第309話 「SHIDENKAI」対「REPPUU」
ー第一機動艦隊旗艦 正規空母「ヒリュウ」前部甲板上ー
ブオン! ビシイイッ! バチバチバチ! ジジジ ッ バアアンン! ババババッ! ヴオン! ビュンビュン! シュバアアアーーッ!
『ふははははッ! なかなかやるではないか、いいぞ人間!』 ヴン!
「くそ! こいつッ! なんて動きしやがる! ツルギッ! ヤツは本当に無人なのかッ⁉︎ ライナーは塔乗していないんだなッ⁉︎」 グイ! バッ!
ピコ
『はい、敵機「REPPUU」にライナーは塔乗していません。 完全なる無人機です』 ピッ
「信じられん… アレが完全自動の無人機だと… いや、それにしてはレスポンスが全く無い、まるで歴戦のベテランライナーが操縦しているみたいだ… どうなってやがる!」 グッ
ピ ピ ピ ヴオン! シュバアアアアーーーッ!
ビイビイビイッ! ピコ
『直政中佐、敵機「REPPUU」の動きに注意を! フォトンソードの打合いの隙を狙って、アニス様たちにも攻撃を仕掛けるつもりです』 ピッ!
「ああッ! 奴の動きを見ればわかる! わずかな隙を見せればアニスたちを攻撃するつもりなんだ! 手が抜けねえッ!」 グイ! グイ!
ブンブンッ! ビシ! バシイイッ! ブブン! ジジジジッ! バアアアンンンッ!
井伊直政中佐の支援型戦闘機「SHIDENKAI 33型D ツルギ」と創造神ジオスが操るヤマト皇国国防軍、次期主力戦闘機「REPPUU 22型 G008」は、第一機動艦隊旗艦 正規空母「ヒリュウ」の甲板上で、ブレードナイト用フォトンソード、俗称ライトニングセイバーで近接戦闘を行っていた。
2機は、フォトンクラフト効果を使用し、正規空母「ヒリュウ」の広い甲板上をを滑るように高速移動しつつ戦っていた。 当初は、「REPPUU 22型 G008」の攻撃におされ気味だった井伊直政中佐であったが、次第にその攻撃を打ち消しつつ反撃をするようになっていった…
「そこだああッ!」 グイイイッ! ギュン!
ブンッ! シュバッ! ビイイインッ!
『ぬ! うおおおッ!』 グバアッ! ブイン! ビシイイッ!
バチイイイッ! ババババッ! バアアアンンンッ! ガシュウウウンン! ピ ピ
「ちッ やるなあ! 躱されたか…」 ニイイ… グッ
ヒイイイインン… シュウウ… ピ ピ ピ ヴオン!
『むう… 人間め、味な真似を… どうやら機体の操縦にも慣れはじめたか…』 ガシュン ピッ
「よし、次ははずさねえ… ツルギ、TSマインを準備! 数は3ッ! 遅延信管モードは2! それと左腕にダーククリッパーをッ!」 カチカチ ピピ
『了解。 ですが直政中佐、高速移動中の敵機に対し、TSマインはあまり有効とは思えませんが、勝算があるので?』 ピッ
「ああ! まあ見てなって、ヤツに経験の差ってものを見せてやるのさ!」 ニヤ
『経験、それは戦闘記録のことですか?』 ピッ
「記録? いいや違う、戦場の中で得た俺自身の経験だ! 戦闘記録に残らない俺の体に染みついた臨機応変の戦闘戦術だ!」 ギュッ!
『ふむ、戦闘記録に残らないとは興味深い、ではお手並み拝見します』 ピッ
「まかせろ!」 グッ!
ブオン ガシュン ジャキ! ブウウウン!
『ククク… 何っだあの構えは、まるで素人ではないか。 ちゃんと戦闘教本を学んだのか人間よ? ブレードナイトの両手に武器を持つなど、人間の貴様に制御できるのか? いや出来まい… 出来るはずがない!』 ブン ピッ
「よし! 見てろよ〜…」 ニイイッ グッ!
グイイインンン ガシュンッ! ピッ! クイ! クイッ!
『フフフ、この私を誘っているのか? いいだろう、その誘いに乗ってやる! くたばるが良い! 愚かな人間よッ!』 ブオン!
シュバアアアアアーーーッ! ブブブウウウンンッ! ドオオオオオーーーッ!
創造神ジオスが操るブレードナイト「REPPUU 22型 G008」は、右手にフォトンソード、左手にダーククリッパーを構えた井伊直政中佐のブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」に向かって、スラスターを全開にして突進していった。
ビイビイビイビイッ! ビコ! ビコビコ!
『敵機急速接近! 直政中佐!』 ピッ
「ふッ 来た来た、思う壺だ! 後退加速ッ!」 グイイイッ!
『え?』 ピッ
ヒイイイインンッ! バウウウウウウーーーッ! シュバアアアアーーーッ!
『ぬう⁉︎ 後退だとおッ⁉︎ ここまで来て、逃すかああッ!』 グオオオオッ!
ピポ
『直政中佐! これはッ⁉︎』 ピッ
「話は後だツルギ! TSマイン用意…… 射出ッ!」 カチ!
クイン バッ バッ バッ! シュウウウ…
「よし! 逆噴射ッ!」 グイイイ!
バウウウウウーーッ! ババババアアアーーッ ギュン! ブオン!
井伊直政中佐は、急速接近する創造神ジオスのブレードナイト「REPPUU 22型 G008」の前方に、近接兵装のTSマイン3基を射出した。 それを創造神のブレードナイト「REPPUU 22型 G008」の操縦席内では即座に感知し、危険警報と同時に操縦席前の情報モニターには危険物を示す真っ赤な点が三つ表示された。
ピーー ピーー ピーーッ! ビコ! ビコビコ!
『ぬ! これはッ⁉︎ しまったああッ!』 ピッ グイイッ!
シュバッ バウウウウウウーーーッ!
創造神ジオスは、慌てて逆噴射をかけたが、高速加速中のブレードナイト「REPPUU 22型 G008」は、吸い込まれるように、井伊直政中佐が射出したTSマインへと近づいていった。
ピコ ピコ ピコ シュウウウウ…
「ふ… 言ったろ? これが経験の差ってやつだ!」 ニヤ
『おのれええッ!』 バアアアーーッ! ピーーーッ!
ピッ ドオンドオンドオオオンンッ! ドドドドッ バアアアアーーーッ!
ピポ
『TSマイン起爆!「REPPUU」至近にて直撃、「REPPUU」加速を停止!』 ピッ
「今だッ!」 グイ!
グバアアッ! ブン! シュドオオオオーーーッ!
井伊直政中佐は、TSマインの起爆爆発で動きが止まった創造神ジオスの操るブレードナイト「REPPUU 22型 G008」に向けて、ブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」の右手に持つフォトンソード、ライトニングセイバーを投げつけた。
『直政中佐なにを⁉︎』 ピッ
「まだだ! 最大加速!」 カチカチ グイイイッ! ギュウウッ!
ヒイイイイインンッ! バウウウウウウーーーッ シュバアアアアアーーーッ! ヴオン!
井伊直政中佐は、対ブレードナイト用フォトンソード、ライトニングセイバーを投げつけた後、即座にブレードナイトの加速レバーを上げ、スラスターを全開にして、創造神ジオスの操るブレードナイト「REPPUU 22型 G008」に向かって加速急接近していった。
バアアアアーー モクモク ササア…
グバアアッ! ガシュンッ! ビコ!
『むうう、おのれえ人間がああッ!』 ピッ
ビイビイビイビイッ! ビイーーーッ!
爆炎の中から現れた「REPPUU 22型 G008」の操縦席内に、警報が鳴り響いた。
『なッ⁉︎ これはッ! ライトニングセイバーだとおッ⁉︎』 ピッ バッ!
「ふッ 油断大敵だぜ『REPPUU』」 ニヤ
ビュン! ブブンンッ! ブアン! ババッバアアーーッ!
『ぬううッ! このおおッ! 姑息な真似をおおッ!』 ピッ グイン!
グバアアッ! ギュイイイインン! シュバババアアッ! ガシュンンンッ! ザッ!
TSマインの爆炎が晴れたと同時に、井伊直政中佐のブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」が投げつけたフォトンソード、ライトニングセイバーが間近に迫り、創造神ジオスのブレードナイト「REPPUU 22型 G008」は、それを紙一重で躱した。
『ふ… ふははははッ 残念だったな人間、爆炎を使いフォトンソードを投げッ…』 ガシャン!
ビイビイビイビイッ! ビイイーーーーッ! ビコビコ!
「うおりゃあああーーーッ!」 グイイッ! ヴオン! ギュワアアアアーーーッ!
『うおおおーーッ⁉︎』 ピッ
創造神ジオスのブレードナイト「REPPUU 22型 G008」が、投げつけられたフォトンソード、ライトニングセイバーを躱してその行方を見ながら井伊直政を笑いながら機体を元の体制を整えた時、操縦席内に接近警報が鳴り響き、正面情報モニター画面一杯に敵機である井伊直政中佐のブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」の姿が映し出されていた。
シュバアアアアーーーーッ! ギュワンッ! ヴオンッ!
「これで王手だッ!『REPPUUッ!』」 グイイイッ!
ブブウウウンッ! ジャキン! ドオオオオオーーッ!
『おのれえッ! 人間の分際でええッ!』 ピピッ! ザシャッ!
「『ダーククリッパーッ!』」 グイイッ!
ブンッ! ドオオオオオンーーッ! バリバリ! バチバチバチッ! バキイイッ!
『ぬうおおおおおおーーーッ!』 ピイピイピイッ!
ギュワアアアアアーーーッ! ドオン! ドカッ! ダアンッ! ドオオオオンンンッ!
井伊直政中佐の「SHIDENKAI 33型D ツルギ」は、創造神ジオスの操る「REPPUU 22型 G008」に高速接近し、一瞬の隙をついてその胴体に、左手に新装備した「ダーククリッパー」を叩き込んだ。 その威力は、創造神ジオスの操るブレードナイト「REPPUU 22型 G008」を後方へと吹き飛ばしていった。
ブワアアーーッ! ジジ ジジジッ! バチバチバチッ!
「はあはあはあ… やったぜッ! これでどうだッ!」 ニイッ
ピポ
『見事ッ! アニス様が名指ししたライナーだけのことはある。 だが…』 ピッ
パリパリパリ ジジ ジジジジッ シュバッ! ガシュウウンン… ブオン!
『むうう… この私に一撃を入れるとは、侮れんな… 』 ピ ピ シュウウウ…
吹き飛んだ先には、何事もなかったように創造神ジオスの操るブレードナイト「REPPUU 22型 G008」が立ち上がった。
「なッ! バカなッ! 無傷だとおッ⁉︎」 バッ
ピコ
『やはり… ここまでですか』 ピッ
「どう言うことだツルギッ⁉︎ 俺は確かにヤツの土手っ腹に打ち込んだよなッ⁉︎」 ギュッ!
『ええ、大変見事な機動攻撃でした。 認めましょう… あなたはライナーとして、とても優秀です』 ピッ
「そんなこたあどうでもいいッ! お前の情報どうりなら『ダーククリッパー』の一撃はブレードナイトを粉砕する威力のはずだ! 違うかッ!」 バン!
『もちろん、「ダーククリッパー」に十分な魔力が備わっていたら、相手の防御フォトンフィールドが通常のものであるならばの話です』 ピッ
「なッ⁉︎」
『井伊直政中佐、私があなたをマスターと呼ばないわけが分かりましたか?』 ピッ
「ク……」 ギュウッ
『直政中佐、あなたの操縦技術は最高レベルの域に達しています。 この偽世界のライナーでは余程の相手でない限りあなたには勝てないでしょう』 ピッ
「なら、なぜ俺の…」
『ですが、今目の前で対峙している相手、あのブレードナイトは別です。 無人で動くあの試作次期主力艦上戦闘機「REPPUU 22型 G008」の保有魔力量は絶大、その膨大な魔力はあなたの魔力を遥かに上回り、貴方の保有魔力量でのダーククリッパーでは「REPPUU」のフォトンフィールドを貫けません。 そのため攻撃は弾かれ、カタログテーター程の威力を十分に発揮できていないのです』 ピッ
「俺の… 魔力が… 足りないか… だがなぜだッ⁉︎ なぜ試作機の、ライナー不在のあの機体になぜあのような膨大な魔力があるッ⁉︎」 ギュウッ!
『直政中佐…』 ピッ
「本来、ブレードナイトの性能は、それに塔乗して操縦するライナーの能力、保有魔力の量によって大きく左右されるはずだ! それがライナー不在の機体になぜ、この俺よりも魔力を保有し優れているッ⁉︎ 何か知っているなら答えろツルギッ!」 バッ
ピコ
『直政中佐……(今の直政中佐の操縦技術と魔力量なら、確かにほぼ敵なしでしょう。 しかし、あの試作次期主力艦上戦闘機「REPPUU 22型」はまた別… それを操る者がアニス様の強敵である、大いなる存在が相手… ですが直政中佐にそれを伝えるには時期尚早、 もっと力を…)ん?』 ピッ
ガシュン! ガシュン! ガシュン! ヴン!
ビイーーッ! ビコビコ!
『直政中佐準備を! まだ終わっていませんッ! 敵機が接近! 来ます!』 ピッ
ビイビイビイッ! ビコビコ! ピッ!
「うッ! しまった! ライトニングセイバーが!」 ギュ!
操縦席にある全周囲モニターの正面に、再び立ち上がり、こちらに向かって歩いてくるブレードナイト「REPPUU 22型 G008」の姿が映し出されていた。 井伊直政中佐は、それに対応しようとブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」を戦闘体制に構えたが、接近戦装備のフォトンソード、ライトニングセイバーを投げつけたまま未装備でいたため、応戦用装備がなく慌てた。
ガシュン ガシュン ガシュン ブオンッ!
『やってくれたな人間ッ! よくもこの私に屈辱的な一撃をッ! 許さんぞ貴様ッ! 消し飛ばしてくれるッ!』 ピッ ブブンッ!
ガシュン ガシュン ガシュン!
「ちくしょう、どうすれば…」 グッ
ピコ
『ロックオンされました。 直政中佐、来ますッ!』 ピッ
シュバアアーーーッ! ビイイン! ジャキン! ガシュンン! ヴオンッ! ピピピピ ビコ!
『これでも喰らうがいいッ! 人間ッ!』 カチ!
ブオオオオオオオーーッ! シュババババババババッ!
『敵機発砲! 弾種は200mmフォトン徹甲弾ッ! 直撃しますッ! 直政中佐、防御をッ!』 ピッ
「んなこたあわかってるってツルギッ! 避けるしかッ! このおおッ!」 ピピ グイイッ!
シュババババアアーーッ! ピイピイピイッ!
「くッ! だめかあッ!」 ギュウウッ!
ピコ
『まったく… 全面防御ッ! リフレクターシールド発動展開ッ!』 ピッ
ブオン! ジャキン! ヴイイインンンーッ! ドガガガガガガッ! ガインッ! パパアアン!
『むうう… あれはリフレクターシールド、徹甲弾全弾弾くとは厄介なものを…』 ググ…
創造神ジオスの操るブレードナイト「REPPUU 22型 G008」から打ち出された200mmインパクトカノンのフォトン徹甲弾を、井伊直政中佐のブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」は、前面にリフレクターシールドを展開してその全てを弾き防いだ。
シュウウウウ…… ピ ピ ピ ガッシュン!
「はあはあ… すまんツルギ、助かったぜ!」 ギュ!
ピコ ピコ ピコ
『直政中佐、私はライナー支援啓発システム、これくらいは当然です』 ピッ
「ふ、そうだな…… てか、あの野郎… こっちが撃てねえからって容赦ねえな、ライトニングセイバーでの一騎打ちじゃなかったのかッ⁉︎ おい!」 ギン!
『ククク… 容赦か…… 戦場で容赦もなにも無いだろうに、一騎打ちだと? 誰がそんな約束をした人間ッ!』 ヴオン!
ブワッ! ズバアアアアアーーッ! ビュオオオオオオーーーッ!
創造神ジオスの「REPPUU 22型 G008」は、井伊直政中佐の「SHIDENKAI 33型D ツルギ」に対して、その濃密で膨大、圧倒的な威圧力の高い魔力を放ち浴びせた。
「なッ なんだこの魔力と威圧感はッ⁉︎ 」 バッ! ビリビリッ!
ピコ
『敵機から膨大な魔力が解放されています。 シールド出力を最大にし防御します』 ピッ
バババババアアアーーッ! ドオオオオオオーーーッ! ビシ! パリ!
「グウウッ! こ、こんなッ!」 ガクガク ガクン!
ピコ
『リフレクターシールドの限界値を超えています! 直政中佐ッ注意をッ!』 ピッ
「うおおおお…… こ、こんな…」 グググ…
『ククク、見たかッ! 貴様たち人間がどう足掻こうと、神であるこの私には遠く及ばないのだッ!』 ニイイッ!
ズズズズズッ ビシッ ビリビリッ!
『直政中佐!』 ピッ
「ツ… ツルギ… うう… こ… このッ!」 ググッ ビリビリ…
『どうだ理解したか、愚かな人間よ? 我が魔力の前にひれ伏すがいい!』 ピッ ガシュン ガシュン ガシュン
ピピピ ビコ!
『敵機さらに接近! 直政中佐! 迎撃体制を! 直政中佐ッ!』 ピッ
「ううう… くそ… わ、わかって… いるが体が…」 ガタガタ グッ ビリビリ…
『はっははははは! どうした人間よ? さっさと動かぬか! いや、動くことはかなうまい… 人間、貴様の魔力は我が魔力によって封じた! どうだ? 身体が思うように動けぬのだろ? これがシナリオ通りなら、貴様と言う人間が存在したと言うシナリオはここまでと言う事だッ! 潔く、この偽世界「アーク」から退場し消え失せるがいい!』 ニイ ピッ
「ち… ちくしょう… このまま… 消え… かッ!」 ギュ… ビリビリビリ!
ピ ピ ブウウウンン ピコ!
『ライナーの、これ以上の戦闘継続は不可能と確認、操縦系統の切り替えを開始、機体自律思考動作モードへ移行、ライナーの生存を最優先に… オービタルマニューバリングシステム起動、各アポジモーターを高速機動設定に、サーバントへシンクロ開始、自己防衛格闘戦モードに入ります』 ピッ
「なッ⁉︎ ツ…ツルギッ! お前なにをッ⁉︎…」 ググ… ビリビリ… ビリ…
ビコ! ビコビコ! ピピピ タタタタ ピコ! ビュヒュウウウウンンンッ! バアアアッ!
『むッ! なんだあの機体は? 中の人間は私の魔力に抑えられ動けないはず、それなのになぜあの機体から魔力が溢れ出る? どこにそんな魔力があると言うのだッ⁉︎』 ブン!
ピ ピ ピ ヴオンッ! ガシュン! シュウウウ……
『直政中佐、これより私、ツルギは貴方を全力で保護します。 緊急リザーバーを解放、魔力を急速補填、敵機に対し攻撃準備…(サーバント1号2号3号同調を確認・シンクロ率54%)』 ピポ!
「ツ… ツルギ…」 ビリビリビリ…
『直政中佐、今の貴方では魔力、体力共にここまでが限界、これ以上は生命活動が停止、死に至ります。 あとは私が… 少し休んでいなさい(サーバント1号2号3号・シンクロ率77%)』 ピッ
『ほう… 人間を、主人を守るか… 何者だ貴様、魔力を自己補填するなど、ただの戦闘機械人形ではないなッ⁉︎』 ガシュン!
『「REPPUU 22型 G008」に警告、私はヤマト皇国国防軍、ブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」、これ以降は アニス様の名の下に、全力で私が貴方の相手をします。 ご注意を…(サーバント1号2号3号・シンクロ率94% 起動開始)』 ピッ
ブブン… ヒュイイイイイイインンンッ ピ ピ ピ タタタタ ビコ!
『ククク、 注意だと? やはりアニス由来の機体であったか… だが、たかが支援啓発システムの分際で、ライナーである人間が動けぬ状態だと言うのになにができる! 人間共々破壊消滅してくれるわっ!』 ヴオン!
ガシュンッ! ザッ ジャキン!
『全面防御、リフレクターシルールド展開!(サーバント1号2号3号・シンクロ率100% 各機起動開始、攻撃オブジェクト選出)』 ピッ
シュバアアアーーー ブウウン!
『またリフレクターシールドか、だが今度は徹甲弾ではないぞ、さらに破壊力のある炸裂弾だ! シールドごと吹き飛ばしてやるッ!』 ピッ
ピポ
『準備完了、では… 「全機攻撃開始!」』 ヴオンッ! ピッ
グバアアアアッ ガシュンガシュンガシュンッ! ジャキン! ビコ!
『なッ⁉︎ なにいいいいッ!』 ビコ! バッ!
ブオオオオオオオオーーーッッ! シュバッバババババッバッバッーー!
突如、ブレードナイト「REPPUU 22型 G008」に向けて、真横から200mmフォトン炸裂弾と、77mmフォトン機銃弾の攻撃がはじまった。 それは、英雄の3人達が乗っていた機体。 正規空母「ヒリュウ」甲板上の隅で着座姿勢のまま機能停止して待機中だったはずの修練機、ブレードナイト「ZERO 11型J」の3機だった。
無人の操縦席内に電源が入り、「SHIDENKAI 33型D ツルギ」の命令が下ると同時に立ち上がり、現在使用可能な攻撃手段で一斉に、創造神ジオスが操るブレードナイト「REPPUU 22型 G008」に向けて攻撃を始めた。
ババババッババババババーーーッ! ガンガンガンッ! ビシビシ! バシッ! キキンッ!
『うおおおおおッ! (こ、これがヤツの能力かッ! 小賢しい真似をッ!)』 ガシュン! ババッ ピッ
アニスによって生まれ変わった「SHIDENKAI 33型D ツルギ」には、高速戦闘機能の他に、自機の近場に存在するブレードナイトを意のままに操作する機能が備わっていた。(ただし、無人であることと起動と兵器システムが使用操作できる状態の物に限る)だが、3機の攻撃はその殆どが最新鋭の装甲と、創造神ジオスの膨大な魔力のフォトンシールドによって防がれていった。 そして…
バババババッ! ガンガンッ! チュイインッ! バシバシ!
『ぬうう、おのれ鬱陶しいッ! 邪魔をするなああーーッ!』 ヴオンッ! ジャキン!
ブオオオオオオオオーーーッ! バババババーーーッ! ドドドドドドドッ!
創造神ジオスは、攻撃をしてきた修練機「ZERO 11型J」に向けて攻撃を始めた。
ビシビシッ! バキイッ! ドオオオン! ドオオオンッ!
一瞬で、2機の修練機、「ZERO11型J」が破壊され爆発四散して消えていった。
『ふん、修練機ごとき旧式機がッ!』 ピッ
ビイビイビイビイッ!
『ぬ? しまったあーッ!』 バッ
シュババアアアアーーッ! ヴオンッ! ジャキンッ!
ピコ
『「REPPUU」、貴方に学習機能はついていますか? 先程と同じ手ですよ?(まあ、少しアレンジをしていますがね)』 ピッ
ダダダダダッ! グバアアアッ!
『おのれ「SHIDENKAIーッ!」 このおおッ!』 ブワアアンンッ! ガシュン!
『遅いッ! ダーククリッパーーッ!』 ヴオン! ビュンッ! ドオオオオンンンーーッ!
ピイピイピイッ! ビイーーッ!
『うおおおおッ! ば、馬鹿なッ! 装甲がッ!』 ピッ べキイイインンッ! バキ
ビュンッ! ダンダンッ! ザザザザアアアーーッ ガシュン!
ピコ
『フォトンリアクターを破壊しました。「REPPUU」、貴方はもうここで終わりです』 ピッ ヴオン!
『クッ! おのれッ「SHIDENKAIーッ!」』 バチバチバチッ! シュバッ! シュウウウウ…
創造神ジオスの操る「REPPUU 22型 G008」の腹部には、「SHIDENKAI 33型D ツルギ」による攻撃で損傷し、大穴が空き、ブレードナイトの重要部分のフォトンリアクターが完全に破壊されていた。 だが、「REPPUU 22型 G008」は次の瞬間、その破壊されたフォトンリアクターのみならず、大穴の空いた装甲が元の状態になっていった。
ピコ
『瞬間修復機能ッ⁉︎ さすがにこれは驚きですね。 これは…』 ピッ
ガシュウウンン…… ピッ ピッ ピッ
『ククク… どうした? 何度でも攻撃するがいい、結果は同じだがな』 ニヤ… シュウウウ… ヴオン!
『仕方がないですね』 ピッ
ピコ ビイイーーッ! ビイイーーッ! ビイイーーッ!
創造神ジオスのブレードナイトが瞬時にして心象を修復する様子を見て、井伊直政中佐が乗るブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」の操縦席内にある全周囲モニターが赤く明滅し始めた。
「うう… な、なんだ? ツルギ… なにが…」 ググ…
『緊急射出機能発動、ライナーは射出体制を! 射出時の衝撃に備えて下さい。 繰り返します。 緊急…』 ビイイーーッ! ビイイーーッ!
「なッ! 射出だとッ⁉︎ ツルギッ! おまえッ!」 ダン!
『直政中佐、今から私は魔力制御リミッターを解除して、「REPPUU 22型 G008」を攻撃致します。 直政中佐の生命の安全が確保できないとなった今、貴方を当機より射出します。 「REPPUU 22型 G008」は責任を持って私が撃破いたします。 撃破した後に、私が認めるほどの保有魔力を増大することが出来れば、貴方をマスターと認めましょう』 ピッ
ビイイーーッ! ビイイーーッ!
「やめろ! 俺は降りる気はないぞ!」 カチャカチャ ピピ
『ライナーの射出カウントを開始、10…9…8…』 ピッ
「やめろと言ってるだろおッ!」 ドオオンッ! ビキイッ! パラパラパラ…
井伊直政中佐は、操縦席内の全周囲モニター正面に表示されるカウントダウンの数字を、魔力を込めた拳で殴りつけた。 すると、その表示画面に無数のヒビが入り、画面が乱れカウントダウンが停止した。
『5…5…5…5… 射出シーケンスを停止… します』 ビビビ… ビビビイーー… ジジ…ジジジ…
ピポ
『直政中佐、本気ですか? 相手は何度でも損傷を自己修理できる瞬間修復機能を持った未知の機体、なにが起きるか分かりませんよ? よろしいのですか?』 ピッ
「俺をみくびるんじゃねえよツルギ! 俺はおまえのマスターだッ! この程度のことでお前を… 愛機を見捨てて生き残るような軟弱なライナーなんかじゃねえッ!」 ダンッ!
『直政中佐…』 ピッ
「未知の機体だあ? 上等じゃねえか、ツルギ、おまえだって俺にとっては未知の機体なんだ、同じ未知の機体同士、やってやろうじゃねえか!」 ニイッ
『分かりました… では直政中佐、覚悟はいいですね? 十分に注意を! リミッター解除ッ! 行きますッ!』 ヴオンッ!
「おうッ! 俺に考えがある! まかせろ!」 ギュッ!
『了解ッ!』 ピッ
ヒイイイイインンッ! バウウウウウウウウーーーッ! シュバアアアアアーーーッ!
・
・
ヒュウウウ… ドオン… ドオン… バババアア…
「ん、ツルギはすごいねえ、あんな事が出来たんだ」 ふむ… ファサファサ
「そうですねえ… ライナーの乗っていない待機中で動けないブレードナイトを自分の分身の様に動かせる、アレは戦場ではかなり驚異的な能力ですね」 う〜ん
「ああ、確かにな… たった 一機で一個小隊の動きが出来るんだ、あれは敵に回すと厄介だな」 ジイイ…
「ん、私も見てビックリだよ」 あはは…
「え? アニスちゃんがそうなる様にしたんじゃないの?」
「ん? 私は知らないよ」 フリフリ
「「「 わああ…(この人、無自覚で途方も無い能力を勝手につけてるよ) 」」」
「ん? ジオスの機体… へええ、一瞬で壊れた所を治したんだ… やるじゃん」 ふ〜ん
「「「 瞬間修復機能ッ! 」」」 バババッ!
「瞬間修復機能かあ… ねえ、アランたちならどう? アレと戦って勝てる?」 ファサファサ…
「え? 俺ですか? そうですねえ… 5分かな、それだけあれば撃破できます!」 グッ!
「アランと同じく、僕もそうですね。 5分ほど頂ければ可能です!」 サッ
「5分も要らないわよアニスちゃん、私ならあんなの瞬殺よ瞬殺!」 ギュッ!
「あはは、ジェシカはすごいねえ… そうか、アランたちはみんな、一人でアレの撃破ができるんだね」 ニコ
「はい、できます。 みんな、アニスさんに鍛え上げられていますから」 二ッ
「「 うんうん 」」 コクン
「じゃあ、直政も鍛えたほうがいいね… ついでにみんなももう一回やろうか?」 ニコ ファサ
「「「 へッ? 」」」 ビク!
「ほら、アニちゃんの特訓用異空間! もっと魔力を高めて強くなれるよ?」 ニコニコ
「あ… あのッ! あのッ地獄の世界空間ッ!」 ガクガク ブルブル
「ぼ、僕は遠慮… したいな… 行くならアラン一人で… ね」 ははは…
「マイロオオオオーーッ! おまええッ!」 バッ
「ア、アニスちゃん… そ、そのう、私たち、もう限界なの! もうあの世界に耐えられないの! だからお願い!」 うるうる…
「ん! やろう! もう決定だね!」 ニコ グッ!
「「「 ぎゃああああッッ! 」」」 バタバタ
「ん、みんな頑張ろう!」 ニコニコ ファサ…
「「「 あああああ… もうだめだああ… 」」」 ガクン…
井伊直政中佐の「SHIDENKAI 33型D ツルギ」と創造神ジオスの操る「REPPUU 22型 G008」が戦っていた所から少し離れたの正規空母「ヒリュウ」の甲板上で、アニスと3人の英雄達は会話をしながら両者の戦いの様子を見ていた。
ドオオオンン…… バウウウウウウーーー…
「ううう… 仕方がないか… 特訓… 特訓かあ」 とほほ…
「ねえ、アレはどうするのアラン?」 ヒソヒソ
「うん? あ、ああ… どうするも何も、もう全部諦めたよ。 俺、レオン隊長にもこっ酷く怒られるんだよなあ… その後、アニスさんからの特訓…」 うう…
「仕方がありませんよアラン、あの様な能力を持ったブレードナイトが誕生するなんて、誰にも分かりません。 その時は僕も一緒に怒られてあげます」 ニコ
「マイロ! お前、優しんだな! さすが俺の大親友だ!」 ガバ!
「なによ! アラン、私は親友じゃないのッ⁉︎」 プン! バッ
「わあッ だ、だって… 一番最初に逃げたのはジェシカじゃないか…」 ボソ…
「し、仕方がないじゃない! 私、レオン隊長に怒られたくないもんッ!」 サッ!
「あははは! ジェシカ、それは僕も同感だね。 仕方がない」 はは…
「でしょッ! ほら〜」 バッ
「マイロ〜」 うう…
「はいはい、大丈夫ですよアラン… でも、アニスさんのあの能力、一体なんなんでしょうねえ… さっぱり理解できないですね」 う〜ん
「そうねえ… レオン隊長の『アウディ』でしょ、次に私たちの『リーザ』、『サニー』それと『レパート』、あと、ゼルファ神帝国の『ジェシー』、そしてヤマト皇国の『ツルギ』、アニスちゃんが関わったブレードナイトはどれも規格外の機体、しかもその全てが自分の意思、自我を持つ、超高性能最強ブレードナイトに生まれ変わっているわ」 ふうう…
「そうなんですよ、この世界のどこの国も開発ができていない『自我を持った』ブレードナイト、しかも戦闘をするたびに経験を積み学習し、それを応用してさらに強く成長していく。 いつの間にか特殊能力も会得するし、どうやったらそうなるのか分かりません」 フリフリ
「ああ、俺の『リーザ』なんか、実家から『アランよ、我がウィルソン家の家宝にするから「リーザ」を引き渡せ! お前には代わりの新型機をくれてやる!』なんて、ウィルソン家当主である父から手紙が来たんだぜ? どう思うこれ?」 ハア〜
「渡すの?」
「冗談! だいたい『リーザ』が納得しないさ! そんなことをして見ろ! その場で新型機を見た瞬間に『リーザ』に撃破されちゃうよ!」 バッ
「「 わああ…… 彼女なら 多分そうなるね! 」」 うんうん
マイロとジェシカは、アランの実家敷地内周辺が戦場のようになり、そこに用意された新型機が蜂の巣のように撃たれ破壊され、最後には「リーザ」の手により、対ブレードナイト用フォトンソード、ライトニングセイバーで切り裂かれて、ただの鉄屑に変貌して炎の中に焼かれていく様子が脳裏に浮かんだ。
「だいたい、アニスさんからいただいた大切な機体を手放すわけがないじゃないか! 僕が『リーザ』の専属ライナーだってのは軍、並びに国に登録済みなんだし、父上や兄達はなにを考えているかわからん!」 ギュ!
「そうよねえ… ブレードナイトは国から定められた個人の所有物、持ち主のライナーが引退、もしくはなんらかの理由、戦死や病死、事故死、機体が大破損傷し使用不能など、その所有権が消えない限り、変更はできないわ!」 サッ
「君たちの本家からは何も言ってこなかったのか?」
「「 ないね(わ) 」」 フリフリ
「俺の家だけかよ… ん?」 ガクン
ドオオオンンッ! バキバキバキイイッ! シュババババアアーーッ!
「あれは、井伊隊長のブレードナイト… なんだ? なんか動きが変わった?」 サッ
「ええアラン、先程よりも急に井伊隊長のブレードナイトの動きが変わりました。 あの動きは…… すごいですね、相手の攻撃が一撃も入っていません」 サッ
創造神ジオスの操るブレードナイト「REPPUU 22型 G008」は、対ブレードナイト用フォトンソード、ライトニングセイバーで何度も切りつけたり、200mmインパクトカノンを照準に入るたびに撃ち込んでいた。 だが、井伊直政中佐が乗るブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」は、その全てを紙一重で躱していった。
シュババババッ! ビュンビュン! ザザアアーーーッ! シュバアアアーーッ!
「確かにそうね、全ての攻撃を寸前で躱してるわ。 あれは、何か制限でも解除したのかしら? 動きが別物よ、まるでダンスを踊っているみたい…」 ジイイ…
「はああ…」 フリフリ
「どうしたのアラン?」
「うん? ああ、この後にアニスさんからの特訓があると思うとねえ…」 はああ…
「「 あああ……特訓… 」」 はは……
・
・
ヴオン! チャキ! ブオオオオオーーッ! シュバババババッ!
『クッ! なぜだッ! なぜ私の攻撃が当たらぬッ⁉︎ 』 ピッ グイグイッ ピピピ カチ
ブンッ ブブンッ! ジャキンッ! ブオオオオオオオーーーッ! シュババババッ!
創造神ジオスは、「REPPUU 22型 G008」の200mmインパクトカノンの弾倉が、空になるまで撃ち続けた。 空になった弾倉はすぐさま予備弾倉に取り替えられ、そのまま再び「SHIDENKAI 33型D ツルギ」が照準に収まり次第撃ち続けた。
『くそ! くそ! くそおおッ!』 ピッ
ブオオオオオオオオーーーッ! シュバッババババババッ! シュンシュンシュンッ!
ピコ
『「REPPUU 22型 G008」、貴方の攻撃は余りにも稚拙、気付いてますか? 毎回3フレーズ目でその弱点が露わになる。 直政中佐、敵機の弱点を教えます。 行動をッ! これより更に高速機動による激しい動きを行いますが、注意して下さい。 ただ、アニス様をお守りするのにはこの程度は最低限必要な高速機動です』 ピッ
「あ… ああ、分かったッ! やってみるか…」 グッ グイッ!
『全力加速ッ!』 ピッ
ヒイイイイインンッ! バウウウウウーーーッ! シュバアアアアアーーーッ!
『ぬッ! 馬鹿めッ! 「SHIDENKAIッ!」貴様も学習してないではないかッ!』 ピッ
ピイピイピイッ! ビコ! ビコビコ!
『「REPPUU」、私を貴方と一緒にしないで頂きたい!』 ピッ
『ふん、ならば人間共々喰らうがいいッ! TSマイン全弾投射ッ!』 ピッ
シュバ シュバ シュババババッ! ピコ ピコ ピコ
ブレードナイト「REPPUU 22型 G008」は、搭載していた12基のTSマインを、突進してくる「SHIDENKAI 33型D ツルギ」の突入進路前面に全弾を投射した。
ピッ
『迎撃ッ!』 ピピピピピ! ビコ! ピッ!
シュバアアアアアーーーッ! バババババババッ! キンキンッ! ビシッ!
ドオオオオンンッ! ドガアアアンンッ! バアアアアーーーッ!
「SHIDENKAI 33型D ツルギ』は、左腕に固定内蔵されている補助装備、77mmフォトン機銃を使って、「REPPUU 22型 G008」が投射したTSマインを、進路上に存在する物のみ破壊し、その爆炎の中へと突っ込んでいった。
『ククク! 馬鹿め! そこだああ! 全弾一斉射撃いいッ!』 ヴオン カチ
ガシュン! ジャキ! ブオオオオオオオオーーッ! シュバババババッ! ダダダダダッ!
創造神ジオスの操るブレードナイト「REPPUU 22型 G008」は、主兵装の200mmインパクトカノンのフォトン炸裂弾と77mmフォトン機銃、そして対ブレードナイト用噴進弾6発を一斉に発射、TSマインの爆炎の中にいる井伊直政中佐のブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」に向かって総攻撃を開始した。
ドゴオオオオンンーーッ! バアアアアーーッ! メラメラメラ モクモク…
『ここまでか?「SHIDENKAI」』 フフフ… シュウウウ… ピ ピ ピ
モクモクモク… ピコ
『まだだッ!「REPPUUッ!」』 ブオン! シュバッ! グバアアッ! ギュン!
『ぬううッ! 往生際の悪い奴め! 消え失せろおおッ!「SHIDENKAIーッ!」』 ジャキッ!
ブオオオオオオオオオオーーーッ! シュババババババババッ!
『ダーククリッパーッ!』 ビュンッ!
ドゴオオオオオンンンッ! バキイイッ! ザザザアアアーーーッ!
『うおおッ! この! 無駄だと言ったであろうがあああッ!』 クルッ!
ジャキン! ピッ! ガシュン! ビコ!
『なッ⁉︎ 何いいいッ!』 ヴオン! ピッ
『まだだと言ったのです「REPPUU」、人間を… 私のマスターを舐めないでいただきたい』 ピッ
激しい接近戦の中、すれ違い様に再びダーククリッパーをその腹部に受けた「REPPUU 22型 G008」、その横を高速ですり抜けた「SHIDENKAI 33型D ツルギ」の方に機体を向けた時、そこには操縦席ハッチを開いたままの状態で立っている「SHIDENKAI 33型D ツルギ」の姿があった。
『操縦席ハッチが… なぜ? 人間はどこにッ⁉︎』 ピッ キョロキョロ
「ここだぜ『REPPUU』、これで本当に終わりだ!」 ニイイッ カチャ
ビシュウウウウーーッ! ブブウウウン! ジジジジ ジジ
『おのれええッ! 人間がああああッ!』 ヴオン!
創造神ジオスの操るブレードナイト「REPPUU 22型 G008」の頭部首筋のあたりに、ライナーの証である、ライトニングセイバーを起動して立っている、井伊直政中佐の姿がそこにあった。
「ツルギから聞いたぜ… 『REPPUU』、お前の弱点、急所が首筋内だってな」 ニイイッ!
『くそおおおッ! やめろおおおッ!』 グワアッ! ブウン! ブウン!
「今度こそ王手だッ! くたばれええッ!」 ブオン! ビュバアアッ!
ドオオオーーッ! バチバチバチ! ビバババッ! ビキイイイッ! ドオオオンンンッ!
『グワアアアッ! おのれ、こ、ここまできて…』 ジジジ バリバリ ビビ…
グバアアッ ドゴオオオオオンンンッ! グワシャアアアアンンッ! ドドドオオオオオ……
創造神ジオスの操るブレードナイト「REPPUU 22型 G008」は、首筋裏にある急所、創造神ジオスが宿っていた擬似制御コアをライトニングセイバーで破壊され、ブレードナイト「REPPUU 22型 G008」はコントロールを失い、力無く正規空母「ヒリュウ」の甲板上に倒れ、破片を四方に飛ばしながら爆散し炎上していった。
シュバッ! ダン! ザッ ブウウンン シュウウウウ パチ! カチャ
「ふうう、やったぜ! どうだツルギ!」 グッ
『お見事ですマイマスター』 ピッ
「おッ! やっと俺を認めてくれたんだな!」 グッ
『なんのことですか? 直政中佐』 ピッ
「今、俺をマスターって呼んだろッ⁉︎」
『いいえ、気のせいです。 呼んでません』 ピッ
「いいや呼んだ! 絶対呼んだ!」 バッ
『呼んでません!』 ピッ
「呼んだ!」
『呼んでない!』 ピッ
「呼んだ!」
『呼ぶわけがない!』 ピッ
「なんだその言い草は!」 バッ
ワーワー ピ ピッ! ギャーギャー ピッ ピ…
破壊され炎上している創造神ジオスが操っていたブレードナイト「REPPUU 22型 G008」の前で、井伊直政中佐とブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」の押し問答が送り返されていた…
・
・
ー偽世界「アーク」某所異空間ー
ピコ ピコ
シュバッ! ザッ フラフラ ドサ…
「はあはあはあ… おのれえ、人間風情があッ! この私にあのような真似を! 絶対に、絶対に許さんぞおおッ!」 ダンッ!
正規空母「ヒリュウ」の甲板上で撃破された創造神ジオスは、かろうじてここ偽世界「アーク」の某所、異空間内へと逃げ延びていた。
『 ミッドガルド!』 バサ!
ビイイーー ビイイーー
『はい我が主人、創造神ジオス様』 ピッ
「進捗状況はどうなった!」 バッ!
『はい、転移門発動まで後1分を切りました。 発動、カウントダウンを開始します。 ご準備を!』 ピッ
「うむ、それではシナリオNo.2012のフィナーレだ! 転移門準備!」 サッ ニヤ
『55…54…53…52…』 ピッ ピッ
「ふふふふ、いよいよだ! アニスーッ!」 バサッ!
ー伊豆諸島上空ー
ゴゴゴゴゴ ズワアアアアーーー ピシイッ ゴロゴロゴロ
アニス達がいるヤマト皇国国防軍 第一機動艦隊と反乱軍艦隊との戦場になっている伊豆諸島海域、その遥か上空、そこに存在する大きな渦を巻く黒雲の中に巨大な穴が開き始めた。
ドオオオオオオオオオオオオオンンンンンン ゴゴゴゴゴゴ……
いつも読んでいただきありがとうございます。
次回もでき次第投稿します。