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第308話 「ツルギ」

ー伊豆諸島 第一機動艦隊上空ー


ピピピ ブオン! バウウウウウウーーーッ! ゴオオオーーッ!


ピピピピ ビコ!


「そこだッ!」 グイッ! カチ!


ブオオオオオーーーッ! シュババババババッ!


ヤマト皇国国防軍 第一機動艦隊旗艦、正規空母「ヒリュウ」前部甲板上でアニス達が騒いでいた頃、第一機動艦隊2番艦の正規空母「アカギ」に所属している加藤「HAYABUSA」高速戦闘隊は、第一機動艦隊上空で、さらにその遙か上空の黒雲より現れた反乱軍艦隊の護衛艦載機と激しい空中戦を行っていた。


ヒイイイイイインンッ! シュババババアアーーッ! ビュンビュンビュンッ!


「なッ⁉︎ こいつら急に動きがッ!」 ギュッ! グイイッ!


シュバアアーーーッ! ビュンビュン! ブインッ! ドオオオオーーーッ!


「くそッ 抜かれたッ! 隊長すみません! 敵機が3機! 旗艦「ヒリュウ」に向かって急降下ッ!」 グイッ!


「ちッ! 佐藤曹長! なんとしても奴らを追えッ! 『ヒリュウ』には絶対に近づけさせるな!」 ピッ!


「了解ッ!」 グイイッ! 


ブオン! バウウウウウーーーッ!


「くそッ!(どう言うことだ? 反乱軍やつらの動きが急激に変わったぞ? 何が起きた?) K001ッ! 艦隊はッ 戦況は現在どうなっているッ⁉︎」 グイ グイッ! ピピピ ビコビコ!


ギュンギュンッ! シュバアアッ! ギュウウウウウンンッ! ゴオオオオーーッ!


加藤建夫大尉は、反乱軍ブレードナイト「ZERO 22型 RAG」と激しい空中戦を行いながら、緊急隊内極超短波通信で友軍機に指示を出しながら戦闘空域の状況を、愛機の「HAYABUSA 11型 K001」に問い合わせた。


ポン


『はいマスター、状況報告。 現在、上空の異常気象により膨大な魔素とエーテル乱流が原因の通信障害は継続中、敵反乱軍艦隊は第一機動艦隊に向け降下を続行、それに対し第一機動艦隊は高速で回避行動を開始、旗艦正規空母「ヒリュウ」、2番艦の正規空母「アカギ」共に最大戦速で現空域からの離脱を開始しました』 ピッ


「いいぞ、空母の足なら駆逐艦や軽巡はともかく、重巡からは逃げ切れる!」 グイ!


『友軍機は3機が戦闘継続不能で戦闘空域を離脱。 我が隊は現在、本機を含めて7機になりました』 ピッ


シュババババッ! ギュウウウウウウンンン ゴオオオオーーー


「俺を含めて7機か、離脱した3機は無事なのか?」 グイ グイッ!


『はい、1番隊2番機 山田准尉がエーテルと自身の魔力切れで離脱、2番隊3番機 上田曹長、3番隊3番機 三浦曹長ともに機体に被弾 被弾した2機はこれ以上の戦闘継続は不能と判断し戦闘空域を離脱しています』 ピッ


「仕方ねえか、戦力比が3対1もあるからな! しかも… また増えてやがる…」 ピピピ ビコ!


元々、迎撃に緊急発艦した加藤建夫大尉の高速戦闘隊は10機、それに対して反乱軍艦隊艦の護衛艦載機は30機以上、さらに反乱軍艦隊旗艦、重巡航艦「ナチ」からはいまだに数機が発艦していた。


ビイーーッ!


ポン


『警告ッ! マスター! 左舷後方より敵機! 急速接近中ッ!』 ピッ


「おう! 全く息つく暇もねえなッ おいッ!」 グイイッ! ギュッ!


ブオン! バウウウウウウーーーッ! シュバアアアアーーーッ!


チャキ シュドドドドドドドッドッ! バババババババッ!


『敵機発砲!』 ピピッ!


「当たるかああッ!」 グイッグイッ! ギュウウ! カチカチカチ ピピ!


ジャキン! ピコ! 


「そこだああッ!」 カチ!


ブオオオオオオオオーーーッ! シュババババババッ!


加藤大尉は、死角より接近して攻撃してきた反乱軍ブレードナイト「ZERO 22型 RAG」に対し、大尉の機体ブレードナイト「HAYABUSA 11型 K001」を巧みに操縦して、襲い来る200mmインパクトカノン炸裂弾を全て躱していった。 そんな最中、加藤大尉は武器セレクトスイッチで主兵装の127mmリヴォルヴァーカノンを素早い指の動きで押して選択し、操縦席前の照準に敵機をとらえた瞬間引き金を引いた。


バババッババババッ! ビュンビュンッ!


『ビビッ⁉︎ ギイイッ!』 バババッ! ドカドカッ! ビシイッ! ドオオオオオオオンンッ!


ブレードナイト「HAYABUSA 11型 KI-43III」の主兵装は、ガトリング式127mmリヴォルヴァーカノン『97式MG213』、その銃口からは毎秒120発ものフォトン徹甲弾が撃ち出され、反乱軍ブレードナイト「ZERO 22型 RAG」の機体を容易に穴だらけにした瞬間、機体は一瞬で火を吹き出して爆散していった。


ピポ


『マスター、敵機撃墜!』 ピッ


「まだだあッ! もう一機ッ!」 グイッ! カチ!


ブオオオオオオオオーーーッ!  シュババババババッ!


『ビッ!』 ギュウウウンンッ! バウウウウーーーッ!


加藤大尉の機体にもう一機の反乱軍ブレードナイト「ZERO 22型 RAG」が接近していた。 加藤大尉はすかさず照準を敵機に合わせ引き金を引いた。 がしかし、反乱軍ブレードナイトも素速く身を躱し、加藤大尉の銃撃を避けて回避行動に出た。


「躱したッ⁉︎ このッ! 逃すかあッ!」 ギュウッ! グイイッ! ピピピピッ!


バウウウウーーーッ! ヒイイイイイイイイーーーッ! ヴオン!


『ビビビッ⁉︎』 ギュワアアアーーッ!


ピピピピピ ビコッ!


「そこおッ!」 カチ!


ブオオオオオオオーーーーッ! シュババババババッ! ビシビシッ! ドカアッ!


『ギイッ! ビビビイーッ!』 ドオオオオオオオオオンンンッ! バラバラバラ…


ピポ


『マスター、2機目の撃墜を確認、撃破スコア7機です』 ピッ


「はあはあはあ… そ、そうか… 一回の空戦で7機は新記録… だな… はあはあ…」 グッ…


『マスター、大丈夫ですか?』 ピッ


「はあはあ… ふうう… ああ、大丈夫だ! しかし… くそッ また増えた…」 ジロ…


たった今2機を撃墜した加藤大尉の操縦席前のモニターの隅に、反乱軍艦隊旗艦、重巡航艦「ナチ」より、撃墜された数の機体が発艦するのが見えた。


「キリがねえな!」 グッ


『マスター、敵は常に32機の機体を護衛戦闘機として戦場に出しています。 これは32機が出撃数の限界なのではないのでしょうか?』 ピッ


「なんで32機なんだ? 重巡航艦の専属ライナーならまだ沢山いるはずだろ? 通常なら最低でも60名は乗艦して居るはずだ」 ピピ


『その件ですが…』 ピッ


「うん? どうしたK001?」


『はいマスター、敵機および敵艦隊にライナー、および艦艇乗組員は存在しません、全て無人操縦機、無人操縦艦です』 ピッ


「何いッ⁉︎ では何か? あれは全部ッ… あの艦艇やブレードナイトは全て 、誰一人も人が乗っていない無人自動操縦で動いている艦隊だと言うのかッ⁉︎」 バッ


『はいマスター、敵ブレードナイトおよび敵艦隊からは人の存在は確認できません。 完全自動の無人艦隊です』 ピッ


「くそ! ふざけやがって… だからか、呼びかけにも応じないはずだ…」 ギュッ!


『反乱軍艦隊は全て無人制御で動いています。 おそらくは要塞からの遠隔操作、もしくはそのようにプログラムされた人工知能によって動いているものと推測します』 ピッ


「遠隔か人工知能かか… お前と同じようなものかK001?」


ピポ


『私はライナー啓発支援システムです。 ライナーの支持や支援を行うことまでしかできません。 反乱軍艦隊のそれは独自の判断で動いているものと推測、私と人工知能とは仕様が別だと進言します』 ピッ


「そうか、そうだな… なるほど、どうりで射程内にも関わらず空母に砲撃しない、1000mの範囲内に入ると攻撃をしてくる、敵ブレードナイトの動きにライナー特有の個性がないのはその為か… あまり性能は良くなさそうだな… 」 ふむ…


『なお、5分ほど前に、反乱軍艦隊全域に対して未知の信号が送られたのを確認。 解析を試みましたが詳細は不明です』 ピッ


「5分前… (奴らの動きが変わったのとほぼ同時か… システムエラー? それとも何か指示を受けたのか?) ならばッ!」 グイイッ!


ヒイイイイイイインンンッッ! バウウウウウウウウーーーッ! ゴオオオオオオーーーッ!


『マスター?』 ピッ


「無人機相手なら容赦はいらないッ! K001、残弾数は?」 ギュッ!


『はいマスター、127mmリヴォルヴァーカノン『97式MG213』用フォトン徹甲弾、残弾2685発 対ブレードナイト用噴進弾 2発、左腕固定式77mmフォトン機関砲弾 16000発、右腕内蔵フォトンソード 1基 近接兵装TSマイン6発、以上です』 ピッ


「これならまだまだいけるな!」 ニヤ


『はい、あとはマスターの魔力次第です』 ピッ


「まかせろッ! 無人機を叩き落とす! 行くぞK001ッ!」 グイイッ! ピピピピ ビコ! ビコビコ!


『了解しましたマスター』 ピッ


シュバアアアアーーーーッ! ゴオオオオオオーーーッ!


加藤大尉のブレードナイト「HAYABUSA 11型 K001」は、遥か前方を編隊飛行している出撃したばかりの反乱軍艦載機、ブレードナイト「ZERO 22型 RAG」に向かって、スラスターを全開にして飛んでいった。

          ・

          ・

ー加藤「HAYABUSA」高速戦闘隊 1番隊3番 佐藤曹長機ー


ヒイイイイイイーーッ シュバアアアアーーーッ!


「く、くそおッ! 追いつけねえッ!」 ギュウ! ガタガタガタ ピ ピピ


ピコ


『マスター、敵機がアフターバーナーを点火加速中、正規空母「ヒリュウ」に向けて衝突コース!』 ピッ


「なッ⁉︎ 奴ら特攻だッ! K022ッ! 照準ッ!」 ピピ ガタガタ 


『マスター、加速による機体の振動が激しく照準ロックは不可能、さらに、目標との相対速度差と有効射程距離が離れすぎています。 射撃では効果ありません』 ピッ


「分かってる! 当たらなくとも奴らの降下速度とコースを変えられればいい!」 グッ ガタガタ ミシッ


シュバアアアアーーーッ ゴオオオオオーーーッ!


ビイビイビイビイ!


「なんだ!」 ガタガタガタガタ ピ ビコビコ!


『マスター、正規空母「ヒリュウ」より急降下中の敵機に向け急速上昇、接近する機体あり。 FISはグリーン、友軍機です。 射撃を中止してください』 ピッ


「友軍機だと⁉︎ 「ヒリュウ」から誰か迎撃に上がったのかッ⁉︎」 バッ ミシミシ ガタガタッ!


『友軍機、敵機に向け攻撃を開始!』 ピッ


キラ…


「なッ! は、速い… 白いブレードナイトだと? 誰だッ⁉︎」 ガタガタガタ ピピピ


高速で敵機を追う佐藤曹長のブレードナイト「HAYABUSA 11型 K022」、高速急降下で激しく振動する操縦席内にある正面メインモニターに、3機の敵機に向かって急上昇接近する、友軍機を示す緑の表示を示した白いブレードナイトが小さく映っていた。

          ・

          ・

バウウウウウーーーッ! シュバアアアアーーーッ! ヴオン!


ピピピピピピ ビコ! ビコビコ!


『Lst. レオン、急降下接近中の敵機を3機、その後方に友軍機を1機補足しました』 ピッ


「おう! アウディ、『イーグルスナイパー』だ! 奴らをアニスに近づけるな! すれ違いざまに一斉射! 一撃で落とす!」 カチカチカチ ピコ! グイイイ!


『Rog. 了解、イーグルスナイパー起動、レオン、友軍機には当てないように』 ピッ


「まかせろ!」 グイイッ!


ガシュン ジャキン! ヴオン! ギュワアアアアアーーーッ! ピピピピピ ピ! ビコ!


「落ちろおおおッ!」 カチ


ブオオオオオオオーーッ! シュバババババババババババッ! 


高速急降下中の3機の反乱軍ブレードナイトに急上昇接近していたのは、レオハルト中佐のブレードナイト「アウシュレッザ D型 FARアウディ」だった。 レオハルト中佐は、全周囲モニターの正面に映る3機を照準に捉えると即座に、アウディの主兵装、155mmアルファカノン「イーグルスナイパー」を連射モードで引き金を引いた。


バババババッババババッ! ビュンビュンビュンッ!


『ビッ!』 ガガガッ! ガンガンッ! ドンッ! ガクンッ! ビシビシイッ! ドオオオオオンン! ダアアアアン! バアアアーー!


あっという間に、3機の反乱軍ブレードナイトは穴だらけになり、その場で爆散や火を吹いて、眼下の海へと落ちていった。


ピッ


『Rog. レオン、3機撃墜を確認、相変わらずいい腕をしてますね』 ピッ


「うん? そうか? 半分はアウディ、おまえのおかげだろ? それよりも…… よし、友軍機に当たってねえな、次行くぞ!」 バッ


『Rog. 接近中の大型艦艇左舷280mに敵ブレードナイト2個小隊、6機を確認』 ピピ ピコ!


「ああ、見えてるぜアウディ、あいつらを叩くッ!」 グイイイッ!


『Rog. 了解!』 ピッ


ヒイイイイインンッ! バウウウウウウウーーーッ! シュバアアアアアーーー……


ピコ


『マスター、正規空母「ヒリュウ」より出撃の友軍機は敵機3機を撃墜、さらに加速急上昇して反乱軍重巡航艦「ナチ」に向かいました』 ピッ


「すげええ… うちの隊長より強いんじゃないのか?」 ジイイ ピ ピ ピ


加藤「HAYABUSA」高速戦闘隊 1番隊3番機の佐藤曹長は、敵機を3機、すれ違いざまに一撃で撃墜したあと、さらに急加速で反乱軍重巡航艦「ナチ」に向かって飛んでいく、レオハルト中佐の白い機体、「アウシュレッザ D型 FARアウディ」を見てつぶやいていた。

          ・

          ・

ー同時刻、第一機動艦隊旗艦 正規空母「ヒリュウ」ー


ビーー! ポン ビコビコ!


「急降下接近中の敵反乱軍ブレードナイト3機、撃墜を確認!」 ビコ!


「友軍機、レオハルト中佐のブレードナイト、敵艦隊に突入を開始します」 ピピ


「ふむ… アトランティア帝国のトップエースか…」 ジイイ…


ピピ ポンポンポン ビコ! ビイビイビイ!


「反乱軍艦隊 護衛のブレードナイトと共にさらに接近!」 バッ


「方位0000直上! 距離10800 ! マーク802、 速度36ノット、イエロー08/32 ブラボー、チャリーッ!」 ピコピコ


「現在、護衛群第1戦隊及び『アカギ』所属の加藤隊がこれに応戦中!」 ピピ


「クッ こちらの頭を抑える気だな、操舵手! 機関最大! 進路1203、コース0244、ピッチ角14 、マーク201 最大戦速で離脱しろ!」 バサッ!


「了解! 機関最大、進路1203 、コース0244修正! 艦傾斜ピッチ角14° 面舵一杯!」 タンタン ピコ グイッ!


バウウウウウウーーーーッ ゴゴゴゴゴ ゴウン ゴウン ゴウン


「通信士! 発光信号! 2番艦「アカギ」及び第2戦隊に信号!『我に続け』だッ!」 バッ


「はッ! 発光信号打ちます!」 カチカチ ピピ


ピピピピ  パ パパパパ パパ パパ


「急いでこの空域から離れるのだ… あの黒雲、まだ何かあるぞ」 ジイイ…



ー2番艦 正規空母「アカギ」ー


ビーー ビーー ビーー!


「艦隊上空に敵反乱軍艦隊! 護衛のブレードナイトと共に降下中!」 バッ ピピピ


「真上か! 加藤大尉の隊はどうした!」


「敵ブレードナイトと交戦中! 3機が脱落!」 ピコ ピコ


「やはり数が…」 グッ


ピポン!


「前方の旗艦『ヒリュウ』より発光信号! 『我に続け』以上です!」 バッ


「ふむ… 了解した、索敵員!『ヒリュウ』の動きをトレース!」


「はッ! 『ヒリュウ』転舵を開始、最大戦速です! 進路1203 コース0244 艦傾斜ピッチ角14° マーク201、伊豆諸島から離れるコースです」 ピコピコ!


「艦隊司令には何か思惑があるんだろう… 操舵手! 旗艦『ヒリュウ』に続け! 最大戦速だ!」 バサ!


「了解! 機関最大最戦速! 面舵転舵、進路1203 コース0244 艦傾斜ピッチ角14° マーク201!」 タンタン ピコ グイイッ!


バウウウウウウウーーーッ ゴゴゴゴゴゴ ゴウン ゴウン ゴウン


「敵機頂上に1機ッ! 急降下ッ!」 ビイビイビイ!


「各高射砲台! 接近中の敵機を落とせ! 主砲は反乱軍艦隊に向けて牽制射! 撃沈できなくとも接近を許すな! 時間を稼げ!」 バサ!


「はッ! 127mm連装フォトン高角砲及びPDS起動、自動射撃開始! 左舷舷側主砲、155mm単装フォトン砲は接近中の敵艦隊を捕捉次第順次砲撃を開始!」 カチカチ ピコピコ!


ウィイイイイン カシュン! ピ シュバババババッ! ドオン! ドオン!


「フッ 本艦と『ヒリュウ』は我が国きっての高速艦だ、軽巡や駆逐艦ならともかく、重巡の『ナチ』の速度では追いつけまい!」 二ッ!


ドンドンドンッ! ビュンビュンッ!


『ギギッ!』 シュバアーーッ!


ビシビシッ! ドオオオオオンンンッ! バラバラ…


「敵機撃墜ッ!」 ピピ ビコ!


「よしッ! このまま『ヒリュウ』に続け!」 バッ


「はッ! 『アカギ』、旗艦『ヒリュウ』に続きますッ!」 グイッ!


バウウウウウーーーッ! ゴウンゴウンゴウン ゴゴゴゴゴ…


第一機動艦隊の2隻の正規空母は、4隻の駆逐艦、護衛群第2戦隊と共に、反乱軍艦隊の突撃から避けるため、最大戦速で伊豆諸島 八丈島海域から離れ始めた。

          ・

          ・

ー同時刻、偽世界「アーク」某所 異空間内ー


ピ ピ ピ ブウウウン ブウウウン


ポン


『シナリオNo.2012、反乱軍無人艦隊はヤマト皇国機動部隊に向け降下攻撃中、ブレードナイトは予定数を維持』 ピッ


ピ ピ ピ ピコ ピコ


『父島要塞、準備完了、要塞近郊に大型の熱量を感知、ヤマト皇国国防軍総艦隊旗艦、超重巡航艦「ヤマト」と確認、要塞東部28000m海域上空にヤマト皇国国防軍 第一主力艦隊を確認』 ピッ


偽世界「アーク」のとある某所の異空間内で、創造神ジオスは巨大な情報パネルに映るシナリオNo.2012の進行状況を見つめていた。


「ククク、いくらでも寄ってくるが良い人間どもめ! しかし… やはり砲撃はせぬか、こちらからの指示が無人艦隊に全く実行されない… これも女神ダイアナの仕業だな、ここまでシナリオに介入していたか… いやユグドラシルの方か?」 むうう…


ピポ


『ジオス様、現在シナリオNo.2012は進捗状況は介入と、シナリオの変更と改竄、妨害が激しく、そのほとんどが当初のシナリオを大きく逸脱しています。 なお、外部からのシナリオ内容が書き換えられた形跡が数箇所見つかりました。 おそらく、女神ダイアナ様、もしくは偽世界統括システム「ユグドラシル」の攻撃とシナリオの書き換えの影響を受けたものと推測します』 ピッ


「むう、 おそらくそうだろうな。 残念だが、お前の分身を使ってユグドラシルに潜入させ、攻撃破壊を試みたのだが、いまだに向こうからの連絡がない… パスが繋がらんのだ。 潜入させたミッドガルドはもう諦めた方が良さそうだな」 バサ…


『申し訳ありません、ジオス様。 推測ですが、私の分身はユグドラシルによって既に消去された可能性が大きいかと存じます』 ピッ


「むう、仕方があるまい、いきなりだったからな」


『はい、ですが無人艦隊の制御だけは56%をこちらが掌握しています。 このまま当初のシナリオ通りに、ヤマト皇国の空母に対し、攻撃を続行します』 ピッ


「それで良い。 あと、転移門ゲートの準備はどうか?」


『はい、こちらの方はシナリオNo.2012とは別のシナリオにて進行中、シナリオNo.2012とは独立したアナザーシナリオ、No.2012/Aとして現在97%まで準備が完了。 発動まで今しばらくお待ちください』 ピッ


「うむ、裏アカを使い進めておいて正解だな、誰もまだ気づいておらん! 転移門ゲートは準備が整い次第実行、発動せよ! よいか ミッドガルド、これは絶対に失敗が許されんシナリオなのだ。 よいなッ!」 バサッ!


『了解です。 我が主人、創造神ジオス様』 ピッ


「ククク… いよいよだ。 アニスよ、女神ダイアナとユグドラシルを使って難を逃れようとしている様だがそうはいかん」 グッ


ブウウンンン ブウウンンン ピピピ


転移門ゲート発動まであと20分』 ピッ


「アニスよ、今回のシナリオNo.2012は特別でな、貴様がどう対処するかによって筋書きが変わるのだ。 そう、シナリオNo.2012は複数以上のシナリオが同時進行する特殊なシナリオ、私の力の大半を使う超特大の転移門ゲートも用意した。 それを使い、貴様に逃げ場のない状況の作り上げ、全てを一つの国ごと消し去る壮大なシナリオなのだ!」 バサッ!


ブウウンンン ブウウンンン ピピピ


転移門ゲート発動まであと18分』 ピッ


「今まで傍観者に徹していた女神ダイアナと偽世界統括システムのユグドラシルが、シナリオ2012に介入してきたのは計算外だったが、それはもうどうでも良い! 今回こそ、貴様の最後だッ! さあ、フィナーレといこうじゃないかアニスッ!」 バサッ!


ピ ピ ピ ピコピコ


転移門ゲート発動まであと16分』 ピッ

          ・

          ・

ー同時刻 第一機動艦隊旗艦 正規空母「ヒリュウ」前部甲板上ー


シュゴオオオオーーー グラッ グググ


第一機動艦隊旗艦 正規空母「ヒリュウ」は、敵艦隊から逃れるために速度を上げ、進路変更をし始めた。そのため、艦体は傾斜が25°と大きく傾き始めた。


「わあッ!」 ヨロ!


「「「 アニスさん(ちゃん)! 」」」 バッ


「よっと! ん、大丈夫、ふねが急に傾いたからよろけただけだよ」 トン ファサファサ


「だ、大丈夫って… さすがアニスちゃんね、この傾斜でよく真っ直ぐに立ってられるわ」 グッ


「はは、そうだねジェシカ… アラン、空母が回避行動に出たみたいだ」 グッ


「ああ、アレのせいだな… 上空から敵艦隊とブレードナイトがこっちに向かって急降下を始めたんだ」 ジイイ…


傾斜が激しい甲板上では、アラン達英雄の3人は両足で立っている事が出来ず、四つん這いに伏せて耐えていた。 だが、 アニスはそんな状況の中、平然と傾斜に関係なく立っていた。 そして、それはブレードナイトもそうであった。 


アニスによって再び動き出したブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」は、機体にある標準装備の電磁吸着装置とオートバランサーによって、「ヒリュウ」の甲板上に着座姿勢のまま、艦の傾きなど関係なく待機していた。 その足元に、同じように傾斜に耐えている井伊直政中佐がいた。 やがて正規空母「ヒリュウ」の進路変更が終わると同時に、艦の傾斜もなくなった。


ヒュウウウウ… ゴゴゴゴゴ… ドオオン… ドオオン…


「ん… 聞こえてるツルギ… そろそろかな、直政と準備してくれる?」  ファサファサ…


アニスは遥か上空で行われている空中戦や、こちらに向かって接近してくる反乱軍艦隊を見ながら、ブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」に話しかけた。


ヴオン! プシュユウウ…


『はいアニス様、了解いたしました仰せのままに… そこのライナー、直ちに私に機乗しなさい!』 ピッ


「なッ⁉︎ H001ッ! おまえッ!」 バッ


ヴオン、カシュン シュウウウ…


『貴方では少々物足りませんが仕方がりません。 この場に手空きのライナーは貴方だけ、アニス様のご命令とあらば貴方を臨時のライナーとします。 私が支援啓発いたしますので、速やかに機乗し戦闘準備をッ!』 ピッ


「どうしたんだH001ッ⁉︎」 ザッ


『臨時のライナー井伊直政中佐、私はH001ではありません。 私の名前はツルギ、ヤマト皇国国防軍 支援型艦上高速戦闘機「SHIDENKAI 33型D ツルギ」です』 ピッ


「ツルギだと? ではツルギ、俺はお前のマスター、井伊直政中佐だ! 忘れたのかッ⁉︎ なぜいつも通り、俺をマスターと呼ばないッ!」 バッ


ガシュン ビコ…


『マスター? 貴方が私のマスター? あり得ませんね、容認できません』 ピッ


「なんだとッ⁉︎ おいアニスッ! どういう事だよこれはッ⁉︎」 ザッ


「あ、あれえ? おかしいなあ」 あはは…


「ほらね、やっぱりこうなった。 私は知らないからね」 フリフリ


「はは… 僕らのブレードナイトとは随分と様子が違いますね… 何ですかあれ?」 う〜ん


「う〜ん… あッ! もしかしたら、この国の機体色が出たんじゃないかな? それとも井伊隊長の魔力が足りてない、もしくは隊長の性格が反映されてるとか?」


「「 それだ(よ)ッ! 」」 ババッ!


アトランティア帝国の英雄、アラン中尉の想像は正しかった。


「なッ 俺の魔力不足だとッ⁉︎」 ザッ


ピコ


『井伊直政ライナー、時間がありません早く準備を、敵がきます!』 ピッ


「くそ! 絶対に俺をマスターと認めさせてやるぜ!」 ザッ ダダ!


『マスターですか… 期待してますよ、臨時のライナー井伊直政中佐。 貴方の実力と能力が、アニス様によって生まれ変わった私に相応しいかどうか、私を完璧に使いこなせるかどうか、私の正規搭乗員マスターとして相応しいのかどうか、試して観てみましょう』 ブン!


「ふん! 言うじゃねえか『ツルギ』、早くハッチを開けろ!」 ザッ


ピッ バクンバクン プシュウウウウ…


「よし」 ザッ グイ


井伊直政中佐は、ブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」の操縦席内に入っていった。


ウィイイイイイイン カシュン ザ ドサ! バクンバクン カチャカチャ ピピ


「ふむ、座席周りは変わらんな、操縦系統起動に無線回線とメインモニターは… これか!」 カチ 


ブウウウン  パッ ヒュイイイン! ビビ ビビ ピピ ピコ!


「おおッ! すげええッ 全周囲モニターじゃないかッ!」 バッ


ブン


『早く起動操作を終わらせなさい、アニス様の敵が動きます』 ピッ


「分かってるよ! そう焦らすなせっかち野郎め!」 ピ タンタン カチカチ


新たに蘇っても長年乗り慣れた愛機である。 その起動準備を手慣れた手つきで、井伊直政中佐は準備を終えていった。


ヒュオン! ピ ピコピコ ブウウン ピピピ


『ふむ(さすがアニス様が指摘したライナーですね、手際がいい… これなら…)』 ピッ


プシュウウウ ブウウウウンン ヒイイイイイイーー


「アニス、そこにいると危ないぞ下がってくれ」 カチ ピ カチカチ ビコ!


「ん、頑張ってね直政… さてと、アラン、マイロ、ジェシカ」  ファサファサ


「「「 はい 」」」


「3人とも私の側に… ツルギたちの戦闘の邪魔になるからね、ここから少し離れようか」 ファサ


「「「 え? 」」」


「戦闘の邪魔って… アニスさん、敵はまだ遥か空の上、上空ですよ?」 サッ


「アランの言う通り、ここが戦場になるとは思いませんが…」


「ん? ツルギたちの相手はもうにここにいるよ?」


「「「 ここにいるッ⁉︎ 」」」 ババッ!


ヴオン、グワアアッ! ガコオオンン! ガコオオンン!


『アニス様、速やかに退避を、アレを処分します』 ピッ


「ん、ツルギ気を付けてね、今離れるから! じゃあみんな行こうか」 サ タタ… シュン!


「「「 はい! 」」」 タタタ… シュババ!


アニス達は速やかにその場から離れた。


ブウウン ピピ ピピ ピピ ガコオオンン! ガコオオンン!


「おいツルギ! アレとはなんだッ⁉︎ まさか敵かッ⁉︎ 敵がいるんだなッ⁉︎ どこだ⁉︎ どこに敵がいるッ⁉︎ 支援システムなら早く教えろッ!」 カチカチ キョロキョロ


ヴオン! ビコ!


『まったく、せっかちなライナーですね。 今表示します』 ピッ


ブウウウウンン  パッ ビコビコ! ピッ!


「こ、これはッ!」 グッ!


『はい、これがターゲットです』 ピッ


ビイビイビイビイ ビコビコ ビコビコ…



タタタタ シュンッ シュンッ ザ タタタ…


「ね、ねえアニスちゃん! 井伊隊長たちは何と戦うのッ⁉︎ 敵がすでにここにいるってどう言うことなのッ

⁉︎」 タタタ


ジェシカは前を走るアニスに問いかけた。


タタタタタ… クルッ ファサッ!


「ん?  ジェシカは直政たちの相手が誰か気が付いてないの?」 タタタ… ピタ… ザ  ファサファサ…


「ええ、私だけじゃなくアランとマイロもわからないの…」 タタタ ピタ ササアア…


「二人もそうなの?」


「「 ああ!(はい!) わかりません! 」」 コクン


「アニスちゃん教えて、相手はどこなの?」 ザッ


「ん、アレだよッ! アレが直政たちの相手なんだ!」 スッ!


「「「 アレ? 」」」 クルッ


アランとマイロ、ジェシカの3人は、アニスが指差した先を見た。


「「「 えええッ⁉︎ アレッ⁉︎ 」」」 ババッ!


「そう…… 高みの見物をするにはそこが一等席だよね? 私の最後が見たいんでしょ? 創造神ジオス!」 ニコ


ヴヴヴヴウウウン ヴオンッ! グワアアッ! ガシュンッ! ビン!


「「「「 ブレードナイト⁉︎(『REPPUUッ!』だとおッ⁉︎) 」」」」 ザッ


アニスが指差したそこには、勇者ヒカルが乗っ来て、正規空母「ヒリュウ」の甲板上に放置していた、ヤマト皇国国防軍 試作次期主力戦闘機、漆黒のブレードナイト「REPPUU 22型 G008」だった。 その無人のブレードナイト「REPPUU 22型 G008」が、ライナーも乗せずいきなり起動し立ち上がった。 


アトランティア帝国の3人の英雄とブレードナイト「SHIDENKAI 33型D ツルギ」の操縦席内にいた井伊直政中佐はそれを見て同時に叫んだ。


プシュウウウウウウウ…… ピ ピ ピ ヴオン!


『クククク… ああっははははははッ! やはりアニス、お前はなんでもありだなッ!』 ブン!


「やっぱりそこにいましたか… 」 ニコ  ファサファサ


「「「「 ブレードナイトが笑ったッ⁉︎ 」」」」 ババッ!


シュウウウウ… ヴオン ピピ ガシュン ビコ!


『騒ぐな人間ども! まったく騒々しい存在だ… アニスよ、なぜ私の居場所がわかった? 女神すら私の居場所が特定できず苦労しているのに、貴様と言う奴は全く理解ができん!』 ピッ


「ん? そんなの… ジオス、キミが勇者ヒカルに持たせた神剣を見たときに気が付いたよ」 サッ


『ふむ… 勇者ヒカルに持たせた神剣? 「エクスカリバー」のことかッ⁉︎ だがなぜそれで私の居場所がわかる? たかが神剣一本で意味がわからん。 一応その理由を聞いておこうか?』 ピッ


「ん? 気づいてないんだ…」


『どう言うことだ! さっさと答えろ! アニスッ!』 ギンッ!


「ん〜… ジオス、『エクスカリバー』は神剣じゃあない、アレは聖剣なんだ」


『なッ!』 ガシャ


「ジオス、キミはそんなことも知らずに勇者ヒカルに『エクスカリバー』を持たせた。 聖剣を神剣と言ってしまったのはおそらく、『エクスカリバー』に神であるキミの分身、精神体を宿らせたからかな?」 ん〜


『ちッ そんなことで綻びが生まれるとは… だがそれだけではあるまい、他にもあるはずだ!』 ブン


「ん? そうだねえ… その『エクスカリバー』よりもキミが今いる、そのブレードナイトの方が魔力… いや神力かな、それが大きかったからだね。 あと、その機体に私が『触りたくなかった』というのもあるからかな」 ニコ


『むうう…(我々神の神力は魔力と違い無色透明、感知認識もほぼできないもの… それを感知認識していると言うのか? しかも『触りたくなかった』か、本能か… 凄まじいほどの自己防衛本能が無意識に働くのだ、忌々しい奴め…)』 ブン


ピ ピ ピ ビコ


「ん〜… なあツルギ、あの『REPPUU」には誰かライナーが乗っているのか?」


『臨時のライナー井伊直政中佐、『REPPUU 22型 G008』には誰も乗っていません。 完全自動の無人ブレードナイトです』 ピッ


「そうか… 無人機なのだな、よくわからんが、『REPPUU』は敵でいいんだな?」 グッ! ピ ピ ピ


『そうです。 アレがアニス様の敵です。 速やかに排除します』 ピッ


「わかった」 カチカチ ピピ ヴオン ガシュンッ! ジャキッ!


『え? 井伊直政中佐! 待ッ…」 ピッ


「喰らえええッ!」 カチ


ヴオオオオオオオオオーーーッ! ドドドドドドドドドドッ! バババババババッ! バアアアーー!


「「 うわああッ! (きゃああッ!) 」」 ギュ! ババッ! ビュウウッ!


「ばッ! ここでッ⁉︎」 バッ! ビリビリ!


「うわッ! こ、こんな状況で撃つなあッ!」 バッ! ビリビリ!


「んッ! 《クリアッ!》」 サッ  パアアアアアンンンッ!


井伊直政中佐は、前方にいる試作次期主力戦闘機「REPPUU 22型 G008」に対して、いきなり主兵装の200mmインパクトカノンの引き金を引いて攻撃した。 退避していたとはいえ、まだ近くにはアニス達が居り、200mmインパクトカノンの射撃時における発射音と、その衝撃波は凄まじいものだった。


アニスはその衝撃波に対して防御魔法を瞬時に出して、自分と英雄の3人を発射音の騒音と衝撃波、200mmフォトン炸裂弾の殻薬莢からその身を守った。


シュババババババババババッ! ビュンビュン!


『ふん、これだから人間は度し難いのだ…』 グイイッ ギュッ!


ヴオン! ギュワアッ! バウウウウーーッ! シュバッ! ドドドドッ! ドオオン! ドオオン!


「なッ⁉︎ 躱したッ⁉︎ 速ええッ!」 バッ


『フッ! 試作とはいえ最新鋭機なのだよ人間、その程度の射撃、この機体の機動力を持ってすれば当たるはずなかろうに』 ブン シュバババッ! ガシュンッ! ヴオン! ピ ピ ピ


ガシュン シュウウウウ…… ガシャ!


「ちッ さすが我が軍の最新鋭機だぜ! この距離を躱すとは動きがいい!」 ギュウ!


『ククク… なんだあやつは、せっかくアニスに高性能機を与えられたと言うのに操縦者ライナーがこの程度の人間ではな、機体が泣くぞ? だが、少々目障りな存在だな、アニスの前に貴様を排除してやる!』 ピッ


ヴオン! ガシュンッ! ガシュンッ!


「なッ! ツルギ来るぞッ! もう一連射ッ!」 カチカチ ビココッ! バッ


ビイイイイイイーーーッ! ビイビイビイビイッ! ビイビイビイビイッ!


「わッ! こ、これはッ!」 バッ


井伊直政中佐がの乗る「SHIDENKAI 33型D ツルギ」の操縦席内が赤く明滅し、全周囲モニターの至る所に「警告」の文字が表れ点滅した。


『臨時ライナー井伊直政中佐ッ! 貴方は何を考えているのですかッ!』 ピッ


「何ってツルギ、あいつは敵なんだろ? だったら…」 あら?


『下にはアニス様たちが居られるんですよッ⁉︎ 』 ピッ


「あッ (やっべええ)」 チラ


井伊直政中佐は全周囲モニターの隅を見た。 そこにはアニス達4人の姿が映っていた。 その中にアニスがこちらに向かって何か文句を言っていた。


「………の バカち〜ん!…」 ジッ!


ピ ピ ピ


「はは… わ、悪いなアニス… でもよかったぜ、全員無事だったか…」 ふうう…


『アニス様とあの者達だったから無事だったんですよッ⁉︎ 普通であれば全員失神、もしくは鼓膜が破れ最悪、死に至るところですッ!』 ピッ


「ああ、ツルギすまん! 失念していた!」 サッ


『謝罪は結構! とにかく結果を出しなさい! この場での射撃系重装備兵器の使用はダメですよ』 ピッ


「くそ! 射撃がダメとなると、後はどれだああ…」 カチカチ ピコ ピ ピコ ピ


『まったく… フォトンソードとダークリッパー、防御にリフレクターシールドを起動します』 ピッ


「フォトン… ライトニングセイバーか、それは知っているがダークリッパーとリフレクターシールドとはなんだ? 俺は知らないぞ?」 バッ


『当たり前です。 アニス様が私専用に装備していただいた武器と防具です、有効に使いなさい』 ピッ


「アニスが? だが使用方法が…」


『すぐに覚えてください』 ピッ タタタタタタタタ…


「なッ はは… こいつは凄えええ…」 ギュ!


ヴォン! ガコオオンン ガシュンンン… ピ!


『ああ、人間よ、そろそろ準備はできたか?』 ピッ ニイイ…


「ああ、待たせたな『REPPUU』、仕切り直しだ!」 カチ


ブオン ビシュウウウウーー ブブン! ジジジジ


『ほう、ライトニングセイバーか、良いだろう相手してやる』 ブン!


ブオン ビシュウウウウーー ブブン! ジジジジ


ピ ピ ピ ピ ビコ!


「なあツルギ、本当は『REPPUU』には誰が乗ってる?」 ギュッ!


『……………』 ピポ


「ツルギ、どうした?」


『井伊直政中佐、再度申告します。 「REPPUU」にライナーは乗機していません』 ピッ


「… そうか、本当にライナーじゃ、人は乗ってねえんだな… じゃあ気兼ねなくやれそうだぜ!」 ニイッ


ガシュン ブブン! ジジジジ ザッ!


『「 行くぞおおッ! 」』 バッ!


バウウウウーーッ! シュバアアアーーーッ! バアアアーーー!


「んッ! みんな! もっと離れよう!《縮地ッ!》」 シュバッ!


「「「 はい!《縮地ッ!》 」」」 シュバババッ!


アニス達は、戦いの影響を受けないかなり離れた場所まで、高速移動術《縮地》を使ってその場から離れた。


『ククク、この場で消え去るがいい!』 ヴオン! シュバアアアアーーーッ!


バウウウーーッ! シュバアアアーーッ!


「はん! 消えるのは貴様だあ!『REPPUUッ!』」 シュゴオオオオーーーッ! ギュッ!


ギュワアアアアッ! バシイイイイイッッ! ドオオオオオオオオオンンンッ!


井伊直政中佐の支援型艦上戦闘機「SHIDENKAI 33型D ツルギ」と創造神ジオスが操るヤマト皇国国防軍 次期主力戦闘機「REPPUU 22型 G008」が正規空母「ヒリュウ」前部甲板上で近接戦闘を開始した。



遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

年末から最近まで、インフルエンザで倒れてました。

皆さんも気を付けてくださいね。


いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。


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