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第253話 共同迎撃

ーヤマト皇国「樹海」辺境 平原上空ー


ゴウンゴウンゴウン シュゴオオオオオーーッ! ゴゴゴゴ ピッ ピッ


シュバババババーーーッ!  ピッ ピッ


ヤマト皇国「樹海」辺境の平原上空を、ココル共和国方面に向け2隻のラウンドシップ、ヤマト皇国国防軍、一等級攻撃型駆逐艦「ユキカゼ」とアトランティア帝国大陸艦隊所属の強襲巡航艦「ライデン」が、艦隊単純陣の隊形をとって航行していた。



ー強襲巡航艦「ライデン」ー


ビーーッ! ビコッ!


「主砲ッ! 初弾命中ッ! 敵巡航艦に着弾ッ!」 ピッ!


「主砲、次弾装填開始ッ!」 ピココッ!


「ブレードナイト アルファー小隊 チャートNo.508 エリア073に転開ッ!」 ピピピッ!


カチカチ ビコ ビコ ピピピッ!


「敵ブレードナイト接近ッ! チャートNo.508 エリア072から073へ マークポイント12 高度2800 速度720ノット、アルファー小隊、迎撃を開始ッ!」 ピッ


ビーッ ビコ ボンッ!


「敵斥候前衛艦隊後方に大型の熱量を複数感知、敵本隊ですッ! チャートNo.508 エリア071 マークポイント11 イエロー66アルファ チャーリーッ! 高度1300 速度48ノット 距離85000 接近中ッ!」 ピコ


「敵斥候前衛艦隊、引き返しませんッ! チャートNo.508 エリア077 マークポイント5 コース633  高度1120 速度65ノット増速 距離73000 突っ込んできますッ!」 バッ!


強襲巡航艦「ライデン」の艦橋内では、様々な情報が飛び交っていた。


ザッ


「艦長、敵の斥候前衛艦隊の指揮官は引きませんね」 スッ


「ふむ、斥候前衛艦隊を任せられてるんだ、後方の本隊が追い着くまでの遅滞戦闘を目論んでいるんだろ!」 むう…


「確かに、旗艦の巡航艦が被弾しているにも関わらず転進しない… ではあの斥候前衛艦隊は…」


「おそらく、本隊到着までの囮、もしくは斥候前衛艦隊ではなく我々を探し、見付けるのが目的の索敵艦隊かもしれん」 むうう…


「なるほど、艦長の言う通りかもしれませんね」 ジイイ…


強襲巡航艦「ライデン」の艦橋内で、情報用大型パネルを睨みながら艦長のグレイ中佐と副長のシュトラウス大尉が敵艦隊の動きを見ていた。 彼らはいまだに、接近中のココル共和国の艦隊が完全自動無人艦隊だという事を知らなかった。



ーヤマト皇国「樹海」辺境 エリア073平原上空ー


ヒイイイイイイーーーッ バウウウウーーーッ! ピッ ピッ ピッ


アニス達が佐藤中尉達、黒装束の忍者と対峙していた頃、ここヤマト皇国の「樹海」辺境 エリア073平原上空を強襲巡航艦「ライデン」搭載のブレードナイト部隊、アルファー小隊の英雄、アラン中尉とマイロ中尉、ジェシカ中尉の3人が、今回急遽共同して友軍となったヤマト皇国国防軍、一等級攻撃型駆逐艦「ユキカゼ」搭載のブレードナイト坂本少尉の「ZERO 21型 212」と共に編隊を組んで飛んでいた。


ピッ ピッ ピコピコピコピコピコッ! ビビッ!


ピッ


『マスター 前方、急接近する敵ブレードナイトを確認しました、その数12機です』 ピッ


「これかッ! さて、まずは…」 グッ


ビーッ!


アルファー小隊のアランが自機の操縦席の前にあるメインパネルで敵編隊の情報を見ていた時、警報音が鳴った。


「うん? リーザどうした?」 サッ


ピッ 


『マスター、後方より接近する機体を確認、友軍機です』 ピッ


「友軍機?」 サッ


シュバアアアーーッ!


ピッ パッ!


『『ユキカゼ』ブレードナイト部隊の白井中尉だ、遅れてすまん』 ピッ


それは一等級攻撃型駆逐艦『ユキカゼ』のブレードナイト「ZERO 52型 202」の白井中尉だった。アラン中尉のブレードナイト「アウシュレッザD型F1R2 リーザ」 の操縦席前にあるメインパネルのサブ画面に、白井中尉の姿が映った。


「ヤマト皇国の駆逐艦『ユキカゼ』の白井中尉ですね、報告は受けてます」 ピッ


『ああ、よろしくな! で、君たちは…』 ピッ


「自分は、アトランティア帝国大陸艦隊、強襲巡航艦『ライデン』所属のアルファー小隊、2番機副隊長のアラン中尉です」 ピッ


『3番機のマイロ中尉です』 ピッ


『4番機のジェシカ中尉です』 ピッ


『ほう、3人とも若いな』 ピッ


「はい、自分たちはまだ学生なので、全員18歳です」 ピッ


『18ッ⁉︎ 学生か、その歳でもう中尉なのか… ははは… まいったなこりゃ…』 ピッ


白井中尉はアラン達3人があまりにも若く学生で、18という歳で階級が中尉という事に驚いていた。ヤマト皇国にも学生ブレードライナーは存在するが、それらは皆、慣熟操縦訓練中の者達ばかりで階級も准尉、実戦部隊に配属されて初めて少尉となるのだった。


この偽世界、階級や地位を上げるには、よほどの実績を上げなければ容易に上に階級や地位は上がれない、その事がわかっているからだった。


『白井中尉、気にしないでください。 今は共に戦う仲間です、気楽に行きませんか?』 ピッ


『そうですわ、中尉さん』 ピッ


『そうだな、これからよろしく頼むッ!』 ピッ


「『『 了解ですッ! 』』」 ピピッ! ササッ!


『隊長ッ!』 ピッ


『おう坂本、すまんな、そういう訳だ気を引き締めろよッ!』 ピッ


『了解しましたッ!』 ピッ


シュバアアアーー ヒュウウウウウーーーッ!


白井中尉のブレードナイト「ZERO 52型 202」が合流して、迎撃のブレードナイトは5機に、そして程なくして再び接近警報が鳴った。


ビーッ!


『マスター、更に後方より高速接近ッ! 隊長機です』 ピッ


シュバババッバババーーーッ! ビュンッ! ブオンッ! ゴオオオオーーッ!


「やっと追いついたぜッ!」 ピッ


『『『 隊長ッ! 』』』 ピッ


『うわッ!』 ババッ! ピッ


『中佐殿ッ!』 ピッ


最後に現れ合流したのは、レオハルト中佐のブレードナイト「アウシュレッザD型FARアウディ」だった。アラン達は、いつもの事で平気だったが、ヤマト皇国の白井中尉と坂本少尉は、いきなり現れたブレードナイトに驚いていた。


ヒイイイイイイーッ! バウウウウーーッ! ピッ ピッ ピッ


「さてと… アラン、状況はどうなってる?」 カチカチ タンタン ピッ


『はい隊長、敵ブレードナイト編隊が接近中、間も無く会敵します。 数は12、先程、そちらのヤマト皇国のブレードナイトが1機合流したところです』 ピッ


「ああ、ヤマト皇国国防軍の白井中尉だろ、仲良くしてくれ」 サッ ピッ


『『『 了解ですッ! 』』』 ピピッ!


『レオハルト中佐殿…』 ピッ


「ああ、白井中尉、敵機が近い、悪いが話は戦闘終了後にしよう、来るぞッ!」 ギュッ! ピッ


『はッ!』 ピッ


キラ キラッ!


遥か前方に、陽の光を反射する12の輝きが見えてきた。


ピッ


『Rog. レオン、敵機が間も無く射程内です』 ピッ


ピッ ビコビコッ!



ーココル共和国 斥候前衛艦隊ブレードナイト部隊ー


ヒイイイイイイーーッ ピッ ピッ ピッ ブンッ!


ピコ


『敵、人間ノブレードナイト部隊ヲ補足、総数6機ヲ確認』 ピッ


『タガガ6機、コチラハ倍ノ数ダガ、人間ドモハ常識ヲ知ラナイヨウダ、数ノ優劣ヲ無視スルナド、人間トハヤハリ愚カナ種族ナノダ』 ピッ


『ソウダ、ダカラ我等ガ主人、高位存在ノアノ御方ハ、人間ノ殲滅ヲ指示ナサレタノダ』 ピッ


ピピピ ビコビコ ピッ!


『間モ無ク射程圏内ニ突入スル、全機戦闘用意ッ!』 ピピッ!


『人間ドモヲ殲滅セヨッ!』 ピッ


『『『『『 了解 』』』』』 ピピピッ! ブオンッ!


ヒイイイイインンンッ! バウウウウーーッ! ブオオオオーッ!


ピコ ビーーッ!


12機のココル共和国国防軍、自律思考型無人ブレードナイト「グリフォスD/FAV7」は、全機が同じ思考で動き判断し、スラスターを全開にして、レオハルト中佐達6機のブレードナイト編隊に向かっていった。



ーヤマト皇国、アトランティア帝国共同迎撃ブレードナイト部隊ー


ピピピピ ビコッ! ビコビコ ビコビコ ビビ ピッ!


ココル共和国の自律思考型無人ブレードナイト部隊12機が高速で動き出したのを、ヤマト皇国とアトランティア帝国の共同迎撃ブレードナイト部隊となったレオハルト中佐のブレードナイト「アウシュレッザD型FARアウディ」の操縦席にあるメインモニターにその動きがしっかりと映し出されていた。


ポンッ!


『Rog. レオン、敵ブレードナイト部隊急速接近開始』 ピッ


「おうッ! 来た来た来たあッ! やるぞ!アウディッ!」 グイッ! 


『Rog. レオン、いつでもいいですよ』 ピッ


「よしッ! 共同迎撃部隊の全機に告げる! 敵機は12機だが、たいした事は無いッ!」 ピッ


『『『 はいッ! 』』』 コクンッ! ギュッ! ピピッ!


『えッ?』 ピッ


『レ、レオハルト中佐殿ッ! お言葉ですが敵の数は12機、我が方の倍の数です。流石にそれは…』 ピッ


レオハルト中佐の通信を受け、アラン中尉達英雄の3人は何事も無く返事をしたが、ヤマト皇国の白井中尉と坂本少尉の2人は唖然としていた。


「白井中尉、大丈夫だ、俺に任せろッ!」 ニッ! ピッ


『はあ…』


「さあて… マイロッ! 先制攻撃だッ! 奴らの鼻っ先にぶっ放せッ!」 ピッ


『了解ッ!』 ピッ


「マイロの攻撃後、俺とアランは全開突撃ッ! 高速戦闘モードで突っ込むッ! ジェシカと白井中尉、坂本少尉は近接戦闘で撃ち漏らした敵機の排除を頼むッ!」 ピッ


『了解です!』 ピッ


『『 はッ! 』』 ピピッ!


レオハルト中佐は的確に個々の能力にあった戦闘指示を下した。


ピピピピピ ビコッ!


『マスター、安全装置解除「イーグルスナイパー」目標を補足、自動追尾を開始。チャンバー内圧力上昇、APHE徹甲炸裂弾装填完了、いつでも撃てますわ』 ピッ


「う〜ん… サニー、これは完全なオーバーキルだよ」 ググッ!


ピピピピピ ビコビコッ!


『仕方ありませんわ、対艦用炸裂弾しか持って来ていませんですからね、我が儘はダメですよ』 ピッ


ピピピピピ ビコビコッ! ビコビコッ!


「我が儘って… はああ、仕方がない… 隊長ッ!撃ちますッ!」 カチッ! ピッ


ヒイイイイインンンッ! ドウウウウンンーーッ! シュバアアアーーッ!


マイロ中尉のブレードナイト「アウシュレッザD型R32 サニー」が装備する、長距離用スナイパーフォトンライフルが、対艦用徹甲弾、APHE徹甲炸裂弾を急速接近中の敵ブレードナイト部隊に向け発砲した。


「よしッ! アランッ! ついて来いッ!」 グイッ! ピッ


『はいッ! 隊長ッ! リーザッ! フルスロットルッ!』 グイッ! ヴオンッ!  


ピッ


『はいマスター、アフターバーナー全開ッ! フルスロットルッ!』 ピッ


ヒイイイイインンンッ! バッバウウウウウウウーーッ! シュバアアアーーッ!


ヒイイイイインンンーーッ! ピッ


「他の者は後続して迎撃、ジェシカッ! 臨機応変に対処ッ!」 ググッ! ピッ


『はい隊長、臨機応変ですね、了解しました』 ニコ ピッ


「おうッ!」 ピッ 


シュバッ! シュゴオオオオオーーッ! ドオオオオオオーーーッ…


『『 は? え? 』』 ピピッ!


ヒイイイイインンン  ピッ ピッ ピッ


レオハルト中佐とアラン中尉の2機のブレードナイト「アウシュレッザ」は、マイロの「イーグルスナイパー」の発砲と同時にスラスターを全開にして加速し、敵ブレードナイト部隊に向け、高速で飛んでいった。 いきなりの事で、白井中尉と坂本少尉の2人はその行動の速さに戸惑っていた。


「え〜ッと、白井中尉さん、近接戦闘準備ですよ準備、よろしいですか?」 ピッ


『あ… ああ、了解だッ! …ジェシカ中尉…』 カチカチ ピコ ピッ


「はい、なんですか?」 ピッ


『レオハルト中佐の… あなた方の部隊はいつもこんな感じなのか?』 ピッ


「あ〜… あはは、全部がこうじゃないですね、私たちの… レオン隊長のこの小隊だけが特別なんです、他とはちょっと違いますね、 さあッ! 隊長に続きますッ!」 ニコ グイッ! ピッ


ヒイイイイインンンッ! バウウウウウーーッ! シュバアアアアーーッ!


『了解だッ!行くぞ坂本ッ!』 グイッ! ピッ


『はいッ!』 グイッ! ピッ


ヒイイイイインンンッ! ババッバウウウウウウーーーッ! シュババババアアアーーッ!


ジェシカ中尉と白井中尉達は、レオハルト中佐達の後に続き、スラスターを全開にして飛んでいった。



ーココル共和国 斥候前衛艦隊ブレードナイト部隊ー


ヒイイイイインンンーーッ!


ビーーッ!


『敵編隊ガ発砲ッ!』 ピッ


『ナニッ⁉︎ ビイイイイイッ!』 ピッ ガシュンッ!


シュバアアアーーッ! ギュンッ!


『回避ッ!』 ピッビーッ!


ドゴオオッ! グシャアアッ! ドオオオオンンーーッ! ドガアアンンーーッ!


ビーッ! ビーッ!


『前方ヨリ敵フォトン弾ッ! 『グリフォス3』『グリフォス8』大破消滅 ロストッ!』 ピピッ!


ドゴオオオオオオオオーーーンンッ! ボウウウンンッ! ブワアアアーーッ!


それは、マイロ中尉のブレードナイト「アウシュレッザD型R32 サニー」が放った、「イーグルスナイパー」の対艦徹甲炸裂弾による攻撃だった。 艦艇の重装甲を貫き、内部を破壊する徹甲炸裂弾である、ブレードナイトの装甲など容易く貫き、射線上の2機は紙屑の様に破壊され、徹甲炸裂弾はそのまま地表まで落ちて爆発した。


『バカナッ! ブレードナイトヲアノ様ニ破壊スルフォトン弾ナド、記録サレテ無イッ!』 ピッ


『マタシテモ人間ドモノ秘匿兵器カッ!』 ピッ


2機のブレードナイトを一度に失ったココル共和国 斥候前衛艦隊のブレードナイト部隊はその破壊力に驚愕し、思考がうまく働いていなかった。


ビーーッ!


『敵機ダッ! 左舷上方ヨリブレードナイトガ2機ッ! 速イッ!』 ピッ ババッ!


ビッビイイイイイーーッ!


『『『『『『『『『 ナニッ⁉︎ 』』』』』』』』』 グリンッ! ババババッ! ピッ!


急接近するブレードナイトを発見したのは、同じ部隊の「グリフォス9」だった。その情報は一瞬でその場にいた全てのブレードナイトに伝わり、「グリフォス9」を除く残り9機のブレードナイトが一斉に、同じ方向を見た。


シュゴオオオオオーーーッ! ヴオンッ! シュバアアアーーーッ!


「はっはああーーッ! 気づくのが遅せええぜーーッ!」 ギュウッ! 


『隊長ーーッ!』 ピッ


「おうッ! アランッ! 一撃離脱後反転ッ! ついて来いッ!」 ニイッ! グッ!


『了解ッ!』 ググッ! ピッ!


ギュワアアアアアアーーーッ! ピピピピピ ビコッ! ビコビコッ! ピッ!


『バカナッ! モウソコマデッ! 速スギルッ!』 ピッ ジャキッ!


『『『『『 射撃ッ! 射撃ッ! 射撃ッ! 』』』』』 ジャキジャキンッ! ピッ


ヴオオオオオオオーーーッ! シュバババババーーッ!


10機のブレードナイトが一斉に、急接近してくるレオハルト中佐とアラン中尉のブレードナイト「アウシュレッザ」に向けフォトンライフルを撃ち出した。 無数のフォトン弾が2人目掛けて飛んでいった。


ビービービーッ!


『Rog. レオン、フォトン弾が来ますよ、いけますか?』 ピッ


「わかってるぜッ! この程度の弾幕ッ!」 グイッ! グイッ! カチッ!


シュンッ!シュンッ! シュババッ! ババッ! チャキッ!


ヴオオオオオオーーーッ! シュバババババーーッ! シュンシュンシュンッ!


ビービービーッ! ピッ


『マスターッ! 敵弾が来ますッ!』 ピッ


ピピピピッ! ビコッ! ポンッ!


「ああ、大丈夫だよリーザ よく見えてるさ」 グイッ! グイッ! カチカチ ピッ!


シュンッ! シュンッ! シュババッ! ババッ! ジャキンッ!


ヴォムヴォムヴォムヴォムッ! ババババババーーッ! シュンシュンシュンッ!


無数のフォトン弾が襲いかかる中、レオハルト中佐とアラン中尉の2人は独自のランダム回避操縦でその全てを躱し、そんな中で反撃までをした。 レオハルト中佐はブレードナイト用120mmフォトンライフルを、アラン中尉は対艦用175mmフォトンカノンをまるで機銃のように撃ち出した。


レオハルト中佐に続きアラン中尉も、徐々に、神業に近い操縦技術を身につけ始めていた。


『ビイイイイイッ⁉︎ ナゼ当タラナイッ⁉︎ ナゼッ⁉︎』 ピッ


ビーーッ!


『敵ブレードナイト反撃ッ!』 ピピッ!


『散開セヨッ! 回避ッ! 回避ッ!』 ババッ! ピッ!


『『『『『 回避ッ! 回避ッ! 回避ッ! 』』』』』 ピピピッ! バババッ!


シュンシュンシュンッ! ドガガガッ! バンバンバンッ! ビキキッ!


ドガアアンンッ! ドオオンッ! ドゴオオンッ! バババアアーーッ! ボウンッ!


自律思考型無人ブレードナイト「グリフォスD/FAV7」の部隊は回避行動で隊列を乱し、被弾した4機があっという間に火だるまになって撃墜された。


ピピッ


『Rog. 敵機4機を撃墜確認ッ!』 ピッ


『マスター、4機の撃墜を確認しました』ピッ


「よっしゃーーッ! アランッ! 離脱だッ!」 グイッ! ギュウッ!


『はいッ! 隊長ッ!』 グイイッ! ギュウッ! ピッ


ヒイイイイインンンッ! バウウウウーーッ! シュバアアアーーーーッ!


シュンシュンッ! 


攻撃に成功した2機は、スラスターを全開にして、突撃した勢いのまま更に速度を上げ、その場を離脱していった。


『ビビビイッ! 人間メッ! 人間メエッ! 逃スナアッ! アレヲ落トセエエッ!』 ピッ ガシュンッ! 


ガシュガシュンッ! ピピッ! ヴオンッ!


撃墜を免れた6機が、レオハルト中佐達が離脱した方向を向いた時、更に追い討ちがかかった。


ビーーッ! ビコビコッ!


『後方ヨリ敵ブレードナイト3機ガ接近ッ!』 ピッ


『ムウウッ! 小癪ナ人間ドモメッ!』 グリンッ! バッ!


再び向きを変えた時、そこには3機のブレードナイトが推しかかってきた。


『ビイイイイイッ⁉︎ バカナッ!』 ピッ


ギュワアアアアアアーーッ! ピッ ピッ ピッ


ピッ


『マスター、至近距離です』 ピッ


「わかってますよ、レパート」 グイッ! カチカチ ピッ


ブオン ビシュウウウウーーッ! ブンブンッ! ヴオンッ!


ジェシカ中尉はブレードナイト用フォトンソード、ライトニングセイバーを起動し構えた。


『白井隊長ッ!』 ピッ


「坂本ッ! 短噴進弾発射ッ! 俺が援護する」 グイ カチカチ ピッ


シュババアアアーーッ! ガシュンッ! チャキッ! ヴオンッ! ピッ!


『了解です!』 カチカチ


ピッ


『マスター目標ヲ補足、87式誘導短噴進弾目標ヲ補足シマシタ』 ピッ!


「よしッ! 全弾発射ッ!」 カチッ!


シュバババババーーッ!  バババーーーッ! ピピピピピ!


坂本機から、対ブレードナイト用誘導噴進弾が4発全弾が発射され、それぞれが目標に向かって飛んでいった。


ピッ


『誘導弾ッ! コンナ物マデッ! 迎撃ッ!』 ピッ カシュンッ!


ヴオオオオオオオッ! シュバババババーーッ!


チュンチュンチュインッ! ドカアアンッ! ドオオオオンンッ!


『ビビイッ! 敵誘導弾接近ッ!』 ピッ シュバアアアーーーーッ!


シュッバアアアアーーーッ ピピピ ピコッ! ドゴオオオンンーーッ!


87式誘導短噴進弾は4発中3発が迎撃されたが、1発が迎撃を逃れ、1機の「グリフォスD/FAV7」に命中し撃墜してしまった。


ブワアアアッ! モクモクモク ババアアーー


ピッ


『爆発ノ衝撃波デ索敵センサーガッ!』 ジジジジ バリバリ ジジ…


間近で友軍機が噴進弾の被弾で爆発し、その影響で全てのセンサーが使い物にならない状況に落ちたその時、いきなり爆炎の中から1機のブレードナイトが姿を表した。


モクモク シュバッ! ヴオンッ!


『『 ビイイイイイーーッ⁉︎ ナニイイッ! 』』 ビビビッ!


「はあああッ!」 グイイッ! 


ビシュウウウウッ! ブウンッ! ジュバアアアアアーーーッ! ザンッ ザバアッ!


『ビイイイイイーーッ!』 ガクガクッ! ジジジッジジジッ!


『ピッ! ビビビッ‼︎ …』 ジジジッジジジ ビリビリッ!


ドオオオオオンンンーーッ! ドガアアアアアアンンンッ! バラバラバラ…


爆炎の中から現れたのは、ジェシカ中尉のブレードナイト「ウルグスパイアーD型SCレパート」だった。 坂本機から発射された誘導短噴進弾の爆発をものともせず突き進み、その近くにいた自律思考型無人ブレードナイト「グリフォスD/FAV7」に向かって、ライトニングセイバーで素早く振り抜き斬りつけた。その場にいた2機を一瞬で破壊してしまった。


『マスター、流石です2機撃墜を確認』 ピッ


「まだよッ!」 グッ! カチッ!


ヴオンッ! ジャキンッ! ヴオオオオオーーッ! シュバババババッ! 


ジェシカ中尉はすかさず、ブレードナイト「ウルグスパイアー」の装備、12.7mmフォトン機銃を構え、少し離れた場所にいた敵ブレードナイト「グリフォスD/FAV7」に向けて撃ち放った。


『ハッ 速イッ! 回避ガッ! ビイイイイイッ!』 バババッ!


ドカドカッ! ドドドドッ! ズバアアッ! ジジジジッ! ドオオオオンンッ!


ヒイイイイインンンッ! ヴオンッ! シュウウウ… ジャキンッ!


「これで3機ッ! あとは…… うん、大丈夫そうね」 ニコ


ジェシカ中尉はこの一瞬で、3機のブレードナイトを破壊撃墜してしまった。 その後、辺りを見渡すと、他の敵ブレードナイトもヤマト皇国国防軍の白井中尉に攻撃され、追われて逃げ惑っていた。 それを見て、ジェシカ中尉は笑みを浮かべていた。


シュバアアアーーーーッ! ピピピピピ ビコッ!


『白井中尉、目標を補足ッ!』 ピッ


「もらったあッ!」 カチッ!


ヴオオオオオオオオオオオーーーッ ドバッバババーーッ! シュドドドドドドッ!


『メーデーッ! メーデーッ! 上空制圧ハ不可能ッ! 我ガ方ノッ…』 ピッ


ガンガンガンガンッ! ドガアアッ! ドオオウウウンンッ! バアアアアーーッ!


白井中尉のブレードナイト「ZERO 52型 202」が装備する、200mmインパクトカノンが火を吹き、逃げ惑うブレードナイト「グリフォスD/FAV7」にその強力なフォトン炸裂弾が吸い込まれ、機体を穴だらけにして爆発し、炎を上げ墜落していった。


ピッ


『白井中尉、敵機の撃墜を確認しました』 ピッ


「よし、後1機いたはずだッ! どこだッ!」 グッ! 


ピッ ピッ ピッ グイン グイン ピポ


『反応がありません、既に逃走、もしくは反転帰還した模様です!』 ピッ


「ちッ 逃したかッ!」グッ!


白井中尉のブレードナイト「ZERO 52型 202」が進言した通り、編隊指揮官機の「グリフォス1」は乱戦攻撃中に地表へと降下し、ステルスモードで周りに溶け込み逃走を図っていた。


ピッ ピッ ピッ ブウウンン ユラユラ


ヒイイイイインンン….


『誤算ダッタ、人間ドモノブレードナイト部隊ガ、アノ様ニ動ケルトハ… ダガ記録ハ撮ッタ、コレヲ持チ帰レバ、我ラモアノ様ナ動キガ可能トナル。 コノ戦闘データーヲ早ク… 』 ピッ


シュバアアアーーーーッ!


『ナンダッ⁉︎』 ピッ


シュゴオオオオオーーッ!  ジャキンッ! ドオンッ! ピッ ピッ


ステルスモードで逃走中の「グリフォス1」の前方に、1機のブレードナイトがいきなり現れ、立ち塞がった。それに対して逃走中の「グリフォス1」は逆噴射で制動をかけ立ち止まった。


シュバッ! シュゴオオオオオーーッ! ブオンッ! ギイイインンッ!


ピッ


『Rej. そこまでにしていただこう、君はここまでだ』 ピッ ジャキッ!


『ビイイイイイッ! ナニイイッ⁉︎』 ピッ


そこに現れたのは、120mmフォトンライフルを構えた純白のブレードナイト「アウシュレッザ D型 FAR アウディ」だった。


「俺たちのデーターを盗ろうたってそうはいかないぜッ! そのデーターはここで破棄させてもらう! その機体ともどもな!」 ニイッ! グッ!


ブウウンン ブウウンン ピッ ピッ


『バカナ… ステルスモードガ役ニ立ッテナイダト? ドウヤッテコチラヲ…』 ピッ


未だに、ステルスモードでその姿が辺りの景色に溶け込んでいる状態で、なぜ存在がバレているのか分からない状態の「グリフォス1」の前に、更にもう1機そこに現れた。


シュバアアアーーーーッ! ジャキンッ! シュウウウ… ブオン!


『隊長ッ!』 ピッ


「おう、アラン、やっと来たか、遅かったな」 ニッ


『え! あッ! 敵機じゃないですかッ!』 グイッ! カチカチ ピッ


ギュワンッ! ジャキッ! ガシュンッ! ピッ!


アランもまた、前方にいるステルスモードの「グリフォス1」に気づき、175mmフォトンカノンを構えた。


ブワアアンッ! シュバッ! ガシュンッ! ピッ


『コウナレバ、強行突破スルノミッ!』 ピッ


ヒイイイイインンンッ! チリチリチリ ゴゴゴゴ


ピッ


『Lst. 無駄だ、君はもう逃げられない』 ピッ


ピコ


『我ガ主人、高位存在ノタメニッ!』 ピッ


ドバアアアアアアアアアーーーッ! ギュウウウウウンンーーーッ! ピッ


「アランッ! ぶっ放せええーッ!」 カチッ!


「はいッ!」 カチッ!


ヴオオオオオオオーーーーッ! ヴォムヴォムヴォムヴォムッ! シュバババババッ!


ドババババッ! ガンガンガンッ! ビシッ! バシッ バシイイッ! 


『ビイイイイイッ!』 ドガアアアアンンーーッ!


ボウンッ! メラメラ ガシャン… ボウボウ モクモク


最後の1機、「グリフォス1」は、無数のフォトン弾とフォトン炸裂弾を浴び、爆発四散して燃え上がっていった。


ジャキン シュウウウ…


ピッ


『Rog. 敵機の完全破壊を確認、データーは完全消去されました』 ピッ


「ふうう、危なかったぜ、あんなデーターを持ってかれたら大変な事になってたな」 スッ


『Rog. レオン、未然に防げてよかったですね、アレは簡単に渡していい物ではないですからね』 ピッ


「ああ全くだ」 グッ


パチパチ メラメラ ボウボウ ガシャ…


『隊長、『ライデン』から帰還信号、敵艦隊が突入して来ました』 ピッ


「わかった、行くぞッ!」 グイッ! 


『了解ッ!』 ピッ グイッ!


ヒイイイイイインンッ! シュバッバババババアアアアーーッ! ゴオオオオーーッ!


レオハルト中佐とアラン中尉の2機は、地表から再び上空へと飛び立っていった。



ー強襲巡航艦「ライデン」ー


ピッ ビコビコ ポン!


「レオハルト中佐のアルファー小隊を含む共同迎撃部隊、敵ブレードナイト部隊を迎撃、敵ブレードナイト部隊壊滅ッ!』 ピコピコ


「敵斥候前衛艦隊接近ッ! チャートNo.508 エリア073 方位0125から0127へ、距離65000 速度65ノット マークポイント5 オレンジアルファ  チャーリーッ!」 ババッ! カチカチ タンタン


「ブレードナイトを失っているんだ、決死の覚悟だな!」 むう…


「艦長、間も無く敵の射程圏内です!」 ピコピコ


ババッ!


「フォトンフィールド最大ッ! 機関全速ッ! 主砲発射用意ッ!」 ババッ!


「「「 アイサーッ! 」」」 ババッ!


「僚艦、駆逐艦『ユキカゼ』動きます、最大戦速前進ッ!』 ピコ!


「さあ、我々の出番だぞ副長」 ニイッ


「はい、行きましょうッ!」 バッ


「うむ、『ライデン』敵斥候前衛艦隊に向け突貫ッ!」 ババッ!


ヒイイイイイインンッ! ババウウウウウウウウウーーーーッ シュゴオオオオオーーッ!


ブレードナイト部隊をうしなった敵斥候前衛艦隊に向けて、ヤマト皇国国防軍の一等級攻撃型駆逐艦「ユキカゼ」と アトランティア帝国大陸艦隊所属の強襲巡航艦「ライデン」がスラスターを全開にして突進していった。





いつも読んでいただきありがとうございます。

次回もでき次第投稿します。

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