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第63話 奇数騎士団動く

ーアトランティア法王国 法務局ー


法王国では、国外活動をしている者を監視する部署がある。「アノード」と共にここにいる「カソード」が、その管理責任を負っていた。


「カソード様緊急です!」


「何事じゃ?」


「先日派遣した威力偵察部隊、数名を残し全滅です!」


「な、なんじゃと!、確かその場に「インビンシブルナイン」の手練れが接敵していたはずだ!其奴はどうした?」


丁度その時、彼の言っていたその手練れの情報が入った。


ビーッ!


「緊急信号受信 赤! コールサイン「インビンシブルナイン 3」 生体識別信号途絶! ベイルアウト!」


「はッ? 死んだ? 「インビンシブルナイン」だぞ⁉︎ 何が起きた?大至急調査せよ!」


「「「はッ!」」」


管理長官であるカソードは焦っていた。大規模威力偵察中隊は全滅、虎の子の「インビンシブルナイン」の1人を失うと言う事態に落ちっていたからであった。そんな彼に声をかけた者がいた。


「よう!叔父貴ッ!何しかめっつらしてんだあ?」 ズカズカ


入って来たのは自分の甥っ子で、第3騎士団の団長【トラン・ラ・ドーラ】であった。


「トランか、騎士団長ともあろう者が、なんじゃこんな所まで。何か用か?」


「おう! ちょっと小耳に挟んだんだが、何でも、うちの第六のとこから出た兵士にやられたんだって?」


「やられてなどおらん!そ奴らではなく、別の国から来た冒険者にじゃ!」


「ほう、冒険者…かなり強いのか、そいつら?」


「まだよくわからん! 威力偵察部隊は帰ってこぬわ、「インビンシブルナイン」を1人欠くわで大変なんじゃ!」


「はあ?「インビンシブルナイン」が1人やられた? マジかよ叔父貴!」


「ああ、本当じゃ!」


「よし、俺が行こう!」


「な、バカを言うでない! そもそも奇数騎士団がこのような事で動くことの前例が無いわ!」


「そんな物、誰が決めた? 叔父貴達で変えっちまえばいいんじゃないか?」


「むむむッ!……」


「俺は、勝手にいくぜえ!」  ザッ!


「わかったわかった、わしから法王様に進言しておく。 名目上は演習という形でだ!いいなッ!」


「おう! ありがとな叔父貴ッ!」


「でじや、どれだけの規模で行くのか?」


「そうだなあ、たかが冒険者相手だが、一応演習ということで団の一部、一個大隊を連れてくぜ!」


「お主、戦争をしに行くのでは無いのだぞ!」


「わかってるよ! たかが偶数の下っ端と腐れ冒険者の集まりだろ!俺が負けるわけなどないが念の為だ!」


そう言って彼は部屋を出て行った。その場に残ったカソードは頭を振り独り言を言った。


「偶数騎士団より冒険者の方だ、あそこには奴がいる、「閃光のマシュー」がいるのだ。大事にならなければ良いのだが….」


彼は甥っ子の事が気がかりでしょうがなかった。 程なくして、王城より第三騎士団、トラン率いる第一大隊がアニス達の方へ向かって出発した。



ーアトランティア法王国 国境の町アスラー


アニスはマシュー達と合流し馬車で国境の町アスラに到着した。その道中に、マシュー達にはこれまでに経緯を話した。


「アニス様、本日はこの街の宿でこのたびの疲れを癒してください」 ザッ


「エインへリアル」の4人がアニスの前で膝をつき言ってきた。


「ん、そうだね、まだ日は高いけどそうしようか」


「おう、それじゃあ俺はコイツらと一杯やってくるわ!」


そう言ってマシューは「エインへリアル」の4人と連れ立って飲み屋街の方へ行ってしまった。


「Lst.本当に、あの男は酒が好きなんですね!」


「にゃ!全くにゃ。アニス様をほっていくなんて、やっぱりマシューはアンポンタンにゃ!」


アニス達3人は、マシューがとった宿屋に、馬車と馬を任せて、宿にある大浴場に来ていた。


ー宿屋大浴場 女湯ー


チャポンッ    バシャバシャ


「ふう〜 やっぱりお風呂はいいねえ、心が癒されるう〜」 


「Rog.お姉さま、それには同意します。気持ちいいですね」


「にゃにゃにゃああーッ!」バシャバシャ!


「Lst.ミウ、お風呂の中では泳いではいけませんよ!」


「にゃあああッ! 泳いでにゃい!ガボガボ 溺れてるにゃああッ! ガボガボ!」

バシャバシャバシャ ブクンッ‼︎


「なッ!  ミウ大丈夫ッ!」 ザバッ! ガシッ!


「にゃあ〜 助かったにゃあ、アニス様、ありがとうございますにゃ」


「Lst.ミウ、なぜ溺れるのですか?」


「にゃッ!ソフィアには丁度いいけど、ミウには深過ぎるにゃッ!」


「Rog.ああ!なるほど、ミウはチビでしたね!それで…」 ふふっ!


「にゃああッ! 笑うにゃ、チビって言うにゃあ!」


「まあまあ、ミウは私が抱っこしてあげるから、こっちおいで」


「はいにゃ」


「Lst.う〜、この時ばかりはミウが羨ましいです」


ミウはアニスに抱っこされて入る風呂に満足気にしていた。その時アニスはミウの変化に気づく。


「ん、ねえミウ」


「にゃんですかアニス様?」


「なんかちょっと成長した?」


「Rog.お姉さま、ミウは先程、姉のミアより様々な物を受けとりました。その中には成長に値する物もあり、その影響でミウは成長しているものと推察します」


「ふ〜ん、成長か……良かったなミウ!」


「はいにゃ」


「で、ミウの成長は他にもあるんだろ?」


「Rog.さすがお姉さま、気がつきましたか。ミウはこの短期間で急成長の枠を越え、超成長しました」


「にゃ? ソフィア、ミウはそんなに成長したのかにゃ?」


「Rej. ミウ、お姉ちゃんです」


「にゃ? ソフィアなにいっ…」


「Rej. お、ね、え、ちゃん、! ミウ聞こえてますか?」 グイッ


「(ニャアアッ! 目が、目が怖いにゃーッ!、だめにゃ逆らったら、食材にされてしまうにゃ)うう、おね..ちゃん…?」


「Lst. ん?ミウもう一度言ってください、聞こえません、今なんて?」 グイグイッ!


「にゃあ! ソフィアお姉ちゃんッ‼︎」


それを聞いてソフィアは満面の笑みを浮かべミウに抱きついてきた。


「Rog. ミウ! やっと言ってくれましたね!ええ、私はあなたのお姉ちゃんです!可愛いですよミウ!」 ガバッ!ギューッ!


「にゃあッ! 抱きつくにゃあッ!」 ジタバタ


「Rej. いいえ、離しません、ミウちゃん!」 ギュ


「にゃにゃッ! やっぱりお姉ちゃんじゃ無い!あんたはソフィアにゃああッ!」 バタバタ


「Rej. ではこのまま潰してひき肉に!」 ギュウウウ メキッ!


「ミギャアアアアッ! お姉ちゃんッ! お姉ちゃんですにゃッ! ソフィアお姉ちゃんーーッ! 聞いてるッ⁉ ソフィアお姉ちゃんーって、ダメにゃあッ! この人聞いて無いにゃあッ‼ アニス様ああッ! 助けてくださいニャアアッ!」 ジタバタジタバタ


「ん、本当に仲がいいな!」 ククッ


そんな騒動があった後、アニス達は身体をしっかり洗い、大浴場を出て、自分たちの部屋に入った。


「ふ〜 いい湯だったあ〜」 ゴロン


「Rog. 私もです! それに妹もちゃんと出来ましたし!」 ニコニコ


「にゃあ〜〜 身体が動かないにゃ~...」


「ん、ミウは...そうか、そういう事か」


アニスは湯あたりして伸びているミウを鑑定した。そして、なぜソフィアがミウをあんなに妹呼びしたのか分かった。


―元獣人山猫族 ミウー


《名前》   ドライブロウ・ディア・ミア

《種族》   獣神女神  神族

《性別》   女

《年齢》   unknown

《称号》   オールラウンダー 森羅万象 最強超越者

《職業》   破壊神 最強暗黒格闘時空神ラムジット・ダンク・ストライカー 三大女神 

《レベル》  ∞

《体力》   ∞

《魔力》   ∞

《俊敏》   ∞

《攻撃力》  ∞

《防御力》  ∞

《魔法属性》 ∞

《各種耐性》 ∞

《各種異能》 unknown

《状態》    正常、創生神ソフィアの妹、アニス絶対崇拝者

《所持武器》 unknown


ミウは姉のミアよりの全てをその身に受け、さらにアニスの魔法とソフィアの慈愛により、さらに進化を果たした。その結果が、アニスの観た鑑定どうりであった。


「ソフィアに次ぐ第二の女神を誕生しちゃったか、まあいいかな。女神がソフィア1人じゃあかわいそうだし、あの二人仲がよさそうだしね」


この世界に二人目の女神が誕生した瞬間であった。そんな事とは知らず、アニス達の元に法王国第三騎士団が迫って来ていた。



こつん、こつん! 崩壊の足音が続く......







いつも読んでくださり、ありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。


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