らんで全てを飲みこんだかと思ったら急激に縮んで小さくなり、最後には消えてしまった。


ピカアッパアンンンッ! ギュルルルルッ!バアアッ シュウーンン…..パンッ!….



ヒュンッ! ババッ タタタ!

「にゃあ〜 助かったにゃ」 フニャ〜


「Rog. もう大丈夫ですよ、ここなら安全です」


「ひえ〜…何だったんですかあれ〜?」


「Lst. お姉さまの最大級の神級魔法剣技です」


「にゃ、あれを見るにゃ!」


ミウが指差した先は、自分たちがさっきまで居た所で、そこは光の玉に削られていた。その玉は、ソフィア達が見ている前で小さくなっていき、しばらくして消えてしまった。


「Lst. やはり、さすがお姉さまです。アレさえも防いでしまうとは尊敬します」


「ミウもにゃ!」


「ジオス様は一体何者なんですか?」


「Lst. エクセリオン、後で教えてあげますよ。……ん!アレは…」


ソフィアは、先程の巨大な光の球があった場所の上空に輝く何かを見つけた。


「にゃ? 何にゃアレ?」


「何でしょう〜?」


ソフィア達はかなり離れた場所でソレを見ていた。


シュウウウウウ……….


「バ、ババ、バカなああッ!」 プルプル


アクシオンはその場で信じられないものを見ていた。自分が自信を持って放った神の魔法、天罰にも匹敵する「神級殲滅魔法」を、アニス(ジオス)によって消されてしまったのだからだ!


「あ、あんなもの、あんな強大な魔法、使った私でさえどうにもならないのに!…あ、アイツは一体何者なんだあッ!…はッ!あいつはどこだッ!」キョロキョロ!


超高密度の元素エネルギーが消失した空間で、アクシオンはアニス(ジオス)を探した。その時、アクシオンは得も言われぬ気配を感じ、空を見た。


「は!..はあ?はあ!..ああ!あ、ああああ!ああーッ‼︎」 ガクン!


アクシオンは空に浮かぶその存在に、ただ叫ぶことしかできずそのまま地面に腰を落とした。そして驚愕の顔をしてさらに叫ぶ!


「なッ なななぜッ! なぜ貴方様がここにいるのですかああーーッ!」


そこに存在していたのは、この世界、いや、すべての世界を創造創生し、存在しうるすべての神、女神のさらに上の存在、この世界に転移する前のジオス、男の姿の創造者【アニライトス・ディオ・ジオス】そのものが、完全無欠の状態で空中に浮いて立っていた。彼は空中に滞空したまま、左手の神器、ミドルダガーの「アヴァロン」を見ていた。


「…ん、『アヴァロン』…今までありがとな!」 パアアッ サラサラサラ…….


この世界に来た時からずっと携えていた神器ミドルダガーの神剣「アヴァロン」であったが、絶大な威力を持つ魔法戦に、耐えきれずアニス(ジオス)の手の中で元素分解され消えていった。


「は、ははは...か、勝てるわけがない...あのお方に勝てる者などいるはずがない...」ブルブルブル


アクシオンは、地面に座ったままあきらめの表情をして半笑いしていた。


「お、元の姿に戻った! 男に戻ったぞおお!」 バッ!


ジオスは元の姿に戻ったことを喜ぶあまり、つい大声をあげてしまっていた。


「ん、さて当初の目的を果たすか、 ふんッ!」 シッ!


ジオスは無動作でその場から一瞬で姿を消した。


「え!消えッ! ガハッ!」 バッ! ズバンッ! 


「ん、アクシオン、悪いがこれは返してもらうぞ!」 キラキラキラ


そこには、アクシオンの体から抜き取った虹色のオーブがジオスの手の中にあった。 一瞬、ほんのわずかな一瞬で、ジオスは大空高い空から、地面に座っていたアクシオンの体から、【ミリアネス】のオーブを抜き取ったのであった。


「そ、それは! あ...ああああッ!」 バババ


【ミリアネス】のオーブを抜き取られたアクシオンは、その体を維持できなくなり、体全体が輝き始めた。


「ん、そのまま元のシンシアに戻れ! あとは俺が何とかしてやる!」


そうジオスが言っている間に、アクシオンは元のシンシアに戻っていった。元に戻ったシンシアはジオスの前で平伏した。


「ハアハアハア...ジオス様、ご尊顔を拝見でき光栄です。 ですがこのシンシア大罪を犯してしまいました、いかようにもご処分を..」


「ん、シンシアまたな!」 バシュンッ! ポウ~


ジオスは手をかざすだけで、一瞬にシンシアは制御コアの姿にしてしまった。


「シンシアは後回しだな、まずはこっち、【ミリアネス】からだな」 


ジオスは手にしていた虹色のオーブを見て、一言そのオーブに向けて言った。


「戻れ!」 パアアアンン!


オーブが光り輝き一瞬ものすごい光を放った後、そこには、セミロングの赤い髪をなびかせた、地母神【ミリアネス】が立っていた。


「よう!体の調子はどうだ!」


「へ?は、はい...だ、大丈夫のようです(え?男性)」 ササッ


「ん、それは良かった」


「も、もしかして貴方様がわたしを?(素敵な人)」


「ああ、元に戻した」


「あ、あの~...(なまえ、なまえは?)」


「ん? ああ、俺はジオス、よろしくな」


「は、はい、私は地母神【ミリアネス】です♡(いい!もすごくいいの!)」カア~


「あのうジオス様(聞かなきゃ)」モジモジ


「ん、なんだ」


「...その~...か、彼女はいますか⁉(お願い!いないと言って!)」キャー


「は? い、いやいないぞ!(マシューはどうしよう?)」


「うれしいッ!(やったあー!)」 タタタッガバッ!


【ミリアネス】はいきなりジオスに抱き着いてきた。そしてジオスに彼女は言った。


「私を助けてくださったジオス様ッ!(ここ!今しかない!)」


「お、おうッ!」


「私をあなたのお嫁さんにしてくださいッ!(きゃー!言っちゃたあ!)」 ぎゅーッ!


「ええ――ッ!」


ジオスの雄たけびが、ここラグナレクの空間に木霊した。




いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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