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第80話 アニス(ジオス)VS アクシオン

―ラグナレク神々の時間内ー


蒼玉、私はそう呼ばれるこの世界の地母神【ミリアネス】、このアトランティア法王国の王都にある主核がもう持たないと分かり、主核のあるこの場に詰めていた。その主核から提案があった。『私の元素を使えば正常化する』と、そうすればこの地、ここの民は平穏になると言われ、私は姉にあたる世界神「エクセリオン」に連絡を取ろうとした時、意識を刈り取られた。薄れゆく意識の中、最後に見たのは黒服の少女。彼女は私を持っていた剣で刺し貫き、私をオーブへと変えた。私は自我を持てなくなり意識をなくす。誰か、たすけ…て……


アニス(ジオス)とアクシオン、白と赤、2人の少女が剣を交え戦っていた。


「なあ疑神、負けても文句言うなよ!」 チャキッ!


「クッ!疑神と言うなああーッ!」ギュウウウンンッ!


アクシオンはさらに速度を上げ、アニス(ジオス)に迫ってきた。それに対し、アニス(ジオス)は何ほどでも無いように構える。アクシオンが剣を降り下ろした瞬間、アニス(ジオス)は動いた。


「ん、姿形が変わり神になっても、お前自身の内面は全く変わらんな。《刹那!》神級戦技!《ファントム!》」 ブンッ!


するとアニス(ジオス)の体が分かれた。


「なッ! 分身ッ⁉ クソッ! ならば両方切るッ!」 ババッ! ビュビュン!


アニス(ジオス)の別れた体を、アクシオンの炎熱高速剣が、分かれた両方のアニス(ジオス)をその刃で体を引き裂いた。 ズバッ!ビシュッ!


「フン!他愛もない。 やはり小娘で...なにッ!」 ユラユラ..フシュンッ!


切り伏せたはずの、2体のアニス(ジオス)は、目の前で煙の様に消えていった。


「どこを見ている!」 ザッシュン! 


「えッ⁉︎ うぎゃッ! クッ!」 ババッ! ザザアーー


アニス(ジオス)は、いきなりアクシオンの背後から現れ、彼女の背中に一撃を加えた。アクシオンは咄嗟の動きでかわしたのだが、背中に痛みを感じその場を離れた。



「え⁉︎今のは何なんですか? ジオス様、斬られたんじゃあなかったんですか?」


「Rej. 神級戦技『ファントム』、アレはお姉さま固有の神級技です」


「にゃあ! ミウはジオス様に教えてもらったにゃ」


「ミウちゃんアレができるの⁉︎」


「にゃ!」 コクン


「Lst. ミウだけで無く私も使えますよ、初作技までですけど」


「ミウもにゃ!」 にゃん


エクセリオンが2人を見て驚いていた。自分も神だが今聞いた神級技は聞いた事も見た事もなかったからだ。


 

「ん、あのタイミングでよくそこまで、かわしたな、見事!」 チャキ!


そこには、切り伏せたはずのアニス(ジオス)が神器ミドルダガーの「アヴァロン」を構えて立っていた。


「ま、まさかまたッ‼」 ババッ!サッサッ!


アクシオンは両手で体中を確認した。


「ん、心配するな。今ので、聖痕は付けてないぞ!」 ニッ


「クッ! ただの分身ではないと言う訳だな! いいですよ、次はかかりません!」


「ん? アクシオン...お前...」


「問答無用! いきます!」 ババッ!


「おっと、ふむ、来い疑神アクシオン!」 バッ タタッ チャキッ!


「その疑神をやめろおおおッ!」 ギイイイインンッ!


ギャアアンンンッ‼ 再び2人の神器神剣がぶつかり合った。



「にゃ、ソフィアお姉ちゃん」


「Lst. なんですか?」


「にゃん~、気のせいかもだけど、あのアクシオン、言葉使いが変にゃ」


「Rog. ミウも気が付きましたか」


「え?え?...な、何が変なのですか?」


「にゃ、エクセリオンは気が付かないかにゃ」


「Lst. エクセリオン」


「は、はい、ソフィア様」


「Lst. 私の推測ですが、恐らく【ミリアネス】はまだ、完全にはアクシオンに取り込まれてないと思います」


「ほ、本当ですか!」


「Rog. 確率は低いですが、間違いないかと」


「なぜそう思われるのですか?」


「Rog. それはアクシオンの言葉使いです」


「言葉使い?」


「Rog. はい、先ほどから彼女の言動に、まるで2人の人物が交互に話している様に見えます」


「2人」


「にゃ、乱暴な話し方だったり、丁寧な話し方だったりにゃ」


「はッ、そういえばそのような...」


「Rog. 恐らく、アクシオンの中には、前のシンシアとオーブ化したミリアネスの2人が完全に融合できずにいるからではないかと思います」


「では、ミリアネスは...」


「Rog. お姉さまに任せましょう。すでにそのように動いていると思いますよ」


「ううう...ジオス様...妹を、ミリアネスをお願いします...」



キキイイインンッ! ババッ! シュンッ! 

2人の高速で鋭い剣撃と体捌きの音が続いていた。


「ん、どうした?一向に当たらんぞ」 サッサッ!ヒョイッ!


「おのれええ! ちょこまかと、クッ! ハッ!」 ヒュンヒュン!ビュンッ!


「(さて、下手に《エクザ.グラン.ディスパージ》は使えんな、どうする?)」


「これでもかああッ!」 ズバアアッ!


「おっと!」 ビュンッ!


ギイインンッ! ババッ! スタタッ!


ひときわ大きい打ち込みがあった後、2人は間合いを取るため離れた。


「ハアハアハア…さすが大口を叩く事だけはある小娘ね」 フラッ


「ん、もう終わりか?じゃあこちらから行くぞ?」 


「フン、剣技戦では貴女の方が強いですわ。しかし魔法ならどうだ!」チャキン


そう言うと、アクシオンは自身の神剣「ネヴァリスカ」を鞘に納め、魔法攻撃の構えを取った。


「魔法かあ、やってみるかい?」 スッ カチン


アクシオンに合わせてアニス(ジオス)も神剣「アヴァロン」を腰裏の鞘にに納めた。


「あら、神剣を使わないのですか? 生意気なヤツだ!後悔するがいい!」ブルブル


「ん、いいから来い!(やはりアクシオンは完全じゃないな)」 


「フン、神の力を侮るな!その身体で私の力を、神の力を受けて見よ! {古の誓いに基づき我に貢献せよ!豪火峰頼!}《ガルフレイア!》」パアッ!バアアンーッ!


アクシオンが詠唱を唱えると、アクシオンの頭上に赤い魔法陣が現れ、一瞬光り輝いたと思ったらその中央から赤い炎の帯がアニス(ジオス)に向かって、高速で飛び出していった。それは神の力を持つ一撃であった。


「コレは避けれまい!後悔しなさい! アハハハ!」 


その魔法の大きさと威力を目の前にして、見ていたソフィア達女神が叫ぶ!


「Lst. いけないッ! お姉さまッ‼︎」


「にゃにゃああッ! ジオス様あーッ!」


「アクシオンッ! ジオス様を消すつもりですかあッ!」


しかし魔法を放たれた当の人物、アニス(ジオス)は平然として、近づいて来ている魔法を見ていた。


「《ガルフレイア》? それ、違うぞアクシオン! ん!《バルトッ!》キュイン! はあッ!ダアアアッ!」 バチイイインンーッ‼︎


 キュウウウンン! ドガアアアアンンッ! ボボウウ…メラメラメラ…


アニス(ジオス)は、自分の右手に魔法をかけ、そのまま迫ってきたアクシオンの魔法、炎熱の魔法を、その右手で殴り弾き飛ばした。 弾き飛ばされた魔法は、そのままあらぬ方向へ飛び、そのまま彼方にある小高い山に命中し、その山を完全に吹き飛ばしてしまった!


「「「「はああッ! なんだあれえ!(それはああッ)⁉︎」」」」


今、目の前に起こった光景に、アニス(ジオス)以外全ての者が叫んだ!


「R.R.Rej. な、何なんですかアレは⁉︎ お姉さまはいったい…」フルフル


「にゃ、にゃにゃッ⁉︎ にゃあ〜あああ?…」 フニャ〜


「な、なんて方なんですか? あんなものを弾くなんて…」


3人の女神達は、アニス(ジオス)の行動に、動揺を隠せなかった。一方、その魔法を弾かれたアクシオンは、彼女達以上に動揺していた。


「ぎゃあああーッ! お前は一体何なんだああ―ッ!」


「『ぎゃあ』、とは失礼だな!私はアニス(ジオス)だって言ってんだろ!」


「ふ、ふざけるな!ですわ。あれは、私の最大の魔法だぞ! 防げないはずの最大魔法を防ぐどころか弾くなんて聞いたことがないぞ!」


「ん、最大の魔法? あれがか? 詠唱も魔法名も間違ってるのにか?」


「ま、間違ってなどないいいッ! 《ファイフットッ!》」 キュイン! ババババババババババウン!


アニス(ジオス)に魔法の事を欠陥扱いされ、逆上したアクシオンは、炎の攻撃弾を連弾で撃ってきた。


「ん、面倒なッ! はッ!《刹那!》ん!《バルト!》」ヒュンッ!キュイン!

 タタッ! シャッ!シャッ!シャッ!


アクシオンの放つ魔法、炎の連弾を、アニス(ジオス)は高速移動で華麗にかわしていく。そして、かわしながらアクシオンに攻撃もした。


「ん、よっと、見えた!《イーゲル.ランスッ!》」 バシュバシュバシュッ!


「クッ!このようなランスッ、!うわあッ!」 ビシュッ!ビシイッ!


アニス(ジオス)の攻撃魔法の威力は大きく、アクシオンはその攻撃を防ぎきれなかった。


「な、なんて威力!この私が防ぎきれないとは...はッ!」 バッ!


そんな中、アニス(ジオス)はついにアクシオンの懐まで近づいていた。


「ん、チェックメイトか? アクシオン!」 シュンッ!


「チイイッ! 《ブレン.バードラッ!》」 バアンーッ‼


「おッ! やばッ!」 ビシイイイッ! シュン!クルクルクル スタッ!


「ううッ これも防ぐか...とんでもないね」


アニス(ジオス)はアクシオンの咄嗟の攻撃に、身を捻りながらひるがえし、少し離れた所に着地した。


「ふう~、そろそろ決着を付けないか? アクシオン」


「ふふふ、いいだろう!その提案お受けしますわ。」


アニス(ジオス)は、再び神器、ミドルダガーの「アヴァロン」を抜き、アクシオンとの最終決戦に挑むため身構える。 そのアクシオンも次の魔法を出すため、長い詠唱に入った。


「ふふふ、これは絶対に避けられん!{我が漆黒の炎の盟友よ、暗黒の地より出でてその力を我に与えよ、共に眼前のすべてを討ち滅ぼせ!}神級殲滅魔法!《ソルドベルク.テラ.カノーネッ!》」キュルルルッ! バアアンン―ッ!


それはあまりにも巨大な魔法陣が現れ、絶大な威力の光の塊が放たれた。それはすべてを飲み込み、すべてを無に帰す、最強の魔法であった。その光はアニス(ジオス)達だけでなく、この王都すべてを破壊し無に帰そうとしていた。そんな状況の中、アニスは冷静にアクシオンを見つめ彼女に言った。


「アクシオン、【ミリアネス】を返してもらうぞ...」 ザツ!


アニスはそう言うと、迫りくる絶大な光に対し、神剣ミドルダガーの「アヴァロン」のヒエログリフをなぞって覚醒した後、『左手』に逆手で持ち構えた。 


アニス(ジオス)はその一瞬、光の中に消えていった...



いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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