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第76話 紅玉とアニス、マシューへの見解

―アトランティア法王国 王城謁見の間ー


玉座がある謁見の間、その玉座に座る女性の元に五天位の4人が揃った。


「遅くなりました、紅玉様」


「待たせちまったなあ!紅玉様!」


「呼んできましたよ、紅玉様」


「あんたら遅いわよ!、なにやってたのよもう!」


紅玉はそれを見て微笑みながらヘルフィスを宥める。


「良いですよ、ヘルフィスもそう怒らないでね」


「はい、紅玉様がそうおっしゃるのならば」


紅玉に言われ、ヘルフィスは文句を言うのをやめた。


「ガルブレス、グリフィス」


「「はい(おう)!なんですか紅玉様」


「あの者達と戦ってみてどうでしたか?」


「ああ、俺は「閃光のマシュー」とやったんだが、それほど強くなかったぜ!」


「僕も、黄金の騎士の1人とやったけど、全然だね。動きが遅いし、剣筋もイマイチだったなあ!」


「そうですかあ、随分強い方達と聞いてましたが?」


「う〜ん、強さで言うならば、スキュラ級かな」


「おいおい、それじゃあ相手に失礼だろ!せめてサティロス級位って言ってやれよお!」


「僕は事実しか言わないから、そういう君も「閃光のマシュー」はどういう位置付けするの?」


「ああ、アイツはなあ…アイツは…エキドナきゅ…」


「ドミニオン!」


「「え? 紅玉様?」」


「ドミニオン級! 彼の強さです!」


「紅玉様あ! 言っちゃ悪いが戦った俺が言うんだ。アイツにそんな強さはねえぜ!」


「それには僕も同意です。横で見てたけどそんなにはないと思うなあ」


「そうですか? 私ならドミニオン、いえ、アバドン級でも良いと思いますが?」


「紅玉様、それは過大評価です。いくら何でもそんな強さ、僕達以上の強さで人では無くなっ…まさか⁉︎」


「嘘お! そんな事あるのおお?」 


「はい、あるんですねえ」 ニコ


「おい何だよ!俺にも分かるよう説明してくれよッ!」 イラッ


「ふふ、ガルブレス以外は皆、わかったようですね」 フフフ


「何なんだよお!みんな解ってんのかあ?」 ビシッ


ガルブレスは他の3人を指差して聞いた。 が、3人とも即座に頷いた。


「僕は解ってるよお〜」 コク


「あったりまえじゃないッ! アンタってバカ〜?」 コクコク


「ん〜、解りますよお。ダメですねえ」 コクン


「ガアアーーッ! たのむ! 俺にも教えてくれ」


紅玉は、そんな彼等を見て、笑いながらガルブレスに説明をした。


「ガルブレス」


「おう!」


「彼、「閃光のマシュー」はね、ある特別な星の元に集いし魂の一つ、その能力を宿した人間の1人なの」


「特別な………!」


「フフ、どうやら気がついたようですね」


「じゃあ、アイツは、「閃光のマシュー」は、俺達と同じなのか⁉︎」


「そうです。貴方達と同じ神界戦士、帝位衆の1人です!」


「だ…だがよお、あの弱さは納得できねえ!同朋ってんなら、もっと強くてもいいんじゃねえか?」


「彼が生まれすぐ、隣の国、聖王国で育ったのがその原因ですね。あの国では覚醒できなかったでしょう」


「じゃあ、覚醒したらどうなんだ?」


「フフフ、ないしょです」


「へん、まあいいや!じゃあ「閃光のマシュー」を仲間にするんだろ?」


「...たぶん無理でしょう」 フリフリ


「なんでだよ! もともとこっち側の者なんだろ、紅玉様が話せばこっちに来るはずだぜ!」


「ありがとう、ガルブレス。でも無理なんです。なぜなら...」


紅玉は言葉を詰まらせる。(マシューにはもうジオス様がついているから…)


「どうしたんですか?紅玉様~」


「え、あ、ごめんなさいねゾラ、 この話はまた今度ね。さっきの冒険者達が来ます。あなた達は準備を!」


「おう!わかった、また今度な!」


「さ、ゾラ!こっちの準備をしましょ」


「はい、準備ですね」


「じゃあ僕も、準備をッと」


「もうすぐ会えますね、ジオス様…」


ー王城通路ー


アニス達は謁見の間がある上層へと階段や通路を進んでいた。


「ん、ちょっと休憩しようか」


「Rog.では、お茶の準備をいたします」


「では、我々は周辺警戒をします!」


「あ、タレス」


「はい、なんでしょう?アニス様」


「タレス自身も疲れてるだろうし、みんなも休んでね!」


「いえ、私など、先の戦いで負けた身、とても休んでなどは...」


「じゃあ、私からの命令です! 休みなさい!」


「ハッ! では、「エインガーディアン」休憩に入ります」


「うん」


「Lst.お姉さま、お茶です」 コポコポコポ


「ん、ありがとうソフィア」 コク


「にゃッ! あっちー! ふうふう 熱いのは苦手にゃ」 ペロ


そこにマシューがアニス達の元にやって来た。


「なあ、アニス」


「ん、なんだ?」 コク


「さっきの事だけどよう...」


「さっきの...あ~あの炎使いの子と風使いの子の事か?」カチャ


「ああ、そいつらの事だ」


「どうした?何か聞きたいのか?」


「俺はあいつらに勝てるかな?」


マシューは真剣な眼差しで聞いて来た。


「今のマシューじゃ勝てないな!」 コポコポコポ


「なッ! はっきり言ってくれるぜ、ちょっと落ち込むなあ」


マシューは頭をかきながら苦笑いをした。


「Lst.マシュー、しっかりしなさい!貴方はお姉さまを守るのでしょ?」


「ああ、だがなあソフィア、こうもはっきりと勝てないと言われたら、誰だって落ち込むぜ!」


「Rej.貴方はお姉さまの言葉が聞こえてなかったのですか?」


「え?アニスの言葉?」


「Rog.お姉さまはこう言いました、『今のマシューじゃ勝てないな』と」


「それが何……アッ」


「Rog.そうです、『今の』と言うことは『今後のマシュー』は、さっきの者達に勝てる、という事になりますね」


「そ、そうか。ようし、先が見えて来た!俺、頑張るぜ!」 タタタ


マシューは元気を取り戻し、「エインガーディアン」のタレス達の元へかけて行った。


「『今後のマシュー』かあ…」コクコク


「Lst.お姉さま、マシューには言わなくてよかったんですか?」


「ん?…相手のことか?」カチャ


「Rog.はい、重大なことです」


「ん、【女神エインの騎士】であり続けている限り彼等【神界戦士ファリオン】には勝てないということか?」


「Rog.はい、このままでは、また同じ結果になるのではないかと思います」


「ありがとうソフィア、でも彼は、マシューはね違うんだ」


「Lst.違うとは?」


「ん、マシューはね特別なんだ!」


「Lst.特別……お姉さま!マシューはもしかしたら!」


「ん、だから特別なんだ」


「Rog.分かりました、マシューはお姉さまと私で完璧に仕上げましょう!」


「ん、そうだねえ。マシューには頑張ってなってもらうんだ!誰にも到達できなかった究極の神界戦士、【原神戦士!スペリオルファイター】に」


「Rog.そうですね、きっとなれますよ」


「ん、」


お茶セットをかたずけて、アニス達はマシュー達の前に出た。


「ん、さあ行こうか、謁見の間へ」


「おう!さあ出発だ。気を入れていくぞ」


「「「おおー!」」」


アニス達は、足早に進んでいき、ついに謁見の間の扉の前に着いた。


「じゃ、いくぜ!」


マシューの言葉に皆、無言でうなずいた。  ギイイイー


扉を開けアニス達8人はなだれ込むように、謁見の間に入っていった。





いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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