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第60話 神剣対神剣(ルミナス対カラミティ)

ーアトランティア法王国街道ー


先ほどまでの喧騒がうそのような喉かな街道筋に、アニス達は地べたに横たわる1人の男の周りに集まっていた。その男は、今回の襲撃部隊の草の隊長であった。彼は最後に1人で、「エインヘリアル」の3人に挑んでいき、「エインヘリアル」の隊長、タレスに切り倒されたのであった。


「何か言い残すことはないか?」


「ハアハア...そ、そうだな...ハアハア..逃げて行った...者達を、ハアハア見逃してやってはくれまいか?」


「ん、そんな事はかまわないぞ」


「あ...あんたがここの..ハアハア...長か?」


「ん、まあそんな所だ」


「ハアハア、ず..随分若いな!...参ったよ.ハアハア..」


「こちらも最後に聞きたい、お前たちは何者だ?」


「ハアハア..フッ!...わかってんだろ、..お...俺に言わせるな..ハアハア..うッ!..」


「元老院か?....」


「ハアハア...フッ!...うぐッ!......」  フッ!


彼は最後に軽く笑って、息絶えた。しばらくして、彼の体も元素分解されて消えていった。


「なあ、アニス、今回の襲撃どう思う?」


「ん、マシューは何か気になるのか?」


「ああ、襲ってきた奴らの目的がわからん!」


「あ、それは自分たちも同感です。何ていうか、こっちを試す、みたいな感じでした」


「Rog.その考えでいいと思いますよ、今回の者達は、恐らく威力偵察部隊かと」


「威力偵察う、俺達を探りに来たのですか?」


「Rog.そうです、あのような分散配置は、各個撃破してくれと言っているようなものです」


「なるほど、で、誰が俺達を探ってんだあ!こそこそと気に入らねえ!」


「ん、誰って気が付かないのかマシュー?」


「分かるわけねえよッ!お前じゃあるまいし、なあ、みんな!」


そうマシューは他のメンバーに降ったが、みんな誰が差し向けたか分かっているみたいで、マシューに返事をしなかった。


「え、みんな分かってんの?..俺だけ? まさか、ミウ!..お前もわかってんのか?」


「そんにゃ事、とっくに分かってるにゃ、分からないのはアンポンタンのマシューだけにゃ」


「誰がアンポンタンだってえーーッ!」 ガシッ!グググッ


「ミギャアアーー‼ 痛い痛い痛いにゃあ――ッ!」


マシューはミウの頭を鷲掴みにして力を加えた。


「ん、マシュー!ミウをいじめちゃダメだよ!」


「おう、すまんすまん、つい、ミウ、すまんかったな」


「ふにゅー、頭が痛いにゃ、壊れると思ったにゃ」


「Lst.いっそのこと、そのまま食材にしてしまえばいいんです」


「にゃああ! 言った、今言ったにゃ、食材って聞いたにゃ!」


「Rej.おっと、つい本音が...おあいこですねミウ!」 ふふッ


「うにゃにゃ、ソフィアめえ、いつかにゃフンと言わせてやるにゃ!」


「ん、そういえばミウ」


「はいにゃ」


「あなた、あんなに高く飛んで、どうやったの?」


「うにゃあ~、見てたんですかにゃ?」


「ん、見てた。それと凄い剣技も!」


「にゃあ...それも見られてたんですかにゃあ」


「Lst.見られたもなにも、あんな大空で、あれだけ派手に立ち回ればバレバレです」


「仕方がにゃい、実は、あれだけの高さまで飛ぶには、スキルを使いますにゃ」


「ほう、どんなスキルなんだそれは、今ここで見せてくれよ」


「今は無理にゃ!」


「なんでだ?隠す様な事なのか?」


「うにゅ〜….」


「ん、どうしたのミウ、言えないのなら無理しなくていいよ」


「いえ、アニス様、そうじゃないんですにゃ」


「じゃあなんだって言うんだ、やっぱおまえ俺たちに何か隠してるのか?」


「マシュー!どうしたんだ?」


「アニス!もしかしたらコイツがトリーをやったのかもしれんぞ!」


「にゃッ! ミウはそんな事しないにゃ! 人、いにゃ猫違いにゃッ!」


「マシュー!ミウはそんな事しない!何か証拠があるのか?」


「コレだ!」


マシューは懐のポケットから、トリーが倒れた時そばに落ちていた犯人の物と思われる、毛を取り出した。


「ん、コレは….猫の毛か?」


「そうだ、そしてコレはそいつの毛だ!」


「ミウ、どうなの?…..ん?」


ミウはマシューの持っている猫の毛を見て目つきが変わり剣を抜いて構えた。


「そこを動くにゃッ!」 チャキッ!


「Rej.ミウ、あなた何をしているか分かって…ッ!お姉さまッ‼︎ アレはッ!」


「ソフィア、ミウに任せなさい」


アニスは、ソフィアが気が付いたことを言おうとした時、それを制しミウに全権を任せた。


「Rog.なるほど、さすがお姉さま!了解しました。ミウに任せます」


「うん、彼女に任せよう」


「ほう、ようやく正体を表したか、ミウ、いや、暗殺者!」 チャキ


マシューはミウに向けて大神器「エーテルカイザー」を構えた。だがミウはそれを見ても、身動きせずマシューを睨み構えていた。


「ミウ、お前とやりあうとは思ってもいなかったぜ、出来ればお前を切りたくなかった」


「動くなと言ったにゃ」 グッ!


マシューの動きにミウは力を込めて身構える。


「そうか、残念だ! さらばだ!ミウ! 剣技!《グラン.カッツェ!》」

 ヒュイイインン!


マシューが技を発動した瞬間、ミウは自分の首にあったチョーカーを引きちぎり、彼女の本来の力と技を繰り出した。


「今にゃ‼︎ 自己封印開!《刹那!》猫技!瞬光抜刀牙絶技‼︎《ゼルバ.グラン.カッツェ!》」 キュキイイイイインン!


キシイイイイーーッ! ドカアアッ!ザザアアアーーー!


その一瞬にその場には3人の人影があった。 1人はマシューで片膝をつき地面に座っていた。そして、そこから少し離れたところに、..神剣同士を鍔迫り合いして止まっている2人の猫獣人、ミウともう1人がそこにいた。


「はにゃッ! ミウ、腕をあげたじゃにゃいか!」 ギリギリ


「あなたに褒められても嬉しくないにゃ!」 ギリギリ


背格好のよく似た2人がそこにいた。


「な、なんだよ! あ?ミウと誰だアイツ?」


マシューがその場で戸惑っている最中、ミウ達は構わず続ける。


「なぜマシューさんを狙ったにゃ⁉︎」 ギリギリ


「フン、あの男が私の毛をいやらしく持ってたからにゃ!」 ギリギリ


「にゃ、本当の理由はなんにゃッ!」 ギリギリ


「バレてたにゃ、アイツに私のことがばれそうだったから…にゃッ!」 ギパアンッ!


そこで、2人は鍔迫り合いから離れた。 クルクルッ スタッ! そこには、歳格好はミウよりちょっと上の猫獣人が、片手に幻影神剣「ルミナスライト」を構えて立っていた。


「ほんと、久しぶりにゃ、ミウ!」


「やっと見つけたにゃ!ミア!、私はあなたを追ってここまで来たにゃ!」


「あらあ、昔の様に呼んでくれにゃいのかにゃ?、ミウちゃん?」


「昔のことは忘れたにゃ!あなたは今、私にとってはただの殺戮者、父様の仇にゃ!」


「お、おい、どうなってんだよ!アイツ何モンなんだ? ミウが犯人じゃなかったのかよ!」 パシッ!


マシューがそう叫んでいるとアニスがマシューの頭を叩いた。


「いてッ! ってアニス?」


「マシューのバカちん、あなたミウが動かなかったらその首、切られてたわよ」


「俺の首があ?、どう言うことだそれは」


「ん、マシュー、あなた本当に気がついていなかったのね。あの子あなたの直ぐ後ろで、あの神剣を構えていたのよ」


「そんなバカな、ちっとも気が……ついて…….もしかしてアイツがトリーをやった奴か?」


「Rog.正解ですマシュー、さっきのが《ブラインド.フィールド》、あなたに近づいた彼女のスキルですよ」


「ん、マシュー」


「な、なんだアニス」


「後でミウにちゃんと謝っておけよ」


「……..ああ、分かってる。俺の早とちりだった」


「Lst.それでは、マシュー!貴方と「エインへリアル」の5人は、明日早朝より補修調教…もとい補修特訓を行います。甲種装備で待ってなさい」


「へッ!」


「「「「はあああ⁉︎」」」」


「ソフィア様、なぜ我々まで補修特訓を?」


「Lst.マシューとあなた方、彼女の存在に気がつきましたか?」


「いえ」


「Lst.気が付いていれば、マシューがミウに剣を向けると言うことなどなく、自力で対処できたはずです!」


ソフィアに言われ、マシューと「エインへリアル」の5人は明日の特訓の事で呆然としていた。


「あなたの周りは、随分賑やかなんですにゃ」


「そんにゃ事より、覚悟するにゃ!ミア!」 チャキ


そう言うとミアは、腰をかがめ獣神剣「カラミティナイフ」を構えた。


「ミウ、あなたじゃ私に勝てないにゃ! あなたのレベル、私よりも下のはずだにゃ、無駄なことはしないほうがいいにゃ」


「ミア、いつまでも昔の私じゃあないにゃ! レベルなんていつでも変えれるにゃ!」


「にゃ、聞きわけがない所は、昔と変わってないにゃ。いいにゃ、いくにゃッ!ミウ‼︎」


「ミア、覚悟にゃ!」


ミアとミウ、2人の猫獣人がお互いの神剣を構えて睨み合っていた。そして誰が合図したわけもなく両者は一斉に駆け出した。


「「にゃあああッ‼︎」」タタタッ!


「「《《刹那!》》 猫技! 瞬光抜刀牙!烈技‼︎《《ゼガルガ.グラン.カッツェ!》》」」


2人は全く同じスキル、同じ剣技を同時に使った。まるで息のあった双子の様に、そしてどちらも武器は神剣、アニス達は2人の結末を見ているだけだった。





いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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